ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

2011年・ごまめの落語・・BEST・35

2011-12-31 01:01:30 | 年間BEST・・・・
ついに、今年も、あと少しで終わり。

今年は、仕事が忙しくて、去年よりも少なめの49公演、191の噺。
後半は、江戸での落語会と上方では笑福亭中心に。

今年は、なかなか時間がとれないので、贅沢ですが、演者と演目の組合せを見てから、落語会ヘ。
本来ふらりと行けるのが落語、私にもそんな時間と心の余裕が欲しい一年でおましたな。

では、今年一年の中から、個人的な好みが大いに入った、BEST30いや35・・・。

鶴二さん、梅團冶さんは贔屓だけに、どの演目もBEST入りするので、
今年も、噺家さん一演目に。


まあ単にごまめの、ひいき目と偏見と、お目溢しを。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2011年・・BEST35


01・・・春團冶・・「寄合酒」・・・・・・・・・01・03・・・、今年も凛としてすべてがお洒落。
02・・・鶴二・・・・「らくだ」・・・・・・・・・09・17・・・噺家生活25周年のハレの舞台で堂々たる「らくだ」
03・・・松喬・・・・「ねずみ穴」・・・・・・・12・11・・・嫌な兄貴を薄めることなく緊張の「ねずみ穴」
04・・・さん喬・・「芝浜」・・・・・・・・・・・12・16・・・さん喬さん、夫婦の情愛をさらりと上品に。
05・・・梅團冶・・「ねずみ」・・・・・・・・・05・03・・・梅團治さんそのもの、人間味溢れる「ねずみ」に感動。
06・・・花禄・・・・「片棒」・・・・・・・・・・・07・31・・・神田の神輿、口での笛と太鼓に思わず拍手。
07・・・鶴志・・・・「千早ふる」・・・・・・・02・19・・・鶴志さんの、落語のもつアドリブ感にはまりますな。
08・・・ざこば・・「一文笛」・・・・・・・・・03.14・・・「それが、盗っ人根性というもんや」ざこばさんのこの台詞にジーンと。
09・・・雀松・・・・「星野屋」・・・・・・・・・01・16・・・男と女の化かしあい、死後は年の功の勝ちか。
10・・・米二・・・・「牛ほめ」・・・・・・・・・09・04・・・ベテランさんの前座噺は、なんておもしろいか。
11・・・雀三郎・・「くやみ」・・・・・・・・・10・09・・・ハチャメチャ感、一期一会のライブ感で、最高であます。
12・・・こごろう「高津の富」・・・・・・・01・22・・・「えべっさんのあほ」、楽しい楽しいこごろうさんの「高津の富」
13・・・かい枝・・「堪忍袋」・・・・・・・・・01・16・・・油の乗っているパワプルなかい枝さんの高座。
14・・・仁智・・・・「EBI」・・・・・・・・・05・03・・・仁智さんの新作落語はどれもまた聴きたくなる。「EBI」もしかり。
