ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

2010年・ごまめのBEST落語

2010-12-31 06:31:47 | 年間BEST・・・・
ついに、今年も、あと少しで終わり。

今年は、62公演、273の噺を聴きましたが、
後半は、立川流に興味がいき、談春、談四楼、生志さんとたて続けに聴く。

今年も若手の充実で、開口一番から、愉しめる落語会が増えて、めでたし、めでたし。

では、今年一年の中から、個人的な好みが大いに入った、BEST30・・・。

鶴二さん、梅團冶さんは贔屓だけに、どの演目もBEST入りするので、
今年も、噺家さん一演目にいたしました。

まあ単にごまめの、ひいき目と偏見と、お目溢しを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2010年・・BEST30


01・・・春團冶・・「代書」・・・・・・・・・01・06・・・完璧でありながら、柔らかさがある、名人芸。
02・・・松喬・・・・「お文さん」・・・・・・01・01・・・お店の情景がうかぶ、落語の世界どっぷり。
03・・・鶴志・・・・「平の陰」・・・・・・・01・18・・・笑福亭の「骨太」が味わいに、松鶴師匠が乗り移る。
04・・・さん喬・・「時そば」・・・・・・・・12・21・・・聴きなれた噺でも、味に深みがでる、名人芸。
05・・・雀松・・・・「猫の忠信」・・・・・03・06・・・よろしいな、悋気のおかみさんの「おとわ」さんが秀逸。
06・・・ざこば・・「子は鎹」・・・・・・・09・23・・・柿落としの大舞台の大トリの大役、大熱演でしたな。
07・・・雀々・・・・「代書」・・・・・・・・・09・26・・・「ポーン・・、でーす」「せいねんがっぴ」「留めぇ」、枝弱師匠そのまま。
08・・・鶴二・・・・「船弁慶」・・・・・・・08・21・・・「あぁ暑いのぉ」大阪のお松に、京都のお客様、びっくり。
09・・・千朝・・・・「蔵丁稚」・・・・・・・08・07・・・松之助師匠伝授のネタ。どこか、骨太感が残っている。好きだす。
10・・・こごろう「七段目」・・・・・・・・06・13・・・音曲噺も最高。しっかりした中に、漫画チックなおもしろさ満載。
11・・・梅團冶・・「佐々木裁き」・・・01・16・・・梅團冶の四郎吉は、怖いもの知らずで、憎めないかわいさがある。
12・・・生志・・・・「芝浜」・・・・・・・・・06・20・・・生志さんの人柄、伝わる。夫婦の「ありがとうよー」が、すべて。
13・・・文華・・・・「替り目」・・・・・・・06・19・・・「替り目」が一人酒盛状態に、酔いっぷり最高の文華さん。
14・・・米紫・・・・「佐々木裁き」・・・08・28・・・都んぼ時代より落ちついた感じの米紫さんの四郎吉。
15・・・文太・・・・「猫の災難」・・・・・02・20・・・文太さんあまり酒のみのイメージないが、実に上手。
16・・・染丸・・・・「掛け取り」・・・・・11・10・・・歌舞伎や浄瑠璃の芸事が発揮された格調高い高座。
17・・・談春・・・・「居残り佐平治」・09・19・・・佐平治の居直り、啖呵がかっこいい、ヨイショもまた良し。
18・・・仁智・・・・「ハードラック」・・03・20・・・一つぶで二度おいしい。何度聴いてもおもしろい、今や古典ですな。
19・・・吉坊・・・・「七段目」・・・・・・・10・11・・・山本能楽堂での落語。クーラーが効かぬ程の熱気ムンムン。
20・・・生喬・・・・「天王寺詣り」・・・01・09・・・風貌と相まって、ご利益のありそうな「天王寺詣り」。
21・・・銀瓶・・・・「胴乱の幸助」・・・01・20・・・銀瓶さん、淡麗で、辛口で、後味スッキリ。
22・・・松枝・・・・「らくだ」・・・・・・・・11・28・・・紙屑屋の酔態は、笑福亭のお手のもん。
23・・・米左・・・・「豊竹屋」・・・・・・・02・07・・・鳴物上手の米左さんの落語、渋いですな。
24・・・仁鶴・・・・「壺算」・・・・・・・・・04・28・・・大阪の街中の心地良い空気が流れる「壺算」ですな。
25・・・呂鶴・・・・「植木屋娘」・・・・・01・16・・・「ぼてれんじゃ、ぼてれんじゃ」のノー天気の大喜び。
26・・・三喬・・・・「熊の欲鷹」・・・・・01・09・・・サスペンス仕立て、筋立てが、三喬さん好みなんでしょうな。
27・・・竹林・・・・「みかん屋」・・・・・09・29・・・「みかん、みかん・・・どうでおますか」この売り声だけで、決まる。
28・・・かい枝・・「青菜」・・・・・・・・・07.10・・・大阪独特の夏暑苦しいさもさほど感じない、さわやか青菜。
29・・・喬若・・・・「ちりとてちん」・・05・11・・・食べる仕草に、趣きをおいた楽しい「ちりとてちん」
30・・・団朝・・・「短命」・・・・・・・・・・01・03・・・色っぽくなり過ぎなくて、宜しいな。


