ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

昭和の下町にタイムスリップ~寺島町奇譚

2010-03-30 06:28:35 | 本の少し
寺島町奇譚 (ちくま文庫)
滝田 ゆう
筑摩書房

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☆☆

滝田ゆうの落語劇場に感激、代表作の「寺島町奇譚」を買って読む。
戦前、戦中の東京の下町、色街の風景を優しく、ほのぼのと描く。

人の哀しみ、笑い、憂いなど、人々の心のいとなみが、日常の生活の中に映しだされる。
貧乏長屋や、吉原は、落語の世界であるが、70年前の昭和の時代には、
この寺島町のような世界が、身近にあったのだ。

戦後の梅田で育った私でも、見たことが有るような懐かしさを感じる。
登場人物が、貧乏しながらも、活き活きと毎日、精一杯生きている。

例のごとく、吹き出しは、意味不明のもあるが、一息ついて、考えるのもまた楽しい。
また、頁いっぱいに描かれている、街の風景は、どれもが木版画のようであり、
電柱の陰、家の中の様子まで、興味深く眺めることができる。

子供は、家のお手伝いをし、学校から帰っても、近所の子と泥んこになって一緒に遊ぶ。
街の探検家として、どんどん興味と知識を拡げていく。

商売の街で働く人と、そこに住んでいる人が混在していた梅田で、
そんな時代に育った私には、貧しくも、ごまめが活き活きと活躍したことを
遠く離れた東京下町ではあるが、思いださせてくれる懐かしさの溢れる絵本である。、



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四人噺の会

2010-03-28 23:29:12 | 落語
今日は、ひさしぶりの落語。



無学ヘ・・・・・65人の満員御礼。

まずは、瓶太さんが登場、今日の四人を妖怪風に、ご紹介。




実力派のぶつかり合い最高に楽しい、、四人囃の会でおました。・・・・、。

一、林家卯三郎・・・・・・・・・・[延陽伯」

公家屋敷にご奉公していた延陽伯と、
長屋の卯三郎さん演じる主人公はお似合いの夫婦。

「わらわ、父は元、京都の産にして・・・・」で始まる、
この長セリフのリズムと抑揚、節回し、でこの「延陽伯」は決まる。
そういう面で、卯三郎さんの「延陽伯」は、いたって上品で、品がおますな。


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・「壷算」

こごろうさんの高座は、明るく、楽しさが満載。
特に、落語ヘの、「こんにちは」、「「おお、久しぶりやな、おまえ宿替え・・・」と、
大きな声と、さあ始まるとワクワクさせる、最初の入りが大好き。

「壷算」も、アホは最後まで、騙して買っているという意識は無く、
良い買物ができたと脳天気である。
このあたり、悪人の登場はできるだけ避けるこごろうさんの気づかいか。

途中、ユニ屋クロ兵衛、シマ池ムラ衛門など、
どこを割っても、あんこがたっぷり入っての超豪華版・・・

こごろうさんの落語は、私の波長との相性が最高、
どの噺も愉しく心地良ろしおまっせ。


三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」

「打飼盗人」の打飼袋とはお金とか貴重品をいれる胴巻きする袋。
今でいう、財布ですか。

文華さんの、盗人、最高。
凄んでみるが、住人の落ち着きに、威勢がそがれ、
煙草をねだられ、煙管と煙草入れを貸す。
博打をしたと聞いて叱り、これからは心入替え二度とするなと、
真面目に仕事をする為に、質屋に入れた道具箱を出させる。
それからは、着る物、金利分、米代、家賃と、どんどんエスカレート。

その度ごとの、盗人の気持の変化が絶妙。
泥棒と、口の上手い詐欺師、途中から盗人が善人になる。

酒も呑まないのに、立場が入替わる、まさに別名「逆さま盗人」である。

行かれた人の評判を聞けば、先日の「天狗の酒盛り」を聞き逃したのは不覚。
今年は、文華さんの落語、追いかけるぞ・・・・・・・。


四、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・「替り目」

63年入門で、かつての「はやかぶの会」、瓶太さんと文華さんが同期。
そこに、銀瓶、宗助、わかばさんが加わっての五人の会。

「ラク・ゴリラ」は、平成3年入門組で、文三、こごろう、花丸、生喬さんの会。
今や、どちらも、油が乗っている年代ですな。

瓶太さんの「替り目」・・・・・・・・。

嫁さんにおでんを買いに行かせてからは、瓶太さんと奥さんの馴初め、
鶴瓶師匠と同じように、駆け落ちまでしての大恋愛。

途中からは、師匠譲りの、「私落語」に変身。
オチは、「おまえ、まだ、そこに、いたんか」だが、
まさに、瓶太さんの、生の、叫びに聞こえましたで。

いつもながらの、サービス精神、いっぱいの高座。

本日は、実力のぶつかり合いが最高に楽しい、「四人囃の会」でおました・・・・、。



第26回・四人噺の会
2010年3月28日午後2:00開演
無学

一、林家卯三郎・・・・・・・・・・[延陽伯」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・「壷算」
三、桂文華・・・・・・・・・・・・・・「打飼盗人」
四、笑福亭瓶太・・・・・・・・・・「替り目」

