鶴瓶さんの出番で、会場は満員御礼状態。
開口0番・・・・桂文太・・・・・「ハ」の巻、「八度狸金玉仇討」
開演は、通常1:00からですが、今回お客様が多いので
12:00から開場、お客様が退屈してはと、その前に文太さん二回登場。
出囃子でも、演りますので、どなたのか当ててください。
最初は、枝雀師匠の「ひるまま」、これは私にもわかりましたな。
次は、あれーなんやったんかいなと思っている内に前の方から
六代目松鶴師匠と、そして曲名は「舟行き」と、凄いですな。
本番の開口一番は、「ハ」の巻で、「八度狸金玉仇討」、
狐が騙す狸が騙すということがありますが・・・「七度狐」があるなら
「八度狸」があってもと、確か本屋の前のワゴンで売っているCDの中に
上方艶笑噺として、文太さんのがあったような・・・その粗筋をちょいと紹介。
一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・「東の旅・発端」
ベ瓶さん、基本に戻っての「東の旅・発端」。
叩きを入れながら、上手に進んだが、途中で一カ所忘れたようだが、
そこは清八にツッコミをいれさして、客席の笑いに転化。
やはり、こういうのが、年季、腕のみせどころですな。
間違っても、詰まっても、いまや安定感抜群の、ベ瓶さんの高座でおました。
二、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
算盤はじく音が最高、指の動きと算盤の玉、そしてはじく音が気持ちいぐらい
ピッタリとはまって、この部分だけ見ても、鉄瓶さんの「おごろもち盗人」の
完成度がわかる。
ああそうか、この噺、節季の前の日の噺、年に何回節季があったか知りませんが、
やはり季節で分けると、冬の噺に入るんでしょうか。
そう言えば、泥棒、犬にしょんべんかけられる処なんか寒そうにしてましたな。
充実の、鉄瓶さんの「おごろもち盗人」でおました。
三、笑福亭達瓶・・・・・・・・・・「ちりとてちん」
めったに出会わない達瓶さん。
「ちりとてちん」を・・「チュルトゥチュチェン(不確かでおます)」と呼ばして、
音でも笑いを取ろうとするが、普通に演じても充分笑いのとれるネタなのに、
「チュルトゥチュチェン」と言うたびに、ギアが入ってないのにアクセルを
踏んだようで、居心地がいたって悪い。
でも、これほど題名を噺の中で、連呼する噺も少ないですな。
それほど「チュルトゥチュチェン」を意識させてくれた、
達瓶さんの「ちりとてちん」でおました。
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「長屋の傘」
六代目の想い出をマクラに。
内弟子(下のアパートから)時代の、失敗というよりイタズラの数々。
師匠が飼っている九官鳥の鼻に爪楊枝を差しこんだり、
卑猥な言葉を教えたり、ライターで師匠を火傷させたり、
それと、このまえ亡くなった弟弟子だった小松さんの思い出を。
噺は「長屋の傘」、鶴瓶さんの噺で私が一番聴いている演目。
でも、今日の六代目の師匠ちょっと元気が無かったようで
いつもの迫力なかったですな。
私落語では、好きなのは「青木先生」「オールウェイズ・・・・」「長屋の傘」の順ですかな。
五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」
三代目の「祝いのし」が頭にあるので、どこかしら違和感がある。
アホな喜六が、文太さんではどんどん賢くなっていくようで、
「のしに根本」のあたりでは、まともなおやっさんに・・・・・・・・。
でも、この形が、師匠の文枝さんの直伝なんでしょうな。
確か1987年 「第1回NHK新人演芸コンクール」最優秀賞の受賞の演目は
この「祝いのし」だったとか・・・・・。
六、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「山名屋浦星」
今日、ネタ下しで、これからも演るか、演らないかは、今日の出来次第。
皆さん、責任重大でっせ、と。
噺は、江戸の吉原、江戸勤めをしているお侍さんが、仲間の寄合に
江戸の妻(馴染みの女)を連れてきて呑もうと・・・。
真面目すぎて、そうういうことのできない主人公が、噺の勢いで約束
連れて行こうと思ったのが、吉原一の花魁「山名屋浦星」。
さて、その結末は・・・「紺屋高尾」とよく似た筋書き。
江戸言葉に、武家言葉、そして花魁言葉、と、大阪弁は唯一
大阪から流れてきましたという牛公のみ。
50ヘルツと60ヘルツの違いのように、
こんなに言葉を選び、探りながら話す鶴瓶さん、初めて。
貴重な経験、させて貰いましたで・・・・・。
第703回・田辺寄席
2015年1月18日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター
開口0番・・・・桂文太・・・・・「ハ」の巻、「八度狸金玉仇討」
一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・「東の旅・発端」
二、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
三、笑福亭達瓶・・・・・・・・・・「ちりとてちん」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「長屋の傘」
仲入り
五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」
六、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「山名屋浦星」
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