3月21日(続き)
最初の服は太り過ぎてズボンがきつい。
では、と思いついて引っ張り出したダブルのジャケットは何とかなったけど、あまりめかし込み過ぎて我乍ら恥ずかしい。却下。
どうする?
また思いついた。昨秋買ったまま一度も来てないバイク兵用のジャケット(復刻?)を着てみる。
防風のためかコックのコートも呆れるくらいボタンが一杯ついているデザインで、ボタンを全部留めたらあまりに軍装っぽい(軍装だから)。ロシアのウクライナ侵略問題が巷間大きな話題になっている中、これは顰蹙ものだろう。
けど、だからと言ってボタンをはずして着崩れた風で乗ると寒いかもしれない。ということでこれも却下。
最後にペアスロープのジャケット。「スーパーカブ」の主人公小熊が日常重宝しているジャケットの少し良いやつ。
同じバイク用とは言え、軍服と違って裾から風が入らぬようしっかりとしたゴムが縫い付けてあるライディングジャケット。
これなら無難だ。クルマだからライディングブーツを履く必要もないからここだけはデザートブーツ(これだけは選択ミスだった)。
「オープンカーなんて、爺さんが恥ずかしげもなくよく乗れるな」
「オープンカーにイケメン乗ってない定期」
「軽でオープンだってよwwww」
「セカンドカーならわかる。軽はない」
とか何とかいろいろ言われるが、爺さんでイケメンじゃなくって軽で、これしか持ってないんだけど???
大体がバイクに乗ってんだから、いつも全身風に晒して走ってんだ、恥ずかしいことも何ともない。そして容姿はどうにもならない。
だから、せめて恰好だけはちゃんとしなけりゃ、といつも思って乗ってきた。真夏でも長袖のジャケットを着るし、安全のためにくるぶしが隠れるブーツを履くし、グローブは必ずしているし。
ジャケットを着てなけりゃ日焼けで皮膚感覚が鈍くなり、操作の感覚が鈍くなる。ブーツやグローブが無かったらちょっとした打撲でバイク操作ができなくなる。
オープンカーはバイクと同じ。ブーツやグローブはなくとも、身体を風に晒し、衆目に身を晒して乗っている。ちゃんとした格好をしなけりゃ世間に失礼だ。
逆に車に乗らなかった昔、高速道路のサービスエリアでいつも思っていたこと。
「何で人前に出るのに、それも家族ぐるみで。よくもまあパジャマみたいなジャージー上下にサンダルで車から出て来られるなぁ。上海の朝、か?」
ミニバンの中は家の延長かもしれないけど、ドアの外は家じゃない。
下着一枚でオープンカーを運転する奴は、いない。(「一度でいいから素っ〇で乗ってみたい」という願望の有無は定かではないが)