15・・・松枝・・・・「三枚起請」・・・・・・・05・11・・・「鶴二さんの祝いの会」で弟弟子思いの、印象残る高座。
16・・・三喬・・・・「おごろもち盗人」・05・11・・・押したり引いたり、主人とのかけひき絶妙、やはり泥棒は三喬さんに限りますな。
17・・・雀々・・・・「夢八」・・・・・・・・・・・06・04・・・マクラ無しのj雀々さんかっこいい。いつも通りの汗だくの熱演。
18・・・新治・・・・「柳田格之進」・・・・・01・22・・・上方で聴く機会の少ない人情噺を新治さんが。
19・・・文太・・・・「孝行糖」・・・・・・・・・07・16・・・「孝行糖、孝行糖シ\、テンスケテン、スケテンテン」この馬鹿らしさ、よろしいな。
20・・・遊雀・・・・「井戸の茶碗」・・・・・09・09・・・末広亭のトリ。この一席で満足、いっぱい。
21・・・文三・・・・「堪忍袋」・・・・・・・・・05・03・・・文三さんの「堪忍袋」のお咲さん、口は悪いが品があって、美人っぽい。
22・・・権太楼・・「町内の若い衆」・・・09・24・・・見ているだけで楽しくなる権太楼さんの笑顔。
23・・・鶴瓶・・・・「青木先生」・・・・・・・12・11・・・鶴瓶さんの私落語の代表作・・「ピイ―」
24・・・まん我・・「桑名船」・・・・・・・・・06・25・・・この噺のミステリー感、上手く表現。
25・・・宗助・・・・「蔵丁稚」・・・・・・・・・06・04・・・よく通る声、大音量で響き渡った動楽亭。
26・・・鶴光・・・・「荒茶」・・・・・・・・・・・09・04・・・落語は愉しいものと、小ギャグ満載の鶴光さん。
27・・・よね吉・・「天災」・・・・・・・・・・・01・22・・・八五郎もスッキリしていて正統っぽい、吉朝一門、本来の「天災」
28・・・遊喬・・・・「餅屋問答」・・・・・・・05・15・・・主人公の武骨さとデタラメさが遊喬さんと重なり秀逸。
29・・・塩鯛・・・・「はてなの茶碗」・・・03・19・・・笑福亭とだぶるどっしりとした塩鯛さんの「はてなの茶碗」
30・・・生喬・・・・「虱茶屋」・・・・・・・・・11・19・・・虱を扱っているのに、日本舞踊をしているように優雅に上品な高座、粋。
31・・・文鹿・・・・「お文さん」・・・・・・・07・16・・・骨太でありながら、人間味がにじみ出る文鹿さんらしい噺・
32・・・紅雀・・・・「くしゃみ講釈」・・・10・09・・・明るさ、たのしさが散りばめられた紅雀さんの「くっしゃみ講釈」
33・・・米左・・・・「豊竹屋」・・・・・・・・・09・04・・・聴かせ上手、名調子の米左さんの一席。
34・・・九雀・・・・「御公家女房」・・・・・03・19・・・九雀さんの十八番「公家女房」、随所に工夫があって楽しい。
35・・・春蝶・・・・「こうもり」・・・・・・・09・17・・・春蝶さんらしい独特の気怠さが漂うファンタジー噺。


