移転問題でゆれるワッハ上方ヘ、存続の期待を込めて、島之内寄席ヘ。
鶴二さんは、いうまでもなく、お目当てだが、
佐ん吉さんの田楽喰いはおもしろいとの噂、「持参金」は私の好きなネタであるし、
呂鶴師匠の「近日息子」は迫力たっぷり。、三喬さんの「へっつい幽霊」は初めてだし。
演者と演目が楽しみな、期待いっぱいの落語会ヘ。
開演前の熱心な落語ファンで、予定五分前に開場。
一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「田楽喰い」
酒を呑もうとするが、金を出せる者は誰一人としていない。
そこで、兄貴の処に届いた酒樽を目当てに、「んづくしで」豆腐田楽を取りあいをする。
「きゅうりん・・。トマトん・・。ナスビん・・。・・・今風に、アスパラガスん・・。
ブロコリン・・。」と今、八百屋にあるすべてを列挙。
南瓜(パンプキン)まで、なかなか到達しない。
「でんでん虫の歌」や、「一休さん」など、
たくさん笑いのネタを仕込んだ楽しい「運廻し」。
佐ん吉さんを見る。楽しいネタが一つできましたで。
二、桂花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
地方に呼ばれた時の、花丸さん紹介の「これが、芸達者という、落語家に」というマクラ・・。
「狸の鯉」、助けられた狸が、お祝いの鯉に化けて出かける。
このような噺、本来、演目が出てなければ、おもしろさは増す。
「ああ、狸賽」と思いきや、展開が違うと・・・あれえ・・と・・・。
その時の客の反応を見て、演者は快感でしょうな。
狸が、人間に助けられて、色々なものに化けて、恩返しする落語。
前座噺で、札、鯉、賽、釜の四作品があるらしい。
狸賽が断トツで、有名だが、残りの札、釜はどんな噺か興味有りますな。
是非、花丸さんには、四部作、制覇して欲しいですな。
三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」
楽珍さん出身の奄美では、持参金替わりに、豚を持っていった時代があったとか。
借金の話から、ご自分のサラ金時代の話ヘ。
余りにも、取立てが厳しく、死のうと思ったが、「遺書」の「遺」の字が書けずに、
「い書」では、かっこが悪いので、思い止まったとか・・・。
この噺、楽珍さんは、ご結婚というより、借金という面で演じます・・と。
楽珍さんのお鍋さんの容貌は、メタメタ。
私は、お鍋さんは、美人では無いが、どこか愛くるしくて、愛嬌があって、
やもめは、この縁談、基本的には喜んでいるというのが好き。
この縁談、良い所に収まって、やもめも、お鍋さんも、番頭さんもみんなが幸せにと、
ハッピイエンドの話が、嬉しいのですが。
でも、この噺、いつも思うのは、長屋の狭い部屋、翌日の朝、番頭が尋ねて行った時、
お鍋はんは、どこにいるのか。
気の小さい私、いつもか顔を会わすんではないかと心配。
「番頭はん、実は昨日、私も嫁さんもらいましてん」
「そら、めでたい時に悪かったな」・・「それで、嫁さんは」
「いや、まだ持って来るもんがあると、朝から取りに行ってますねん」と
すれ違いにでも、してもらったら、ちょっとは安心できるのですが。
「まあ、金は天下の回りもん」と、楽珍さん、最初に断わられていましたが、
人より、お金を主体の演出。・・・・
持参金目当ての、やもめの気持が、会った後もお鍋はんに向かないようで
このままでは、お鍋はん、幸せになれないような・・そんな・・気がする。
後味の悪い・・・「持参金」でおました。
四、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
「我々同様と申しましても・・・・・」から、
昔ジャンジャン横丁にあった、新花月の客がいかにガラが悪かったという話へと。
この噺、作ぼんよりも、スカタン言う人に、腹を立て一気にまくしたてるお方が主人公。
呂鶴さんも、血圧が上って、血管切れるのではないかと心配するぐらいの熱演。
マルキのパン、では、高座で立ち上がる。
たまさんの逆立ちは見た事があったが、舞台での仁王立ちは初めて。
呂鶴さん、大きいだけ、迫力ありましたな。
「文華」、「文太」さんでしか、知らないこの噺。もっと他の演者でも聴いてみたいですな。
福車、遊喬、かい枝、雀太、まん我、さんなんぞ、お聞かせくださいな。
仲入り
本日は、見台を外す事なく、全員置いたままで・・・。
