ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

第865回・田辺寄席〜2020.01.18(夜席)

2020-01-18 19:20:21 | 田辺寄席


今月で、年会費が切れるので、更新も兼ねて、田辺寄席へ。


一、桂寅之輔・・・・・・・・・・「秘伝書」

上品な、「テキヤ」による、「秘伝書」。
あの、可朝さんが演っていた、いかにもいかがわしいあの風貌。
それでいて、オチを期待してしまう。人というのは不思議なもので、
恐いもの見たさというのが、あるんですな・・・・。

ああ、それから寅ちゃんの風貌、ミュージシャン風のロン毛でおましたで。

二、桂福矢・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」

よろしいな、あのつっけんどんな福矢さん。
「打飼盗人」にぴったり。盗人におじけず、対等に、
最後には盗人に銭をせびり、まんまとせしめてしまう。

盗人、もう少し調べて入らんとあきまへんな。
情報不足、勉強不足は、すべて失敗の元ですな。

三、桂文太・・・・・・・・・・・・「もぎとり」

東の旅、発端から見世物小屋の一連へ。
「オオイタチ」、「天竺のクジャク」、「とったり、みたり(相撲?)」
「コゾウのハナが上がったり下がったり」のもぎ取り。
そして、「軽業」へと、喜六、清八の気楽な旅でおました。

四、笑福亭由瓶・・・・・・・・「癪の合薬」

良かったですな。  由瓶さん。
武家さんの田舎臭さと由瓶さんのキャラが相まって、
噺の世界に没頭できる。

この前の、「試し酒」といい、由瓶さんの落語、
味と匂いが、満ちてきましたな。

五、桂福楽・・・・・・・・・・・・「富久」

今日のお目当て、福楽さんの「富久」。

最後のオチは、「夢だった」で終わるのでは無いかとドキドキ。
あの「ねずみ穴」、「宮戸川」、とどこかごっちゃになって覚えているようで。

でも、「一千両当たって」の、ハッピィエンドで、よろしおましたで。

でも、この頃、お客さんの入りがもうひとつのこと、
今年は、是非老舗の田辺寄席に足を運びたいと思います。

第865回・田辺寄席〜令和二年一月睦月・夜席
2020年Ⅰ月18日(土)午後5:00開演
一、桂寅之輔・・・・・・・・・・「秘伝書」
二、桂福矢・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・「もぎとり」
仲入り
四、笑福亭由瓶・・・・・・・・「癪の合薬」
五、桂福楽・・・・・・・・・・・・「富久」


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第833回・田辺寄席~桂雀三郎の段

2019-01-20 22:22:22 | 田辺寄席
田辺寄席

「田辺寄席・会員」が一月で切れるので、更新のために桃ヶ池に。
そういえば、昨年は更新しただけで、お伺いできずに一年が・・・・。
今年は、少し多めに参加したいですな・・・・。


か~るくたっぷりの会・桂雀三郎の段

久しぶりの、田辺寄席の高座

開口一番・・文太・・・・・「愛宕山」

小文枝師匠に直接付けて頂いたネタ、「愛宕山」。
矛盾、虚構の多いネタですが、そこを感じさせないのがキモ・・・・。
「かわらけ」実際琵琶湖でしたのですが、投げ方からまるっきり違いますと・・・。

盲導犬の「デイリー」が引退したので、それにちなんだクイズを二問。
当たった方には、手ぬぐいを進呈・・・。

さて、二代目の名前は?

一、桂文太・・・・・・・・・・「つる」

「つる」、米朝一門が、最初に覚えるネタとか。
リフレイン、くりかえし、ウラ覚えで失敗、主人公のアホさ加減に、
登場人物の使い分け、色んな要素が入って入るんですな。

真打、ベテランが演じる、前座噺は奥深くておもしろいですな。

そう言えば、二月に繁昌亭で、ベテラン前座噺の会がありますな。
いつもとは違うどんな、笑いがおきるのか楽しみですな。


二、桂雀三郎・・・・・・・・「夢の革財布」

東京でいう「芝浜」、そういえば山の手線の新駅の候補に「芝浜」もあったのに、
投票結果を無視しての「高輪ゲートウェイ」とは、愛想ないですな。

「芝浜」、人情噺で、年末にはきっちりと泣かせる、聴かせる噺。

雀三郎さん、あの三木助さんで有名な顔を洗って紫色の夜が明けてくるところ
バッサリ、割愛・・・・まあ、芝浜って名乗ってないから・・・・ありか。

人情噺の重苦しい臭さはなく、あっさり目の雀三郎さんの「夢の革財布」。

でも、亭主に三年間も隠し事ができた女房、改心してうまくいったから良いようなもので
もしうまくいかなかったら、いついうのか、その機会は訪れるのか・・・。

善きことと言いながら、亭主に嘘をつく女房・・・
果たして、ありがとうと、頭を下げることができるのか、私には自信がありませんな。


三、桂雀喜・・・・・・・・・・「終活のススメ」

「就活」のススメにかけて、「終活」のススメ、今や「終活」も常套句に。

死んでから、残された方が慌てるのではなく、生前から準備しておこうと、
“クレジットのNO、暗証番号”“葬儀でのお気に入りの写真”
“保険や財産の一覧表”“自動引き落としの停止手続き”
“隠し子”に“遺産相続”いや“借金”のあるなし。

いろいろ、ありますな・・・・。

じっくりと振り返って、人生の総清算しておくのも良いですな・・・。

雀喜さんの十八番「終活のススメ」でおました。


四、桂雀三郎・・・・・・・・「不動坊」

冬のネタ(東京では、幽霊つながりで夏の噺とか)
風呂で利吉がのろけて、風呂にドボンとはまるところ、
雀三郎さん、師匠枝雀さんみたいに、座布団の上で横に寝ころぶ、
まさに枝雀一門の身体を張った芸の伝承ですな。

全体に、冬の寒さも薄らいだ、あっさりめの「不動坊」。
なんといっても、寒さの厳しい、こってり味の「不動坊」が好きですな。


第833回・田辺寄席~か~るくたっぷりの会・桂雀三郎の段
2019年1月20日(日)午後Ⅰ:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番・・文太・・・・・「愛宕山」
一、桂文太・・・・・・・・・・「つる」
二、桂雀三郎・・・・・・・・「夢の革財布」
三、桂雀喜・・・・・・・・・・「終活のススメ」
仲入り
四、桂雀三郎・・・・・・・・「不動坊」
三味線・・・・・・花登益子
 鳴り物・・・・・・桂む雀
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800回・田辺寄席・記念公演

2017-10-21 23:53:02 | 田辺寄席

800回・田辺寄席・記念公演


ホールに並んだお祝いのお花




台風真近に来る、桃ヶ池公園市民活動センター

田辺寄席、43年、800回記念公演。

第一回が、1974年(昭和49年)9月6日
その時の演者さんと演目は、
桂文喬・・・・・・・「動物園」
桂文太・・・・・・・「江戸荒物」
桂我朝・・・・・・・「延陽伯」
笑福亭仁福・・・「壺算」
桂米治・・・・・・・「宿替え」・・・(雀三郎)
桂文福・・・・・・・「牛ほめ」
旭堂南右・・・・・「江島屋騒動」
桂小米・・・・・・・「替り目」・・・(枝雀)

小米さんに米治さん、凄いのは文福師匠が落語を・・・・。

一、桂三語・・・・・・・・・・・「狸賽」

元気印の三語、落語家の良さの一つに大きな声と元気、それと笑顔。
三語さんの笑顔、素敵です。

二、桂小春団治・・・・・・・「代書」

「代書」、師匠春団治さんの十八番、やはりその形とはちょい違う形で
でも、違った味の「代書」に。

三、桂文福・・・・・・・・・・・「お笑い演芸教室」

凄いですな・・・30分のフルバージョン、ひとつの形を究めるとは強いもの。
相撲甚句に、なぞかけに、歌謡ショー、お客様へのサービス精神のすべてを
地方でのお年寄りにはウケルでしょうな・・・・。