10-16-72


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続編・落語的学問のすすめ~桂文珍

2010-03-28 10:18:42 | 本の少し
落語的学問のすすめ〈PART2〉 (新潮文庫)
桂 文珍
新潮社

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文珍さんの、続編・・・。
明治初期の話、それも一門の初代文枝の話から、
その弟子に、文三、文之助、文団冶、文都の四人が非常に優秀であったが、
文三が、二代目文枝に、文都さんは浪速三友派を結成、後に月亭文都を名乗る。

何で、月亭にしたのか、その理由がおもしろい。
月桂というのがありますが、桂一門の上に立ったれというので、「月」をもってきた
「月なくて、何の桂か」という事らしい。

文珍さん、なかなかご自分のマーケティングができておられて、
私みたいに、「芸術より金やねん」ということをはっきり打ち出してくれる
吉本のようなところにおりますと、常に大衆のみなさんがお好きなものを、
一生懸命リサーチしていないことには、これ、経済効率が悪くなります。
だから、芸術に走るゆとりがないわけですと、本音をちらり・・。

ソフィストケートされたものは、芸術性の香りも高くなってきますし、
まことにええもんですが、反面、全体からは遊離していく
洗練されたものは、あんまり受けない。

噺家と落語家、噺家と芸人、落語家とタレント、芸人とタレント
まあ上方落語家250名それぞれの立ち位置と落語に向き合う姿勢で、
何を目指しているのかが解りますな。

まあ、硬いようで柔らかい、柔らかいようで、多少理論っぽい文珍さんの講義。
「見えてるようで、見えてない」、「見えてないようで、見えてる」なんぞ、
まあ、いろんな事に、置換えて、考えることができる。
結構、なんでも物事考えてみようという、思考の訓練には、結構おもしろい本でおます。



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私には難解~夜は短し、歩けよ乙女

2010-03-25 07:12:10 | 本の少し
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見 登美彦
角川グループパブリッシング

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会社の女の子が読んでいたのを、借りて読む。
帯には、読者が選んだ&書店員が選んだ、総合一位の本とか。

でも、私には、あまりにも難解過ぎる。
京都の大学出身なので、土地勘もあり、親しみも懐かしさもありながら、
登場人物と、奇想天外なる話の展開に、どうしてもついていけない。

自分で買っていたら、まちがいなく、途中で投げ出していただろうが、
借りた本だけに、感想はと言われたら困るし、読み終えるのが礼儀と、、
一心に、読み終えた。

恋するという気持は、甘く、せつないものであるが、

「男女はいったい、如何にして付き合い始めるのであろうか。
恋愛の純粋な開幕は所詮不可能事ではないのか、あらゆる要素を検討して、
自分の意志を徹底的に分析すればするほど、虚空に静止する矢のごとく、
我々は足を踏み出せなくなるのではないか。性欲なり見栄なり流行なり、
妄想なり阿呆なり、何と言われても受け容れる。
だが、しかし、、あらゆるものを呑み込んで、たとえ行く手に待つのが
失恋という奈落であっても、闇雲に跳躍すべき瞬間があるのではないか。
今ここで跳ばなければ、未来永劫、薄暗い青春の片隅をくるくる回り続ける
だけではないのか。このまま彼女に想いを打ち明けることもなく、ひとりぼっちで
明日死んでも悔いはないと言える者はいるのか」と、
作者は、主人公に夢の中で叫ばしている。

この様に、解りやすいモチーフを、文学的に書けば、
このような、難解な本になるのか・・・・・。

若き日の青春時代は、思い出すことはできても、本に没頭できないなんて
この本の、感性が解らぬほど、私は老いてしまったのか、不安に感じた一冊である。

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漫画と侮るべからず~滝田ゆう落語劇場

2010-03-23 06:36:23 | 本の少し
滝田ゆう落語劇場 (ちくま文庫)
滝田 ゆう
筑摩書房

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先日、弁天町の古本屋のフリーマで、文春文庫二冊を、1000円で購入。
上に紹介しているように、新刊でちくまから、970円で売っている。
でも、負惜しみではないが、この本、古本の方がしっくりくるような内容。

噺は、すべて、江戸落語であるが、滝田ゆうの漫画が、落語の世界へ誘うてくれる。
よく、文太師匠が、贋作と云って、江戸落語をされるが、まさにその雰囲気。
千朝さん、雀松さん、で聴き終えた様な、渋めの読後感がある。

