ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

2008年・私のBEST落語

2008-12-31 00:03:14 | 年間BEST・・・・
今年、75公演、328席、の落語を聴きました。
まあ、我ながらよく時間を割いて、聴けたものと・・・・。

その中で、独断と偏見とえこひいきでBEST40の落語を・・・。
(ただし、演者の同一演目は、一つとして最高時を)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・BEST・40・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


01・・・・鶴二・・「稽古屋」・11・07・NHK上方落語
・・・・「最高の舞台で、最高の出来、良かったですな。」

02・・・・三喬・・「饅頭怖い」・04・12・おそばと落語の会
・・・・・・・「饅頭のオンパレード、滑稽話は更に滑稽に。」

03・・・・雀々・・「鷺とり」・01・12・パンジョ寄席
・・・・・・・「雀々ワールド全開。「チュチュン、チュンチュン」」

04・・・・鶴二・・「紙屑屋」・09・28・須磨寺落語会
・・・・・・・「独演会前のネタおろし。身震いしましたで。」

05・・・・松喬・・「首提灯」・01・27・新春独演会
・・・・・・・「最高。頭に残る「これはなにぃ」」

06・・・・松喬・・「へっつい幽霊」・02・17・松喬三喬祝賀会
・・・・・・・「重さと軽さの同居、上手いですな」

07・・・・鶴二・「口入屋」・03・16・巴の会
・・・・・・・「膳だなを持つその手のうつくしさ」

08・・・・雀々・「夢八」・10・19・田辺寄席
・・・・・・・「叩きながら喰う、あのしぐさ、雀々さんならでは」

09・・・・三喬・「転宅」・11・30・ザビエル
・・・・・・・「オハコ、間抜けなどろぼう、ピッタリ」

10・・・・鶴二・「高津の富」・01・18・こみち寄席
・・・・・・・「笑福亭の十八番、仁鶴師匠とダブる」

11・・・・三喬・「ぜんざい公社」・0217・松喬三喬祝賀会
・・・・・・・「斬新、どんな噺も、蘇る。活き活き感は三喬さんならでは」

12・・・・南光・「素人浄瑠璃」・03・08・なるお寄席
・・・・・・・「南光さんの声、くせになる」

13・・・・ざこば・「厩火事」・03・15・田辺寄席
・・・・・・・「噺がはまるとざこば師匠は凄い」

14・・・・雀三郎・「三十石」・04・19・田辺寄席
・・・・・・・「船頭唄、最高。ゆったりと八軒家までの舟旅」

15・・・・三喬・「借家怪談」・05・17・松竹特選落語会
・・・・・・・「どんな噺も、三喬さんの独壇場」

16・・・・文太・「たちきれ線香」・05・29・大美落語会
・・・・・・・「この様なしんみり、情のたっぷり噺はうまい」

17・・・・こごろう・「書割盗人」・06・21・田辺寄席
・・・・・・・「絵心たっぷりのこごろうさん、最高の書割を描く」

18・・・・鶴二・「船弁慶」・06・22・新まる八落語会
・・・・・・・・「お松さん、大阪のおばちゃん、そのもの」

19・・・・鶴二・「不動坊」・02・03・須磨寺落語会
・・・・・・・「笑福亭の不動坊、誰にも渡したくない出来ですな」

20・・・・千朝・「代書」・07・26・千朝落語の会
・・・・・・・「フルバージョン、凄い。落語は奥が深い」

21・・・・染丸・「稽古屋」・09・15繁昌亭二周年
・・・・「鶴二さんの紙屑屋のお師匠さん、踊りしぐさは上手いですな」

22・・・・三喬・「首提灯」・04・19・島之内四月席
・・・・・・・「さすが、大賞受賞者。師匠とは一味違う」

23・・・・雀松・「餅つき」・11・07・NHK上方落語の会
・・・・・・・「品がある、雀松さんらしい尻餅。」

24・・・・梅團冶・「壷算」・01・19・田辺寄席
・・・・・・・「あのどら声に、笑福亭の匂いがうつる」

25・・・・鶴二・「野晒し」・07・13・須磨寺落語会
・・・・・・・「この様な、軽い噺が、これまた、よろしいな」

26・・・・文太・「明烏」・04・29・昭和の日
・・・・・・・「文太落語の真髄。御自身曰く江戸落語の「贋作」」

27・・・・松枝・「市助酒」・02・16・田辺寄席
・・・・・・・「酒のみ、市助、酔いっぷり上手い。」

28・・・・こごろう・「青菜」・08・16・和泉ワンコイン
・・・・・・・「導入部分最高にお洒落。ファンは虜になりまっせ」

29・・・・鶴二・「禁酒関所」・11・02・鶴二独演会
・・・・・・・「酒飲み、笑福亭の十八番。らくだに向ってまっしぐら」

30・・・・坊枝・「天王寺詣り」・08・31・あみだ池寄席
・・・・・・・「季節柄、最高、お彼岸のお参り、できました」

31・・・・都んぼ・「掛取り」・12・20・浪切落語会
・・・・・「落語好きを追い返すくだり、斬新、それでいて古典、素晴しい」

32・・・・枝光・「紙入れ」・03・15・田辺寄席
・・・・・・・「いいな、小つぶ、いや枝光さん、艶っぽく色っぽい」

33・・・・梅團冶・「花筏」・05・04・須磨寺落語会
・・・・・・・「120回の須磨寺落語会。貫禄の大関、いや横綱」

34・・・・宗助・「蔵丁稚」・10・19・田辺寄席