今年、一年、ごまめのいちょかみに、おつきあい頂きありがとうございました。
来年は、お正月の一心寺亭からが、笑い初めでおます。



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2010年・ごまめの本の少し・・BEST・15

2010-12-30 08:06:04 | 年間BEST・・・・


2010年・ごまめが読んだ中での、BEST15。

☆☆☆、星三つ以上、立川流の面々の本と、江戸落語に関する本が並ぶ。
普段生の高座を目にすることが少ない分、本に頼っているのか。
島田陽子さんと松浦弥太郎さんなどが、今年初めて出会った人たち。

まあ、これらの本は手元に置いて再び読むであろう本でおますな。


昭和の爆笑王 三遊亭歌笑
岡本 和明
新潮社

☆☆☆☆☆

①「昭和の爆笑王」、岡本和明・07・08・我が母の胸はミルクのタンクかな。歌笑「純情詩集」より。
②「雨ん中のらくだ」・・立川志らく・・・10・06・志らくによる密度の濃い落語論、談志論。
③「芸の狩人」、長部日出雄・・・07・04・江戸落語を生み、育てた五人の芸人たち。
④「人生成り行き・談志一代記」、談志・・12・14・談志が波乱万丈の人生を語り尽くす。
⑤「くちぶえサンドイッチ」、松浦弥太郎・08・15・おしゃれな日々の過ごし方、愛し方。
⑥「シャレのち曇り」、立川談四楼・・・05・04・落語を通して、人間のいきざま、悲しみを語る。
⑦「滝田ゆう落語劇場」、滝田ゆう・・・03・23・今年、江戸落語に興味が湧いた一冊。
⑧「私の履歴書」、桂米朝・・・03・16・志の高き米朝さんの「出会った人々」の履歴書。
⑨「街場の大阪論」、江弘穀・08.10・大阪という街には、どうしょうもなく滲みでてしまうものがある。
⑩「赤めだか」、立川談春・・・06・06・一昨年のエッセイ大賞受賞のベストセラーを今頃読む。
⑪「大阪ことばあそびうた」、島田陽子・09・14・・ごまめ、ごまめ、うれしい、ごまめ。
⑫「愛という言葉を口にできなかった二人のために」・沢木耕太郎・05・18・・言いたかった、でも言えなかった。
⑬「落語と私」、桂米朝・・・01・20・「芸人になった以上、末路哀れは、覚悟の前やで」
⑭「師匠」、立川談四楼・・・・04・04・・純情修行時代を、落語もできる作家が描く。
⑮「百人一酒」、俵万智子・・・12・07・・お酒が呑みたくなる本、自宅で「カンパイ」。


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今年最後のお笑い~中津寄席

2010-12-29 10:08:41 | 落語

淀川左岸中津寄席・・・・吉坊とナオユキさんのコンビに、春野恵子さん。
好きな方ばかりで、嬉しくなりますな。


商店街に唯一の灯り・・・この張り出したテントの中にも10名程のお客様。


ほんと狭い会場に、75名のお客様、寒いが肩を寄せ合い暖をとる。


一、春野恵子・・・・・・・・・・「樽屋おせん」・・・・曲師・・・一風亭初月

井原西鶴の「好色五人女」より「樽屋おせん」。
悲劇の主人公であるが、所詮「おせん」は悪い女。
内儀のお糸さん、やきもち妬きであったが、やはり同性として
やはり、「おせん」の魔性の部分を感じとってたのか。

でも、良妻であった、おせんが不義の疑惑をうけながら、
最後には、密通に及ぶのか、まあそこが「好色五人女」の所以か。

春野恵子さんの高座、美しく、それでいて、激しい女の情念が湧き出てくる
聴きごたえのある一席でおました。


二、ナオユキ・・・・・・・・・・「漫談」

ナオユキさん、足湯のごとく、ジワジワと温っかさが心地よい・・・。
小さな小屋の方が、呟きと想いが、顔の表情からこまやかに伝わる。

八割以上が、私にとっては初めてのネタ。
新作というより、原点帰りの様な、妙なゴツゴツさが、初々しく感じる。
常に、進化している、ナオユキさん、目指すところは、何処・・・・。

来年も、ナオユキさんから、目を離せないですな。


三、ナオユキ×恵子・・・・「対談」

ズバリ、ナオユキさんとのフリートークで、なぜ浪曲師に、
その受け答えに、素顔の恵子さんが見れて、ファンになる。

東大出の才女と思いきや、その東大も、相撲界に入りたくて、
スポーツ臨床学でもと、もぐり込む手段として勉強して東大へ入学。

そのあと、電波少年で一躍人気者になったが、なぜか、自分としては本意でなく
落込んでいた時に、落語、講談、と寄席に通ううちに、浪曲と出会う。

そして、春野百合子師匠に、丸坊主、女の子なのに丸坊主で押しかけ弟子志願でっせ。
その熱意というか、一途さに、先生も思わず、怖くなって許す。
何か、世の中の常識とは違った、一途さが天然キャラと相混じって、おもしろい。

天心爛漫さが、そのまま高座に、
普段見れない、恵子さんの自然が見れて、一気に、ファンになりましたな。


仲入り
三、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「不動坊」

季節柄の冬の噺でと、「利吉さん、居てるかいな」と、不動坊がはじまる。
今まで、たくさんの吉坊さんの噺を聴いたが、長屋ものは初めて・・・。
利吉の風呂屋での、内輪喧嘩の下稽古でも、吉坊の賢さが見え隠れする。

今年最後の高座は、吉坊さん。・・・・・・来年も追い駆けまっせ。

・・・・・・・・抽選会・・・・・・
金粉入りの吟醸酒、ビアカップ、温か保温機、石鹸、どん兵衛など商店街からの協賛品と
ナオユキさんのCD、恵子さんのボディケア品、吉坊の東京かわら版など景品多数。
はぼ、四人にひとりが当たる、楽しい、楽しい、抽選会。


