
興奮さめやらずの、終演後の繁昌亭。
もう繁昌亭ができて六周年ということは、丸六年経ったということ・・・早いですな。
今日のメンバーの吉坊さんも、銀瓶さんも、八天さんも、失礼ながら、当時は名前さえも知らなかったご三方。
このような中堅、実力派の噺家さんに、そして彼らの落語に出会えることができた、繁昌亭の功績は計り知れないものがありますな・・・。
今日の私は、吉坊さんからはじまるご三方に注目です。
一、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・「月並丁稚」
実力派の吉坊が、開口一番に高座に・・・。
この前の「お能」の親子会の様子をマクラに「月並丁稚」へ。
丁稚の定吉と主人の佐兵衛を演じているのに、なかなか笑いが、本調子が沸いてこない。
「客席が温まる」とかよく聞きますが、まさにその状態。
普段、前座クラスが出てきて、クスリともしないので技術的なものと思っていたのですが、
ほんと、開口一番、お客の方も笑いに対して緊張しているようで、笑いに対するウォーミングアップも大いに兼ねてるんですな。
「今日は結構なお天気さんでございます。ご家内お揃いあそばしてご機嫌よろしゅうございます。
私は本町の佐兵衛ところから参りました、当月二十八日には月並の釜をかけまするによって
旦さんによろしく」の口上を口移しで教えてもらうあたりから、本調子・・笑いがいっぱい。
オチは、うら覚えですが、先さんの旦那「一本釘を刺しといてもらわんとあきませんな」
定吉「また、釘抜きですか・・・・」というようなサゲ。
でも、この月並丁稚聴いていると、随所で三代目を思いださせる吉坊さんの高座でおますな。
二、笑福亭銀瓶・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
さすが、勢いのある銀瓶さんの「阿弥陀池」。
体をかわすでの、西宮・・・心臓の「象」とか、粋なお客さんと一緒に楽しむ。
隣り町の二軒めへ行くところは、時間の都合でなし、
でもそれまではきっちりと手を抜くこともなく、まとめあげる・・・・
ダイジェスト版より、途中ながら濃縮度たっぷりの銀瓶さんの「阿弥陀池」でおました。
三、月亭八天・・・・・・・・・・・・「兵庫船」
来年、文都を襲名します八天と、ご挨拶・・・。
上方の落語には、お決まりで喜六、清八の二人が登場しますがと、「七度狐」と思いきや、
金毘羅詣りの帰り、播州から兵庫の浜へ・・・「兵庫船」へ。
途中、繁昌亭の中まで、「バリバリバリ」と、外の雷の音が聞こえてくる
その音に、八天さん、ドギマギとペースを乱される。
実力派の噺家さんも、自然、天候には勝てませんな。
四、大喜利・・・・・・・染丸、八斗、ちきん、団治朗、愛染、八方
左から八斗、ちきん、団治朗、愛染の若手に混じって八方師匠が最後に。
司会は染丸師匠で、大喜利を・・・。
最初は、赤、青、黄、黒、白、の五色を使ってのなぞとき。
二つ目は、全員立って、「●●落ちてるな」「拾らおかな」・・・・「拾うてみたら○○やった」
とこれ、なんていうんでしょう・・・。
真面目の八斗、おちゃらけのちきん、おどおどの団治朗、天然ボケの愛染と
各々のキャラ、役目を割り振りながら、大喜利は進む。
でも、一番愉しんでいるのは、八方さん・・・。
こんな、周りとのボケやツッコミを連携しながら笑いを学ぶ「大喜利」も若手には大切ですな。
秀逸は、八方さんの「赤ヘルの広島に負け、青の中日に負け、
黄色と黒の縦縞の阪神に、ファンはみんな白けてる」でおましたな・・・。
五、桂春之輔・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」
ほんま、よろしおましたで・・・。
期待以上と言えば失礼ですが、こんな噺が春之輔師匠から聴けるなんて、
一言一言の間(ま)が、春之輔さん独自の味になって、噺がすすむ。
三味線といい、ヅケノ叩きといい、まさに下座と息の合った大協演。
中トリに相応しい高座に、上方落語に、大満足。
六、月亭八方・・・・・・・・・・・・「蛇含草」
これまた、八方師匠、予想外の演目、「蛇含草」。
餅の曲食い辺りから、顔表現も含めて本領発揮。
やはり、ベテランの八方師の味を加えた、「蛇含草」ですな。
八方師匠の古典落語、弟子の月亭文都襲名を控えて、更に磨きがかかりますな・・・。
七、桂三扇・・・・・・・・・・・・・・「又も華やしき華燭の典」(三枝作)
三扇さん、たて続けに二度目の「又も華やしき華燭の典」。
十八番というても良いぐらい、いつ聴いても楽しい。
次は是非持ちまわりでと願う、四回目の仲人さん。
新製品の紹介に終始する、職場の上司。
新婦のヤンキーぶりを暴露する女学校時代の恩師。
マイクの持ち方ひとつでも違うように、三者三様のキャラで楽しませてくれる。
何度聴いても飽きない演目、「又も華やしき華燭の典」は、師匠三枝の作といえども。
まさに三扇さんのもちネタ、十八番でございますな。
八、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「青木先生」
この頃、私の周りで色んな事件がおこるんですと、
若い男が引くコロコロが親子連れの子供にあたって、その父親と喧嘩に、
焼肉屋で、隣の席の女性が妊娠中で破水しかけたりと、
家族に乾杯の仕事をするようになってから、私の元に色んなことが飛びこんでくるように・・。
今日は、「一人酒盛」でもと思っていたのですが、幹事長があれ演れというもんですからと、
「青木先生」を・・・。
この頃、そのころの同級生に言わすと、段々青木に似てきたと・・。
そういえば、青木先生の顔キャラ、どんどんエスカレートしているようで。
青木先生が主役のハナシですが、この頃聴く度ごとに、周りのクラスの生徒たちの活き活きした表情が浮かぶ。
当時の、駿河少年の高校生活、さぞ毎日楽しかったんでしょうな・・・羨ましい限りでおますな。
繁昌亭・開場六周年記念特別興行
2012年9月15日(土)午後6:00開演
天満天神繁昌亭
一、桂吉坊・・・・・・・・・・・・・・「月並丁稚」
二、笑福亭銀瓶・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
三、月亭八天・・・・・・・・・・・・「兵庫船」
四、大喜利・・・・・・・染丸、八斗、ちきん、団治朗、愛染、八方
五、桂春之輔・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」
仲入り
六、月亭八方・・・・・・・・・・・・「蛇含草」
七、桂三扇・・・・・・・・・・・・・・「又も華やしき華燭の典」(三枝作)
八、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「青木先生」
三味線・・・内海英華、はやしや薫子
鳴物・・・・・笑福亭呂好、月亭八天
12-36-176
にほんブログ村に参加中。
クリックで応援、よろしくでおます。
↓↓↓・・・
にほんブログ村
にほんブログ村