四、口上・・・・・・・福団治、文福、鶴志、小春団治、(司会、文太)

お祝いの口上・・・文福師匠が田辺寄席の第一回から参加していると。
若手の登竜門的落語会、“田辺寄席”、上方のすべての落語家さんは憧れの高座。

昨今は、色んな処での落語会は増えましたが、年期明け真近になれば
是非、田辺寄席での落語、ご披露して貰いたいもんですな。

五、笑福亭鶴志・・・・・・・「長短」

迫力の鶴志師匠。十八番の「長短」。
さて、素の鶴志師匠は、気は長いのか、短いのか、
見かけは短そうですが、本質の部分では長いような・・・・・。

六、桂文太・・・・・・・・・・・「愛宕山」

師匠小文枝につけて貰ったネタの中でも、思い出の「愛宕山」。

あの、一八と繁八が、愛宕山に登っていくところがキモ、そして文太さん
息も荒く、額から汗、そして顔の肌も紅色に、体力戦なのがよう解りますな。




鏡開きの後、振る舞い酒に・・・。

ひと月に三席、一年で三十六席、次の九百回はほぼ三年後。
記念の千回目は六年弱あとで、まずは健康で過ごさなければでおます。


800回・田辺寄席・記念公演
2017年10月21日(土)午後1:30開演

一、桂三語・・・・・・・・・・・「狸賽」
二、桂小春団治・・・・・・・「代書」
三、桂文福・・・・・・・・・・・「お笑い演芸教室」
仲入り
四、口上・・・・・・・福団治、文福、鶴志、小春団治、(司会、文太)
五、笑福亭鶴志・・・・・・・「長短」
六、桂文太・・・・・・・・・・・「愛宕山」


800回・田辺寄席・記念パーティ


まずは、世話役を代表して副会長さんのご挨拶。


賑やかに、文福一門による、お祝いのなぞかけ、まめださんによる皿回し。


文太さんのご挨拶。





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第792回・田辺寄席(2017年・文月)

2017-07-15 23:01:31 | 田辺寄席

田辺寄席・2017年・文月

今、一番人の入りが悪いとされている土曜の夜席に・・・。


桃ヶ池公園

センターに入りかけたら、団朝さんとすれ違い、ご挨拶を。
公園の方へ、お一人で・・・・ネタ繰りに行かれたご様子・・・。



第792回・田辺寄席

いつもは、前列の端に座るのですが、今回は嫁さんと一緒、
すわり心地の良い椅子を求めて、右側の壁面の前の方の席へ、
いつものとは違うアングル。

詳細は、後日。

開口一番「ワ」「笑い噺}・・・・桂文太

落語家さんの修行時代の失敗談。
時が過ぎれば、笑い話に・・・・・。

でも、本当に破門になり辞めていった人も沢山おられたんでしょうな。
同じ失敗しても、残っておられるのは、神経が図太いのか、
やはり、憎めない人間性なのか・・・・続けておられるから笑い話になるので
・・・・継続は力なりですな。


一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」

月の三席の中で一番入りが良くないと聞いていた土曜の夜席。
今夜も、80人弱のお客様。

笑いというのは、ほかの人の笑いに誘われてどんどん大きくなっていくもの、
やはり、客が少なくて、笑いが小さいと、皆さん、遠慮がちで、
なかなか大きな笑いに膨らまない・・・・・辛いでしょうな・・・呂好さん。

耐えて耐えた、「米揚げ笊」の一席でおました。


二、桂団朝・・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」

気になる先輩、ざこばさんの病後報告など、マクラたっぷり振りながら
客席温めてから、「強情灸」へ・・・・。

やはり、米朝一門の上品さが先行、男の見栄っ張りの一面なのも上品。

そうすると、気で喋るざこばさんは、米朝一門では異端児なんですかな。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「七段目」

文楽で忠臣蔵七段目「祇園一力茶屋の段」をみたとき、感動。
これが落語で何度も見ている「七段目」と、パロディから原型を観る
逆バージョン。

これも、七段目に忠実であればあるほど、おもしろさが増す。

とすると、ちょい物足りなさが、ああ、贅沢になってきましたな。


四、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・「持参金」

ますます、右喬ワールドに磨きがかかる右喬さん。

あの、独特の絞りだすような喋り、肩のこる喋り。

そして、言い間違いもありぃ~の、それでいて許されてしまう。
右喬さんの仁徳というより人柄。

といいながら、冷えたまま、再びトリの団朝さんへ。


五、桂団朝・・・・・・・・・・・・・・・「算段の平兵衛」

正攻法で、きっちりとした「算段の平兵衛」。

良いのにな・・・笑いの渦が巻かない。
まあ、そんなネタですか・・・死人がでてきて、しっとりとした噺。

落語って、ライブ。

お客さんとの相性がほんと大事と、つくづく思い知った落語会でおました。


第792回・田辺寄席(2017年・文月)
2017年7月15日(土)午後5:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番「ワ」「笑い噺}・・・・桂文太
一、笑福亭呂好・・・・・・・・・・・「米揚げ笊」
二、桂団朝・・・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「七段目」
仲入り
四、笑福亭右喬・・・・・・・・・・・「持参金」
五、桂団朝・・・・・・・・・・・・・・・「算段の平兵衛」
三味線・・・・・花登益子
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第788回・田辺寄席(2017年・水無月)

2017-06-17 23:48:35 | 田辺寄席

田辺寄席。


田辺寄席の幟が、いっぱい。


笑福亭生喬さんの段。


変わらない、伝統の高座。


ほぼ、満員の、土曜の昼席。



恒例の中入りタイムのお菓子。

スタッフの皆様の、もてなしのお気持ちが、嬉しいですな。

開口一番「り」「悋気}・・・・桂文太

まずは、6月21日にあるNGK・文太独演会にゲスト予定だった
ざこばさんの話、脳梗塞で倒れられ、代役が同期の雀三郎さんに。
急な話だが、快く引きうけてくれたと・・・・。

開口一番は。「悋気」、ジェラシー、嫉妬。
やきもち程度だと良いですが、嫉妬となると、思いつのって
怖いですな。

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・「孝行糖」

親孝行の徳が認められ、お上から褒美を貰う。
それを元手に、小商いをと周りの者が考えたのが、飴売り。

「孝行糖の本来は、昔々その昔、二十四孝のそのうちで、
ろぉらいしといぅ人が、親を長生きさせよとて、こしらえはじめの孝行糖。
食べてみな、美味しぃで、また売れた、嬉しぃな。
テン、テレツク、スッテンテン……」