抽選で頂いた、どん兵衛。・・今年最後の運は、年末ジャンボまで置いときたいもんですな。


これが、梅田から徒歩15分程度の距離にあるなんて、なんとも寂れた風情の商店街。


★お知らせ★
本日出演の3名が共演したテレビ番組が1月5日(木)深夜1時05分より、
関西テレビ{カキューン「ヘベロケ」}にて放送されます。
あと一人は松尾貴史さん、是非ご覧あれ・・・・。


第26回淀川左岸中津寄席・
2010年12月29日(水)開場17:30

一、春野恵子・・・・・・・・・・「樽屋おせん」
・・・・・・・・・・・・曲師・・・一風亭初月
二、ナオユキ・・・・・・・・・・「漫談」
三、ナオユキ×恵子・・・・「対談」
仲入り
三、桂吉坊・・・・・・・・・・・・「不動坊」
・・・・・・・・抽選会・・・・・・・

10-62-273


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文化庁芸術祭優秀賞受賞~笑福亭鶴二

2010-12-24 21:55:28 | 笑福亭鶴二
平成22年度(第65回)文化庁芸術祭受賞
・・・・・・・・大衆芸能部門・優秀賞・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・笑福亭鶴二・・・・・・・
・・・・「第13回笑福亭鶴二独演会」の成果。

おめでとうございます。
鶴二さんが、今年の文化庁芸術祭優秀賞を受賞されました。




「野ざらし」

文化庁では、広く一般に優れた芸術作品を鑑賞する機会を提供するとともに、
芸術の創造と発展を図り、我が国文化の向上と振興に資するため、昭和21年から
芸術祭を毎年実施しています。この度、平成22年度文化庁芸術祭賞を決定しました。

文化庁芸術祭のホームページを見ると、受賞理由が

「天性の明るさに安定感が備わり、落語のもつ笑いのバリエーションを存分に表現した。
「変り目」の酔態の中に見える夫婦愛や女房の健気さ、「野ざらし」では能天気な男の行動に
あきれる周りの人たちの模写、「遊山船」でのバカバカしいほどの滑稽な掛け合い、
それぞれを軽妙かつ的確に演じ、技量の確かさを感じさせた。」


「替り目」

凄いですな、・・・・・ファンの私たちが聞いても恥かしくなるぐらいの、ベタ誉め。
でも、鶴二さんの高座はいつも、明るく、楽しくて、この様に活躍が認められたのは
誠に嬉しいもんですな。

尚、今回、大衆芸能部門の受賞は次の六名の方々
大賞・・・・・・東 京太・ゆめ子
優秀賞・・・・桂小南冶、露の都、笑福亭鶴二
新人賞・・・・春風亭一之輔、旭堂南湖

贈呈式は、平成23年1月20日(木)午後4時から、ホテルニューオータニ大阪にて。




「遊山船」


近年の上方落語で゛の受賞者は

平成21年度(第64回)・・・・優秀賞・桂文我、新人賞・桂都んぼ
平成20年度(第63回)・・・・優秀賞・桂文華、新人賞・桂吉弥
平成19年度(第62回)・・・・大賞・笑福亭松喬、優秀賞・桂小春團冶、新人賞・桂歌之助
平成18年度(第61回)・・・・大賞・林家染丸、優秀賞・桂雀松、新人賞・桂まん我
平成17年度(第60回)・・・・優秀賞・笑福亭三喬、新人賞・(菊池まどか)
平成16年度(第59回)・・・・優秀賞・林家染二、新人賞・笑福亭たま
平成15年度(第64回)・・・・大賞・桂三枝、優秀賞・笑福亭仁智、新人賞・桂かい枝
平成14年度(第63回)・・・・優秀賞・桂あやめ、桂む雀

なかなかの顔ぶれですな。


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柳家さん喬ひとり会~「時そば」最高

2010-12-21 23:17:00 | 江戸落語
柳家さん喬ひとり会・・・・・暮の噺をたっぷり三席とか。
芝浜・・文七元結・・掛取り・富久・・尻餅・・なんぞが聴けるのか。
また、涙ぐんでしまうのでは・・・楽しみですな。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ゆったりめの満員御礼の100名のお客さま、着物姿の女性の方もちらほら。
年代層も高く、落ちついた雰囲気。


開口一番、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

名びらに喬介さんの文字、大師匠の松喬さん繋がりで、開口一番を務める。
でてくるなり、「落語はじめます」と、いつものパターンで、「道具屋」をスタートするが、
やはり、東京の大看板の独演会。多少は上手く演らねばという思いが、
いつもの、ハジケタ、アイドル的愛らしいさが欠ける。

たまには、緊張感ある喬介さんを見るのも良いもんですな。

一、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時そば」

初めての大阪でのひとり会、これだけ多くの方においでいただき、ありがとうございます。
「最初で、最後になるかも」と謙虚なお言葉、
結論から云うと、今回のお客様の満足度高く、必ず、第二回、三回と続きますな。

私の師匠は、五代目小さんですが、今は大名跡が次々継がれまして、小さん、文楽
円生はまだか。今の小さんあにさんにはとりあえず
「六代目のあにさん」と呼ぶのにも気を使うと・・・。