・・・・・・・「米朝師匠に瓜二つ。品と粋さがある」

35・・・・春若・「鴻池の犬」・10・18・島之内寄席
・・・・・・・「春團冶師匠の上品さ、一番の後継者」

36・・・・仁智・「ハードラック」12・08・新鋭落語会
・・・・・・・「面白い、日常生活にこれほどの笑いが落ちているとは」

37・・・・吉弥・「ちりとてちん」・05.04・須磨寺落語会
・・・・・・・「乗りに乗っている「ちりとてちん」」

38・・・・小春團冶・「職業病」・05・17・松竹特選落語会
・・・・・・・「二回聞いても面白いのは、噺が成熟している証」

39・・・・よね吉・「河豚鍋」・12・21・田辺寄席
・・・・・・・「うまいぞ。成長と自信のあと、ありありと」

40・・・・文太・「軽業」・12・21・田辺寄席
・・・・・・・「このようなネタが、品格ある落語に変身。腕ですな」



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落語の時代考証~落語の国からのぞいてみれば

2008-12-28 18:49:57 | 本の少し
落語の国からのぞいてみれば
~堀井憲一郎~
講談社現代新書・740円
☆☆


夏に読んだ本ですが、さかのぼって感想を。
江戸落語が九割で上方落語は少ないが、
落語の世界の、江戸時代の生活振りを紹介。

第七章、みんな走るように歩いているでは、
旅の噺はドル箱シリーズで、特に上方には旅の噺が多い。

「ここにおりました喜六、清八という二人連れ、
だいぶ時候がようなったさかい、ひとつ、伊勢詣りでも
しょやないかと、不精なやつで、でもつきの伊勢参詣り・・・・」
とお決まりの「東の旅」の始り。

この「東の旅」、「発端」、「煮売屋」、「七度狐」、「矢橋船」、「宿屋町」、
「矢橋船」、「宿屋町」、「三十石」とかがあると、作者は述べいるが、
「奈良名所」、「もぎ取り」、「軽業」、「桑名船」、「「こぶ弁慶」、
「京名所」などが更にあり、・・・・・・聞いた事の無い噺では
「運つく酒」とか「走り餅」とか、東の旅は、ほんま長旅でおますな。

上方落語には、東の旅シリーズのほかに、西の旅、南の旅、北の旅、
月の旅、海の旅、異国の旅、地獄の旅シリーズがある。
旅噺は、ドル箱シリーズなのだ。・・釣りバカシリーズみたいと。

上方では、前座が最初に覚えさせられるのが、「東の旅の発端」。
江戸では、「道灌」か、「寿限無」、「子ほめ」を覚えさせられる。

「ようよう上がりました私が初席一番叟、おあと二番叟に三番叟、
四番叟には五番叟、御伴僧にはお住持に旅に天蓋、銅鑼にニュウ鉢
影灯篭に白張と、こない申しますこちらは・・・・・・・・・」
と意味はよくわからない。・・・意味ある内容ではない。
でもリズムがあって、テンポがいい。

上方では、まず音楽としての落語を叩き込まれる。
そのあとに人を笑わせる噺を覚える。・・江戸では全く逆です。

江戸らしい旅噺は、たとえば「鰍沢」、「御神酒徳利、「富士詣り」
「小間物政談」あたりになる。「二人旅」、「三人旅」、「大山詣り」
「宿屋の仇討ち」、「祇園会」あたりが少し底抜けかなと。

上方の旅の噺は、実際に移動しているさまを見せてくれる。
江戸の旅噺は、旅の途上に出てくる人間の業を見せてくれると。
落語の両面と言う。、筆者は京都出身で、上方落語が随所に顔を見せ
そのあたりは、興味深く読める。

あとがきのそのまた後ろ、
参考文献的おもしろかった本解説と、登場落語の解説も面白い。

落語の国、いや江戸の国からのぞいてみればですな。



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まかしといてB級グルメ~おいしい大阪

2008-12-27 08:52:54 | 本の少し
小林カツ代の「おいしい大阪」
~小林カツ代~
文春文庫・752円
☆☆

すべて、今のグルメブームから言うと、B級グルメか。
でも、梅新育ちの私にはなつかしい味ばかり。

例えば、「紅しょうが天」、あの赤い色に、いまでも
スーパーヘ行くと、必ず私はとってしまう。
れんこん、いも、なども天つゆより、ソースをかけて
食べるのが好きなんて、大きな声では到底言えない。
私自身の、食べ方、そのものが、B級か・・・。

梅新では、衣笠の「きざみうどん」と「あんかけ」、
洋食のキャビンの「子牛のカツレツ」、川波の「鰻」、
不二家の「クリームみつまめ」、喜八洲の「みたらし」と「きんつば」
阪急百貨店B1Fの「ミックスジュース」、ゆかりの「ミル金」
モリタの「ビーフシチュウ」、これは社会人になってからですが
あと、とん平の「とん平焼き」、和田八の「てんぷら」・・などなど・。

ほぼ40年経っても、まだ食する事が出来るのは幸せですな・。

この本を読めば、小さい頃の懐かしい味が、思い出す。

大阪人、必読の味、「おいしい大阪」です。

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一度聴きたかった・名人志ん生そして志ん朝

2008-12-26 08:19:40 | 本の少し
名人・志ん生、そして志ん朝
~小林信彦~
文春文庫・581円


東京落語会の話なので、志ん生師匠はもとより
志ん朝さんでさえ、生の高座に出会ったことはない。

なぜか、江戸落語で好きなのは、
志ん朝、小三冶、歌之介。(このまとまりの無さ)