聞いているだけで楽しいですな、昔はロバのパン屋とか、
物売りの声というか、石焼き芋とかわらび餅屋とかの売り声があったんですけど・・・。

何でもネットでものが買えたりして、風流という様なモノが消えましたな。


二、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・「青空散髪」

これも、風流というか、ものが無かった時代のお話。
三代目染語楼さん(今の市楼さんの祖父)の作。

昭和の天王寺の公園を彷彿させる、庶民のバイタリティ溢れる
青空の散髪屋、貧しくてもお天道様があるかぎり、明るく生きれる。

ちょっと哀しく、それでいて笑える、人間模様、名作ですな。

三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「蛇含草」

向こうで言う「そば清」。

こちらは、蕎麦ではなく餅。この餅の曲食いが見もの。

落語の噺とは、いろいろ脚色され膨らみ削られ、
こなれて、この様に一つの作品になっていくんですな。


四、笑福亭瓶吾・・・・・・・・・・・「皿屋敷」

「皿屋敷」といえば、どうしても三代目春団治さんと比べてしまう噺。

お菊さんが出てからも楽しいが、皿屋敷に向かうまでの道すがら、
あの怖がりと、仲間の掛け合いが愉しい・・・・。

三代目が亡くなられた後、どなたの十八番になるのか、
興味あるところですな。

五、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・「重ね扇」

良かったですな、生喬さんの「重ね扇」。

元々、三題噺で創られた噺。
六代目松鶴がつくり三田純一さんが加筆したとか。

江戸の歌舞伎役者が、破門になってこの上方で出直す。
その、東京弁が、ちょっとキザっぽく、噺に緊張感が漂う。

芸人を裏で支える女性、昔はこんなハナシがあちらこちらにあったんでしょうな。
笑いも渋めに、最後はほろりとさせる、ちょっとした人情噺に。

先程の「青空散髪」同様、この様な噺は、後世に伝えて欲しいですな。

この噺を演じる、生喬さんのセンスと心意気に、感服でおます。


第788回・田辺寄席(2017年・水無月)
《新じっくり 笑福亭生喬の段》
2017年6月17日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番「り」「悋気}・・・・桂文太
一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・・「孝行糖」
二、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・「青空散髪」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「蛇含草」
仲入り
四、笑福亭瓶吾・・・・・・・・・・・「皿屋敷」
五、笑福亭生喬・・・・・・・・・・・「重ね扇」
三味線・・・・・はやしや京子



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第738回・田辺寄席《新じっくりたっぷりの会―桂南天の段》

2016-01-17 23:05:11 | 田辺寄席

一年振りの田辺寄席ですが、幟が沢山に増えてます。


《新じっくりたっぷりの会―桂南天の段》




開口0番は「禁酒」

酒癖が悪い方というと、先代の文我(我太郎)さん。
人の話の揚げ足を取って、どんな事でも絡んでくる。

もう一人、凄かったのは小染さん。
意識のなくなるまでとことん呑む。
呑みに行こうと云われたら、朝方までは覚悟の上。
亡くなられたのは、享年36才、若かったですな。

「酒は百薬の長、命をけずるかんな」とか、
適度に嗜むのが、よろしおますな。


一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・「金釣り」

最初のマクラから、師匠の生喬さんによく似てきましたな。
落語といい、宝塚といい、師匠と弟子の関係、気持ち悪いぐらい似るんですな。

噺はこの頃、生寿さんよく掛けられる「金釣り」。
珍しい噺ですが、まっこと「金を稼ぐネタ」、「金釣り」でおますな。


二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」

最高、良ろしおますな。・・・・・・・・・・南天落語、爆発。

「体をかわす」、「タイ」を思いだすのに「西宮」からの一連。
随所に、南天さんの工夫がいっぱい。

「針の先」「エサ」の答に、「いったい持っている鯛の、どこにエサ見えんのや」と、
ちょっとしたところに、お客様目線が入る。

「ゾウ」の説明にも、「鼻の長い動物」、・・・・「オオアリクイ」「バク?」などがでてくる
「そんな難しい答え出せるんなら、もっと簡単なあるやろ」と
ひっぱること、ひっぱること・・・・・。

ああ、「米政」の弟が殺されたと聞いてからのドタバタぶりは、最高潮。
大師匠の枝雀さんを彷彿させる。

こんな南天ワールド全開の落語聴けると、誰が行けというた、
それなら「阿弥陀が池」と申しました・・・・の一席でおます。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」

文枝師匠の十八番「蛸芝居」。
家内中、芝居好きの最後は蛸まで踊りだす。

この落語で一番難しいのは、その蛸の顔とか・・・。

サゲは、「黒豆、三粒、持ってきてくれ」と、
これは蛸にあたった時のおまじないらしいです。


四、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「じゅうじゅう亭弁当」

酷い、凄い、辛い、こんな落語、あるんですな。

新大阪から京都までの買った弁当に白ごはんが付いていなくて大騒動。

でも、嫌な上司ですなぁ。 人の過ちにとことん付け込む。
逆の立場なら、どうするのか。

創作落語、作者の本質が表れるとすれば、これが由瓶さんの本質、
笑うに笑えないとはこのこと・・・誠に、怖いハナシでおました。


五、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」

おもしろいのには、間違い無いんですが・・・・。

これは、南天ワールドが出過ぎて、住吉さんではなく、
天神さんの境内のような感じ。

バタバタしてせわしなくて、あの熊野街道のゆったりとした大人の空間、
住吉さんの風景が浮かんでこず。

落語というのは難しい芸で、受け手側の客の想像力に任しているだけに、
酔っ払いの客と駕籠かき二人にフォーカス、焦点が絞られれば絞られるほど、
街道筋の周りの景色が消えてしまう。

あの、「駕籠の向き変えときや」は、場面転換の息抜きで、
お口直しに周りの景色が拡がるところ
そこまで、笑いで埋めてしまうと、ドンドン、インドア状態になってしまいますな。

演者も客も、各自その場でイメージしているだけに、
浮かぶ景色に各々違いが生じるんですな・・・・。
(贅沢な意見で、すいまへん)

ほんと、ああ、落語って、難しい芸でおますな。


第738回・田辺寄席
《新じっくりたっぷりの会―桂南天の段》
2016年1月16日(土)午後5:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、笑福亭生寿・・・・・・・・・・「金釣り」
二、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「阿弥陀池」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「蛸芝居」
仲入り
四、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・「じゅうじゅう亭弁当」
五、桂南天・・・・・・・・・・・・・・「住吉駕籠」



十分愉しませて頂きました、田辺寄席の昼夜公演でおました。



中入りの休憩、寒いだけにぜんざい一段と美味しおます。




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第737回・田辺寄席《桂雀三郎一門会》

2016-01-16 23:02:58 | 田辺寄席

今年の落語初めは、田辺寄席から・・・・・・


《桂雀三郎一門会》


140名もの大入り満員。


開口一番・・・「サ」(鷺とり)

開口一番、文太さんでてくるなり「この頃、涙もろうてあきません」
・・・・・・「春団治師匠が亡くなられました。」と言うなり嗚咽。

思い出深いお師匠さんで、前座時代随分お世話になり、
厳しい中にも、茶目っ気のあるお師匠さんでしたと・・・
・・・・・涙を拭いながらのおしゃべり。

そして、米朝、松鶴、文枝、へと
四天王の中では酒飲みのイメージがあったのは松鶴師匠ですが、
実は家ではあまり呑まれなかったようで、一番強かったのは
米朝師匠、日本酒をゆっくりとぐびりぐびりと呑んでおられました。

春団治師匠と文枝師匠は、横に女の人が居るとすすむお酒で、
粋にそしてご陽気でおました。

今日の開口一番は「サ」(鷺とり)、残り時間が少ないので、
ましてや、最初の部分は雀太さんの「商売根問」とつくので、
ここでは、粗筋と間に入る俄の説明を・・・・・と。


一、桂雀太・・・・・・・・・・「商売根問い」

雀太さんの骨太の落語、好きですな。

「これが、我が一門の特徴ですが」と、
座布団をはみ出しての熱演。

“雀取り”、“鶯取り”“ガタロウ”と商売のあれこれ。

雀太さんの、声の大きさ、元気の良さ、落語の必須条件ですな。


二、桂雀五郎・・・・・・・・「八五郎坊主」

落ちつき払った、雀五郎さん。
あまりの名人芸に、ウツラウツラ。

名前をつけてもろうた処は覚えているが、
街中へ出てからは意識なし、

嫁さん、リズムが良いとすぐ寝てしまうと・・・・、
すると、今日の雀五郎さん、名人芸でおますな・・・・失礼しました。

三、桂文太・・・・・・・・・・「代脈」

文太さん、腎臓結石のハナシで長いマクラを。

「せきどめ」の薬が効いてきたのか、うつらうつら。
気がつくと、娘さんのお腹を押さえている、あぁ、終盤のところ。

古典落語の問題点ですな、・・・そこそこの噺は、知っているだけに
意識が飛んでも、頭では物語は進んでいるのか、ところどころ戻っても、
全部聴いたつもりになっている、・・・・ああ、困ったもんですな。