今年も、一年、ごまめのいちょかみに、おつきあい頂きありがとうございました。

来年は、お正月の一心寺亭からが、笑い初めでおます。



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2011年・ごまめの本の少し・・BEST・20

2011-12-30 12:34:06 | 年間BEST・・・・
2011年・ごまめが読んだ中での、BEST20。


おべんとうの時間
クリエーター情報なし
木楽舎



☆☆、星二つ以上で印象に残ったの本、20冊、。

今年のBEST・1は、落語、短歌とも違う「おべんとうの時間」。
何とも、愛する人への温かさが感じられる本でおます。

三浦しをん、万城目学、北村薫、愛川晶さんなどが、今年初めて出会った人たち。
年末には、、池谷裕二さんの脳のお話しも、新ジャンルで読みだすが
釣りや、短歌と、落語以外にも拡がりつつ、気の多さが目立ちますな。

でも、素直に並べると、穂村さんの本が多いこと、結構波長が合ってるんでしょうな。


まあ、これらの本から、来年はどう拡がるのか楽しみですな。


ごまめの・今年のBEST20

①「べんとうの時間」・阿部了、直美・・・・・02・01・・作り手の想いが詰まった愛情弁当ばかり。
②「落語進化論」・立川志らく・・・・・・・・・・07・03・・流行は時代を動かすが、文化はマニアがつくる。
③「あやつられ文楽鑑賞」、三浦しをん・12・07・素人目線、それでいて核心をつく、文楽の世界にズケズケと。
④「米朝ばなし」、桂米朝・・・・・・・・・・・・・・01.21・・上方落語の学術的必読の本。
⑤「バス釣りの教則本」、・・・・・・・・・・・・・・07・28・・読んでいると、釣りに行きたくなる教則本。
⑥「短歌の友人」、穂村弘・・・・・・・・・・04・13・へなへなの駄目男を演じている穂村弘さんの短歌の歌論集。
⑦「ひとりで生きられないのも芸のうち」内田樹・02・10・普段の自分の考え、いきざまを整理するには最適の本。
⑧「短歌ください」、穂村弘・・・・・・・・・06・08・・短歌に含まれる情景、心情を探るのは落語の世界に相通じる。
⑨「落語こてんパン」、柳家喬太郎・・・・・・08・15・・すべての噺、読んでいる内に落語の真髄に近づく。
⑩「ドラえもん短歌」、枡野浩一・・・・・・08・09・・優しくて・ドラえもんの世界に、何でもドアで運んでくれる。
⑪「らくご小僧」、立川志らく・・・・・・・・・・10・18・・夢と現実の狭間を彷徨いさせる志らくの私小説。
⑫「ハナシがうごく」、田中啓文・・・・・・・・01・27・・お馴染の酔いどれの師匠とツッパリ弟子の物語。
⑬「にょにょ記」・穂村弘・・・・・・・・・・・・・・10・04・・読んでいると自分の心がふやけていく、ナオユキ感覚。
⑭「単純な脳、複雑な私」、池谷裕二・・・・・12・03・・脳はほんと単純、難しくしているのは私自身。
⑮「芝浜謎噺」、愛川晶・・・・・・・・・・・・12・26・・落語についての内容はどんな落語本よりも濃い。
⑯「場所はいつも旅先だった」、松浦弥太郎・03・06・心をいつも色鮮やかに保つ、想い想われるこころはいたって濃縮。
⑰「新宿末廣亭のネタ帳」、長井好弘・・・・02・06・・繁昌亭のネタ帳も見たくなる。
⑱「落語の聴き方楽しみ方」、松本尚久・・02・04・・口調は柔らかいが、中身はいたって硬くなかなかのもの。
⑲「師匠は針、弟子は糸」、古今亭志ん輔・09・03・・師匠の突進んで行ったところを、弟子は有無をも言わずついて行くだけ。
⑳「あなたと読む恋の歌百首」、俵万智・・07・09・・恋の歌をじっくり味わうのもよろしおます。




追悼


今、手元にある「北杜夫」さんの本。(文庫本がお気に入りで置いてある「昆虫記」)

私が中学生の頃から大好きであった、北杜夫さんが今年の10月24日死去されました。(84歳)

「どくとるマンボウ」シリーズはどれもが愉しく、発刊が待ちどおしかったこと。
その中でも私の一番のお気に入りは「昆虫記」、何度読み返していることやら。

あと、いつものつもりで読みはじめた「楡家の人々」を読み終えるのに2カ月も掛かった事など、
毎日数ページしか進まない読書だが、読み終えないと大人になれない不安感で、背伸びしながらの読書だった青春時代。
すべて、良き想い出ですな・・・。

読書の楽しさ、ユーモアのある人生の喜びなど、遠藤周作、吉行淳之介さんらと共に、
今の私、心のあり方に大いに影響した作家でおます。

心からご冥福をお祈りいたします。



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芝浜謎噺~愛川 晶

2011-12-25 03:25:24 | 本の少し
芝浜謎噺 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

☆☆

前回読んだ、「道具屋殺人事件」に続いての第二弾。
自分たちの周りで起こる事件を、二つ目落語家の寿笑亭福の助と妻の亮子が、師匠の馬春に相談し、
提示されたヒントで、落語を改作し高座で演じると、事件が解決・・・・すべてこのパターン。