志ん朝さんのCDの中で、特にお気に入りは、
「火事息子」、「厩火事」、「鰻の幇間」で、粋そのものですな。

この本、読めば読むほど、生での出合いが無ければ、
内容も、落語のおもしろさも、半分も伝わらない。

それで言えば、私のホームグランドは、上方落語。
あくまで、生の経験があっての、CD、DVDですな。

でも、DVD、・・音も絵もあるのに、生の半分も感動がないのは
同じ空気を吸ってないっと、言う事か。

そういえば、500人以上の落語会、
吸う同じ空気が少ないのか、感動もなぜか薄いですな。

小さな落語会、大好きな、ごまめでおます。

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江戸落語の教本~江戸が息づく古典落語50席

2008-12-25 06:47:03 | 本の少し
江戸が息づく古典落語50席
~柳家権太楼~
PHP文庫・514円
☆☆☆

私の江戸噺の教本がわりに使っている本なので・・
手の内紹介。

江戸落語の50席を、落語家だからこその薀蓄で語る。
古典落語は、人間の本質を笑いのオブラートでつつんで見せる
「人間講座」みたいなものと・・・。

権太楼師匠の高座は聴いていないが、人情味、人間味は
この本からも、味わえる。

「酢豆腐」は「寄合酒」の延長線のような噺で、
たまたま与太郎が持ってきた腐った豆腐を若旦那に
食べさせて反応を見るおもしおさ。

「ちりとてちん」は端から腐った豆腐を半可通に
食べさせようと企んで、その反応を見る面白さ。

シチュエーションが違うので、
実は似て非なる噺ですと・・・・。

各噺で、権太楼さんの、ご案内と、通ぶれるお役立ち薀蓄の
説明がなかなか、面白い。

なかなか、接する機会のない江戸落語。
まずは、この本で、江戸風情を・・・・・・・。

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オカンはオカン~必死のパッチ・桂雀々

2008-12-24 06:39:47 | 本の少し
必死のパッチ
桂雀々
幻冬舎・1300円
☆☆

「いやぁ・・・アンタ、ほんまに、オカンか」
「よう言わんわ、お母ちゃんの顔、忘れてしもたんか」と、
母親との出会いではじまり。

最後は、
「雀ちゃん、ほなまた来るわ」
「雀ちゃんと・・呼ぶな」と
自分で名付けた息子の名前を呼べずに帰って行ったと。

間の、190ページは悲惨な境遇のなかでの、
落語家雀々さんの誕生のはなしだが・・・。

この本、雀々、いや「こうちゃん」と呼ばれたいという
母に甘える、幼子の、ラブレターである。

「オカンは、オカン」。


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泣くも笑うも、同じ心~風流らくご問答

2008-12-23 11:59:16 | 本の少し
風流らくご問答
~立川志の輔・玄侑宗久~
文春文庫・590円
☆☆☆

今の日本人は泣かなくなったと、同時にあまり笑わなくなったと。
同じ心の自由なはたらきだが、いろんな束縛で、
不自由になっていると、落語家と和尚の対談。

「蒟蒻問答」など和尚がでてくる噺を含めて
神仏の世界からと、落語の世界からと二人で語る。

天命で言えば、
今後の人生が決まっているのが・・・・・・・・・・・・・・「宿命」
自分が関わる事、動く事で、天命が変わる・・・・・・「運命」
変化する波の上に立つのが・・・・・・・・・・・・・・・・・・「立命」
などと、個人的な恨みつらみでは無く、天命と思った時に
自由になると・・・・・。

まあ、まとめると
「笑う門には福来たる」と自然体で生きられるか・・・・。
笑える、自分と落語に感謝、感謝ですな。
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第482回・田辺寄席~今年最後の師走席

2008-12-21 22:52:59 | 田辺寄席
・・・・・・・・・何とか存続を!・・田辺寄席拠点の阿倍野青年センター・・


一年間、お世話になった田辺寄席。最後の師走、日曜の昼席に・・・。
良かったですな、米朝一門会。特によね吉さん、都丸師匠。
季節にあった、河豚鍋と、不動坊、独演会を思わすような熱演ぶり。
また中入りの際の、大根汁、今年は特においしおましたで。


開口0番・・・「は」・「はじまり」・・・・・桂文太

田辺寄席、今回で482回目、
最初は南田辺駅の近くのパン屋の二階からスタートし、
一年もてばと思いながら、翌年今の青少年センターへ移転。
年間4500名のお客様が聴きに来られ、地域寄席の草分である。

土地は大阪市のものだが、建物はシャープの創業者早川徳次氏の
寄付により建設されたものです。

現在、卓球、その他の多くのサークルが利用し、全部屋の稼動率は
70%で、中央公会堂に次いで、第二位とか。

経費削減は解りますが、やはり文化の火は消して欲しく無いですな。

まあ、今年も師走の席となりましたが、年末は、大根汁。
年明けの新春の席は、ぜんざいと・中入に庭にて振る舞い。

お世話の方々の、落語を愛する心と
お客様をもてなす心の結集が、温かおます。

今年の、大根汁、上品でそれでいて味がしみこんで
ほんと、ほっこりほんまに旨おましたで。

まだの方、来年のぜんざいを是非、ご賞味あれ。
文太師匠曰く、もれなく落語が付いてます。


一、桂ひろば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」

ざこば師匠、得意の「みかん屋」。
急いでいたのか、上をみるとの事で天井見るシーンを忘れたみたい
帰って、叔父さんの前では、上を見ましたで、
天井に蜘蛛の巣はってあって、と回想シーンはあったが・・。

あんた年はいくつと聞かれ、女房子供を養う為に、
上をみてますと、「86才」と答えるが。

実際は。「30才」。・・・せめて「46」か「56」ぐらいの方が、
自然と思うのだが。

元気良く、ハギレも良いが、急いでいる感もあるひろばさん。
リズムよいテンポと、急いでいるのとは、紙一重、難しいですな。


二、桂よね吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「河豚鍋」

よね吉さん、去年、12月にりそな寄席で聴いたよりも、
数段よろしおましたで、「河豚鍋」。

しぐさが大きくなり、特に手の動きが上手い。
こごろうさん風、マンガ的要素が随所に入っているが、
基本が清楚なので、崩れることなく、厭味がない。

ベテランの演じる、老舗味の、落着いた「河豚鍋」もあるが、
斬新味の、若さもあり、所作のおもしろさたっぷりの
よね吉さんの「河豚鍋」、お値打ち価格で堪能できましたで。