四、桂雀喜・・・・・・・・・・「アンドロイドJ」

是非聴きたかった「アンドロイドJ」。

これは、創作だけに、全編一語一句漏らさず聴いていましたで。
この「アンドロイドJ」のJは、雀喜さんのJ。

自分とうりふたつのアンドロイドができたら、
嫁さんはどっちを選ぶのか・・・。

人を動かす4つの方法、「利」「愛」「同情」「恐怖」があるらしいですが、
やはり「稼ぐ夫」が一番なんでしょうな。


五、桂雀三郎・・・・・・・・「宿屋仇」

「源やんは色事師、色事師は源やん」

旅の楽しさには、気心知れた仲間同士というのがありますが、
この噺も「源兵衛、清八、喜六」の三人組の、ほたえよう。

でも、その隣にはお武家様が、
世の中には「見てきた様な、嘘を言い」というのもありますが、口は禍のの元。

口に尊ぶと書いて、「噂」、ですが、
あまり「噂」を口にすると、ろくなことはありませんな。


第737回・田辺寄席《桂雀三郎一門会》
2016年1月16日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂雀太・・・・・・・・・・「商売根問い」
二、桂雀五郎・・・・・・・・「八五郎坊主」
三、桂文太・・・・・・・・・・「代脈」
仲入り
四、桂雀喜・・・・・・・・・・「アンドロイドJ」
五、桂雀三郎・・・・・・・・「宿屋仇」



睦月席、恒例の「ぜんざい公社」。


桃ヶ池を眺めてのお庭で、ぜんざいを味わうお客様。


つきたてのお餅入りのぜんざい。
甘さ控えめで、男の私達にも美味しおます。





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第703回・田辺寄席~笑福亭鶴瓶一門会

2015-01-18 20:30:59 | 田辺寄席





鶴瓶さんの出番で、会場は満員御礼状態。

開口0番・・・・桂文太・・・・・「ハ」の巻、「八度狸金玉仇討」

開演は、通常1:00からですが、今回お客様が多いので
12:00から開場、お客様が退屈してはと、その前に文太さん二回登場。

出囃子でも、演りますので、どなたのか当ててください。
最初は、枝雀師匠の「ひるまま」、これは私にもわかりましたな。
次は、あれーなんやったんかいなと思っている内に前の方から
六代目松鶴師匠と、そして曲名は「舟行き」と、凄いですな。

本番の開口一番は、「ハ」の巻で、「八度狸金玉仇討」、
狐が騙す狸が騙すということがありますが・・・「七度狐」があるなら
「八度狸」があってもと、確か本屋の前のワゴンで売っているCDの中に
上方艶笑噺として、文太さんのがあったような・・・その粗筋をちょいと紹介。


一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・「東の旅・発端」

ベ瓶さん、基本に戻っての「東の旅・発端」。
叩きを入れながら、上手に進んだが、途中で一カ所忘れたようだが、
そこは清八にツッコミをいれさして、客席の笑いに転化。

やはり、こういうのが、年季、腕のみせどころですな。

間違っても、詰まっても、いまや安定感抜群の、ベ瓶さんの高座でおました。


二、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」

算盤はじく音が最高、指の動きと算盤の玉、そしてはじく音が気持ちいぐらい
ピッタリとはまって、この部分だけ見ても、鉄瓶さんの「おごろもち盗人」の
完成度がわかる。

ああそうか、この噺、節季の前の日の噺、年に何回節季があったか知りませんが、
やはり季節で分けると、冬の噺に入るんでしょうか。

そう言えば、泥棒、犬にしょんべんかけられる処なんか寒そうにしてましたな。

充実の、鉄瓶さんの「おごろもち盗人」でおました。


三、笑福亭達瓶・・・・・・・・・・「ちりとてちん」

めったに出会わない達瓶さん。

「ちりとてちん」を・・「チュルトゥチュチェン(不確かでおます)」と呼ばして、
音でも笑いを取ろうとするが、普通に演じても充分笑いのとれるネタなのに、
「チュルトゥチュチェン」と言うたびに、ギアが入ってないのにアクセルを
踏んだようで、居心地がいたって悪い。

でも、これほど題名を噺の中で、連呼する噺も少ないですな。
それほど「チュルトゥチュチェン」を意識させてくれた、
達瓶さんの「ちりとてちん」でおました。


四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「長屋の傘」

六代目の想い出をマクラに。

内弟子(下のアパートから)時代の、失敗というよりイタズラの数々。
師匠が飼っている九官鳥の鼻に爪楊枝を差しこんだり、
卑猥な言葉を教えたり、ライターで師匠を火傷させたり、

それと、このまえ亡くなった弟弟子だった小松さんの思い出を。

噺は「長屋の傘」、鶴瓶さんの噺で私が一番聴いている演目。
でも、今日の六代目の師匠ちょっと元気が無かったようで
いつもの迫力なかったですな。

私落語では、好きなのは「青木先生」「オールウェイズ・・・・」「長屋の傘」の順ですかな。


五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」

三代目の「祝いのし」が頭にあるので、どこかしら違和感がある。

アホな喜六が、文太さんではどんどん賢くなっていくようで、
「のしに根本」のあたりでは、まともなおやっさんに・・・・・・・・。

でも、この形が、師匠の文枝さんの直伝なんでしょうな。

確か1987年 「第1回NHK新人演芸コンクール」最優秀賞の受賞の演目は
この「祝いのし」だったとか・・・・・。


六、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「山名屋浦星」

今日、ネタ下しで、これからも演るか、演らないかは、今日の出来次第。
皆さん、責任重大でっせ、と。

噺は、江戸の吉原、江戸勤めをしているお侍さんが、仲間の寄合に
江戸の妻(馴染みの女)を連れてきて呑もうと・・・。

真面目すぎて、そうういうことのできない主人公が、噺の勢いで約束
連れて行こうと思ったのが、吉原一の花魁「山名屋浦星」。

さて、その結末は・・・「紺屋高尾」とよく似た筋書き。

江戸言葉に、武家言葉、そして花魁言葉、と、大阪弁は唯一
大阪から流れてきましたという牛公のみ。

50ヘルツと60ヘルツの違いのように、
こんなに言葉を選び、探りながら話す鶴瓶さん、初めて。

貴重な経験、させて貰いましたで・・・・・。




第703回・田辺寄席
2015年1月18日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口0番・・・・桂文太・・・・・「ハ」の巻、「八度狸金玉仇討」
一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・「東の旅・発端」
二、笑福亭鉄瓶・・・・・・・・・・「おごろもち盗人」
三、笑福亭達瓶・・・・・・・・・・「ちりとてちん」
四、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「長屋の傘」
仲入り
五、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「祝いのし」
六、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・「山名屋浦星」






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第694回・田辺寄席~桂文枝一門会

2014-10-19 16:15:59 | 田辺寄席

第694回・田辺寄席


秋晴れの昼下がり、奥に見える近くの桃ヶ池公園はオアシスです。


今、文枝一門で一番油の乗りきった方々が勢揃い。



開口一番・・・“も”・・・(桃栗3年、柿8年)