そして、師匠小さんとの、「食」に関する話から、「時そば」へ。
師匠の十八番だけに、直伝、期待をもって聴いたが、さすがの出来。

食べるしぐさが、リアリティ。一度に口にする量がリアリティ。
蕎麦の一本、一本までが見えてくるような、リアリティ。
特に、翌日、食べる、腰のないぐちゃぐちゃのそばの不味さ。

誇張が落語の基本と思いきや、自然体でも十分、笑いがとれる。
真打ちが演じる「時そば」、今日は、この一席でも価値あり・・・。


二、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「抜け雀」
「あまり、甘やかさないでくださいな」と、よっぽど暖かく好意的な良いお客さんに
囲まれたと思われたんでしょうな。・・・素直な感想を、ぽつり。

今、建築中のスカイツリーのハナシから、ご自分の実家もその近くで洋食屋を
やっているが、下町で、いたって欲が無く、周りの方々も、スカイツリーを
商売に結びつけようと気は一切ないみたい・・と親父のことをちらっと語りながら
「抜け雀」へ、結構、本題とマクラの関連性は、考えておられるみたい。

まあ、上方でもやる場合も、いたってかっちりと演られる方が多いだけに、
さん喬さんの「抜け雀」も、ふだんから聴いている感じ。

ただ、千両、二千両の音がついても、売らなかった宿屋の亭主が
「わしが戻るまで、決して売ってはならぬ」とおっしゃたのでと答える台詞。

こんな、些細な台詞の扱いが、細やかで心にくい。
サゲは「現に、親にカゴをカカセた。」


三、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「芝浜」

暮になると、クラッシク界では「第九」。江戸落語会では「芝浜」。お決まりか。

さん喬さん、三木助さんの夜明けの情景模写はあっさり。
「はぁ、いい色だなぁ・・・空色にもいろいろあらふぁな・・・
青色・・・橙色・・・白いところに・・どす黒いところ・・ああ、いい色だねぇ」
の紫色のグラデーションは一切なし、大明神とお天道様に手を合わせていると、
革財布、足に紐が絡むのではなく、見つけて手鉤でたぐりよせる。

ただ、芝の河岸は、朝夕の二回あったとか、。二回目に起こした時に、
風呂へ行って帰ってきて、ドンチャン騒ぎ。この説明で、
その日の時間の流が整理でき、納得。

一年後に、金坊という子供ができ、三年後の暮。
「おまえさん、怒らないで、最後まで、聞いておくれよ」で始まる山場。
大家から「そんなお金に手をつけたら、お前の亭主の手が後ろにまわるよ。
お金は私の方からお上の方へ・・・亭主には、どういうか、おまえが考えヨ」と、
「いっそ、夢であったら良かったのに・・・夢で・・・夢で」と女房の思いを話す。

あまり、しんみりなるのもかっこ悪いと、用心していたが、
今日は、さほど、ジーンとはこなかったので安心していたら
ありがとうのあとで、金坊をあやす、・・・グサリ、・・・さん喬さん
飛び道具の子供を使うなんてずるいですな。

今年は、夢の革財布もいれて、芝浜が、三人あっさり味の文太さんから、ほど良い生志さん、
そして、こってり味のさん喬さん、女房がどの程度、悩んでいたかで決まりますな。
亭主を更生させる、好きな男の為についた嘘、一年後に返ってきたお金を隠し、
大丈夫と見定めるまで・・・・三年長いでっせ。・・
私は、かわいさと未熟さの残る生志さんの女房が、一番好きですな。

これから、この「さん喬ひとり会」、年に数回、開催の予定。
今から、夏の噺・・・三席も楽しみですな。

柳家さん喬ひとり会
2010年12月21日(火)午後7:00開演
トリイホール

開口一番、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

一、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時そば」
二、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「抜け雀」
三、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「芝浜」

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トリックスターから、空へ

2010-12-19 07:49:04 | 本の少し
トリックスターから、空へ (新潮文庫)
太田 光
新潮社


トリックスターから、空へ・・・爆笑問題・太田光が、道化(トリックスター)として、色物として、世の中を見すえる。空へは、羽ばたきたいという作者の願望か。
前書きと後書きがすべてを語る・・・何が言いたいのか、解るようで、よく解らない。・・・・・いや、理解できない。
当時の小泉政権に不満、テロに対する不満、日本という国に対する不満、歴史感に対する不満、アメリカに対する不満、大きなモノ、力のあるモノには、屈しないという作者独自の反骨精神がくどいぐらい繰り返される。

目立つ為には、一般の者とは違う事を言わなければ、違う発想をしなければ、受けないという。芸人のネタづくりで得た発想法がそのまま、呟き、不満になった様な本。

ライブドアの堀江氏は、「価値を取り損ねた人」といい、発想はそれ自身が価値あるもので、例えばその本がベストセラーになって、莫大なる財産を築いたとしても、本当の価値はその著者の発想であり、その人の脳の中にあり続けることだと、金ではないと・・・・作者が、今月、小説を発表したが、ベストセラーになった時、中身に価値あると断言できるのか。

あらゆることに興味を持ち考えるということは、大事なこととは思うが、すべてのことにまずは疑ってからではの発想は如何なものか、そこが私と一番違うところか。・・・・商売には醍醐味がある。金を回して増やすことは、商売人として快感である。しかし、経済には人格がある。その人格を親しみやすいものにすることが、プロの腕だと。