マクラは、米朝師匠のお供で、初めて「てっさ」を食べた時の話、
なかなか手を出されないので、ようやく食べはじめた時は
反り返り、干からびて、パリパリで、良い印象はなしと。

「てつ」の語源・・・・「鉄砲・・・弾に(たまに)あたる」からと。
「てっさ」、「てっちり」基本的説明なしでも良いと思えるが、よね吉さん
「ちりとてちん」効果で、御自分の客層の拡がりに合しているのか。

でも、本編の落語は、自信と余裕が垣間見られて、秀逸でしたなぁ。


三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」

これまた、絶品。
今年、吉の丞さん、染太さん、つく枝さん、そして文太さんと、
年期順に聴いた「軽業」。
口慣らしの噺が、どんどん品格ある噺に変身。
芸の力、話術の力量はこんな噺こそ、明確にでますな。

特に、軽業に入ってからの、太夫のタスキ、鉢巻など
身支度を整えるシーン、続く口上・・・。
そして、扇子の上での、綱渡りのシーン。
どれをとっても他愛のないところだが、きっちりと演じられて
いるだけに、感動を呼ぶ。

この師走の席、それも本年最後の席に「軽業」をもってくるのは
何か意図があるのか、文太師匠。

彦八まつりの際、書いて頂いた色紙の言葉
「百里行人、九十里半」とごとく、初心に戻ると言う事か。

でも、来年の新春、初席は「立ち切れ線香」でっせ。・・・・・重う。


四、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」

「酒が呑める」と、「つまらんなぁ」がそれぞれ口癖の二人。
四人癖はしぐさが癖だが、二人癖は口癖。

私の、口癖は、「正直いうて」、「ほんまかいな」。
自分の事は正直ですと後押し、念押しするが、
相手の言葉は疑ってかかるという、ほんま悪い口癖ですな。

小さい時、よう母親に「ほんまかいな」と言うて
「親が、子供を騙すかいな」とおこらえた事を思い出す。

みかけどおりのゆったりとした、米平さん。
更に味のでそうな、「長短」なんぞ聴いてみたいですな。


五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」

ベテランの味。「不動坊」、しっかり、じっくりの45分。
浮ついて、急ぐところもないかわり、
全編ベテランの登山のごとく、一歩一歩、山を登る感じ。

利吉と他の三人のやもめも、大バカではなくて、
ほんそこにいてる様な描き方でも、充分おもしろい。
噺自体のおもしろさが伝わるのは、私は大好き。

師匠のざこばさんとは違う、貫禄がある、都丸さん。
弟子の、都んぼさん共々、来年は聴く機会が増えそう。

まあ、今年は、この落語会が、最後か。
年末には、私のBEST30席をご披露したいと思っています。


第482回・田辺寄席
2008年12月20日(日)午後1:00開演
阿倍野青年センター

一、桂ひろば・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「みかん屋」
二、桂よね吉・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「河豚鍋」
三、桂文太・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」
仲入り
四、桂米平・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「二人癖」
五、桂都丸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「不動坊」
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それなりのネタ披露~浪切亭落語

2008-12-20 23:17:13 | 浪切亭・せんしゅう亭・落語
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・岸和田市立浪切ホール・・・・・・・・・・・・・・・

朝から、嫁さんと鳳のアリオヘ買物に出掛けて、
そのあしで、岸和田の浪切ホールヘ。
一日に、多くの事ができるのも地元での落語会のおかげ。

会場(1;30)の10分前に並ぶと、既に70名ほどの列。
それも前の40名ほどは、20代のうら若き女性の集団。
なんと、吉弥さん目当てか。
いやはや「ちりとてちん」効果は、客層の拡大には大貢献ですな。


一、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」

トップバッターとして、吉弥さんが登場、会場がざわつく。
いかにも、普段の落語会とは、空気が違う。

マクラは、30箇所、40公演、米團冶襲名公演にお供して
各地まわったはなし。

口上の舞台は非常に光栄で、一番下っ端の私が司会で、左端。
続いて、南光さん、米朝師匠、米團冶さん、東京からのゲスト
正蔵、小朝、花緑さん、そして、ざこばさんの順。

「本日は、襲名につき、米朝師匠をはじめ、皆、米朝がご挨拶などと
敬称を略させて頂きますが、決して「ちりとてちん」などで、
天狗になった訳では御座いませんと言うと、

「いやー、天狗になってるでぇー」とすかさず、ざこば師匠。
いやいや、危険人物は、一番遠くにして置いて、正解でした。と。

噺は、冬にちなんで、「牛ほめ」、一度も寒いと言うのはでてこないが
なぜか、冬の噺と思っている。

池田イコール冬か。・・・・池田にも春も夏もあるのに。
五月山の桜はきれいでっせ。・・(何をかくそう私は池校出身でおます)

「庭は縮緬漆喰、畳は備後表の寄り縁に萩の違い棚、・・・・・・
天井は薩摩杉の鶉木・・・・・」

題になってる牛ほめは
「天角、地眼、一黒、直頭、耳小、歯違う」と。

これもまた、七五調で、耳障りが良いが、
今日の吉弥さん、面白いが、科白がリズムカルにいかず
なぜか、慎重。・・・・・・・ネタのおろしたてなのか。

全体に、もっと爆笑編になるのに、おとなしめ
多少、不満げの残る、牛ほめでした。

私にとって「牛ほめ」はやはり、高校時代に聴いた
仁鶴さんですな。・・・・過去に拘るのは年のせいか。


二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「浮世床」

出てくるなり、トップがお目当ての吉弥さんで、先に
ステーキが出てしもうて、後で、サラダとスープが出てきますが
ひとつよろしくと、文鹿さん控え目で好感を呼ぶ。

清原の散髪と、文鹿さんのインドでした散髪代。
なんと、清原さんの丸坊主頭、2~3万円。文鹿さん、80円。
2万人と、80人と、お客様の数の違いか。

床屋の話から、浮世床ヘ。
講釈を読めるフリをしている無筆のおっさんが詰りながら
読む、「あねがうあー 、あねがぁ・・・」のくだりと、
「まがち、じゅうざえーまもん・・・」もっと、もっと
噛んで、詰って、楽しませて欲しい。