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
いつ聴いても、安定感のある鶴二さんの「稽古屋」
今日は、時間制限があるのか、色事根問いも、二男と、四芸とふたつだけ。
喜六丸のポンポン船も、小さい踊りは、どこで御稽古してんねんも無い
ほんま、収縮自在は、さすがプロですな。
でも、この噺、「越後獅子」は入るは、「狂乱の太鼓地」と、
今日は内海英華さんのこれまった、ええお声。・・・・・上方落語、堪能でおますな。
そして、鶴二さんの「喜撰」、よろしいな。
客席の奥までええ声聞かしたろうと、余裕まで伺えましたで。
六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
この噺の、三喬さんの作ぼんが好き。
抜けているというより、ええとこのボンで、色街で遊ぶが、世間ずれしてないのが良い。
新町の小里との、のろけも聴いていても、ほんわかと心地よい。
脳天の熊も、作ボンの実家からとってきた、300円。
幽霊に全額、とりあえず返す。・・博打打ちだが筋は通す、律儀さ。
そして、からっけつの八、幽霊でありながら、博打好きは直らず。
「バカは死ななきゃ直らない」というが、
案外、今の性(サガ)は、死んでも、直らないんでしょうな。
久しぶりの、島之内寄席、当日でも入れそうなので、
これからはちょくちょく、お伺いしようと・・・・・・・。
島之内寄席・11月席
2009年11月21日(土ー9午後2:00開演
ワッハ上方・ワッハホール
一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「田楽喰い」
二、桂花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」
四、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
仲入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
09-75-328
鶴二さんは、いうまでもなく、お目当てだが、
佐ん吉さんの田楽喰いはおもしろいとの噂、「持参金」は私の好きなネタであるし、
呂鶴師匠の「近日息子」は迫力たっぷり。、三喬さんの「へっつい幽霊」は初めてだし。
演者と演目が楽しみな、期待いっぱいの落語会ヘ。
開演前の熱心な落語ファンで、予定五分前に開場。
一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「田楽喰い」
酒を呑もうとするが、金を出せる者は誰一人としていない。
そこで、兄貴の処に届いた酒樽を目当てに、「んづくしで」豆腐田楽を取りあいをする。
「きゅうりん・・。トマトん・・。ナスビん・・。・・・今風に、アスパラガスん・・。
ブロコリン・・。」と今、八百屋にあるすべてを列挙。
南瓜(パンプキン)まで、なかなか到達しない。
「でんでん虫の歌」や、「一休さん」など、
たくさん笑いのネタを仕込んだ楽しい「運廻し」。
佐ん吉さんを見る。楽しいネタが一つできましたで。
二、桂花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
地方に呼ばれた時の、花丸さん紹介の「これが、芸達者という、落語家に」というマクラ・・。
「狸の鯉」、助けられた狸が、お祝いの鯉に化けて出かける。
このような噺、本来、演目が出てなければ、おもしろさは増す。
「ああ、狸賽」と思いきや、展開が違うと・・・あれえ・・と・・・。
その時の客の反応を見て、演者は快感でしょうな。
狸が、人間に助けられて、色々なものに化けて、恩返しする落語。
前座噺で、札、鯉、賽、釜の四作品があるらしい。
狸賽が断トツで、有名だが、残りの札、釜はどんな噺か興味有りますな。
是非、花丸さんには、四部作、制覇して欲しいですな。
三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」
楽珍さん出身の奄美では、持参金替わりに、豚を持っていった時代があったとか。
借金の話から、ご自分のサラ金時代の話ヘ。
余りにも、取立てが厳しく、死のうと思ったが、「遺書」の「遺」の字が書けずに、
「い書」では、かっこが悪いので、思い止まったとか・・・。
この噺、楽珍さんは、ご結婚というより、借金という面で演じます・・と。
楽珍さんのお鍋さんの容貌は、メタメタ。