「二階ぞめき」、「元犬」、「包丁」、「王子の狐」なんぞ、
上方でも取上げて欲しい噺はたくさんある。

噺の終わりにある、矢野誠一さんの、噺の解説というより、
その噺にまつわるエッセイは、どんな演目紹介よりも、薀蓄に満ちている。

また、滝田ゆうさんの描く、女性は粋で妙に色っぽい、
そして、吹き出しの中に描かれている「あぶく」と称する、
一見無意味な絵は、ほのぼのとした楽しさを増す。

江戸落語に出会うなら、志ん朝さんの落語を聴きはじめるか、
この、滝田ゆうの落語劇場をみることを、お奨めいたしますな。

追伸・・ちくま文庫には、矢野誠一さんの解説は無し、
是非、文春文庫のご購入をお奨めしますな・・・・。




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当り矢の通し券~田辺寄席

2010-03-21 18:14:11 | 田辺寄席



・・・・田辺寄席・弥生席の通し券・・・・・
前月の寄合酒くいずの全問正解の御褒美でおます・・・

残念ながら、家の用事が忙しくて、日曜の席も参加できず、残念でおます。
当たり矢の、この券、絵柄が素適なので、記念に大事にとっときますわ。

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久しぶりの繁昌亭・昼席

2010-03-20 21:13:08 | 天満天神繁昌亭
天満天神繁昌亭・昼席ヘ、嫁さんと、鶴二さん目あてに。



天神さんの裏門


天神祭の船渡御の緞帳・・・賑やかさとめでたさが、あふれてますな。

今日は、一番太鼓は、露の眞さん、男勝りの力強い太鼓でおでむかい。


一、桂ちょうば・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」

ハキハキと勢いがあって、好ましい。
狸が、恩返しに家に尋ねて来るところから、始る。
でも、10分間の持ち時間で、「狸が冠かぶって、しゃく持っていました」の
天神さんのオチまでいかず・・・。
でも、楽しい、狸賽でおましたで。


二、林家染左・・・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」

阪大出で、公務員だったのを、辞めて、落語家になりましたと、
「アホですわ」と、でも、今や京大出も二人・・・。
私たちの税金で、国立大学ヘ行って、落語家になったとは、
落語好きの私でも、複雑な心境ですな。

染左さん、今まで、なかなかアホが出てくる落語が少なかったように思っていたが、
今回の道具屋で、アホの登場・・・ちょっと、くだけた感じ・・・
やはり、落語の醍醐味がちらり・。
これからも、難しい噺ではなく、腹から笑える愉しいネタ期待しまっせ。


三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「延陽伯」

ちょうばさんがでくるなり、ずっとイビキをかいて寝ていた、嫁はんの隣のオッサン。
鶴二さんの、落語がはじまると、目を覚まし、、身を乗りだして聴きだした。

おそるべき、鶴二さんの話術、いや、声の大きさか・・・。
会場中に響きわたる、メリハリある噺っぷりは、やはり貴重なる武器ですな。

噺は私の大好きな「延陽伯」。
オチは、火事になったら大変や、「わらわ、元京都の・・・あちち・・・」
「姓は安藤、名はケイゾウ・・・・あちち・・・」のところで終わり。

時間の短さに、最後まではいかなかったけれど、
終わった後に、後の席のおばさんが、「上手やなぁ・・・」と思わず感嘆の声、
鶴二さん、またまた、ファン、一人、増えたようでっせぇ・・。

四、ダイアン吉日・・・・・・・・・・・・「バルーンショー」

男の大道芸人と思いきや、女性、それも英国人。
変な、日本語を喋るが、造るバルーンは、女性らしくて、かわいい。
プードルの犬・・・ミツバチ付きのお花・・・飛行機に乗っているパイロットと
三つの作品を作る。・・・三人の方が、当って、おみやげにとプレゼント。
ほんと、繁昌亭ならではの、色物ですな。


五、桂春雨・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」

登場人物がすべて、アクがない、春雨さんの、優しさあふれる「時うどん」。
うどん屋が、思わず、アホに同情して、三文のお金、返してしまいそうな、
そんな気にさせる、のほほん・・、ファンタジー版、時うどんでおましたな。


六、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・「貧乏花見」

今まで、聴いたのとは、微妙に違う松枝さんの「貧乏花見」
良くあるのは、喧嘩狂言で、酒、肴、をぶん取るのだが、
今回は、出入りの親方がおられて、お裾わけで、本物の酒、肴にありつく、
このあたり、終始、長屋の連中は、善人でありたいと願う、松枝師匠の美学ですな。

女連中のいでたちが、これまた凄い。お腰のらん幕のなんと、すざましいこと。
「気で気を養え」と、この逞しさが、この噺のシャレですな。
不景気な昨今、今年は、花見なんぞに、行きたいもんですな・・。

七、千田やすし・・・・・・・・・・・・・・「腹話術」

坊やの名前は、「光」君。
途中で歌うのは、いつもの六甲おろし、・・
でも地元の大阪だけに、八割の方が手拍子を打つ。
隣のおばさんなんぞ、歌まで歌っている。・・・凄い、阪神ファン。

ネタは、いたって定番ですが、オモシロイ。
このあたり、師匠の川上のぼるさんに、似てきた、ですな・・。


八、露の慎吾・・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」

私は、慎吾さんが、団平時代の、子ほめを二回聴いている。
今日、うん十年ぶりの舞台を見て、年をとられたなぁが、実直な感想。

噺は「胴切り」、このナンセンス劇、アホらしく演るほどおもしろいのに、
何故か、団平さん時代の、真面目さを思いだした、一席でおましたな。


九、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・・・・「強情灸」

見台と膝隠しがはずされ、座布団だけに・・・思わず、嫁さんに
「強情灸やで」と囁く・・・ずばり、あたり・・。
でも、由瓶さんの「強情灸」、持ち時間内、たっぷりの笑い。
このように、得意ネタがあるのは、強いですな・・。


十、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・「ハードラック」

今日は、パリーグの開幕、高校野球の開始、やはり野球にちなんで、
この前、TVで見た、「スタディ・ベースボール」が生で見れると、
期待したのだが、・・・人生、ついてる、ついてない・・・の「ハード・ラック」
でも、この噺、何回、聴いても、おもしろい。・・・・最高。

自殺しようとしても、死ねない本人の失敗の数々が、第一幕。
生きようと決意したとたん、人を殺めて、死刑囚になった、第二幕。
まさに「一粒で二度、美味しい、噺ですな」

