CubとSRと

ただの日記

幸せ二態

2022年06月29日 | 日々の暮らし
 6月19日(日)

 これはSRで出なきゃ、という天気。肯定的な意味合いではない。

 とてもじゃないけど、車で出たらオーブントースターに飛び込むようなもんだ。だからコペンで出るのは止める。
 もう一つ理由がある。ガソリンの値上がりが凄いことになっていて、ほんの数日前に159円から157円に下がったのでやれやれと思っていたら、いきなりの161円。高い燃料代出して、こんがり焼かれるなんてまっぴらだ。
 屋根を閉めて、ただでさえ小さい車内に閉じ込められて、エアコンをガンガンに効かせて小さくなって(元々小さいけど)乗るなんて。まっぴらの二乗だ。

 道の駅で生姜と椎茸を買うつもりで出た。
 ヘルメットを取り、マスクをしながら、隣のCB400SF(60前後?)の人としばらく喋っていた。
 少し離れたところに、まだハンドルカバーを着けたままで、大きなリアボックスをつけたハンターカブが置いてある。
 どんな人が乗っているんだろう、と辺りを見回したが、人影自体が見当たらない。

 買い物をして帰って来たら、持ち主らしい人がビニール袋を提げて戻ってきた。これまた60前後らしい。が、こちらは女性。
 夕ご飯の準備、にしては「ハンターカブ」は似合わない。第一、この女性、この暑いのにちゃんと長袖のジャケットを着ている。・・・ということは?
 
 一杯買い込んできたものを自身のショルダーバッグやリアボックスに「ああでもない、こうでもない」と、手が喋れたら言いそうなくらい色々工夫して詰め込んでいる。
 随分時間がかかっているのと、ハンターカブにフルフェイスのメットという組み合わせから、近所の奥さんが買い物に来た、というよりキャンプの買い出しに来たんじゃないかといった雰囲気。
 意外にソロキャンパーで、ネスタリゾート辺りでキャンプ?
 もしかしてグランピング、だったりして。

 
 ドラッグストアで牛乳などを買って帰途に就く。
 緩やかにカーブしたバイパスの前の方に見覚えのある車が見えた。コペン・ローブらしい。
 次の信号で追いつく。やはりこの暑さの中では滅多に見られない、屋根を開けて走っているコペンだった。(開けている確率10分の1。)
 
 うれしくなって「今日は暑いでしょう」と声を掛ける。
 乗っていたのはお揃いの黒覆面、の男女。勿論、夫婦で日焼け対策なんだろう。
 「私は今日はやめました」と続ける。
 考えてみれば、こっちもコペンに乗っている、なんて覆面夫婦が知ってるわけはない。
 で、帰ってきた返事は「バイクも暑いでしょう」と少々ずれたもの。
 覆面だけど、笑顔だったのは目と声色で分かった。
 いやいや、全開コペンよりバイクの方がはるかにマシだから。

 でも、夫婦揃って覆面して、この暑い中コペンに乗って笑顔で走っている、というのは何とも幸せそうだ。
 当然、この幸せそうな雰囲気は、彼と彼女の生活のごく一部なんだろうけど。経験したことのない者からすれば、つい、彼らの生活の大部分がこの幸せそうな雰囲気なんだろうと思われ、「リア充爆発しろ!」・・・な~んて。
 そんなことは思わない。
 この夫婦もまた60前後。いや、今どきの夫婦だ、案外70前後かも。


  
 
 
コメント
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