これも、大昔に、五郎兵衛師匠(当時、小春団冶)で聴いた
「浮世床」が、あまりにもインパクトが大。

やかんに顔を写してオモシロイ顔に。
鼻に火箸を突っ込んで、首を振り、チーン・チーン
「ただ今、二時です」・・・。
いやはや何十年前の事なががこのフレーズ、
頭に、残っていますなぁ。・・肝心な事は忘れていますが。


三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」

都んぼさん「四人癖」、「崇徳院」、「阿弥陀池」と
今年の都んぼさんのネタ、全て大好き。
そして、この「掛取り」誰よりもオモシロイ。

八百屋の好きなもので断わろうと、・・・・。
都んぼさん、なんと落語好きで登場させる。
それが、東西の落語家のしゃれづくしで、おもしろい。
最後は・・・これでご勘弁しとくなはるな。(楱葉)もでてくる。

かつて、小米朝という落語家にクラッシック好きの洋服家ガ
出てくるが・・・・・数段、こちらの方が上出来。

しかし、この「掛取り」、、地獄八景のように、各自の演出が
いれ易いネタか。

本好きで、作家尽くし・・・・お菓子好きで、映画好きで、
海外旅行好きで・・・・・と、何でもできますな。
それでいくと、一番のネタの豊富さは、
やはりWヤングさんですな

いや、都んぼさん、今年の私の中で
、注目度、好感度アップの噺家さんでおました。


四、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」

噺は難波新地の女に入れ揚げる主人公が、
女の性根を試す為に、心中をもちかける。
金持の旦那なら、「星野屋」か。

男と女の騙しあいだが、全編に流れるのが、辻占という占い。
女を待っている間、隣の部屋から聞こえてくるのが、
「ゆかりの月」、「待たしゃんせ」、「そりやかまわせぬ」
この噺、主役はひょっとすると、三味線方か。
本日の三味線演者は誰なのか。・・・ええお声でしたで。
今後はプログラムにお名前、必ず載せて欲しいですな。

初めての、辻占茶屋との出合い、なんとも掴みところの無い噺。
染弥さん、力演ながら、真直ぐ心に入ってこないのは、
私の男女間の経験不足ゆえの、理解不足か、良し悪し判断出来ず。

心に、難解、「辻占茶屋」、理解は、更にコンチニュ、来年に続く。


五、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」

亭主の夢の中身を知りたくて、
女房、友達、家主、お奉行、そして天狗まで仲裁をしながら
その夢の内容に、皆、興味津々。
人間、隠し事には常々興味あり、自分だけ知りたいという
欲求は確かにありますな。
人には言うてくれるなという秘密、
これは心に留めておくのは難しいですな。

でも、この噺、私が好きなのは、噺の発端になる、
女房のお咲きさんが、我が亭主の寝顔を見て呟くところ。
子供の寝顔はかわいいものですが、大のおとなの寝顔を
じっくりとみてくれる、女房とは、それだけで嬉しいですな。

昔から、喧嘩するほど仲がよいとは、この夫婦にもあてはまる。
夢は、無意識の世界、夢を見る見ないというのは間違いで、
覚えているかいないかが正解らしい。

でも、これもまた、落語としてのまとめはなかなか手強い噺。
三金さん、来年も続けて取り上げていただき、
再度、聴きなおしたい、「天狗裁き」でおました。



浪切亭落語ワールド・VOL13
2008年12月20日(土)午後2:00開演
浪切ホール・多目的ホール

一、桂吉弥・・・・・・・・・・・・・・・・・「牛ほめ」
二、桂文鹿・・・・・・・・・・・・・・・・・「浮世床」
三、桂都んぼ・・・・・・・・・・・・・・・「掛取り」
中入り
四、林家染弥・・・・・・・・・・・・・・・「辻占茶屋」
五、桂三金・・・・・・・・・・・・・・・・・「天狗裁き」


次回、浪切落語ワールドVOL14は
2009年5月2日(土)
人数が多く入る、小ホールにて開演予定。
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質屋通いか~第二回・質屋寄席

2008-12-14 22:47:48 | 落語
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・質屋寄席・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今日は心斎橋での、落語会。
こごろう、遊喬、坊枝さんと聴きたい人ばかり。
さて、演目は何。決まって無いだけに、期待も膨らむ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大阪質屋協同組合の5階で、質屋のイメージアップの為の落語会
パンプレットには、・・・今後とも質屋を宜しくお願い致しますと。

質屋のイメージ払拭の為の落語会なので一言。

質屋イコール、金に困っている。生活苦であるのイメージ。
リサイクルSHOPはエコ、モノを大事に、大切にという
若い子の遊ぶ為の資金づくりだが、いらない物の、有効活用。、

内容は一緒でも、エライ違いでおますな。

席は約100名、一回目は、質屋にちなんで780円の破格値。
150名入ったが、今回は前売りでも倍の1500円に。
やはり、客は正直か。でもこれが市場価格ですが。
まあ、次回に客数が増えるかどうかは、
中身が価値あるか否かですな。・・・・実はGOOでおましたで。


