
夕方の浅草演芸ホール
凄い、喬太郎さんの落語。
狂気が入り混じった、デフォルメの世界。
一、三遊亭金時・・・・・・・・・・・・・・「町内の若い衆」
終わりかけに入ったが、ほぼ満席。
大きな荷物もあったので、端の席を探すが、なかなか見つからず。
その焦りの中で聞こえてきた、「町内の若い衆」。
そんなこんなで、金時さん、印象が薄くてごめんなさい。
二、川柳川柳・・・・・・・・・・・・・・・・「軍歌&ジャズ」
初めての川柳さんとの出会い。これを「ガーコン」と呼ぶのか・・・。
次におんなじ様な、歌謡ものまねが出るのでどうしようかといいながら、
戦前の童謡から戦中の軍歌、そして戦後のジャズへの歌謡史、
秀逸は立ってのトランペット、ドラム、ベースの口演奏、
見なければならないと思っていたものについに出会えた・・・・・。
教科書の作品に博物館でついに出会えた、そんな気持ちでおました。
三、丸山おさむ・・・・・・・・・・・・・・「ものまね」
林家正楽さんの代演。
陽水、千春、神田川の誰・・・ああ、こうせつ。
でてくる人は、古い、懐かしさはあるが似ているのか似ていないのか。
そういえば、小さい時みた、
子供ながらに似ているような似ていないような気がした
桜井長一郎さんを思いだしましたな。
四、三遊亭丈二・・・・・・・・・・・・・・「うだうだ」
丈二さん、白鳥さんの代演。
「出演者事故の為の代演は、ご了承下さい」とパンフレットありますが、
この場合の事故とは、怪我をしたとか病気をしたとかではなく、
心配なされずに、単にここよりも稼ぎの良い仕事が入っただけのこと・・・。
円丈さんの弟子で、真打になって今の“丈二”ですが、
そのまえは、“小田原丈”凄い芸名ですな。
小田原から仕事がきて、どちらの出身ですかと聞かれて、
川崎と答えるのが辛かったと・・・・。
落語を期待していた私ですが、こんな舞台も寄席の良さですな・・・。
五、古今亭志ん輔・・・・・・・・・・・・「強情灸」
じっくりと、強情灸を・・・もぐさに火をつけて悶えだすと、
顔が真っ赤に、息を呑んで前の女性が凄いと・・・。
ようやく、江戸の寄席にきた気分、さすがの一席でおます。
六、昭和のいる・こいる・・・・・・・「漫才」
のいる・こいるさんの舞台。
今日は、エンジンのかかり具合が悪いいのか
いつものトップに入るのかと思うとまたセカンド辺りにシフトダウン。
どちらかというと、ツッコミの方の歯切れの悪さが、一因か。
まあ、こんな不調な舞台に出会えるのも、寄席の良さでおます。
七、三遊亭歌之介・・・・・・・・・・・・「龍馬伝」
二度目の“龍馬伝”、何度聴いてもおもしろおます。
鹿児島のおばあさんや長嶋監督、原真樹さんに呂選手。
得意の笑いのオンパレード・・・・。
何度聞いてもおもしろい、“龍馬伝”、は歌之介の古典だ。
八、柳家喬之助・・・・・・・・・・・・・・「堀之内」
大阪でいう、“いらちの愛宕詣り”。
はじける感じが少なく、喜六というより与太郎。
せっかちではなく、ゆったりと抜けている。
東京の味なのか、それとも師匠のさん喬さんの影響なのか。
語り草になっているオートバイも登場する、
鶴瓶さんの、“いらちの愛宕詣り”聞いてみたいもんだ。
九、ダーク広和・・・・・・・・・・・・・・「マジック」
金刺繍の豪華な袴姿で登場。
江戸古来の手品を披露と、手作りの箱と紅白の紐二本の芸。
簡素でシンプル、ゆえにしかけが無いように・・・・・
技術だけでの芸と人柄も含めての素朴な高座に好印象でおました。
十、三遊亭歌司・・・・・・・・・・・・・・「うだうだ」
妹弟子の歌る多さんの代演。
師匠は歌奴(今の円歌)。歌奴に弟子入りする前に憧れていたのは、三平師匠。
三平師匠のエピソードを語る、憧れてただけあって、ものまね調でそっくり。
でも、顔を見ているとどこか師匠の円歌さんの雰囲気がちらり。
お二人のええとこどりしている様な歌司さん、古典はどんな味なのか興味ありますな。
十一、三遊亭小団治・・・・・・・・・・「大安売り」
はたまた、小燕枝さんの代演。
落語が聴きたいと思っていると、お相撲さんで「勝ったり負けたり」
後ろの出番ながらでも、こんな軽い噺を・・・・・
でも三日目辺りまでは笑いも少なかったが中盤からは笑いが増幅・・・
真打級が語る「大安売り」おもしろおましたで・・・。
十二、のだゆき・・・・・・・・・・・・・・「音楽パフォーーマンス」