お題に関係なく、今年の師走月には、700回目を迎える“田辺寄席”。

第一回は、昭和49年(1974年)9月6日(金)に、
南田辺駅前の「盤パン屋」の三階大広間ではじまった。

台風で一度だけ休演がありましたが、それから、40年、700回、
今や各地で開催されている地域寄席の草分け的存在。

700回目にも、既にカウントダウンに入った“田辺寄席”
文太さん、今迄の想い出を走馬灯のごとくマクラに。

お題の“も”の「桃栗3年、柿8年」の後はあるそうでと、調べてみると
「桃栗3年、柿8年、柚子は9年でなりさがる、ウメは酸いとて13年、ナシの大馬鹿18年」

なんとなんと、「田辺寄席、地域に根づいて40年」でおます。


一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・「太田道灌」

東京では、入門時に前座時代に必ず教えられる噺らしいが、
上方で生で聴くのは、初めて・・・・。

今回お伺いしたのも、この後続く粗筋は知っているが生で聴く機会の少ない噺が、
でているので・・・・この噺、練習曲とすればリズム感とメロディの流暢さがキモ。

しかし、私は連日の仕事の疲れがでて、阿か枝さんのリズム感のある流暢な語り口に
思わずすい込まれて、・・・・後半はうつらうつらで、気が付くとサゲの部分。

あいすいません阿か枝さん・・・気持ち良くさせるのも腕でっせ・・・と。
阿か枝さんを誉める、ごまめでおました。



二、桂かい枝・・・・・・・・・・・「明石飛脚」

この噺、米朝さんの上方落語選に載っていたので、本で知っている噺。

桂ちょうばさんのをラジオで聴いたことはあるが、生では初めて。

寝て起きてからの、“オチ”。
便所で、おむすびを落として、“オチ”。
ウワバミに呑みこまれてからの、“オチ”。

噺が終ってからの、“オチ”よりも、噺が終わりではなく
また始まる、繰り返しのおもしろさ。

仁智さんの「ハードラック」を彷彿させる、「明石飛脚」、おもしろい構成。
かい枝さん、珍しい噺、ありがとさん・・・・上方落語の奥は、深いですな・・・・。



三、桂文華・・・・・・・・・・・・・「風呂敷」

これもまた、生初めての噺。

艶っぽい噺、上方ではこの頃「紙入れ」はよく演じられるが、
「風呂敷」は珍しい。

“知らぬは亭主ばかりなり”をまさにハナシにしたような落語。

風呂敷、一枚で間男の男を救いだす兄貴分。
スリルと笑いは裏表ですな・・・・。


四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

これも、呂鶴一門の十八番の演目。

やはり、おもしろさは田舎弁のおなごしさんの喋りがキモ。

すべての噺を器用にこなす文太さんにとっては、
どの演目も、ご自分の噺として・・・「あります、あります」でおますな・・・。



五、桂あやめ・・・・・・・・・・・「夫婦善哉」(織田作之助作)

あやめさんが、織田作之助の本からのイメージではなく、
NHKのテレビドラマ(蝶子・尾野真千子、柳吉・森山未来)に触発されての展開。

笑いはいたって少なく、講談のごとく語り中心に進む。

でも、蝶子の台詞には、この役をしたいというあやめさんの気持ちが随所に表れる。

落語家“あやめ”さんより、女優“あやめ”さんの一人芝居。

こんな、「名作」シリーズが続く様な、予感をさせる
あやめさんの「夫婦善哉」でおました。



第694回・田辺寄席
2014年11月19日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂阿か枝・・・・・・・・・・・「太田道灌」
二、桂かい枝・・・・・・・・・・・「明石飛脚」
三、桂文華・・・・・・・・・・・・・「風呂敷」
仲入り
四、桂文太・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
五、桂あやめ・・・・・・・・・・・「夫婦善哉」(織田作之助作)

三味線・・・・・・・・花登益子




11月霜月席

第695回・11月15日・昼席・・・主任、花丸
第696回・11月15日・夜席・・・主任、文福
第697回・11月16日・昼席・・・主任、三喬


12月師走席

第698回・12月20日・昼席・・・主任、雀三郎
第699回・12月20日・夜席・・・主任、あさ吉
第700回・12月21日・昼席・・・主任、鶴志




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さよならは小さい声で 松浦弥太郎エッセイ集情と笑いの仕事論 -吉本興業会長の山あり谷あり半生記- (ヨシモトブックス)幸田文の箪笥の引き出し人生激場マンガ落語大全 鰻(うなぎ)の幇間(たいこ) (講談社+α文庫)
マンガ落語大全 横町の事情 (講談社+α文庫)大人の落語評論: えぇぃ、野暮で結構っ! (フィギュール彩)色を奏でるいつでも90台で上がれる人のゴルフの習慣 (日経プレミアシリーズ)1%の人だけが実行している45の習慣
さりとて、落語家ちびちびごくごくお酒のはなし (PHP文庫)落語と川柳柳家喬太郎 江戸料理 平らげて一席雲助、悪名一代 芸人流、成り下がりの粋 (落語ファン倶楽部新書008)
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第685回・田辺寄席《新じっくりたっぷりの会~桂文之助の段》

2014-07-20 22:40:24 | 田辺寄席
(カレンダー、最新記事、最新コメント、必要な方、「第685回・田辺寄席」のタイトルをクリックしてください)



久しぶりの田辺寄席へ嫁さんと一緒に・・・。


夏の日差しの桃ヶ池公園


今日は、文之助さんの「らくだ」をお目当てに・・・。


開口一番 「あ」あきすとぜねこ・・・・・・桂文太

昔の子供時代の遊びを紹介。

ベーごま、ビー玉、サザエ、三角ベースの野球、カンケリ、色々ありましたな。

「あきすとぜねこ」・・・

誕生日の月日を足して、それを1なら“あ”愛してるとか
6なら“ね”熱烈とかいうらしい・・・。

文太さんの京都独自のものか、田辺寄席のお客様には、知っている人は皆無。

ところ変われば、でウケてませんでしたな。


一、桂弥太郎・・・・・・・・・・「狸賽」

吉弥さんの弟子。

上手いという印象があったのですが、4年前は感動したのですが
あれから4年、この時期ドンドン成長の限りと思いきや
一時、足踏み状態に・・・・・・。

一気に駆け上るのではなく、踊り場的時があるんでしょうな。

「狸賽」は、喬介さんのが、お気に入りです。


二、桂文之助・・・・・・・・・・「播州巡り」

文之助さんで、旅ネタ「播州巡り」、よろしいな。

さして、爆笑がとれる噺でもないが、
喜六、清八、の二人のやりとりが、淡々とすすむ。

何か、落語の教科書のごとく、でも二人の言葉のやりとりだけだが、
くすくすの笑いながら、きちっちと笑いをひらっていくのが大事なんでしょうな。

今回、塩鯛さんの「遊山船」を聴いて、この播州巡りの喜六、清八を思いだした。

喜六、清八、をきっちりと演じるのが、名人への第一歩なんですな。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・「近日息子」

狂気のエキサイトぶりがキモの「近日息子」

文太さん、熱演だが、
長屋の連中が間違った言葉使いをする男を攻めたてるところ、
あの、一発触発のいいあいのところがキモ・・だが、ちょいとおとなしめ。

暑い夏用か、クールタッチの文太さんの「近日息子」でおました。


四、笑福亭瓶吾・・・・・・・・「阿弥陀池」

瓶吾さんの、薄味、好きですな。

おかきの、湿ったような。
温くなった、ポカリスエットのような。
パンツのゴムがユルユルになったような。

そんな、瓶吾さんの落語。

ほのぼの感というか、人間性というか、優しさあふれる落語で、好きでおます。


五、桂文之助・・・・・・・・・・「らくだ」

今日、お目当ての文之助さんの「らくだ」

でも、いたって上品な「らくだ」
かんかんのうの唄の文句は、最初にゆっくり丁寧に解説してくれるが、
落語内では、あの、死人のカンカン踊りの仕草も一切なく、あっさりと終わる。