繰り返しの中で、次はどんな、笑いかと、客が愉しんでいるのが良くわかる。
「パターン、オン、パターン」の繰り返しが、仁智さんの、笑いの根源。
名作と言われている、「老女Å」、「お笑い水戸黄門」などを早く聴きたい。
でも、次の出会いも「ハードラック」なら、、それこそ「ハード・ラック」でおます。

次回は、4月4日の須磨寺あたりか、仁智さん、何が聴けるか、ワクワクしますな。

帰るまでの道すがら、嫁さんに、何度、仁智さん、おもしろいなと呟いたことか。
トリが、その日の、笑いの、余韻をつくりますなぁ・・・。



天満天神繁昌亭・昼席
2010年3月20日(土)午後1:00開演

一、桂ちょうば・・・・・・・・・・・・・・「狸賽」
二、林家染左・・・・・・・・・・・・・・・「道具屋」
三、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・「延陽伯」
四、ダイアン吉日・・・・・・・・・・・・「バルーンショー」
五、桂春雨・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」
六、笑福亭松枝・・・・・・・・・・・・・「貧乏花見」
仲入り
七、千田やすし・・・・・・・・・・・・・・「腹話術」
八、露の慎吾・・・・・・・・・・・・・・・「胴切り」
九、笑福亭由瓶・・・・・・・・・・・・・「強情灸」
十、笑福亭仁智・・・・・・・・・・・・・「ハードラック」

10-15-68


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まさに・落語的学問のすすめ~桂文珍

2010-03-18 06:00:14 | 本の少し
落語的学問のすゝめ (講談社 α文庫)
桂 文珍
講談社

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☆☆

桂文珍さんの、関西大学での、講義録。
賢く、学生に、教えようとしながらも、笑いをとることは怠らない。
基本、笑わす為であり、単に場所が大学であるという落語会である。

それだけに、随所に、本音が聴けておもしろい。
私の上に兄弟子が二人いて、一番上の三枝兄やんはものすごくしっかりしていて、
「しっかり」と呼ばれています。けど、きん枝君は、「うっかり」、
ほんで私は、「ちゃっかり」と・・しっかり。うっかり、ちゃっかりですと。

分析しながら、同じ吉本に籍をおく落語家として、三枝兄やんの生き様を
強くライバル視し、励みにもしてきたと云う。

喜六になりきれない、清八から視点の文珍さん、
大学の講師とは、適任の職場、それだけに、毎回、毎回の噺(話し、いや講義)
おもしろおまっせ・・・・。

おまけで、今日はシャレでっせ・・の講義から、大阪の伝等的粋言葉をご披露。

「赤子のしょんべん」・・・・・・・・・・ややこしい
「いかきにしょんべん」・・・・・・・・たまりまへん
「牛のおいど」・・・・・・・・・・・・・・・・ものしり
「ウサギのトンボ返り」・・・・・・・・耳が痛い
「夏の火鉢」・・・・・・・・・・・・・・・・・・だれも手ぇ出さん
「植木の競り市」・・・・・・・・・・・・・・気が多い
「黒犬のおいど」・・・・・・・・・・・・・・おもしろない
「夏のハマグリ」・・・・・・・・・・・・・・見くさって買いくさらん
「ハつの子」・・・・・・・・・・・・・・・・・・開けたら臭い。(八つの子が年があけると九歳)
「無地の羽織」・・・・・・・・・・・・・・・・金が無い。(文無し)
「便所の火事」・・・・・・・・・・・・・・・・やけくそ
「冬の蛙」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・考える(寒のかえる)
「四国の日照り」・・・・・・・・・・・・・・慌てる(阿波、照る)
「お寺のねずみ」・・・・・・・・・・・・・・今朝食うたばかり(袈裟、食うたばかり)

「猿のしょんべん」・・・・・・・・・・・・気にかかる・・・
・・・・・・・・・・・で、終りですな。

まあ、愉しんでいる文珍さん、もぐり学生の気持になっての
受講のおすすめ、しまっせ。



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上方落語とともに~桂米朝・私の履歴書

2010-03-16 00:10:12 | 本の少し
桂米朝 私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)
桂 米朝
日本経済新聞出版社

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☆☆☆

落語仲間の辻さんに借りた本、一気に読み終えた。

昭和42年(1967年)が、私が落語に目ざめた年であるが、
それ以降の米朝さんの活躍と活動は、実際目にしているので多少は知識はあったが、、
それより前は、大東文化学院の学生で、正岡容を師と仰いでいた位しか知らず。
今回、生い立ちから、入門、そして、戦前、戦後の落語家新人時代、そして結婚と・・。
知的である一面、行動的、若き米朝さんの一面が窺える。

大塚の鈴本ヘ寄るついでに、偶然、正岡容先生宅を見つけたように書いておられるが、
会わずにはおれず、尋ね歩いて、探し得た気がする。

大塚の喫茶店を出ると、前の家に、「花園歌子・正岡容」の表札。
本当に、あの正岡容先生のお宅だろうかと、思い切って戸を開け、
「ごめん下さい」、「先生はご在宅でしょうか。ご本を愛読しています中川といいます」と、
伝えると、、しばらくして、「いま、執筆中なんで、明日の午後ならお目にかかります」との返事。
私は自分の幸運に感謝した。・・・とある。