心の中では大声で「待ってました」の、のだゆきさんの登場。
前回の出会いでノックアウトされた芸人さん。
大好き、喋りといい、音楽性の高さといい、今一番のお奨めの“いろもん”さん。
名ビラを指さしながら、「決して、柏のバス行き先案内ではありません」ではじまり。
ピアニカで、救急車からコンビニの出入り音まで、そして頭で鍵盤を押し、
最後にはあごで弾く。痛そう、うまい、もうやめて・・・。
リコーダーを二本取りだしての、同時演奏。
そのまえに、何を演奏しようかと悩んでいるのだゆきさん、
可愛くて色っぽい。
基礎に裏付けされた芸は、すべてに余裕があって自然な笑いを生みますな。
大阪ではナオユキさん、東京ではのだゆきさん、一にも二にもお薦めでおます。
十三、林家正雀・・・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」
えぇ、私が入ってから五人目の代演。(元々の方は扇遊さん)
東京の寄席ってこんなに頻繁に入れ替わるの・・・当日替らないと確約できるのは主任だけか。
実云うと、大阪で聴く「豊竹屋」の方が、浄瑠璃に馴染んでいるせいか、
こんな人もほんそばに居そうで、しっとりとくる。
でも、小団治さんに、正雀さん、江戸の古典が聴けて大満足。
トリノ喬太郎さんを聴いた後には、更に際立ちましたな。
十四、鏡味仙三郎社中・・・・・・・・「太神楽曲芸」
鏡味仙三郎、仙志郎親子の太神楽曲芸。
仙志郎さんの三段乗せ(こんな表現でわかるのか)から、
最後はだるま落しのごとく中抜き。(こんな表現でわかるのか)
お父さん、いや師匠に替って土瓶廻しを(こんな表現でわかるのか)
一番最後は、ジャグリン(合っているのか)で天笠を投げあう。
こんな表現でほんまわかるのか・・太神楽曲芸てなもの、百聞は一見の芸でおますな。
十五、柳家喬太郎・・・・・・・・・・・・「ハンバーグのできるまで」
凄い、最高におもしろい。
登場人物がデフォルメされているが、そのキャラの設定がユニークで
全員活き活きしていて個性的。
その全員で織りなす、一大喜劇。
離婚してやもめでパソコンおたくの主人公、
商店街で買い物するが、肉屋ではあいびきのひき肉300g、
八百屋では玉ねぎ、ブロッコリと大嫌いのにんじんを、
スーパーに寄ってデミグラスソースなどの食材を買う。
普段マルシンかイシイのハンバーグしか食べた事のないのに、
冥途の土産に手作りハンバーグを作ろうと自殺するに違いない・・・と
商店街の人が心配して家を覗きにくる。
そこには別れた女房がきてハンバーグを作ろうと、、、
久しぶりの出会いに感激、よりをもどそうという主人公に
元女房は、結婚するの・・・・・・実は他の人と。、
肉屋では、合挽きのことを肉屋の符牒で“デイト”というとか、
八百屋では、包装紙はどれにします、種類は“朝日”“産経”“読売”
など、随所におもしろギャグが満載・・・・凄い。
まるで、吉本新喜劇を一人で演じているような、充実感たっぷりの一席。
早いうちに、喬太郎さんの他の創作落語も是非聴いてみたいもんですな。
持ち時間は短いけれど、ひとつの一大絵巻のごとく、
大満足の浅草での落語会でおました。
五月下席
2013年5月25日(土)
浅草演芸ホール
一、三遊亭金時・・・・・・・・・・・・・・「町内の若い衆」
二、川柳川柳・・・・・・・・・・・・・・・・「軍歌&ジャズ」
三、丸山おさむ・・・・・・・・・・・・・・「ものまね」
四、三遊亭丈二・・・・・・・・・・・・・・「うだうだ」
五、古今亭志ん輔・・・・・・・・・・・・「強情灸」
六、昭和のいる・こいる・・・・・・・「漫才」
七、三遊亭歌之介・・・・・・・・・・・・「龍馬伝」
仲入り
八、柳家喬之助・・・・・・・・・・・・・・「堀之内」
九、ダーク広和・・・・・・・・・・・・・・「マジック」
十、三遊亭歌司・・・・・・・・・・・・・・「うだうだ」
十一、三遊亭小団治・・・・・・・・・・「大安売り」
十二、のだゆき・・・・・・・・・・・・・・「音楽パフォーーマンス」
十三、林家正雀・・・・・・・・・・・・・・「豊竹屋」
十四、鏡味仙三郎社中・・・・・・・・「曲芸」
十五、柳家喬太郎・・・・・・・・・・・・「ハンバーグのできるまで」
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