死人を、おもちゃに使うなんて、文之助さんにとっては許されないことなのか、
棺桶替わりの樽に、らくだを突っ込む床でも上品。

そういえば、ヤタケタの熊、らくだの兄弟分だが、結構最初からおとなしめ。
だから、後半屑屋と立場が入れ替わっても、落差が少なく、その分、上品。

噺は、時間の都合か、焼き場まで行かず、途中で終わる。
(まあ、焼場のシーンはあとから足した様なとこですが)


でも“かんかんのう”の唄は頭に残りますな、歌詞だけ写しときます

かんかんのう きうれんす

 きゅうはきゅうれんす
さんしょならえ さあいほう
にいかんさんいんぴんたい
やめあんろ
めんこんふほうて
しいかんさん
もえもんとわえ
ぴいほう ぴいほう

正調かんかんのう、はこのあと英華さんで聴かせてもらいました。



第685回・田辺寄席《新じっくりたっぷりの会~桂文之助の段》
2014年7月20日(日)午後1:00開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番 「あ」あきすとぜねこ・・・・・・桂文太
一、桂弥太郎・・・・・・・・・・「狸賽」
二、桂文之助・・・・・・・・・・「播州巡り」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・「近日息子」
仲入り
四、笑福亭瓶吾・・・・・・・・「阿弥陀池」
五、桂文之助・・・・・・・・・・「らくだ」
三味線・・・・・・花登益子




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第659回・田辺寄席~桂紅雀の段

2013-11-17 08:27:51 | 田辺寄席

久し振りの田辺寄席




紅雀さんの「親子酒」と文太さんの「鰻の幇間」を楽しみに・・田辺寄席へ。


開口0番・・・「ぬ・盗人」・・・桂文太

恒例の文太さんの開口0番、今回は「ぬ」で盗人の紹介。

文太さんがされるのは、一人では「盗人の仲裁」東京でいう締め込み。
二人では「へっつい盗人」、三人では「眼鏡屋盗人」とか
そう言えば「打飼盗人」「書割盗人」「仏師屋盗人」ああ、「花色木綿」でさえ
文太さんで聴いたことおまへんな・・・・。


一、露の紫・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

この前のNHKの新人演芸大賞の大賞は逃がしましたが、流石の実力。
(上方では、もっぱら実質の大賞は紫さんとの評判)

お嬢ちゃんの可愛さと、大阪のおばちゃんの厚かましさが適度にミックスした紫さん。
江戸荒物を聴いていると、随所に師匠の都さんがでてくる。
やはり、師弟なんですな・・・・。

賞を取って、芸も体も一回り大きくなった紫さん。
師匠のような、紫噺を早く聴きたいもんですな・・・・・。


二、桂紅雀・・・・・・・・・・・・・「向う付け」

よろしいな、紅雀さんの“喜ぃさん”・・最高でおます。

葬式の場に行ってもとんちかんな言動で周りを和やかす喜ぃさん。
こんな人を暖かく見守れる、世間様っていいですな。

十一屋の御寮さんの「おおきに、今日初めて笑わせてもろたわ」の一言、
この噺の中で一番好きなとこでおますな・・・。

紅雀さんの“喜ぃさん”大好き。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・「鰻の幇間」

文太さん得意の江戸落語の移入シリーズのひとつ。

「鰻の幇間」、この噺、幇間持ちが旦那に合わせてのジュンサイさと
騙されたと知ってからの豹変振りのおもしろさ。

でも、文太さんの悪言の凄さ、毒つくのがエグく
笑いを越えてあと味の悪いものに転化。

騙された一八へ、同情よりも然も有りなんと思ってしまう一席でおました。


四、桂一蝶・・・・・・・・・・・・・「ご先祖様」

先代の春蝶さんの作。
あの世に行って、ご先祖様に挨拶周りする噺。

何気なく、ふわっと聞いていたので、
誰に会ったのかも解らぬままに終了・・・・・すいません一蝶さん。

でもマクラでのお母さんの「食べれてるか。」「小遣いあげよか。」だけは
頭にしっかり残ってまっせ。


五、桂紅雀・・・・・・・・・・・・・「親子酒」

酒のみの姿に、師匠の枝雀さんを彷彿させる紅雀さんの「親子酒」

息子のうどん屋と絡む姿、亡き枝雀師匠を思いだし、懐かしく聴く。

紅雀さん、酒飲みの噺もおもしろそう。

でも、先に“喜ぃさん”のような主人公がでてくる
「青菜」「崇徳院」「宿替え」なんぞ、是非聴いてみたいですな。

久し振りながら、大満足の田辺寄席でおました。

ああ、最後の「笑呆亭」で次回の田辺寄席の招待券あたりました。
あわせてありがとさ―ん、でおます。


第659回・田辺寄席~桂紅雀の段
2013年11月16日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口0番・・・「ぬ・盗人」・・・桂文太
一、露の紫・・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
二、桂紅雀・・・・・・・・・・・・・「向う付け」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・「鰻の幇間」
仲入り
四、桂一蝶・・・・・・・・・・・・・「ご先祖様」
五、桂紅雀・・・・・・・・・・・・・「親子酒」


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第631回・田辺寄席~桂春雨の段

2013-02-16 22:44:59 | 田辺寄席


久しぶりの田辺寄席、それも昼夜掛け持ちとは・・・・。


鶴松さんの落語、初めて・・・・。


開口0番・桂文太・・・・・・・「け」の巻・「稽古」

四天王の師匠方の稽古について・・・。
各師匠とも、実際稽古されているのは、誰にも見せなかったとか。

一緒に暮らしていた、小文枝さんが語るには、
若い時の松鶴は、物干し場の隅でボソボソとネタを繰っていたとか、
米朝さんにいたっては、弟子誰一人として、稽古を聞いたものはいないという。

文太さんの師匠、当時小文枝さんは、横になってブツブツとはあったが、・・・。
当時、テレビの落語番組は生中継で、12分とか13分とか時間通りに収めなければで、
ストップウォッチで、時間を計りながら、よくなぞっておられ、
8分、10分、12分と一つの噺でも、自由自在に調節できたとか。

特筆は、枝雀師匠、電車の中でも普段通りの声で落語を一席やり出すと
すべてが見えなく、いつも師匠の周りは「空いていたと。

ある噺家さんは、散歩をしていて噺の途中で家が近づいてくると、
遠回りをして、家へ帰るとか・・・。

まあ、準備、練習、稽古、何事も基礎が大切ですな。


一、桂福丸・・・・・・・・・・・・・「始末の極意」

出会うごとに、演目の違う福丸さん、今回は「始末の極意」。
安定感のある噺っぷりに、どっぷりと浸る。

でも、この「始末の極意」の親指と人差し指を丸めての、サゲ、
仕草オチというか、他にこんな仕草オチの落語ってあるんでしょうか。

でも、昼夜、半日遊んで楽しませてもらって、2400円(会員料金ですが)、
まさに、落語は、田辺寄席は、心のリフレシュする最高の「始末の極意」かも
しれませんな。


二、桂春雨・・・・・・・・・・・・・「初音の鼓」

東京ネタ、「火焔太鼓」ではないが、お殿様が鼓を買われる、
鼓を叩けば、近くの者に狐がとりつくと・・・・。

その音で、狐が踊りだす。体力のないので、普段省エネの落語を目指している
春雨さんにとっては、ハードな演目。

途中、息切れ気味で、貧血で倒れるのではないかと、
ヒヤヒヤとする、春雨さんの、珍しい「初音の鼓」でおました。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・「茶目八」