でも、この本では「野ざらし」、「芝浜」、「試し酒」の三席が題材になっているが私にとって、一番おもしろいのは「芝浜」
作者は、上辺こそさりげなく装っているものの、中身は作者が考える本格推理の理想形というが、
私には、深く中身を掘り下げてくれるて落語の噺そのもの、どんな落語本より楽しい。

落語家の舞台裏なんぞ、師匠と弟子,落語家とその家族、何気ない日常が覗くことができたようでおもしろい。
落語大好きファンは早速、読むべきですな。

あと「うまや怪談」、「三題噺 示現流幽霊」とあと二冊、出版されているようなので、早速探さなければ・・・。


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空飛ぶ馬~北村 薫

2011-12-24 12:51:05 | 本の少し
空飛ぶ馬 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
クリエーター情報なし
東京創元社



柳家三三で北村薫~(円紫さんと私)シリーズよりという落語会が、西宮の芸術センターであると知ったが、
「北村薫」「、円紫と私」って何と、思い辿りついて買ったのがこの本。

ヒロインの女子大生の「私」と、探偵役の噺家、春桜亭円紫との日常の不可思議なことを解いていくという物語。
でも、推理小説というより、人の暖かさ、人の優しさに触れることのできる、ほのぼの本である。

噺家として登場する春桜亭円紫、上方の噺家にはいないタイプ、粋でかっこいい。


落語ファンとして、気に入った箇所を紹介すると、

正ちゃんという娘が、「大勢を相手にする御仕事なのに、お一人が好きですか。」と聞かれた円紫さんは、
「だから、なのかな」ちょっと思案しながら「大勢を相手にしていませんね」と・・・。

「それじゃ一部の人、噺の分かる人が相手なんですか?」

「いいえ。一部でもない、たった一人、自分ですね」・・「自分?」
「ええ、若い頃の僕が相手です。一席一席、純な期待をこめて耳を傾けていた僕がね。
お客様は全員がその頃の僕だと思って話しています。この相手はごまかせません。
それをごまかしたら、自分で自分に落語をやめろというのと同じですから・・・。」

この言葉で、いかに円紫さんの噺家として、正面から落語に向かい合ってるのが解りますな。

シリーズとしては、「夜の蝉」、「秋の花」、「六の宮の姫君」、「朝霧」と続くらしいが、
急いで読もうというのではなく、ゆったりとした時間の中で読みたい本なので、
長期休暇のときに、他の本と一緒に手にする様な、本でおますな。


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道具屋殺人事件~愛川 晶

2011-12-20 00:51:03 | 本の少し
道具屋殺人事件 (神田紅梅亭寄席物帳) (創元推理文庫)
クリエーター情報なし
東京創元社

☆☆

落語家・寿笑亭福の助と女房の亮子、そして旦那の師匠である山桜亭馬春と三人が
次起こる謎を解いていく・・・・本格落語ミステリー、

これどっかで聞いたことありませんか。
まるで、田中啓文さんの笑酔亭梅寿謎解噺の江戸版である。

噺は、いたって落語の内容については深く、事件を解決するミステリーにはなっているが
作者が、述べたいのは落語に対するあらゆる思いと、うん蓄の数々である。

例えば、「壺算」の題名。水瓶を買ったなら、なぜ「瓶算」にならないのかと。
土地の広さを見誤る「つぼざんよう」、そのツボは、一坪、二坪の「坪」・・・
本来は「坪算用」で、「勘違い」というような意味だった。
それが壺の代金をごまかす落語の題名に転用され、「壺算」になったのだと。
「氷点」と「笑点」のように、シャレであること自体が忘れ去られてしまった、など。

えぇというぐらい、おもしろいハナシが、あちらこちらで見あたる。

この本では「道具屋」、「らくだ」、「勘定板」の三つに関わるはなしがすすむ。

今読んでる二冊目は、「野ざらし」、「芝浜」、「試し酒」、これも近日読了。
落語ファンには、肩の凝らないシリーズ発見でおます。
(まあ、私が知らなかっただけみたいですが・・・・)


