ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

129回・なにわばなし かみなり亭~仁鶴一門会

2009-11-14 23:09:47 | 落語
私の、落語へのきっかけである、仁鶴師匠の一門会。
幼い時の、生まれた土地を訪れるような、ドキドキ感で、いっぱいだが。

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年季で入ったのか・雨模様の湿気の所為か、しわしわの表看板


どっしりとしたかみなり亭の舞台

谷六の四番出口を上ると、すぐそこが薬業年金会館。
会館の5階ヘ上ると、既に20名ぐらいの方がロビーでお待ち。
定刻の6時から受付開始、ゆったりとした間隔でお座布が置いてあり、
50名ぐらいかと思いきや、最終的には70名ぐらいか。

今日の、チラシを貰って、あらら、「狸茶屋」は、ねたのたねでは、仁智さんだったのに、仁扇さんに。
決して、仁扇さんがと言う訳ではないですが、あのネタを仁智さんが演れば
しっちゃかめっちっかで、さぞおもしろいと期待して来たのですが・・・。


一、笑福亭仁昇・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

出てくるなり、今日のネタは、珍しいですが、いたって短く。
本ネタだけやると、全員でも、一時間で終わってしまうので、チラシの紹介を。

まずは、年明け4日のご本人さんの、独演会。
仁鶴師匠が出演、繁昌亭には、できて3年高座で落語をしたのは一度だけ。
今回で二回目。お年も72才。次は75才とすれば、最後かも・・・。
貴重な高座になるので、是非、本日チケット購入をと・・売り込み。

それと、12月25日の仁鶴一門会、メンバーを見て、
仁鶴師匠以外で一人抜けていますが解りますかと・・・・・
解らず、帰ってから調べると・・・正解は仁幹さん、
そういえば上方落語家名鑑にも掲載無し。・・・何でや。

今年は、春先から病気になり入院、退院後も思うように喋れないのが続いたが
ようやく喋れるように・・・完全復帰を目指しての独演会・・よろしく。

「子ほめ」。絶好調ではないのか、次の台詞を思い出すというか、
テンポに乗りきれず、何も考えないアホが、考えてる間が、客席の笑いをこぼす。

でも、健康第一。笑いは百薬の長とか。
ご本人さんのリハリビ兼ねて、あちこちでの落語、たっぷりと期待してまっせ。


二、笑福亭仁嬌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「明石飛脚」

米朝上方落語選(立風書房)に載っていて、40年前に好きだった噺。
今、上方で演る人はまずいないらしい。

今日の目的の一つは、この噺を聴きたさに参加。
でも、この噺、正味は8分足らずか、まあプチ落語ですなと。

サゲは・・・、
「明石、ああ、走るより寝ている方が早かった」
で終わったと思うと、すぐさま次へ

次のサゲは・・・
野雪隠にしゃがむなり、懐の握り飯の包みを落とす・・・。
「ああ、近道しよった」

この飛脚が・・なんぼでも続きまんねんと・・・
最後は、うわばみのお腹の中を走り抜けて、思わずうわばみ
「しもた、褌しといたらよかった」

まあ、終わったと思ったら、続く、この噺の組立てがおもしろい。
でも、時折の噺っぷりに、師匠仁鶴さんの陰がちらちら。
それが、とっても、懐かしいでおましたな。

三、笑福亭仁扇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸茶屋」

今、これを演じるのは、可朝さんぐらい、貴重なネタですが、
色町の噺で、下ネタっぽい部分もでてくるので、女性、特に若い女性の方、お許しを。

まあ、これもネタ自体は、プチなので、
仁扇さんが、大和郡山で初めて先輩に連れて行かれた時の話しや・・
・・まるで「仁扇さんの、キタ・セクスアリス」もいれながら・・・・

随所に、こんな話して良いのやらと、何やらそういう処を説明すればするほど、
御自分が実際行ったようで、語るのも恥かしいという気持と戦いながらの高座。

「照らし」とか、「不見転(みずてん)」とか、もう少し業界(ギョウカイか)用語を
詳しく、教えて欲しかったですな。ミズテンものとよう言いますが、水物と思いきや
案外、語源はこんなとこに・・・・・・。

噺全体、あまり、いやらしく聞こえ無かったのは、仁扇さんの人柄か。

サゲは「お客さん、狸だっしゃろ」
「ええ、わいの大きいのん、誰に聞いたんや」

四、笑福亭仁福・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「黄金の大黒」

今は、仁鶴一門外で演るのは、雀三郎だけとか。
そういえば、この二、三年で聴いたのは、雀五郎さんと、文太師匠か。

この噺、仁福さん、おもしろいところが無くて、盛りあがりに欠けると。
でも、中学生の大昔、二鶴師匠の中でも、「向付け」とか「牛ほめ」とか
私のお気に入りの噺でした。

家賃の催促かと大騒ぎする長屋の連中、
おさきさんの「家賃て何です」、「いっぺんももうたことが無い」とか、

一枚の羽織を取り合いし、挨拶に行く時の「羽織トンネル開通式」
「こんにちは、。コンチハ、今日は・・・・アイスクリン」とか。

座敷に上がってから、当たっても無いのに、
一人芝居で崩れたといい寿司を食べるシーンなど
子供心に、おもしろかったんですな。

仁福さん「羽織トンネル開通式」とか、「アイスクリン」など
いまどき、笑わへんなと、言いながら演じておられましたが、
私は、その仁鶴師匠のギャグ的フレーズに、おかしみを感じてたんでしょうな。

四人をとおして、本人がいなくても、仁鶴師匠を懐かしめる立派な一門会。
時間的には、一時間半のプチでしたが、中身は「仁鶴色」で充実。
40年前に、タイムトリップした様に、懐かしさに浸った落語会でおました。



代129回・なにわばなし かみなり亭
2009年11月14日(土)午後6:30開演
薬業年金会館

一、笑福亭仁昇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
二、笑福亭仁嬌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「明石飛脚」
三、笑福亭仁扇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸茶屋」
四、笑福亭仁福・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「黄金の大黒」
コメント
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