「騙さないよ」と云いながら、常に騙す事を考えている、詐欺師の匂いを感じるのは、私だけか。

まずは、読んで、考えるというだけで、元はとれる本ですが。

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父の縁側、私の書斉

2010-12-18 11:04:14 | 本の少し
今日は、繁昌亭朝席は鶴二さん、昼は宵酔落語会、夜は田辺寄席の雀三郎さんに、
鶴二さんの、松葉おそばの会と、どれに行こうかと贅沢に悩んでいたら、週の半ばから
風邪で声がでず・・・・・医者に行ったが、幸いインフルエンザでも、ノロウィルスでも、なさそうだが、
咳がとまらず辛い・・・・・・・今日は、家の中で、読みっぱなしの本の整理を、・・・・・・・・。

父の縁側、私の書斎 (新潮文庫)
檀 ふみ
新潮社

☆☆

壇ふみさん、独自の本は初めてか、(いつも阿川さんとの共作)。
ほんわかとして、自慢気なところがなく、育ちの良さが感じられる。

「父の縁側、私の書斎」として、作家の家、本であふれている家・・
私の憧れの暮らしが語られる。・・
土間とか、縁側とか、犬も猫も自由に家の外も内も行き来ができた時代。
(我家の猫は、過保護で一度も一人で、家の外に出たことがありません。)
広々とした、人の自然な動きに合わせた平屋の家の良さが、存分に味あえる。

この本に、感化されて、滅多に帰って来ない息子の部屋のベットを処分。
そこへ、2階のプチリビングの机を移動、書斎っぽくしてみようと考えてますが。
居心地の良い空間をつくるには、さら、座り心地の良い椅子が、欲しくなりますな。

でも、何処へでも、パソコン持って移動できるようになってから、今、このブログも、
一階の食卓で音楽聴きながら、書いていますように、まあ、書斎と言いながら
座る事もない、単なる本置場になりそうですな。

まあ、この本は、家のあるべき姿、生活者が活動しやすい住まいとは、何か。
新築、改築、模様替え、しようとする人には、たくさんのヒントが詰まっています。


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人間談志がますます好きになる~人生、成り行き

2010-12-14 00:00:26 | 本の少し
人生、成り行き―談志一代記 (新潮文庫)
立川 談志,吉川 潮
新潮社

☆☆☆

噺家としての立川談志と、一人の人間としての松岡克由の二人が垣間見れる。

談志さんの本は、時として、くどく、それでいて話はアチラコチラに飛びながら、
強く言いすぎたところは自己制御し、緩急の噺っぷりに、疲れる時がある。

今回、この本は吉川潮さんが、ナビゲーターと、核心に触れながら、
こと細かに、それでいて、小よし、小ゑん、談志と順序だてて、紹介している。

その時、その時、時代の寵児を目指しながら、常にライバル、目標をおきながら、
各ステージを生き抜いてきた。

今のライバルは、我弟子の、志の輔、談春、志らくであり、己のDNAを引き継がれ
誇らしげでもあり、それでいて、我分身であるがゆえに、細部にわたる微妙なる優劣に
興味を示す。

そんな談志さんでも、勝負ならないのが、パートナーである妻の、則子さんである。

談志師匠のおかみさんというより、単なる松岡克由の妻だという態度。
「ノン子」さんと呼ばれ、自然体で、すべてが気持ち良い。

その師匠が書き留めた「ノン子語録」を列記すると、

・「 パパは一番大切。でも何もしてあげられない」

・師匠がひきつけを起こした時、なぜか真っ先にガスを止めた。
「地震じゃねぇや」と、突っ込んだのは、言うまでもない。

・「パチンコへ行こうかな、ひとり会へ行こうかな」。
パチンコと亭主の会を同列に考えている。

・競馬の八百長事件を知って、「馬がどうして、八百長できるの」
「騎手がやるんだよ」

・「お弟子さんが増えちゃって、顔も名前も覚えられないわ。
でも、お弟子さんは私の顔を覚えるのよね。」

・師匠が、冷蔵庫の掃除をしてたら、寝そべって眺めていた彼女が、
「そっちもやったら。あ、そこそこそこ」なんか言うから、「あ、君はよくないな
それは亭主を顎で使うって行為だよ」・・・・・「違うわ。アドバイスよ」。
うまい。掃除することが前提なら、これは不精だけどね、掃除しないというのが
前提ならアドバイスだよな。・・・・あの、談志師匠を手玉にとってしまう。

談志師匠にでてくる、女性像のかわいさのルーツはここに・・・。

家庭とは無縁のような、談志さんにも、自我を通すのを憚る伴侶がいるなんて、
まあ、奥さんの天然さは、聞いていても、ほっとしますな。

立川談志の弱味まで、知ることができる「人生、成り行き」、必読でおますな。



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東西交流落語まつり IN 徳徳亭

2010-12-12 10:18:55 | 落語

本日は、徳々亭で、東西の落語が、日頃聴けない江戸落語が・・・。


一階にある、盛り塩替りか、茹で卵が三つ供えてある。


いつもの、こじんまりの高座、東西の落語が聴けるのに、なんとお客様は20人弱。
落語ブームと云われながら、果たして本物なのか、もったいない。
まあ、落友のM子さんが居られたので、ほっとするが・・・・。


一、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」

師走の落語会、気を利かせて、もう新年の噺「正月丁稚」
定吉の噺の中に、大阪の商家の正月の雰囲気が漂う。

「大福(茶)や、茶碗の中に開く梅」の番頭さんの一句に、
新年の、めでたさを感じます・・あと20日で、新しい年を迎えるんですな。


二、柳家はん冶・・・・・・・・・・・「背なで老いてる唐獅子牡丹」

高齢者時代を背景にして、90才の組の親分が、シマを荒らされたと、
タマ(命)を取りに、立ち上がるが、若い衆が61才。
助っ人の銀さんを頼みに行くが、其の先は養老院。・・・・・、まさに高齢者社会です。
しまいに、老人ホーム対抗のカラオケ大会とか、そんな時代が来てるんですな。