私は、お鍋さんは、美人では無いが、どこか愛くるしくて、愛嬌があって、
やもめは、この縁談、基本的には喜んでいるというのが好き。
この縁談、良い所に収まって、やもめも、お鍋さんも、番頭さんもみんなが幸せにと、
ハッピイエンドの話が、嬉しいのですが。
でも、この噺、いつも思うのは、長屋の狭い部屋、翌日の朝、番頭が尋ねて行った時、
お鍋はんは、どこにいるのか。
気の小さい私、いつもか顔を会わすんではないかと心配。
「番頭はん、実は昨日、私も嫁さんもらいましてん」
「そら、めでたい時に悪かったな」・・「それで、嫁さんは」
「いや、まだ持って来るもんがあると、朝から取りに行ってますねん」と
すれ違いにでも、してもらったら、ちょっとは安心できるのですが。
「まあ、金は天下の回りもん」と、楽珍さん、最初に断わられていましたが、
人より、お金を主体の演出。・・・・
持参金目当ての、やもめの気持が、会った後もお鍋はんに向かないようで
このままでは、お鍋はん、幸せになれないような・・そんな・・気がする。
後味の悪い・・・「持参金」でおました。
四、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
「我々同様と申しましても・・・・・」から、
昔ジャンジャン横丁にあった、新花月の客がいかにガラが悪かったという話へと。
この噺、作ぼんよりも、スカタン言う人に、腹を立て一気にまくしたてるお方が主人公。
呂鶴さんも、血圧が上って、血管切れるのではないかと心配するぐらいの熱演。
マルキのパン、では、高座で立ち上がる。
たまさんの逆立ちは見た事があったが、舞台での仁王立ちは初めて。
呂鶴さん、大きいだけ、迫力ありましたな。
「文華」、「文太」さんでしか、知らないこの噺。もっと他の演者でも聴いてみたいですな。
福車、遊喬、かい枝、雀太、まん我、さんなんぞ、お聞かせくださいな。
仲入り
本日は、見台を外す事なく、全員置いたままで・・・。
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
いつ聴いても、安定感のある鶴二さんの「稽古屋」
今日は、時間制限があるのか、色事根問いも、二男と、四芸とふたつだけ。
喜六丸のポンポン船も、小さい踊りは、どこで御稽古してんねんも無い
ほんま、収縮自在は、さすがプロですな。
でも、この噺、「越後獅子」は入るは、「狂乱の太鼓地」と、
今日は内海英華さんのこれまった、ええお声。・・・・・上方落語、堪能でおますな。
そして、鶴二さんの「喜撰」、よろしいな。
客席の奥までええ声聞かしたろうと、余裕まで伺えましたで。
六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
この噺の、三喬さんの作ぼんが好き。
抜けているというより、ええとこのボンで、色街で遊ぶが、世間ずれしてないのが良い。
新町の小里との、のろけも聴いていても、ほんわかと心地よい。
脳天の熊も、作ボンの実家からとってきた、300円。
幽霊に全額、とりあえず返す。・・博打打ちだが筋は通す、律儀さ。
そして、からっけつの八、幽霊でありながら、博打好きは直らず。
「バカは死ななきゃ直らない」というが、
案外、今の性(サガ)は、死んでも、直らないんでしょうな。
久しぶりの、島之内寄席、当日でも入れそうなので、
これからはちょくちょく、お伺いしようと・・・・・・・。
島之内寄席・11月席
2009年11月21日(土ー9午後2:00開演
ワッハ上方・ワッハホール
一、桂佐ん吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「田楽喰い」
二、桂花丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「狸の鯉」
三、桂楽珍・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「持参金」
四、笑福亭呂鶴・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「近日息子」
仲入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「稽古屋」
六、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「へっつい幽霊」
09-75-328