じゅんさいというか、贔屓の旦那に合わせる太鼓持ちの真骨頂。

それでいうと、最初の茶目八が、旦那のコロコロ変わるハナシに
合わせるところで、この噺はキマリですな。

上方では、演じる方も少なく、文太さんならではの噺。
上方落語の、カタログである田辺寄席ならではの珍しい噺。

やはり、田辺寄席は伝統でけではく、常に目の離せない大事な落語会でおますな。


四、笑福亭鶴松・・・・・・・・・「二人ぐせ」

初めての出会い、鶴松さん。
硬さのある高座でスタート。

ひっくり返せば、松鶴なので、インターネットなのでは、混同
六代目と間違って、死んだとかの噂がでたりして、・・。

噺っぷりは、松鶴師匠とは正反対で、あっさり目。
一言で云えば、笑福亭っぽくない薄味。

帰り際の私服姿も、笑福亭には見えない、、お洒落でかっこよい。
すべてに、らしくない笑福亭、発見でおましたな。



五、桂春雨・・・・・・・・・・・・・「軒付け」


「て―んつ、てんてん」「うなぎの茶漬けは」

うら覚えですが、昔は軒先に色んな方が来てましたな。
おもらいさんや、正月には獅子舞とか、大阪の梅田には・・・

そういえば、ギターの流しの方もおられませんな。
カラオケの普及ですか、色んなものが無くなってしまいましたな。

アベック、チョッキ、メリヤス、カチャカチャ(我家ではリモコンのこと)
チーン(レンジ)しては、まだ使ってるか・・・。
さらっぴん、しがむ、せんど、へんねし(ヘネシーとは違いまっせ)
ざんない、貧乏ゆすり、消えつつあるもの、消えていく言葉、
他に何が、ありましゃろか。

「て―んつ、てんてん」「とてちん、とてちん」、「ちりとてちん」
ちりとてちんは、朝ドラで復活しましたな・・・。


私も、夜席に備えて、笑いも体力温存の昼席でおました。


第631回・田辺寄席、如月、昼席
~新・じっくりたっぷりの会・桂春雨の段
2013年2月16日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口0番・桂文太・・・・・・・「け」の巻・「稽古」
一、桂福丸・・・・・・・・・・・・・「始末の極意」
二、桂春雨・・・・・・・・・・・・・「初音の鼓」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・「茶目八」
仲入り
四、笑福亭鶴松・・・・・・・・・「二人ぐせ」
五、桂春雨・・・・・・・・・・・・・「軒付け」

13-6-26


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第604回・田辺寄席~桂米二の段

2012-05-19 23:34:19 | 田辺寄席



田辺寄席・・・今日の昼席は、米二さんに八天さんに文太さん
極上の噺を聴かせてくれるご三人と、色を添える可愛い二葉ちゃんの登場。


一、桂二葉・・・・・・・・・・・・・・「動物園」
可愛い、二葉ちゃんの登場。
地元に近い出身とか、多くのお知り合いが応援に。

マクラは、アホが二人出ますと、ハナシになるようでと古典的マクラ、
兄弟で星をとるハナシ、そして来年の3月と5月はどっちが先に来るかというハナシ
と、こんな聴きなれたハナシでも初初しく新鮮に聞こえる。

話は、「動物園」。
虎の動きや、皮のぬいぐるみを着るとこなんぞ、普通なら拍手
大爆笑のところ・・・二葉ちゃん・・さらりと進む。

雀々さんや、南天さんのように、十八番にもなるネタ。
二葉ちゃんも、爆笑編に熟すのを楽しみにしてまっせ。


二、桂米二・・・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」

上品な「くしゃみ講釈」
「二千がん」「八百屋」へ、「胡椒の粉」と何べん聞いても覚えられないアホが、
八百屋で思い出すのに、「のぞきからくり」の八百屋お七を一段語る。


「ホェ~ッ・・ 小伝馬町より引き出され……」「それおまえ、一段やったんかいな」
「でも、胡椒の粉、二千がんが覚えられへんおまえが、よう覚えられたなぁ」と、
気が付かなければ通り過ぎてしまうようなところに、きちっと米二さんの疑問というか
思いを差しこむ・・・こんなとこ、好きですな。

とんがらしの煙にむせびながらの講釈も、あっさりめ。
くどくなく、米朝師匠の滋味ある語りを彷彿させる米二さんの「くしゃみ講釈」でおました。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「向う付け」

文太さんも、あっさりめながら楽しい「向う付け」。

でも、一番最初に聴いたのが、若きパワー全開の時の仁鶴さんの「向う付け」
あの、ひとの良さがでた、あほさ加減は最高でしたな・・・・。

「池田の猪買い」「七度狐」「黄金の大黒」そして「向う付け」は、昔聴いた仁鶴さんの印象が強過ぎて、
どなたのを聴いてもなぜか,心底満足できない噺でおます。
(過去の亡霊に犯されて、案外、不幸なのかも知れませんな)


仲入り

仲入りのお菓子タイム・・・・。


四、月亭八天・・・・・・・・・・・・「粗忽長屋」

来年、月亭文都の名跡襲名が決まった八天さん、東京ネタの「粗忽長屋」を・・・・。

お前は私、すると私は誰、ほんと不思議な噺。
ナンセンス極まりないない話、「まあ、本人が言うんですから間違いないでしょう」と
解った様な解らない、第三者のポツリのセリフも効いている。

普通では到底ありえない人物・・・でも、ひょっとしたらいるんではないかと思ってしまう
この愉しさ、嬉しさは・・落語ならではの醍醐味でおますな。


五、桂米二・・・・・・・・・・・・・・「火事場盗人」(小佐田定雄作)

盗人、入った商家が火事、思わず叫んで店の者を助けるが、混乱の中で預けられたつづらの中から赤ん坊が、
返そうと疾走するが、一週間経ち盗人夫婦、情が湧き、自分たちの娘として育てる。

そして、十数年が経ち、結婚真近という娘と一緒に行った木屋町で、実の親とばったり・・・・。
最後は、生みの親よりも、今まで通り、育ての親の元に・・・・ちょっとした人情噺。

でも、このまえ談四楼さんで聴いた「ぼんぼん唄」とよく似ている筋書き。
昔は、養子縁組とかよくあった時代、これに近いハナシはあったんでしょうな。

サゲは「良い娘になったもんやな、入れたのがツヅラだけに、箱入り娘に育ててもろうた」

さらりとしているだけに、余韻漂う、米二さんの「火事場盗人」でおました。


第604回・田辺寄席~桂米二の段
2012年5月19日(土)午後1:30開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂二葉・・・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、桂米二・・・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・「向う付け」
仲入り
四、月亭八天・・・・・・・・・・・・「粗忽長屋」
五、桂米二・・・・・・・・・・・・・・「火事場盗人」(小佐田定雄作)


12-20-99


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600回記念公演~田辺寄席・弥生席

2012-03-18 23:14:37 | 田辺寄席

・・・・・・田辺寄席、600回記念・おめでとう。・・・・・・


なんと今日は田辺寄席の、600回記念でおます。


本日トリは、鶴瓶さん・・・チケットは予約にて早々と完売。


仲入りでお客様は休憩中、大入りでぎっしり並んだ椅子。


終演後の鏡割り・・・そのあとお祝いの振舞い酒。





第一回が昭和四十九(1974年)年九月六日(金)で、演者と演目は、

桂文喬・・「動物園」、桂文太・・「江戸荒物」、桂我朝・・「延陽伯」、笑福亭仁福・・「壺算」
桂米治・・「宿替え」、桂文福・・「牛ほめ」、旭堂南右・・「江島屋騒動」、桂小米・・「替り目」

*米治(雀三郎)、小米(枝雀)、

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

開口〇番・・・番外・「おねおね」・・・桂文太

出囃子の紹介、まずは枝雀師匠の「ひるまま」、文枝師匠の「廓丹前」
松鶴師匠の「ふなゆき」、それぞれに文太さん、笛を持ち替えてご披露。
実に良い音色で、三味線、太鼓を抑えて主役でおました。