創作なので、題は「背中でしなびた唐獅子牡丹」と思いきや、
あとで、聞くと「背なで老いてる唐獅子牡丹」、案外ええとこ、ついてましたな。


三、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥」

瀧川鯉昇の弟子、瀧川は、春風亭の一門で、春風亭がソニーとすれば、
その下請けの山田ネジ製作所みたいなもの。特徴は二つ、貧乏でいて酒飲みと。

噺は、いらち俥、東京では「反対俥」とか。鯉朝さん、声も大きく個性的。
上方では、箕面を越えて、天の橋立まで行く人もあるが、鯉朝さん、
なんと、北朝鮮まで、運んでくれる。

でも、凄さは、右に曲がれと言われた、真っ直ぐしか行けない俥屋は跳び上がって
向きを変える。横向きの鯉朝さん、又右へと、跳び上がって真後ろ向きに・・。

高座で、噺家さんの背中を見たのは初めて・・・。

そして、最後は、難易度高い、正面に向き返る180度回転。
今日は、足が痛いと言いながら、フィギィアの3回転のような、荒業に挑戦。

一度目は、170度ぐらいで、失敗。再挑戦で成功・・・凄い、肉体派。
上方は、240人、東京は600人弱の噺家さん、噺の数は変わらぬ為、
競争相手も多く、単に噺をするだけでは、十八番をつくるのも至難の業とみた。

そういう意味では、噺家さんの個性が勝負。
粋だけが、江戸落語と思っていた私には、衝撃的な高座でおましたな。


四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「お玉牛」

師匠春團冶さんと、春秋時代のエピソードをおもしろおかしく語る。
上方の協会に入るまで、他の者は3カ月か5カ月ぐらいなのが普通だが、
春秋さんの場合、一年九ヶ月かかった、周りの方が薦めても、師匠は
「こいつ、いつ、やめよるか解らんやろ」と、辛抱の一言ですな。

噺は「お玉牛」・・・言葉、一つ一つに師匠が表れる。
見かけはいまだに、一番遠い梅團冶さんですが、
春團冶さんの落語の、真なる継承者でおますな。


五、遊亭好太郎・・・・・・・・・・・「親子酒」

粋な喋っぷり。
マクラは考え落ちでピカソの絵とか、仕草落ちでサルの運転手とか。
既に上方でも、良く語られているハナシ。最初はどちら、いずれにしても共通なんですな。

噺は・「親子酒」・・・・、おやっさんが酒飲みたさに、嫁さんを美しいとか誉めて一杯飲むが、
何十年も連れ添っている亭主のそんな、みえすぎたべんちゃらに騙されるとは・・。
まあ、解っているけど、とりあえず騙されてやろうという方が、自然か・・。

でも、今日のお三人方の中では、一番期待したお江戸の粋さがありましたな。
この、東西交流落語会、来年も是非、続けていただきたい、企画でおますな。



東西交流落語まつり IN 徳徳亭
2010年12月12日(日)午後1:30
難波千日前 徳々亭

一、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・「正月丁稚」
二、柳家はん冶・・・・・・・・・・・「背なで老いてる唐獅子牡丹」
三、瀧川鯉朝・・・・・・・・・・・・・「反対俥」
仲入り
四、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・「お玉牛」
五、遊亭好太郎・・・・・・・・・・・「親子酒」

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稲田観音寺落語会の打ち上げ

2010-12-11 23:41:10 | 稲田観音落語会
稲田観音寺落語会・・・・第13回


私は、仕事の都合で、打上のみ参加なので、写真のみのレポート。


高座と金屏風、そして音響設備まで、落語会の為に購入。


今回で、鉄瓶さんレギュラーを卒業、ファン一同から
、記念の花束とヒルトンのディナー券の贈呈。
次回からは、喬介さんが引き継ぐ。


鶴二さんの実家の、打上げ会場の、みさを寿司(北巽駅すぐ)。


鶴二さん、お三味線の上村さんと、チラシ作成のSEIKOさん。


てっちりは美味。・・・・もちろん、てっさも、お寿司も美味しい。


わちゃわちゃと、楽しい打上げ。


写真提供して頂いた、いつもアツアツの西尾夫妻。


稲田観音寺のお住職さん。


鉄瓶さん、挟んで辻さん親子、よう似てますな。


真樹さんと井上さんと、お三味線の上村さん。


美味しい料理とお酒、そして楽しいお喋りで、おなかいっぱいの皆さん。


では、お開きで、帰りまひょか・・・・・・・・・・。




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酒が呑みたい~百人一酒

2010-12-07 05:59:08 | 本の少し
百人一酒 (文春文庫)
俵 万智
文藝春秋

☆☆☆


「サラダ記念日」の俵万智さんが、酒にまつわるエッセイというか、おいしいお酒を紹介。
読めば読むほど、酒が呑みたくなる、「百人一酒」。

気になったところをあげれば・・・・、

スペインでよく飲まれる、赤ワインにフルーツ果汁を加えての、サングリア。
昼間に飲む酒とお勧め・・・心地よい日差しの中で飲んでみたいですな。

焼酎のお湯割りは、まず先にお湯を入れ、あとから焼酎をいれる、
すると「、香りの立ち方が、まるで違う」と、ちょっとしたことで、
早速、試したくなります、まあ、焼酎はすぐ酔うんですけど・・・・・・・・・・。

