2022年・ごまめの本の少し・BEST15
今年は年間263冊の本を読了。隠居生活三年目、図書館利用も板について何と191冊ものの本を借りました。
☆5が15冊、☆4が93冊、☆3が146冊、☆2が9冊。
BEST10か20位と思いましたが、更に選ぶのがおっくうなので中途半端ですが今年はBEST15とさせて頂きました。
改めてその15冊をみると、今まで読んだことがない小説、人類学、骨のある随筆と、新たな出逢いに感動したんですな。
もちろん落語と短歌は優先的に読みましたが、今年は図書館関係の本も沢山目を通しました一年でおました。
やはり目的の本だけではなく、本の紹介や、本屋や図書館をウロウロして新たな出逢いを探すのもよろしおますな・・・それも読書だと思える今日この頃です。
さて、☆☆☆☆☆の本、順位つけるのも何なんですので、年初めから順に並べさして頂きました、よろしくでおます。
1・はみだしの人類学~松村圭一郎・(1.11)
昨年の末に読んだ著者の「働くことの人類学」がおもしろかったので、続けて読もうと検索すると図書館にあったのがこの本。NHK出版の「学びのきほん」シリーズでさらに初心者用に書かれており、私にはピッタリ。さらに人類学が整理されました。と言いながら、人類学は多岐にわたっており、多くの視点でとらえなおしてあるので、私のこれからの覚書もある面あちらこちらへとまとまりのないようになってしまいそうです。
もともと文化人類学は、19世紀末から20世紀前半に西洋諸国がアジアやアフリカの植民地政策時代に、なぜ人類はこれほど多様な文化があるのか?その差異はどのように生じたのか?異なる他者とどう関係を築けばよいのか?この課題はこのコロナ禍をみれば未だ引き続いているように思えます。そして西洋社会が直面する問題を考えるとき、近代的な視点だけでは限界がある。人類学は近代文明批判の旗手として、そうしたある種の希望を語る学問と注目されてると・・・。
それを掘り下げると、「わたし」とはなにか「かれら」とはなにかいう基本が揺るいできます。「わたし」の人格や価値観が絶対的なものではなく、「わたし」と「かれら」との境界も輪郭もあいまいにみえてきます。各、国や地域の「伝統」は長い年月を経たものではなく、ごく最近になって成立したり、ときに捏造されたものだと。立場、立場で歴史は違う、これって「わたし」と「かれら」の関係を知れば当たり前のこと。
そして、その「わたし」でさえひとつでなく複数であると。誰と対面するかで「わたし」のあり方が変化すると、家では末娘の「甘えん坊」、部活では頼れる先輩、大学では「生徒」、バイト先の塾では「先生」と複数の役割をもって生きています。単なる分け方も「男」と「女」、「若者」と「老人」、「既婚」と「未婚」、「正規雇用者」と「非正規雇用者」、「日本人」と「外人」、血液型や県民性などひとりの「わたし」はいろんなカテゴリーをもちながらも、ある面単一のカテゴリーで結びつけられて判断されているのは、このコロナ禍では痛切に感じることでおます。「ワクチンの接種」「飲食と飲酒」「不要不急の外出」「若者と老人」なぜか、線引きしなければとそれもいたってあいまいな線引きで、ワイドショーががなりたてているのにはまいってしまう。
はなしはそれてしまいましたが、どうすれば「わたし」や「わたしたち」がともによりよく生きることができるのか。生き方には二通りがあると、「直線の生き方」と「曲線の生き方」があるのに、いつの間にか直線的に歩むのが正解として歩んできたようですが、いま一度、二つの歩み方があることを自覚するべきだし、それが「よりよく生きる」ことへのヒントがあるように思える。
「わたし」も大切「あなた」も大切、こんなことを教えてくれた、「人類学」でおました
2・語り芸パースペクティブ~玉川奈々緒・(2.20)
素晴らしい、御本。浪曲師である玉川奈々福さんがプロヂュースする語りのついての11章節。どんな学術書より価値がある。
日本は伝統芸能がとても多い国。中でも語り芸が多いことは、大きな特徴であると、しかも、中世このかた生まれた多くの語り芸が、今も現役の芸能として残っている。「節談説教」「説教祭文」「ごぜ唄」「義太夫節」「講談」「女流義太夫」「上方落語」「能」「江戸落語」などと・・・。
視覚優位の時代に、想像力を駆使することを観客に強いる、ミニマムな芸能に・・心あそばせ、しばしうつつを忘れることで、心身が再生される、その作業を、この国の多くの方が楽しんでくださってる・・。
