こんにちは、ITエンジニア科の加藤です。
来週から後期が始まります。そろそろ通常モードに切り替えていきたいところですが、後期の準備がなかなか進まず、焦っている今日この頃です。こんな時は、気分を変えて基本情報技術者試験の過去問を解くことにしています。(冗談です…)
(基本情報技術者試験 令和元年秋問4)
IPAにすれば、「基本情報技術者として、当然、これくらいの数学は分かっているよね」といわんばかりの問題ですが、関数の極限を習っていない人には難しい問題だと思います。
ところで、この問題を見て、昔読んだ本を思い出しました。
「自然数の無限は、奇数(偶数)の無限の2倍」ではなくて、「奇数(偶数)の無限と自然数の無限は同じ」というのです。
n番目の自然数に対応する奇数は2n-1、偶数は2nです。これはnがいくら大きくなっても1対1で対応できるので、奇数(偶数)の無限と自然数の無限は、同じ大きさといえます。
数学的に言うと、「濃度」が同じということだそうです。
では、ついでに
「実数の無限と自然数の無限はどちらが大きいか?」
答は、実数の無限が大きいのですが、実数の無限(実数無限)は、自然数の無限(可算無限)の次なのか中間があるのか、という問題があります。
自然数の集合の大きさを数学者のカントールはℵ0(アレフ・ゼロ)と名付けました。
次に来るのが、自然数の集合の「全ての部分集合の集合」の大きさでℵ1と呼びます。
中間が存在せず、ℵ=ℵ1とする説を「連続体仮説」と呼びます。
この問題は「ヒルベルトの23の問題」の最初の問題として提示されました。
現在、連続体仮説は、証明も反証もできない命題であると証明されています。
数学は必ず命題に対して証明方法があると思っていましたが、証明ができない証明があるということを考えると、数学もなかなか面白いと思います。
ちなみに、過去問の答は「0」です。
参考文献:「不完全性定理とは何か」竹内薫 講談社ブルーバックス