これが、米朝師のその後の人生を導く、重要な一日であり
師と仰ぐ、正岡容先生との出会いである。

本の題は、桂米朝の「私の履歴書」とありますが
志の高き人には、それに相応しい人々が集まるのがよくわかる。、
逆説的に見れば、桂米朝の「私が出会った人々」の履歴である。

まあ、日経ビジネス人文庫が出版しているぐらいですから、
落語ファンだけではなく、広く読まれる事を想定しているのでしょうな。

上方落語が、再び隆盛を極める平成の時代に、周りからは、
「米朝という人は、上方落語復興のために、天から遣わされのではないか」と言われ、
ご自身は、「心底好きな落語を語って生きてこられて幸せ」と・・・・。

・・・・・・・・・・・・この様な、人生、送りたいものですな。




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太融寺・こごろうの会

2010-03-14 01:50:08 | 南天(こごろう)の会
太融寺・こごろうの会ヘ、日曜の昼下がりの落語会は、一番好きですな。


街中にある、立派な太融寺。・・・・・開場を待っていると、辻さんと出会う。
一人で行った落語会で、知り合いと出会うのは、心強いもんですな。


一、桂優々・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」

雀々の弟子で、優々ですと、自己紹介と、携帯電話の電源を切ってのご注意の後、噺にはいる

「おまえ、この頃、遊んでるというやないか、仕事せーへんか、池田のおやっさんとこ・・・・・」
あれ、牛ほめ、動物園と違う・導入部分を間違えてる。・・

すぐに「いや、動物園の仕事、せーへんか」とつなげる。
会場、大爆笑・・・でも、生まれたばかりの、赤子を見る様に、温かい笑い。

そのあとは、動じることなく、いや動じている事を見せることなく、最後まで突っ走る。
トラブっても、完走する事に価値あり、こうして、度胸と経験を積むのでしょうな。

楽しい、優々さんの、「池田の動物園」でおました。


二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」

上るなり、前座の優々さん、かわいいですな。
昔の若き日の初舞台、想い出しますと。

言い間違いというのは、時々、間がさしたようにおこります。
同じような、台詞、言葉があり、時にそこのポイントで、乗り違えてしまう。

近頃、襲名されたY團治さんなんかは、そんなエピソードはいっぱい。
「蔵丁稚」で、いきなり、「こんにちは」で噺をはじめるし。
「はてなの茶碗」で、茶金さんの台詞で、「ああ、大阪の商人さんですかいな」を、
「ああ、大阪の芸人さんですかいな」・・・・。

「米揚げ笊」で、道を尋ねて、池田の道を、そのまま、天満の源蔵町ヘいかず、
そのまま、池田ヘ、「これだけ、新しい」とサゲまでいった、つわものもいてるそうで、

こごろうさんも、兵庫船で、「岸を離れ、オキヘ、オキヘ」を「オキヲ離れ、キシヘ、キシへ」
と、近づいてるがな・・・。

まあ、言い間違いはあるが、愉しければ、すべて良しですな。

噺は、「へっつい盗人」、相棒の底抜けの明るさがおもしろい。

あほが、盗みに行くのが、愉しくて、理由もなく、はしゃいでいる。
あくまで、洒落で、盗みに行くのであって、根っからの泥棒でないのが救い。
根っからの悪人は一人もいない、
このあたりに、こごろうさんの、落語観を強く感じますな。


三、桂千朝・・・・・・・・・・・・・・・・「鴻池の犬」

今橋、平野町、道修町、と馴染みのある地名が出てくる「鴻池の犬」
千朝さんの落語は、目的地ヘ行くのに、自分で車を運転して行くのではなく、
タクシーに乗り込んだだけで、運んでもらえるような、安心感がある。

クロも、顔役といわれているが、千朝さんのクロは、理知的で、面倒見が良い、
腕力だけではなく、人情味、いや犬情味のある、犬に見える。

兄弟が対面してからの、「兄さんから、おあがりやす」と遠慮する弟と、
「遠慮せんと、食べや、普段からこんなん食べあきてんねん、今晩あたり、・・
ふじっこの塩コブでお茶漬食べたいとおもうてるねん」と気遣う兄。
男兄弟で育った私には、このあたり兄弟愛、結構好きでおますな・・・。


四、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「仔猫」

マクラもなしに、即、噺に・・・
日頃、マクラのおもしろい、こごろうさんだけに、新鮮な出だし。

お鍋に暇をだして、辞めて貰おうとする番頭が、おかしい。
言い難いことと言うのは、今も多々有る事だけに、
番頭の仕草に、共感を覚える。・・・・40分の熱演。

途中から、怪談噺っぽくなるが、お鍋の因果話を言い終わると、
ぽっと、明かりが点くようで、怖がりの私は、ほっとする。

枝雀さんのCDは、一度聴いただけ、DVDは怖くてまだ見ていないのですが、
仔猫、最後まで、聴ける自信ができたので、
今度、休みの日の昼間に、ゆっくり見てみようと思いましたで。

仲入りなしの4席、たっぷりの二時間、充実でしたな。
「仔猫」で、いつもと違う、こごろうさんをみれて
ちょっと得した気になった、落語会でおましたで。



太融寺・こごろうの会
2010年3月14日(日)午後2:00開演
太融寺本坊2階

一、桂優々・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「へっつい盗人」
三、桂千朝・・・・・・・・・・・・・・・・「鴻池の犬」
四、桂こごろう・・・・・・・・・・・・・「仔猫」

