8月2日(火)
昨日はカブで買い物へ。
とにかく暑いので、カブで行って正解だった。全身に風を受けなけりゃやってられない。
買い物の目的はアーモンドバター。あとはついで。
数年前、いつも行く生協の催し物スペースで、近隣の道の駅等で売られている特産品を並べていることがあった。
その中にちょっと高いかな、と思ったけれど分量はそれなりにある「アーモンドバター」というそのままの商品名のパックがあった。
こんなにたくさんは要らない。もっと小さなパックはないのか、とそこにいた店員に聞く。
「この大きさのしかないんです。でも、これ、美味しいと評判ですよ。私は食べてないけど」
屈託のない笑顔で言われると、何を無責任な、と腹を立てる気には全くならない。
実は、この商品、テレビで見て知っていた。だから「えっ」と思って手に取って生産者名を見た上で、の質問だった。
姫路の駅前の普通の喫茶店で、店で出すトーストにこのアーモンドバターを塗って焼く。それが大変好評で、アーモンドバタートーストばかりが売れる。
これはたまらん、と店主はアーモンドバターづくりに専念せざるを得なくなり、店の営業時間を短縮したとか営業日を減らしたとか何とか。
焼いてから塗るのではなく、多めに塗って、それから焼く。焼いてから塗るとまあ、どうってことのない味なんだそうだ。説明にもそう書いてある(筈はない)。
買って帰ってやってみる。なるほど。細かく砕かれたアーモンドが再びバターと一緒に焼かれることでアーモンドの香ばしさが際立つらしい。
以降、すっかりファンになって、買いに行こうとするのだが、近所にはない。しょうがないから、それだけを買いに何度か大沢(おおぞう、と読む)の道の駅に行った。(店員はその道の駅から来ていた)
そうこうするうちに、東条の道の駅にも置いてあるのが分かり、ふらっと出た時についでに買って帰るように。
それが最近行くようになったひよどり台の農産品店にも置いてあるのが分かった。ただ、パッケージが違う。生産地は?と裏面を見ると姫路ではない。
「ついに偽物が!」と思ったけれど、能々見ると住所は姫路で、あの喫茶店主の名前も記載されている。アーモンドバター、どうもますます好調のようで、新たに工場を立て、そちらで大量に生産するようになったらしい。
いずれにしてもこれは便利。今後はここで買うことにする。
・・・・ということで、鵯台まで来た。
ついでの品物をいくつか買って、店を出る。
店を出て歩きながら、何か忘れているような気がしてレジ袋の中身を思い出そうとする。立ち止まって開けてみようなんてことはしない。忘れているのはいつもの鯛焼きか?いや、今日は買わない、と決めたはずだから。まだ気は変わってない。
・・・・肝腎のアーモンドバターを買うのを忘れていたことに気づいた。
良かった。カブまで十数歩。
引き返して改めてアーモンドバター一つ持ってレジに並ぶ。
例によって「あ~あ、何やってんだ」などとは全く思わない。
「走り出す前でよかった」
「ヘルメットホルダーのキーを回す前でよかった」
走り出してから「あっ」と思えば、その瞬間、走行に支障をきたす。これが一番危険だ。
以降、気にし続けるから、注意力が散漫になる。考えないように意識するのは簡単だが、不意に思い出してしまうものだから、気が抜けない。これも厄介だ。
ヘルメットホルダーを開錠すれば、また施錠をする煩雑さに「もういいや、買うのは次回にしよう」となって、後で「やっぱり買っときゃ良かった」と渋面を作る。
短時間に自分の行動を肯定的に捉えることができるようになった。
これぞ老人力。年の功。精神面の「功夫(カンフー)」。