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第五回・柳家さん喬、笑福亭松喬

2011-12-16 23:04:27 | 笑福亭松喬一門

今日は、さん喬さんの「芝浜」。

どんな夫婦の情愛がみれるのか・・・・・・・また、泣かされるのでは。

子供が小さい時に一度来たことがあるが何十年ぶりの、こども文化センター。、


緞帳は、こどもにはウケているのか、鳥羽僧正の、鳥獣戯画。
大きさは、落語にはピッタリの大きさだが、子供向けなのか椅子が小さめなので大人には窮屈なり。

一、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・「米揚げいかき」

右喬さん、まさに前座、羽織無しで、舞台へ。
右喬さん、不自然さ漂ういつもの語り。
そして、噺とは違って盛り上がることなく終わってしまった
右喬さんの「米揚げいかき」でおました。

二、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・「徳ちゃん」

談志師匠の想い出を・・・。
同じ小さん門下で、よく可愛がってもらったと。
あれこれ、いろんなハナシをされていたが、要約すると、
芸の上では尊敬・・・、いきざまとしては・・・・・・・・。

噺の「徳ちゃん」は、吉原へ噺家二人が遊びに行ったハナシ。
柳家に伝わる新作落語らしい。
上がったところ、通された部屋は蒲団部屋みたいで、でてきた女は
年の往ったガサツなおおおんな。

どこまでがさん喬さんの味付けか解りませんが、こんな、たわいのないハナシが
落語になるなんて、そして受け継がれているとは・・・・・・
「徳ちゃん」、こんな噺が聴けるなんて、凄く得した感じ。

三、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・「佐々木裁き」

松喬さんも、談志師匠の想い出。
六代目とのご縁で、松喬さんとも・・・。

談志さんとの会話で印象に残っているのは、
「二流は、一流にはなれねぃ」
「三流は、一流になれる」
「俺は、二流だから、駄目だ」
「おまえは、三流だから一流になれるかもしれねぃ、頑張れよ」

「あぁ、ひとりだけ二流から一流になったのがいる、枝雀だ」
「あいつは、一度三流になってから、一流になった、凄い奴だ」と。

「佐々木裁き」・・・松喬さんの四郎吉、智慧が利くというより、天真爛漫、無邪気さが勝つ。
この前の作ぼんといい、落語の基本、抜けた人物のアホさかげんが良いだけに、
どんな演目でも、噺のメルハリがつくんでしょうな。


四、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・「借金撃退法」

昔、この演目で聴いたことがあった様な、なかった様な・・・。
思っていたように、「掛取り」と一緒。
節季の払いを断るために、おやっさんが考えたのは、好きなもので・・・。
まずは、狂歌好きな大家には・・・そして喧嘩好きの墨屋には・・・。

今では、浄瑠璃好き、歌舞伎好き、その他、落語、演歌、クラシックと多種多彩だが、
笑福亭らしく、中身の具は少ないが、骨太の「掛取り」、いや「借金撃退法」でおました。


五、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・「芝浜」

お目当ての「芝浜」、昨年に続いて今年も、さん喬さんで・・・。

三年後の女房の「あれは夢ではなかった」と、打ち明ける女房に
殴りかかったりするわけでもなく、いたって穏やかに、全てを悟ってた様な勝五郎。
大ネタだが、敢て人情噺っぽく、臭くならぬようサラリとした演出。

実は、今読んでいる愛川晶さんの本に、「芝浜」がでてくるが、請け売りで書けば、
「芝浜」はもともと音曲噺だったし、そんな大ネタではなかったと・・・。
勝五郎が友達を呼んでドンチャン騒ぎするところで、次々いろんな唄を歌ったらしい。

また、三代目三木助さんの「芝浜」が絶品とか・・・そして今やスタンダードになっている。
特にあの、明け方の空の色が変わっていく芝浜の夜明けの模写など、
目に映るようで最高であると。