10-14-58

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たのしい・わるくち ~ 酒井順子

2010-03-12 06:11:45 | 本の少し
わるくちは、言うのも、言われるのも、楽しいものですと。
悪口を分析すれば、他人への悪口とはすなわち、ひがみ、やっかみの
裏返しであったり、自分の位置を確保するための手段だったり、
つまり、自分の弱さが、他人への悪口になって出てくると・・・。

楽しみながら、酒井順子が書く、道徳本ではなく、悪の教本・・・。

わるくちとして、たくさんの項がありますが、
ごまめとして、思い当たるのを、書くと、

自慢しい、おっちょこっちょい、心配性、嫉妬深い、短気、神経質、優柔不断が
人から言われそうなことか・・・これこそが、心配性で神経質ですな。

それ以外で、言われる筋合いではないと思うのが、
ヤリマン、カマトト、ブス、(あたりまえか、女性ではないのだから)、
負けず嫌い、トウが立つ、慇懃無礼、テレ屋、ぼーっとしている、生理的に嫌い、
不潔、貧乏くさい、東京生まれ、ケチ、ものぐさ、年寄くさい、はすっぱ・・・。
勝手に、他人事と思っているが、案外陰で言われていたりして・・・。

まあ、あの人が、あんなこと言うてたで、あんな事してたで、
先日の、猫忠の友達のご注進も、嫉妬からのわるくちか。
でも、本人の女房に言うてしもたら、わるくちやなしに、告げ口ですな。

まあ、気心してた仲間で、あれやこれや、人のうわさを言うのは楽しいものでんな。
でも、自分がいない時は、逆に、噂の餌食になっているのを覚悟しなければあきまへんな。
でも、内容はともあれ、話題にあがることは、うれしおますけれど。

我が心の、思い当るいやな部分が、ちらちら、垣間見れる本でおます。



たのしい・わるくち (文春文庫)
酒井 順子
文藝春秋

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鶴二さん・二席~新・丸八寄席

2010-03-10 23:17:01 | 笑福亭鶴二
鶴二さん二席、それも私にとっては、初ネタの「時うどん」と「宿替え」・・。


仕事の段取りがつかず、着いたのは七時過ぎ・・・飛梅さんは今どのあたり。


今日は、鶴二さんと、壱之輔さんの、二人会。中トリとトリは共に壱之輔さん。



一、笑福亭飛梅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「東の旅」

二階に上ると、飛梅さん、
東の旅の終盤、「煮売り屋の、口上(くちうえ)、はやまくで二人前」
の最中。

最初の発端の、小拍子と張り扇のタタキが、聞きたかったのに間にあわず、
後半の煮売り屋のところ、高野豆腐、のカサカサのあたり、
話しぶりも、カサカサ状態に、前へ進む勢いが無く、あれれ。

でも、動じないのが、飛梅さんの良さ・・・・
次は、最初から全編、「東の旅」、期待しまっせ。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」

初めて、鶴二さんで聴く、「時うどん」。
この頃、一人で食べる、東京パターンを演じる方(特に米朝一門)も多いが、
やはり、笑福亭、廓のひやかし帰りに、喜六、清八の二人で食べるパターン。

鶴二さん、オーソドックスだが、どっしりとしていて、おもしろい。
「時うどん」は、やっぱり、「ひっぱり・な」が、最高でおます。

鶴二さん、翌晩のハズレ屋のうどん、味もそんなに、不味くもなさそうで、
三文、損しても気付いていない喜六はん、明日も食べに行きそうですな。

鶴二さん、昔のネタ、順次蔵出しして、宝物、拝見させて欲しいですな。


三、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「もう半分」

最初に、お茶子をしている、寅之輔さんの紹介。
師匠から頂いた、おNEWの着物らしいが、
今日、生まれて初めて着物を着たと。
壱之輔さんも、弟弟子が二人もできた。

噺は「もう半分」
今、上方では、春之輔師匠も含めて、3~4名しか演らないとか。
なぜ、演らないかと言えば、単におもしろくないだけ。
笑いが少なくて、途中からは、怪談仕立て・・・。

私は、小三治さんのCDがあるが、結構、後味が悪い噺である。
マクラで、円生師匠が好きで、よく似ていると云われていたとか、
噺っぷりは、まさに似ている。(ああ、今日は、壱之輔さんのはなし。)

店じまいの際に、気味の悪いおじいさんが、「もう半分」と言って呑みにくる。
気の良い居酒屋の亭主としっかり者の女将との、
夢を負いかける男と、現実的な女との気性の違いがおもしろい。

こんな、めずらしい噺、良かったでっせ・・。


二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「宿替え」

最初の、風呂敷を広げて、引越しの荷物をあれよこれよと積めるところは無し。
嫁はんと、ゴテクサ言いながら、八寸のかわら釘を打つところから始る。

向いの家ヘ、釘が出ていて、怪我でもしたらアカンと、お詫びに行き、
隣の家に行ってからは、馴初めからの惚気話し・・・鶴二さんの独壇場。
愉しいな、かわいいな・・・・・・・
このおっさん、すぐに、この長屋の名物男になりそうでんな。