燗酒に対する、日本人のこだわりについて、落語にでてくる、上燗とは、
「熱なし、ぬるなし、ころかげんで、上燗」では、その温度は・・いかほど。
人肌燗(35度前後)、ぬる燗(40度前後)、熱燗(50度前後)、
他に、日向燗(30度前後)、飛び切り燗(55度以上)、そして上燗(45度前後)
これほど、豊かな言葉があるなんて、文化ですな。
熱燗は、基本、苦手なんですが、この冬は一度呑んでみようかと・・・。

居酒屋で、海老や、イカの天ぷらを、アンチョビソースとピリ辛トマトソースで食べると
「イタリアの天ぷら」に変身、マッシュルームのニンニク焼きも、おすすめ、
ワインとの相性、抜群・・・・早速、作ってみなければ・・・・。

芝居楽しみの一つには、観終わったあとで、お酒を飲みつつ、あーだこーだと
語りあう時間だと・・・まあ、私が、この3年落語熱が続いているのも、落語のあとの
あーだこーだのおしゃべりが、楽しくてで、そういう面では、いたってこの頃、
一人での落語は、あまり気が進みませんようですな。

ギリシャワインでは、赤で「クーロス・ネメア・リザーブ」白で「レッチーナ・オブ・アッチィカ」
がお勧め・・・食後のデザートかわりに、甘めのシェリーをなめるのが、グー。
ミディアムなら、梅酒と同じぐらいの甘さ。そういえば、夏にギンギンに冷やして
風呂上りに、水で割って飲むドライシェリーも、大人の味がして良かったですな。

そして、中華料理には、ロゼがあうと、でも仲間からは「そんなん、常識じゃん」と、
ベトナム料理にもあうと、常識かどうか、一度味あってみなければ・・・・

この師走の12月、飲まなければならないお酒が多くて、忙しおますな。
血糖値、体重とニラメッコ、しながら、呑みたいですな・・・。


追加・・・、村上春さんの「またたび浴びたタマ」という回文の本がおもしろいと、
紹介されている・・・・この本、二週間ほど前に読んだとこ・・・
じゅつつなぎで、同じ感性ぇと、ちょっぴり嬉しくなる。

万智さんがつくった、酒に銘柄にちなんだ回文を・・ご本人の自信作とは

酔いごこちいい「いいちこ」濃いよ。

今酌んで今うまい「天狗舞」。

うまいな・・・きまってますな。

まあ、酒のみ方にお勧めの本、酒のアテに、ぴったりでおますで。



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久しぶりですな~繁昌亭昼席

2010-12-05 23:43:12 | 天満天神繁昌亭
今日は、久しぶりに奥様と繁昌亭へ・夜は娘も一緒に食事を楽しみました。


終演後の繁昌亭、染二さん、かい枝さん、仁勇さんのお見送りがありました。


松喬さん、染二さん、ナオユキさん、そして、かい枝さんの順に楽しかったでおます。


初めて、繁昌亭の碑、ゆっくり見ましたで。


一、桂三四郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

三四郎さん、高座への出が、暗く、楽屋で嫌なことがあったのか、こちらが気を使う。

携帯の注意事項の伝達のあと、即、「こんにちわ、ただの酒あるから・・・・」と
子ほめに入る、10分で、「どうみても、生まれてないみたいや」のサゲまでたどりつく。

急いでいるので、笑う間もなく、次へとどんどん進んでしまう、10分で落語をなんて、
前座さん・・・、繁昌亭の開口一番は、過酷な条件下で、難しい修行ですな。


二、桂福矢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「延陽伯」

福矢さんも、でてくるなり、「居てるか・・・」と、いきなり、即、噺へ。
つっけんどんで、一方通行的な口調は、いつもながらの福矢さんの味だが、
今日は、いつにも増して、マイペースで噺を進める。
福矢さんも、楽屋で嫌なことがあったのか・・・・。

繁昌亭では、前座はマクラをふることなく、即噺に入れと、協会からお達しがあったと、
小耳にはさんだことがあるが、即、噺に入るのは如何なものか、マクラとは、
噺家さんのキャラそのものが感じられて、客との、顔見せで、相互理解の時で
大事な作業と思うのだが・・・・・・。


三、桂わかば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「片棒」

わかばさん、ようやく、忙しいそぶり見せて・・・「そんな芸人に早くなりたい」との
いつものマクラを喋る。・・・噺もお得意の「片棒」。

雀松さんの「片棒」が好きなだけに、どこが違うのかと、考えながら聴く。
三人の息子の言葉に、喜怒哀楽する親父さんの顔が見えてこない。
元々、親父さんの台詞は少ないだけに、喋る息子の前に座る親父の喜び、怒り、
落胆の様子が・・・・・・落語って、奥が深く、やっかいなもんですな。


四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「スタンダップ・コメディ」

あのシュールなアコーディオンのテーマミュージックに乗って登場。
カウンターに座ってのあと、二つ目に、客の「頭で割って」のシャレに、
「どなたの・・。」とバーテンが答える・・大好きな最高傑作が登場。