でも勝五郎の浜での行動が、あまりにもリアル過ぎては、勝五郎の自信、意識があり過ぎて、
「それは、夢だと」いう女房を信じるだけの根拠が薄いのでは・・・。

今日のさん喬さん・・あの、財布を拾うところがあっさりしているのは、
三木助さんを意識して省いたんではなく、色んな思いがあってからなんでしょうな。

「だましやがった」という怒りと情けなさ、そして「よく夢にしてくれた」と
女房への感謝の気持ち・・・「夢といい」、「酒を断ち一途に働く亭主をだまし続けた」と
いう亭主への申し訳ない気持ち、この夫婦の情愛の交錯がキモでおます。

一年に一度、年の瀬に、・・・「我が女房に両手を合す「芝浜」かな」・・・でおますな。

第五回・柳家さん喬、笑福松喬
2011年12月16日(金)午後6:30開演
大阪市立こども文化センター

一、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・「米揚げいかき」
二、柳家さん喬・・・・・・・・・・・・「徳ちゃん」
三、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・「佐々木裁き」
仲入り
四、笑福亭松喬・・・・・・・・・・・「借金撃退法」
五、柳家さん喬・・・・・・・・・・・「芝浜」


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ひとり舞台ファイナル~笑福亭松喬

2011-12-11 23:30:19 | 笑福亭松喬一門

十八番たっぷり、初演あり。師走を飾る、松喬渾身の大一番。


初めてのABCホール


お弟子さんたちが総出でお出迎え。


落語にはちょっと大きめの会場。


松喬さんが彫られた木彫りの看板。


一、笑福亭三喬・・・・・・・・「住吉駕籠」

石段の出囃子で、三喬さん登場・・・これまた新鮮ですな。
三喬さんの「住吉駕籠」、いつも聴いてるのとはちと違う。(原型という方もあるが)

一人で駕籠に乗って、「エイ、ホー」の掛け声の代りを鳥の鳴き声で・・・
雀の「チュン、チュン」、カラスの「カォーオ、カォーオ」、最後は鶴の「るー」
オチは「鶴の一声」でキマリ。

時間の都合なのか、酔っぱらいのからみの、「もーし旦さん・・・・・・
ポチも入れて二分一朱や。安っすいなぁ……。えびの鬼瓦焼き、卵
のまき焼き、イカの鹿の子焼き、焼き焼き焼き……」のいつもの部分がなく
ちょっと淋しい・・・・・・でも、三喬さんの前座なんぞ、いたって贅沢にスタート。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・「稽古屋」

一門の末弟の弟子として、師匠の六代目の思い出をマクラに。
十八番の「稽古屋」を、最初の色事根問の処を飛ばして、ショートバージョンで。
でも、最後のオチは、屋根に登って「けむりたつ」までたっぷりと。

稽古屋に着いてからは、鶴二さんの独断場。
お師匠はんがでてきてはんなりと、喜撰の唄でしっとりと、同じ笑福亭でありながら、
松喬一門にはない、明るくてそして色気を感じる高座でおましたな。


三、笑福亭松喬・・・・・・・・「へっつい幽霊」

松喬さんの「へっつい幽霊」では、特に作ぼんのぼんぼんぶりの抜けぐあいが大好き。
客が呼ぶ「道―具屋、・・道―具屋・・、}の声が、頭に残る。

パンフレットに書いてあったように、所どころでつけて頂いた松之助師匠の匂いが
するのは、まずは正攻法できっちりと稽古される松喬さんの証ですな。


四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・「青木先生」

「ピィ―・・・」と怒ると奇声が鳴る、高校時代の現国の先生「青木先生」のハナシ。
聴くたびごとに、常に、変化、進化している。
本格派の落語好きのいっぱいの松喬ファンに
独特の鶴瓶ワールドで笑いのツボにはまらせる。