鶴二さん、「寝床」といい、「宿替え」もコンパクトながら、濃縮でおもしろい。
これからも、あちこちで、聴きたいネタが増えましたな。


三、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「禁酒関所」

今までの印象の、壱之輔さんとは違った、ハジけた感じで、おもしろい。
特に、三人目が、小便をもって行った時の、番人の酔いっぷりが最高。

壱之輔さんが、演じる酒呑みの噺、
普段スタイリッシュなだけにその落差にびっくり、やはり芸人さんですな、。

来る度毎に、壱之輔さんの新しいネタが聴ける、丸八寄席
これからも、楽しみでおますな。




新・丸八寄席
2010年3月10日(水)午後7;00開演
居酒屋・丸八

一、笑福亭飛梅・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「東の旅」
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「時うどん」
三、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「もう半分」
仲入り
二、笑福亭鶴二・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「宿替え」
三、桂壱之輔・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「禁酒関所」

10-13-54


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Amuser ~ たまには、ファッションはいかが

2010-03-07 23:37:59 | 街で
三木市のAmuser Cafe homeのファッション・ショーヘ、7日の日曜日、行って来ました。
ブティックの他に、ガーデニングもされており、手前はCafeで、今日は3回に分けて、
80名ものお客さまが、ファッションショーを愉しまれた。



ガーデニングの庭の中に、オシャレなお店がある。



店の中は、オシャレな器と、かわいい緑でいっぱい。
思わず、おみやげに、ミニ盆栽を買ってしまいました。


小さな、小物雑貨もいっぱい、見ているだけで、愉しくなる店内。


六甲荘Bakey`s」の古賀さんと、「欧風菓子工房レーブ・ダムール」の藤原さんに
つくって頂いた、アフターヌーンティーセット、美味しい・・・・・・・・・。
、お持帰りの箱まで用意されており、奥さま方は、おみやげにされたようですが
私は、大阪までもって帰る訳にいかず、すべてその場で、いただきました・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


では、2010年の春のコレクションを、御紹介・・・・。









三人のモデルさんが、19のスタイリングを紹介。
途中で、デジカメの電池が切れたので、残念ながら少しだけになりましたが、
・・・・・ご興味のあるかたは、是非、お店の方へ・・・。

めずらしい、ごまめからの、ご紹介でおました。




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雀松・三喬二人会~きふね寄席

2010-03-06 19:49:32 | 笑福亭松喬一門
雀松・三喬さんの二人会
ひさびさの落語会、三喬さんの「首提灯」と雀松さんの「猫の忠信」。
どちらも、聴き応えのある高座に、いまから愉しみですな。

年二回の開催とか、36回では、18年も続いているのか、上方芸能の地域寄席

映っている宮司さん・・・きふね神社は、雨の神さんで
今日も朝、雨を降らして、遠出を避けさし、こうして集まって頂いたら
夕方には、雨はあがりますと・・・・・・、結構、神さんて、気儘で勝手なもんですな。



170名の大入り満員・・・・老若男女の熱気でムンムン。


受付で、チラシと一緒に頂いた、玉子煎餅。
きふね寄席が、刻印されている。



神社の本堂、落語だけで帰るのではなく、やはり拍手を打たなければ。


一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」

喬介さんの、屈託のない笑顔に、会場のすべての人が、とりこになる。
特に、お年寄りは、我が孫でも見ているようで、多少の間違いなどお構いなく。
かわいくてしかたがないと、すべてが微笑ましい笑いに変わる。

噺は、おなじみの動物園。
ぬいぐるみを着るのも、楽しく。パンを食べるのも、楽しく。
石を投げるわんぱくに、吠えるのも楽しい。
主人公の、脳天気さが、楽しく伝わってくる。

上手な、素人さんっぽく見せる、喬介さん。
次の、三喬一門会では、中トリで「佐々木裁き」を演られると・・・。
師匠の三喬さん曰く、最高に軽い佐々木信濃ノ守です。
是非、こえわいもん見たさに、足を運んで欲しいと。

喬介さんの、四郎吉は、さぞ、かわいいんでしょうな。


二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ぜんざい公社」

三喬さんの、マクラは、いつもながら・・・秀逸・・・。

ぜんざい公社の時は、いつものマクラと断わりしながら、
年季明けの時、西宮の市営住宅に住むまでの、エピソードが
可笑しく、愉しく、述べられる。
内容は言いたくて、モゾモゾしますが、営業妨害になってはいけないので、割愛・
・・・三喬さんの「ぜんざい公社」に出会うまでのお楽しみにしておいてください。

この、「ぜんざい公社」は、東京の「御膳汁粉」を、米朝、松之助、文紅の三人が、
楽屋で、ああや、こうやと言いながら、今の形を創りあげたと・・・。
そして、若手に演らそうとして、春蝶さんの十八番になったと。

三喬さん、最初の、国営ぜんざいの謳い文句も、最高の吟味した材料を使ってますと。
砂糖は、台湾製で、生産者は・・・李登輝
小豆は、北海道産で、生産者は・・鈴木宗男
餅米は、魚沼産で、生産者・・・田中真紀子。

お上にしいたげられている庶民の反発をネタにしている噺だけに、
随所に、政治家が出てくる。

最後食堂でさえ、各首相の額が掛かっており、
岸首相の「あんこ反対」、小泉首相の「ぜんざい公社、民営化」など、
古典の域に入ったネタを、見事に、現在の政治色を巧みにいれて、
今年できたような、新鮮さを取り戻す。

