中国海軍、三隻目の空母「福建」が進水式
電磁式カタパルト、運用は米軍でも難しいとされるのだが。。。。
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「江蘇」と命名される予定だった。突然「福建」となった中国の第三号空母。
そういえば二隻目の空母は「毛沢東」の筈だったのに、突然「山東」になった。遼寧、山東、そして三隻目が福建なら、たぶん次(もし、次があるとすれば)の空母は「江蘇」だろう。北から海軍基地のある地名をつけていく方針らしい。米軍の空母命名が歴代大統領か将軍(海軍提督)であるように。
6月17日、上海の造船所で空母「福建」の進水式がおこなわれた。
晴れ舞台というのに習近平の隣席はなく軍事委員会副主任の許基亮が祝辞を述べた。中国メディアの扱いも派手派手しさがなかった。
「福建」は8万トン、電磁式カタパルトで原子力駆動と言われる。だが、艦載機の機種、搭載可能員数などは不明。しかし米海軍とて電磁式カタパルト空母は運用に苦労している様子で、大量の電力が必要である。
通常、空母打撃群は早期警戒機が空を警戒し、海中には潜水艦がもぐり、駆逐艦、フリゲート艦、巡洋艦、補給船が空母のあとさきに随航する。
米国は空母十一隻体制、ロシアは旧ソ連時代に九隻の空母を就航させたが、いずれも役に立たずお払い箱。最後の一隻はウクライナに置き去りにしていた。その鉄の塊をカジノホテルにするなどと嘯いてウクライナから購入し、遼寧省大連まで運んで電気、信号系統などの艤装工事に十年をかけて、やっとこさデビューしたのが遼寧だった。
発着艦訓練で死亡事故が多発し、航行も五日が限界とされるが、公海にでて、訓練を繰り返してきた。
「宮崎正弘の国際情勢解題」
令和四年(2022)6月19日(日曜日)
通巻第7372号 より
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空母ワリャーグは昔のスキージャンプ型で、カタパルト(射出機)がないから、推進力が強大で軽量な機体の戦闘機しか発着できないんだ、とは聞いていた。
だからミサイル等の兵器を積載すると、重くて飛び上がれない。それに何しろ古い。加えて、セウォル号じゃないけど、相当無理な改造が施されている。
つまり初めから実用に耐えない船だったらしく、要はそれを完全コピーして新しく空母を作るための原寸大の模型、ということか(にしては高額だけど)。
で、それを基にそっくりな空母が作られた。それが「山東」。中国新幹線「和諧号」みたいなものかもしれない。
「福建」は違う。蒸気式を飛び越えて一気に電磁式カタパルトが三基らしい。いきなりの世界一、ということになる。
物知らずの当方にとっては不安ばかりが大きくなる。
「攻めてくるわけないだろ」と一笑に付されるんだろうけど、「元々、日本は我が国の属国だ」と、「虐待から在日中国人を護る軍事作戦を行う。決して『侵攻』ではない」と言い出さないとも限らない。
現に、それをやってる国があるし。