「ええかげんに、せえ・・・ピィー」、・・「このクラスは、ペケ」・・「ノートをとれ」
青木先生の肉声と共に、生徒へのほのぼのとした優しさが滲みでる。

何度でも聴きたくなる「青木先生」は、やはり鶴瓶さんの私落語の代表作ですな。


五、対談・・・・笑福亭松喬、笑福亭三喬

香川登志雄さんが、六代目の松鶴とのラジオでの対談のテープを三喬さんが持参。
そこで次の一門の有望な噺家での質問に、すかさず鶴三と答える松鶴。
それを聞いて、当時学生の三喬さんがそれからの一年間、追っかけをして
弟子入りを決めたと。・・・・・・・記念すべき音源を舞台で披露。

三喬さんは、弟子の喬介さんの日頃の勉強への姿勢にチクリ、
まあ、落語への真剣な取組み方が共通なのが、松喬、三喬の結び付きなんでしょうな。


六、・笑福亭松喬・・・・・・・「ねずみ穴」

今回、ひとり舞台ファイナルの千秋楽のトリネタは、ネタおろしとしての挑戦「ねずみ穴」。
兄弟の愛情いや、憎しみをえがいた噺。
最初、商売をしろと言って、兄が貸した金がたったの三文。
煮えくり返る弟、それを元手に商売して十年後には立派な商人に。
兄は本当に弟のことを思って、三文しか貸さなかったのか・・・。

再び家が焼けて無一文になった弟に、「金など貸せるはずがない、身代を譲るなんて」
酒の上での噺と断る・・・。

兄の本心は、何処に。この噺、兄弟といえども、自己中心の人間の嫌らしさがテーマ。
本来ここで、噺は終わっているのだが、あまりにも後味が悪く重たすぎるので、
夢の部分を付け加えたように思える。

厳しい愛情でと、一見美談のように見えるが、そこまで追い詰めなくても、
いつ、なんどきでも手を差し伸べる機会があったのに・・・。

でも、松喬さん、いやな兄貴を、薄めることなく演じ、
緊張と緩和の、その緊張が会場に張りつめた、松喬さんの「ねずみ穴」でおました。

サゲは、「夢は土蔵(五臓)の疲れ」、解り難くくて、まさにとってつけたようですな。



2011年12月11日(日)午後2:00開演
笑福亭松喬ひとり舞台ファイナル・六日目
ABCホール

一、笑福亭三喬・・・・・・・・「住吉駕籠」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・「稽古屋」
三、笑福亭松喬・・・・・・・・「へっつい幽霊」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・「青木先生」
仲入り
五、対談・・・・笑福亭松喬、笑福亭三喬
六、・笑福亭松喬・・・・・・・「ねずみ穴」

・・・・・・・・・・・・三味線・・・花登益子


お客様をお見送りの松喬さん。


帰路の中之島、水の都、大阪ですな。





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あやつられ文楽鑑賞~三浦しをん

2011-12-07 00:55:02 | 本の少し
あやつられ文楽鑑賞 (双葉文庫)
クリエーター情報なし
双葉社

☆☆☆

三浦しをんさんが、文楽の快楽を紹介。
それも素人目線で、それでいて核心をズバリと
素人の怖いもの知らずか、ズケズケと文楽の世界に入っていく。

例えば、人形の使いで、アドリブはあるのかと云う単純な疑問をもつ。
三味線の鶴澤燕二郎さんの、その答えは、「伝統芸能は「型」のあるものなんです」と、
しかし、同じ型どおりに弾いても、もちろん上手下手は歴然とあるわけで、つまり
「型」とはイデア(心の目、魂の目によって洞察される純粋な、ももごとの真の姿)
なんだな、と、しをんさんは勝手に理解したと・・・。