あと、何すんのと、不安と期待が高まる・・
でも、酒の噺を中心に、新ネタ満載で楽しませてくれる。

今月の29日は、中津寄席に、ナオユキさん、吉坊さんと共に出番が、
今の処、これが、今年最後の落語会の予定でおますな。

五、笑福亭仁勇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「尿瓶の花活け」

絵と骨董のマクラから、「道具屋」か「はてな・・」かと思いきや
「尿瓶の花活け」渋い噺の選択でおますな。

尿瓶を買って帰った武士の元に、本屋が訪ねて来るとこまでは覚えているが、
あとは、記憶にない、失礼な事に、うとうとしていたのか・・・。

サゲは「割ったので、ションベンはできへん」だったか・・すべてうらおぼえでおますな。


六、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」

桂、それも、米朝一門と、笑福亭とは、まるっきりカラーが違うと。
何で、我一門は、酒を呑むと喧嘩早いのか・・お酒の噺か・。

オレオレ詐欺の撃退法の伝授から、年末で節季の払いが・・・
「おごろもち盗人」か「尻餅」と思いきや・・・「掛取り」でおました。

「狂歌」と「喧嘩早い」の、最初と最後の掛取り人が登場。
本来、間のあんこが楽しいのですが、餡なしでも、上品な味で旨い。

サゲのあと、「年の瀬の、借金取り撃退法」と言うたのは、
フルバージョンでない、「掛取り」への、松喬さんの遠慮ですかいな。

七、桂三象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三象踊り」

舞台で、三象さん、噛む噛む、でもそれが、味になる。
踊りになれば、結構真面目。・・・それまでが、おもしろい。

後ろの、ご夫婦の奥さん、今日、おもしろいのは、三象さんとナオユキさんと、
色物好みとは、・・・・まあ、空気を入れかえる、換気扇の役目、十分果たしていますな。


八、林家染二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」

米紫さんの更なるバージョンアップの様な、染二さんの「替り目」
元気さと、声の大きさに、眠気もぶっ飛ぶ。

でも、夜中にあんな声で話していたら、うるさくて、ほんま、近所迷惑ですな。
中国船の体当たりとか、時事ネタも入れながら、とにかくパワフル。

今月のトリイでの、染二、米二、鶴二、の「二の会」、三者三様の芸風の違ったお三方の会。
是非、お伺いしたい会ですが、平日の為、今だ決まらずでおます。


九、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ハル子とカズ子」

海外公演のハナシとか、奥さんのハナシなど、次々繰りだすマクラのオンパレード。
でも、私はあの、「図書館の女の子」と「ピザパイ屋の女の子」のハナシが大好きで―す。

終わったあと、、嫁さん曰く「、今日のかい枝さん、落語せえへんかったな」
いや、今のがちゃんとした「ハル子とカズ子」という噺、でもマクラと噺の境目が
分からんかったようです。

かい枝さん、繁昌亭大賞、「創作賞」受賞、おめでとうございます。


十、桂小枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」

レポーターでは、ありません。
探偵でも、ありません。
不動産屋でも、ありません。
実は、落語家だったんです。

前の繁昌亭の時は、うだうだ噺で終わってしまったのだが、
ああ、今日は、トリだけに、落語をしてくれそう・・・。
「佐々木裁き」か、「猿後家」か、「悋気の独楽」か、まずは落語が聴きたい・・。

噺は「悋気の独楽」、全編、レポーター風というか、紙芝居というか、
筋立のご紹介で、落語を聴いたという気には・・・・。

十人十色の繁昌亭の昼席でおましたな。・・・このあと心斎橋で、娘と合流。
久し振りに外で、家族三人で、おいしいお酒を呑みました・・・で。


天満天神繁昌亭・昼席
2010年12月5日(日)午後1:00開演
天満天神繁昌亭

一、桂三四郎・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
二、桂福矢・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「延陽拍」
三、桂わかば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「片棒」
四、ナオユキ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「スタンダップ・コメディ」
五、笑福亭仁勇・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「尿瓶の花活け」
六、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」
仲入り
七、桂三象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「三象踊り」
八、林家染二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「替り目」
九、桂かい枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ハル子とカズ子」
十、桂小枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「悋気の独楽」


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お寺詣りに行きたくなる~ぶつぞう入門

2010-12-02 00:45:54 | 本の少し
ぶつぞう入門 (文春文庫)
柴門 ふみ
文藝春秋

☆☆

柴門ふみが、「オール讀物」に、サイモン流のぶつぞう入門の旅と称し、
奈良、京都、みちのくへの旅へと、足早に、ぶつぞうの姿を見るだけに走り回る。

文面は、東海林さだお風で、例えば、三十三間堂の1000体の観音像の中から、
摩和羅女像に注目、その姿は、内館牧子さんのドラマ「昔の男」の中で、
雨に濡れながら不倫の夫の帰りを待つ富田靖子に似ていると〈雨に濡れた富田靖子〉という
あだ名をつけてしまう。

東大寺の戎壇院の四天王の中で、多門天と広目天は、マリナーズの佐々木顔と言い、
増長天と持国天は、ぎょろ目の花紀京という。

すべての像を身近なものに置き換えるのは、印象づけて、自分の記憶にとどめホウホる方法とすれば、
最高の方法であり、読者にも、一見同じに見えるであろう仏像が個性的に見えてくる。

本当に似ているのか、確かめたくなる、各々のぶつぞうを訪ねて、
寺巡りしたくなる「ぶつぞう入門」・・・・

釈迦と弥勒菩薩、阿弥陀如来に薬師如来と、仏教の基本にも興味は広がっていく
ぶつぞう入門に、イコール、仏教入門に最適な本でおますな。

早速、この本にある仏像を見に、出かけるぞ・・・。



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