老舗の味は、同じようでありながら、実は常に進化しているとか。
三喬さんの、一味もふたあじも違う、「ぜんざい」、是非お食べくださいな。


三、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「片棒」

わかばさんで、よく聴くネタだが、勢いだけでは無く、
雀松さんがやれば、味わい深い噺に・・・。

長男(幸太郎)、次男(作次郎)、三男(徳三郎)とも、
誰一人として、親父のこと、お店ののことを考えている者はいないのか、

近頃は、家族葬とかも多くなりましたが、
葬式というもの、無き人を偲ぶと言えば聞こえは良いが、
残った者の見栄と、立場の保全の為になされるんですな。

まあ、この三人、誰が継いでも、この身代つぶれそうでんな。


四、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・「首提灯」

この四年間で、三喬さんと、松喬さんを数回聴いているが、
同じ演目を聴くのは、何とこの「首提灯」が初めて。

回転寿司ではなく、割烹の鮨を期待していただけに、
この空虚な気持は・・・「これは、何」。

豆がこぼれているのを見て、「これ、なんぼ」・・・
ああ、聴きなれたの「これは、何」とは違い、これでとおすのかと、期待が膨らんでいると、
紅しょうが、鰯のオカラ・・・といつもの「これは、何」に戻る。・・なぜか、ガッカリ。
いかと小芋のたいたんの汁を啜るのは、三喬さんらしかったですが・・・。

最初の、上燗屋とのからみが、酔っ払っているというより、どもっているようで、
全員引いてしまって、すっきり噺に入っていけなかったような・・・。

三喬さんで、人の、心情で聴かせる「百年目」、「三枚起請」、「お文さん」、「帯久」などを
聴ける日が、いつくるのか、興味はつきませんな。


五、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫の忠信」

よろしいな・・・。
悋気のおかみさんの「おとわ」さんが秀逸。

「次郎吉」が、亭主の「常吉」と、稽古屋のお師匠さんの只ならぬ仲を告げに・・
その時の、次郎吉の一言一言で変わる「おとわ」さんの心の揺れが繊細に見れる。

即、次郎吉と常吉が乗り込んで行っては、噺のおもしろさは半減。
間に、おとわさんの稽古屋まで行って、目のあたりにするので、おもしろさが倍増。
ほんま、古典の落語は、ようできてますな。

途中で、庭で、にゃあにゃあと「猫」が、私の出番はまだかと鳴いていましたが、
この噺、主人公は、女房の「おとわ」さんですな。

でも、想像すると、結構、エロチックで、
一度その、温い造りとやらを、食べてみたいですな。
やはり、これは、いかや鯛やヒラメではなく、赤身のまぐろで決まりでおますな。

初めて寄して頂いたきふね寄席、
雀松さんと、三喬さんの二人会、じっくり愉しませて頂きましたで。




きふね寄席・・・第36回・雀松・三喬ふたり会
2010年3月6日(土)午後2:00開演
貴布禰神社(出屋敷)

一、笑福亭喬介・・・・・・・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・「ぜんざい公社」
三、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「片棒」
仲入り
四、笑福亭三喬・・・・・・・・・・・・・・・・・・「首提灯」
五、桂雀松・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「猫の忠信」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・三味線・・・吉崎律子


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美味礼讃~花園・辻亭

2010-03-02 23:27:31 | グルメ・スイーツ
美味礼讃・・・・花園の辻亭ヘ
2日の晩、落語仲間の辻さんのお招きで、旬の牡蠣をごちそうに・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


今日の主役・・・とれとれの広島の牡蠣・・・美味しかったでっせ。



辻亭のご主人、鶴二さんと、井上さん。
美味しい料理とお酒で、満足そうな顔。

鶴二さんの、芸談の楽しいこと、
笑福亭が好きで、兄弟子が好きで、心から落語が好きなのが伝わってくる。
今年は、ここ数年やっていないネタも、リメイク準備中と。

禁酒関所、猫の災難に続き、市助酒なんぞも手がけてみたいとか、
来年の「らくだ」に向って、笑福亭らしい、酒にまつわる噺はたっぷりでっせ。

しばらくは、鶴二さん、得意の、はんなり芸は封印でっか。
プロ意識に燃える鶴二さんに、注目でおますな・・・・。



娘さんの彩花ちゃんの、踊り・・・・・・国立文楽劇場でお披露目した本格派。


踊りは、京都の舞妓さんが踊られる・・・・「祇園小唄」
踊っている彩花ちゃんを撮ろうとすると、動きがあってブレルブレル。
最後にきまると、「だらりの帯よ」で、後姿でお顔が見えず・・・・・・
ああ・・・・芸事の瞬間写真、素人には、難しおますな。

・・・・・・・・「祇園小唄」・・・・・・・

・・・・・・月はおぼろに東山・・・・
・・・霞む夜毎のかがり火に・・・
・・・・・夢もいざよう紅桜・・・・・
・・・・しのぶ思いを振袖に・・・・
・・祇園恋しや・・だらりの帯よ・・・


奥におられるのが、奥様、ミズナのサラダといい、牡蠣ごはんといい、
すべての料理が絶品の美味しさ・・・・・
ほんと心からの、愉しいおもてなし、ありがとうございました。




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