次に続く言葉はすべての芸能に通じるものと、私は、大好きな落語に置き換えて読んでみた・・
「こうあるべき」という最高の理想が設定されていて、それに近づくべく、各人が一心に
稽古に励み、芸を磨く。理想の語り、理想の音色、理想の人形の動きを目指して。
「型」とは「不自由な取り決め」では決してなく、物語世界を最良の形で観客に伝えるための
練りあげられた「枠」なのだ、と、落語でも、まずはどの師匠も一字一句違わぬように喋りなさいと・・。
すべての芸事は、「型」「枠」から入る・・・、でもその枠の奥の深いこと、深いこと。

歌舞伎のところでは、文楽との違いで、文楽は第一に聴覚(言葉)を通して築きあげるもの、
歌舞伎は第一に視覚を通して物語世界に観客を導くもの、と言える。

歌舞伎に出演する太夫さんと三味線、役者の動きに合わせる。常に役者さんの間合いに気をつけ
役者さんを立てて、自分の狂言回しに徹する。 文楽の、人形のいる本舞台にには視線をやらず、
一点を見据えて語ったり弾いたりする文楽の太夫さんと三味線さんとは、役割がまるっきり違うと。

落語では、第一は聴覚なのか、視覚なのか、・・・・私自身は、DVDよりも音源だけのCDを愛聴するだけに、名人になればなるほど、音感が最優先と思えるだが・・・・・。

あと、文楽人形は、魂の「入れ物」である・・・と。
だから、人間以上に「人間」になることもでき、聞き役に徹する「背景」にもなることができる。
でも、生身の役者が演じる歌舞伎ではそうはいかず、生々しい肉体があるのが邪魔にさえなる。

文楽と歌舞伎では同じ演目でも、本質的な違いから受ける印象は大いに異なるらしい。
行ってないのに、ワクワク感で楽しくなる、三浦しをんさんの「あやつられ文楽鑑賞」

まずは、どちらからでも、体験しなければと・・・私の来年の課題でおますな。


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単純な脳、複雑な私~池谷裕二

2011-12-03 05:55:00 | 本の少し
単純な脳、複雑な「私」
クリエーター情報なし
朝日出版社

☆☆

先月の中旬(2011年11月当時)、名古屋でのセミナーで聴いたのが、著者の池谷裕二さん。
「脳」について、興味ある噺をあれこれと、早速手に入れて読んだのが、
この、「単純な脳、複雑な私」の本。

でも、おもしろいが、なかなか進まず、ようやく読了。

脳について、おもしろい話が満載。

例えば、「人の顔など左側半分しか見てない」では、
モナリザを例に、モナリザが微笑んでいるのは向かって右側、
左半分は神妙な顔つきで、これが俗にいう、神秘の微笑を生んでいると・・・。


「長い時間一緒にいれば好きになる」

タイプの違う男性の写真を交互に見せたとき、長く見た方を好きになる。
視線を動かしたことがポイントで、わざわざ見にいってるんだから
それだけ魅力ある人に違いないと、脳は解釈するらしい」と。


「吊り橋の上の告白は成功率が高い」

本当は、吊り橋が怖くてドキドキしているのに脳はおバカさんなので、
告白してきたあの人が魅力的だら、ドキドキしていると」早とちりする。


「行動と感情が食い違う」

プレゼントを貰う、仕事を手伝って貰う。
仕事を手伝わされた相手は「どうして自分は手伝っているのか」
「そもそも嫌いな人になんか手を貸すはずがない」「やはり、自分はこの人が好きなのか」
脳は、行動と感情が背反した不安定な状態を安定させようするらしい。

でも、池谷さんが研究しているのは決して、心理学ではない、
脳のどの部分がどの機能を携わっているのか、丁寧に解剖し、
心の病に役立つものはないかと研究している。

「心が痛む」「胸が痛む」、というが除け者にされた時、MRIで調べると
実際〈痛み〉を感じる脳部位と同じ領野が活動したとか、心=脳が解剖される。

あと、意志(意図)と行動については、これはちと説明が難しい。

最後になればなるほど、まるで禅問答のごとく、複雑になっていく。

まあ、こんなことを研究されている方がおられるということが発見ですな。


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