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八木の図書館で、パッと手にして素敵な短歌が並んでいたので、すぐに借りた本。でも、読みだすと前半にはお気に入りの歌があるのに、後半には皆無。作られた時期が違うのか、私の心が揺らいでいるのか不思議なぐらい偏っています。
お気に入りは、
・暗唱番号忘れちゃったよ映画にもサイゼにも六月にも行けない
・晴れだけど空が窶れていゐるような真冬の青を選ぶユニクロ
・花見でレンタル中です返却ボックスにまだ私が返されてない
・そこにある何かがわからないけむりのような白蓮の午後
・ペプシの泡がそそぐ端からすぐ消えて私のなかに誰も居なくて
・いつかたぶん死ぬよ死ぬけどまだ少し先のことだよたまご雑炊
・それにしても心と声がこんなにも繋がりを欠いてゐて冴え返る
・柿の種などつまんでゐると妻が来て春が来て電話が来て暮れる
・ブログには書かないことが音たてて寒のかばんの底でぶつかる