一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

なぜか、出て来るなり、落語の基本の話。
今まで、生の落語を聴いた事のある方、ない方。
小噺、その①、その②、その③とお決まりの導入部分なのか
質屋寄席と質屋の協会の寄合と思ったのか、
今日のメンバーを見て、落語好きが集まったのに。
なぜか、違和感いっぱいで・・客席なぜか馴染めないまま。

「只の酒、呑ませてと」、昨日に続いて「子ほめ」。
鶴二さんで聴いた後だけに、台詞は同じだが
笑いが取れない。なぜ、台詞の間、感情移入が違うのか。

落語の世界に、入り込めるか、込めないかの違いか・・・。
なぜ・・・は、私には解りません・


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」

質屋のお客様の集まりと聞いて・・
電気屋のお客様、新聞屋のお客様とかヘよく行きますが
今日は質屋のお客様。・・笑うてるそんな余裕あるのんかと
思って来ましたが、今日のお客様見てると多少違うか・・・。

演目は、「へっつい盗人」・・面白いが、こごろうさんヘの期待が
私なりにエスカレートしているのか、あっさりめで物足りない。

ただし、盗みに出てからは、エンジン全開。
アホの笑う顔の表情がよい。
夜出直して来る時から、遠足みたいにうれしくなってきたと、
説明しているので、脳天気が自然で、おもしろい。

三輪車のラッパの音、プップ、もあり。・・・嬉しい。

でも最後は、へっついを持ち上げる際に、
おならを・・「プー」・・「あんたもかいな」
何とも途中でのサゲで・・・でんでんとさがる。


三、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・・「一眼国」

昔は縁日なんぞで、見世物小屋とかがありましたな。
落語では、軽業で、「、一間の大イタチ」と騙されますが、
騙されると解っていても、入りたくなるのが、口上。

大阪は最後は、桜ノ宮の造幣局の桜の通り抜けの時に
あったか。・・・「親の因果が、子に酬い」
花ちゃんやー ・・・・・・ほとんど、花ちゃん。

最後のオチは、見世物にしようと、
一つ目小僧を捕まえに行って、捕まってしまい
実は其処は、一つ目の国で、反対に見世物になる。

枝雀さんのSR落語に、
男「ええ、犬が喋る、そんな事ありえへん」
犬「ごちゃごちゃ言わんと、影になって寒いからそこどいてくれ」
男「ええ、犬が喋りよる、お前人間の言葉喋れるんか」
子供「お父ちゃん見てみ、さっきからあのおっちゃん、
・・・・ワンワン、言うてるで」と言うのがありますが、

狸賽の子狸の「恩を返さなんだら、人間も一緒や」と
レギュラーがイレギュラー、常識が非常識と同じパターン。

「一眼国」、初めて聞いて、題の訳、ようやく解りましたわ。
福車さん、誰もやらん珍しい話、ありがとさんです。


四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」

遊喬の得意ネタ。
でも、今日はいつもより、テンション高めか。
最初に、おかみさんが感情高ぶって、せりふを噛みだすと
更に、くずれかけながら、エスカレートして感情高ぶる。
これがまた、この噺にピッタリ。

今日は塩昆布、「ふじっこの塩昆布」と四~五回連呼。
長屋夫婦で、決して「神宗の塩昆布」ではありませんでしたが。

噛めば、噛むほど熱演になる、遊喬さん。
上手い事、ええ噺、得意ネタにしましたなぁ。


五、桂坊枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「火焔太鼓」

江戸落語のネタだが、見事、動きのある上方落語に変身。
金300両と聞いて、からだ全身で驚きと喜びを表す。

坊枝さん、前回の「天王寺詣り」に続いて、感動の一席。
上手い。嫌味が無い。ど迫力。力でねじ伏せる。
それでいて、こまやか。

笑福亭と枝雀さんの中間に位置する、
文枝系のはんなりを微塵も感じさせない。骨太の落語。

私、こんなの、ほん、好きですな。

まあ、前回の780円の超お買得では無いですが、
今回価格相応の、充実の2時間半、価値ある落語会でした。



第二回・質屋寄席
2008年12月14日(日)午後3;00開演
大質ビル・5階

一、露の団姫・・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
三、桂福車・・・・・・・・・・・・・・・・・「一眼国」
中入
四、笑福亭遊喬・・・・・・・・・・・・・「堪忍袋」
五、桂坊枝・・・・・・・・・・・・・・・・・「火焔太鼓」


08-74
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松竹芸能のフランチャイズ~TENGEKI

2008-12-13 21:09:09 | 笑福亭鶴二
・・・・・・・・・・・・・・・・・大阪のシンボル・通天閣・・・・・・・・・・・・・・・・


嫁さんと、近鉄で買物してから、天王寺公園を抜けて、
鶴二さん目当てに、TENGWKIヘまっしぐら。

まあ、迷う事はありまへんで、写真の通天閣が目印。
大阪のシンボル、でもしょぼいですが、通天閣一帯は、
若いカップルでいっぱい。昔の様相とは大違い。

チケットを1階で買うと、そのまま通天閣劇場ヘ、
B1角座につづいて、またまた地下へもぐる。

途中から入ると、シンデデラエクスプレス、
そして、酒井くにお、とおるさんの漫才。
オモシロイ、100名ぐらいの入りで、
間近で漫才を見るなんて何年ぶりか。

でも落語は聴く(聞く)で、漫才は見るとは、
何か本質的に何かが違うのでしょうな。

後半は、高台を設置して、途中で抜ける人も無く
松竹特選落語会に突入。

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・・・・・「十徳」

漫才の大トリの、くにお、とおる師匠の笑い一杯
沸いた後への、登場。
落語ファンばかりでない客の中でやり難そう。

でも、メリハリのついた、大きな声で、
マクラをフリながら、突撃の機会を窺う。

アホが家に入ってくるところ、そして
陽気に、哀れに、陰気に、どれで上がりまひょかで、
「つる」と思いきや、・・・・・・・
エライ変わったもの着てなはるなで、・・「十徳」ヘ。