一、桂まめだ・・・・・・・・・・・・・「長短」

よせぴっには「ひょうたん」とまめださんの新作かと思いきや、
本日のプログラムには、「長短」、きっと、当初何しますの・・・「ちょうたん」が
田辺寄席の係の方が聞き間違えたのか、まめださんの言い方が悪かったのか
いつのまにか「ひょうたん」に。

気の長い男は、まめださん、そのもの。のんびりと、飄々としている。
でも、この噺、鶴志さんにつけて頂いたとか、その時の稽古風景は
さながら「長短」だったんでしょうな。


二、桂春蝶・・・・・・・・・・・・・・・「権助提灯」

艶っぽい、「権助提灯」。

「いたりきたり」。

本妻と妾の間にはさまった旦那が主人公ではなく、嫉妬心を隠しながら、
心の大きさを示したく、旦那を妾と奥さんの処へ追い帰す女心・・・・。

春蝶さん、追い帰しながらも、甘える女の色気は、エロい。

その色香に、旦那さん、身も心も、「いたりきたり」、ですな。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「松島心中」

東京でいう、「品川心中」。
衣替えができない女郎が、金がないので死ぬのはかっこ悪いと、
心中の相手に選ばれたのが、本屋(紺屋)の金蔵。

「でも、あの世で一緒になれるんだね」とは、二人とも凄いですな。
今、男女の心中なんてあるんでしょうか。
経済力のついた近頃の女性、男性のために死ぬなんて
「ちゃんちゃらおかしくて」が、本音では・・・。

これもまた、男は女に弱いの巻ですな。

四、虹友美・・・・・・・・・・・・・・・「なないろ三味線」

七色の三味線と、普通のと、太棹の二つを持って登場。
「声が小さくて、すいません・・後ろの方、聴こえますか・・」
の照れ笑いと喋りが、味になっている。

恥ずかしながらの引く芸と、毒舌の押す芸の違いはありながら、
かわいい声とお喋りの間の匂いは、かつてのひな子師匠みたい・・・。

太三味線に持ち替えてからは、
ベンチャーズの「パイプライン」。クラシックの「剣の舞」。
そして、最後はオリジナル曲としての、「津軽三味線」で思う存分、テクニックを披露。

まどかさんの曲師の時からとは違い、ピンの芸人さんとしての一人立ち、凄いですな。


五、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・「お直し」

声が割れて、しわがれ声・・。
昨日、ÅスタジオでSMAPの中井と言いあいになり、
そのあと違う番組で、坂東英二さんとも喋り過ぎで、声を使い・・
医者に行くと「●●●●●●」という病名、よくスナックのママがなる病気らしい。

まあ、誰かに代演頼みましょうかとあったのですが、600回記念ですので
聞き苦しいでしょうが、演らしていただきます・・と。

噺はまたしても、廓噺。・・・先ほどと噺がつくなんぞはお構いなしで・・。

でも、鶴瓶さんの「お直し」、良かったですな。
東京から大阪へ、舞台は移しているが、女は吉原出身で東京の言葉で喋る。
啖呵をきるところの台詞が聴かせ処だけに、敢て東京弁そのまま置いたんですな。

でも、男のために、身を売る女性がいるなんて、
ほんま、男女の中というのは不思議なもんですな。



600回記念公演~田辺寄席・弥生席
2012年3月18日(日)午後1:10開演
桃ヶ池公園市民活動センター

一、桂まめだ・・・・・・・・・・・・・「長短」
二、桂春蝶・・・・・・・・・・・・・・・「権助提灯」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・「松島心中」
仲入り
四、虹友美・・・・・・・・・・・・・・・「なないろ三味線」
五、笑福亭鶴瓶・・・・・・・・・・・「お直し」


12-13-67


600回記念公演、田辺寄席が、上方落語の地域寄席の老舗として、
700、800、そして、1000回と永久なる発展をお祈り致します。


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第595回・田辺寄席~笑福亭鶴志の段

2012-02-18 22:32:26 | 田辺寄席
本日は、久し振りの田辺寄席。




開口0番は「ワ」、「笑い噺」で、世界のジョークを・・・。




一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」

名前が、べ瓶になってから初めての出会い。
腹に入っているというか、自由自在に思う存分語っている。
元気いっぱいの「江戸荒物」。やはり、べ瓶さんの勢いある落語は、健在ですな。

二、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」

鶴志さん、貫禄でおますな。
泥棒にいく相棒(喜六)の頼りないこと。

堺の刑務所や、シルクハット、小便に、へっついを持ち上げて下に縄を通すなど、
随所の頼りなさが、この噺を一段とおもしろいものにさせる。

ましてや、鶴志さん、喜六が竹の垣を除けるのにこわごわやってると、「一気にやれ」
「サロンパス剥がす時と一緒や・・・一気にやれ」とかあちらこちらに、ギャグ満載で
愉しさ倍増・・・豪快さと繊細さが入り混じった鶴志さんの「へっつい盗人」、おもしろおますで・・・。

三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船」

乗合船に乗ってからのお国の尋ねあいのとこは割愛して、なぞかけから入る。
サメが乗船客に魅入りするまでは、袖すり合うも多少の縁、のんびりとした船旅が楽しいですな。


四、笑福亭忍笑・・・・・・・・・・・・「三人上戸」

あとからでてきた鶴志さんが、「こんな静かな、三人上戸、初めてや」と言うぐらい笑いの少ない、
笑うのに、客席一同が、緊張してしまった忍笑さんの「三人上戸」。

笑いとは、緊張と緩和と言われているが、その緊張がずっと続く。

噺は、酒飲みが、泣いて、笑って、怒って、うどん屋に絡む、よく言われる「うどん屋」。
酒飲みが酔ってはいるが、どこか演技っぽいというか、笑う、間が、見当たらない・・・・。
喋くりは酔ってはいるが、目が酔っていないからなのか・・「目は口ほどにものを言い」ですか。

噺家さんが酒も呑まずに酔うなんて、こちらはいつも居酒屋気分で、気楽に見せて貰っていますが、
やはり、高度な話術、テクニックなんでおますな。

田辺寄席の寄合酒の解説におもしろいのあったので転載・・・。

「戸」は大人の男の意。古代社会では大人の男が稼ぎ人、筆頭。
大人の男が大勢いる家庭はよく稼ぐことができるから「上戸」です。
身入りがいいから当然、高いお酒もよく飲めます。それが上戸=酒飲みの語源。

単に飲む酒の多い事、酒飲みことだと思っていたが・・・「戸」が大人の男とは。
では、「下戸」は稼ぎの悪い男か・・・。


五、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「花筏」

初日の土俵入りが終わると宿に、花筏に扮した提灯屋へ、勧進元が挨拶、土地の顔役が挨拶に・・・
ここで、鶴志さん、「まあ、昔から興業というぐらいですから、その筋の方とは関係があったんですな・・」

千鳥ヶ浜の親父が、息子にいう、「おまはん、今日までの相撲、自分の力で勝ってると思うてるのか、
・・・・ワシは今度の興業には随分金も出している、わざと負けてもうてるのが、わからんのか・・。」
八百長というのが、公然とあったんですな・・・・

国技といいながら、この頃、町中で子供たちが取っているのを見たこともない相撲・・・。
真剣なるスポーツなのか、興行、見世物なのか、・・まあ落語にでてくる相撲は後者に間違いおませんな。

鶴志さんの体型といい、噺っぷりといい文句なしの横綱相撲の「花筏」でおましたで。



第595回・田辺寄席・卯月席・昼席~笑福亭鶴志の段
2012年2月18日(土)午後1:40開演
桃ヶ池公園市民活動センター

開口一番・・・・・・・桂文太
一、笑福亭べ瓶・・・・・・・・・・・・「江戸荒物」
二、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・「兵庫船」
仲入り
四、笑福亭忍笑・・・・・・・・・・・・「三人上戸」
五、笑福亭鶴志・・・・・・・・・・・・「花筏」







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