おっさんの声も、ゆったりしていて、年より落ち着いて聞こえる
次は、逆に、滑稽噺を若々しく勢いで、一度聞かせて欲しい。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」

得意の幼稚園の園児たちの反応のマクラから。
大人はオベンチャラがあるが、子供はストレート、

そして、「ただの酒が飲ましてもらえる」と、
アホが飛び込んでくる。・・・・・・「子ほめ」ヘ。

年は満60才で、10060とオモシロイ。

「産まれたてより若く見えるとは、どうやねん。」
サゲは、「どうみても、産まれてないみたいや」

稽古屋、船弁慶、そして紙屑屋とオオネタで
得意ネタが続いた中で、
今日の「子ほめ」、料理の間に出るシャーベットのようで
口当たりが良く、爽やかで、好ろしおましたで。

この様な、ネタが次々聴けるなら、このTENGEKIの
鶴二さんの出番、見逃せまヘんな。

三、笑福亭晃瓶・・・・・・・・・・・・・・「ちしゃ医者」

初めての、晃瓶(こうへい)さんとの出合い。
やはり、鶴瓶さんの2番弟子、
しっかりした話ぶり、そして笑福亭の臭いプンプン。

ヤブ医者の赤壁周庵先生が、主役であるが、
ヤブと言われるだけに、駕籠にコエタンゴと同乗。

最後に、ちしゃが出てくるが、これがあの「ちしゃ医者」か。
初めて聴く。夏の医者、辛子医者に続く、医者シリーズ。
余談だが、昨年の落語検定の迷回答の中で、
夏、辛子、ちしゃの共通する演目は、で、
(焼肉)というのがありましたが・・・・。

晃瓶さん、11年間もラジオのレギュラーの仕事を
してこられ、芸人としての充実感、自信がでていて、
楽しくもあり、そして落ち着きのある高座でした。

三人で50分の充実感のある落語会、
メンバーによっては、足を運びたいと思うので、
最低、二ヶ月先の演者は、公開してほしいですな。
松竹芸能さん。

嫁さんは、通天閣ヘ上がってビリケンさんを触りたいと
言っていましたが、今回は時間が無くて御預け。
楽しみは、TENGEKIと共に、次回ヘと続く。


TNGEKI・・・松竹特選落語
2008年12月13日(土)午後2:00開演
通天閣劇場

一、笑福亭松五・・・・・・・・・・・・・・「十徳」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・「子ほめ」
三、笑福亭晃瓶・・・・・・・・・・・・・・「ちしゃ医者」

08-73
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場違いな私~BLUE MONK ナオユキ

2008-12-12 11:12:37 | 落語
・・・・・・・・・・・・・・・・かっこいい・ナオユキさん・・・・・・・・・・・・・・・・

JAZZ・BAR、BLUE MONKで
いつもの落語の会場の雰囲気とはえらい違い。

ファショナブルな若いお客さんが20名強、その中で、
「えらい、場違いのオッサンが来てるで」と、私を見て
周りのお客さんも、ナオユキさんも思っているのではと、
シャイで寂しがりやの私は、お尻が落ち着かずムズムズ。

これなら、私の仲間を連れてこれば良かったと、
でも、それは、場違いの二乗になるだけ。とさらに反省。

でも、一番前で見たのは正解ですな。
見えるのはナオユキさんだけで、後ろのお客さんは見えず、
それほど気にする事がなっかった。・・・・・・とほほ。

オイオイ、笑いに行ってるのか、気を遣いに行ってるのか。
はっきり、せえよ。・・・・・
・・・・いやいやいつもの雰囲気とは違い過ぎまっせ。

一部、二部、それぞれ、30分の熱演。
いや、いつものボソボソの呟き。
内容は、段々、日常具体的に、変格活用。

観察力、洞察力は凄い。・・・思わず膝を打ち、
「そうそう」と、「そんな事あるかい」が
交互に、私の心の中で突っ込む。

二部が終って、コートを着て帰りかけると、
ナオユキさんが、再び舞台の方へ戻って来られ、
私と鉢合わせ。・・・まだあるの・・と思いながら。

ご挨拶。・・「中津でお目にかかったごまめです。」
「ますます、癖になって、溝にはまりそうです。」と
言って、もっと話したいのになぜか急いで会場を出てしまったが、

言葉足らずで、ナオユキさんの芸を溝(どぶ)と言ったように
聞こえたのでは無いか。・・・急いで出たのを
おもしろ無かった、つまら無かったと思われたのではないか。

と、くよくよと思いながら、帰路についた・・・、
ナオユキさん以上に、「悩める子羊」、ごまめでおました。

お話は、おもしろかったですよ。・・・・私は、二部より
つかみどころが無い一部の方がなぜかお気に入りですが。

今年の暮れになって、はまった、ナオユキさんでした。


2008年12月12日(金)午後8:00開演
本町・BLUE MONK

ナオユキ・・・・・・・・・呟き
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火花散る競演~新鋭上方落語会

2008-12-08 23:46:43 | 笑福亭鶴二
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・上方新鋭落語会・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


梅田芸術劇場での、落語会。
新鋭とは、新人で精鋭という事か。
その割には、もはや中堅の実力揃い
各個性の火花散る競演、落語の醍醐味、楽しみですな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
初めてのドラマシティ。
ロビー正面では、雀々さんの「必死のパッチ」を販売。
既に本屋で見かけていたが、今日の会での販売はありそう。
雀々フアンの嫁さんは、サイン入りで欲しいと購入。

会場は八分の入り、連れと一緒に見るには、
座席指定は、平日の夜は特に良いですな。


一、桂つく枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」

出てくるなり、この会は各自ある程度の大ネタをしようと、
開口一番で「軽業」を選びましたが、雀々兄さんに何でやねんと
言われましたが、この会場のこの舞台に坐って
やっぱり失敗と実感しましたと・・・。

雀々兄さん、出来るだけ所作を大きくせよと、
そして、3mの扇子持って来いと言われましたが・・・。

でも、文三襲名間近の真打がやる「軽業」
なかなか、味がありましたで。
特に、覗きカラクリの台詞、軽業師の口上、良かったです。

でも、つく枝さんのもっと大ネタ、やはり聴きたかったですと、
友達もポツリ呟く。

長口上は大怪我の元と、20分で降りる。


二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「逆様盗人」


つく枝さんが来年、文三襲名ですと。改めてご披露。
上方の四天王の名跡、誰が継ぐのか、気になるとこですが。
つく枝さんあたり、文三→文四→文枝と五段活用で変化。
案外計算づくでの襲名で、したたかやったりしてと・・。

どろぼうネタのマクラ、2題。「銀行強盗」と「警察署」・・・・・。
半年後の賞味期限間近になれば、その時はお知らせしますが、
まだ、出来たてなので、聴きたければ、三喬さんの生の落語会ヘ。

噺は、泥棒が逆にやもめに諭され、10円、3円、2円と取られる。
まるで、年金の還付金でのフリ込めサギみたい。
なぜか、巧みに。・・・泉南の娘誘拐も・・なんと7000万円も
取られと、貧乏人には、金額にビックリ。
犯罪ですが、話術と言うものは、金になるものですな。

落語での話術は、いくら長けても、やはり健全。
サゲは、「逃げたカカアも戻してもらおうと思いまして」

そして、三喬さんの演じるドロボウは全員、
失敗の連続で、かわいいものですな。


三、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・「切符」

新作3作目ですが、1、2、作は大失敗。
ようやく、繰り返し出来るネタに。
モップ、ホップ、ステップ、切符。

酔っ払いの三回の繰り返しが、住吉駕籠のパロディ版。
そして、新大阪方面と東淀川から続いて・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・新橋、有楽町、東京と。

でも、50過ぎてからの暗記力、素晴らしいものですな。
でも、好きな鉄道ならこそか。
「好きこそ、モノの上手なれ」
好きな落語と鉄道のコラボレーションの一席でした。


四、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」

米團冶襲名の話。小米朝から中米朝、大米朝となると
思っていましたが、私も師匠の枝雀から名前替えたらどうや
それも、下やなしに、屋号を替えたらと。
どんなんにと聞くと「雀々家雀々」はどうや。

街で皆が、見るなりフルネームで呼んでくれるで、
「雀々や、雀々」、「雀々家雀々」・・・と。
まあ、枝雀師匠なら、本当にあった話みたいですなぁ。

そして、くしゃみ講釈、
コショウを買いに出るまでのシーン。
八百屋に行ってから、コショウを思い出すシーン。
は、雀々ワールド全開、くどく、そしておもしろい。

そして、後藤一山が、とんがらしの粉の火にくべた煙に
むせるシーン。でも、講釈しながら咳き込む姿は、
やはり、私のルーツである仁鶴師匠のが良い。

「くしゃみ講釈」は、笑福亭の噺。
雀々さんのニンでは無いと確認した40分の長講の一席でした。


五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・「紙屑屋」

鶴二さん、日本舞踊の大金屏風の前での「紙屑屋」良いですな。
踊りも大きく、所作も大きく、大見得をきるところで拍手が起こる

笑福亭とは、思えぬ、はんなり感のある舞台。

サゲは、「おまえはほんまに、人間の屑やなぁ。」に
いつもは、「袋があったら入とうございます」が、
今日は、「ほんなら、私も、選ってくださいなぁ」と
新バージョン・・・・・・すっきりしててよろしおますな。

この「紙屑屋」、・これぞ・・上方落語・・。
独演会以降進化しながら、鶴二さんの十八番(オハコ)入りですな。


六、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・「ハードラック」

やる事、なす事、失敗続きで、ついに自殺を決意。
でも、なかなか死ねない男の話。

睡眠薬と思って飲めば、正露丸。
ガス自殺すれば、天然ガスで失敗。
ビルから飛び降り自殺すれば、下に西川布団の車が通る。
東尋坊の崖から飛び降りれば、西川布団の船が・・・。
フエリーから飛び込めば、漁船の網に。
首つれば、紐がゴム紐で、びょよーん。
電車に飛び込めば、先の人がいて、電車は急停車。

生きようと決意して、酒を飲むと、ふとした事で
3人を殺して、死刑執行の電気椅子の上に。

法務大臣からの、減刑の電話があればと助かると、
そのホットラインの電話に次々と色々な電話が・・・・。

おもしろいですな。・・・「ハードラック」
身近にある事件なのに、笑いがおきる。

生きるのが、ハードラック。
死ぬのが、ハードラック。
思うようにいかないのが、人生。

仁智さんの創作落語、現代人のペーソス泣き笑いが下地に
ずばり、松竹新喜劇、落語版。

一番、素適なのは、演者の仁智さん自身が、
はにかみながら、そして楽しんでおられるあの姿。

落語、「笑い」の奥は深いとつくづく思う、一席でおました。

なお、今日の嫁さんの一押しは、なんと仁智さんでした。

帰りには、焼き鳥屋で偶然、O夫妻とI氏と遭遇。
行動パターンは一緒ですな。


新鋭上方落語会
2008年12月8日(月)午後6:30開演



一、桂つく枝・・・・・・・・・・・・・・・・・・「軽業」
二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・「逆様盗人」
三、桂梅團冶・・・・・・・・・・・・・・・・・・「切符」
四、桂雀々・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「くしゃみ講釈」
中入り
五、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・「紙屑屋」
六、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・・・・「ハードラック」

08-72
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