芸能者は、最初は神のご機嫌をうかがい、いつしか観客のご機嫌をうかがうようになった。あの世とこの世、聖と俗、貴顕と最底辺の間を行ったり来たり。
これって、まえがきの要約ですが、内容濃いでしょ。
一週間かけてじっくり読み進むうちに14か所も付箋がつきました、大事なことばかりなので、私のノートにはすべて写しましたが、芸能に興味のある方是非一度この本手に取ってごらんください。
「唸る」「語る」とは、「読む」、「言う」とは「しゃべる」とは、ほんと、この違いを考えるだけでも、芸能ってそもそもなんなのと考えさえられます。
手元に置いておきたいですが、逆に書き留めて、心に書き留めておきたいと思います・・それほど内容の濃い本でおます。
3・すべての季節に君がいて~・神田濡(2.28)
淡き恋って素敵です。
2017年からTwitterに140字ぴったりの物語を投稿、それをまとめたもの。遠き昔なのに、胸がきゅんきゅんします。
短歌を始めたとき、最初に教えられたのはまず小説の出だしを書きなさい、それを焦点を絞りながら31字にと、そうなんですまず沸き立つ思いを物語に。それが抜けてるから、この頃歌自体にわくわく感が抜けてしまっていると、自分でも感じます。
それと、並んで撮られているいろいろな写真。一枚の写真ながら、前後の物語が沸き立ってくる。いま、動画クリエーターの講座を受講し始めているが、まさにこれ、何を伝えたいのか。自分の感動、思いをまず見つめることからすべてが始まる。
短歌にも動画にも今の私のバイブルになる、タイムリーな出会いを感じる一冊でおます。
4・ものは言いよう~ヨシタケシンスケ・(3.30)
ヨシタケシンスケさんを知る完全読本。
ヨシタケさんファンなら是非手元に置いておきたい一冊。
ひみつと言って、その①・発想の源の“手帳の中身”を公開、毎日のスケッチとして、かわいいイラスト、ちょっとした絵と言葉がセットに書かれている。
その②・ほんまに小さなイラスト。絵はモノクロでとても小さい。会社員時代にいつでも手で隠せるようなサイズで落書きしていたら、それが定着。でも、そのコンテと言うべき下書きは、アイデアが詰まりながらも苦しみの跡が・・・。
ヨシタケシンスケさんのしくみとか、一日とか、このさい聞いてみようと100の質問。そしてヨシタケシンスケさんの本棚、どれもこれも、じっくりと見居てしまう・・・。
しばらくは、ヨシタケシンスケさんの本、続きそうです。
5・それでも生きていく~姜尚中・(4.18)
預言者のごとく、今、発刊三か月後の2022年の4月ですが、この間にロシアのウクライナ侵攻があって世界中がその危機に遭遇しているが、この本で述べられていることはすべて的を得ている・・まさに預言者である。
生命をもって生まれた以上、
その人には生きる権利があり、その価値がある。
ウイルスや戦争が起きて、自由に行き来できなくなり、身体の自由が制限されたことで社会は混乱し、グローバル資本主義の青天井の欲望にも、その脆さが明白にさらされました。
東日本大震災での原発事故でも、東京五輪での強行でも、コロナ禍でも、次々変革の機会、考える機会を与えられているのに、いっこうに変わらぬ日本。
すべては、「持てる者と持たざる者」との対立。コロナのしても正規雇用と非正規雇用の格差、教育や介護現場での人手不足など普段は、隠されている根源的なテーマが緊急事態によって露わになっているのです。
日本のような「弱い国家」「弱い社会」で危機的状況に立ち向かうことができるのか・・・政治に信頼がないだけに、不安が募りますな。
6・日本語びいき~清水由美・文、ヨシタケシンスケ・絵・(4.27)
ヨシタケシンスケさんがらみで、購入した本。
日本語の教師をしている著者が、日頃外国の生徒たちとの間で交わされる、日本語の難しさ、あいまいで「させていただく」は丁寧か、馬鹿丁寧か、「先生」の読み方は本当は「センセイ」「センセ―」どちら。
ふだん、私がしゃべっているのは大阪弁、それも船場言葉が中心。落語をし始めてから、落語の世界では、「はじまってるか」「はばかってんねん」「けっかんねん」「かせちゅうねん」「早ょう」「ぬくもった」、いかに、詰まった「っ」「ゅ」が多いことか。「持ってて」「持ってって」この小さな「っ」が癖もんですな、「持って行って」が「持ってって」になるんですから、大阪人のいらちぶりがわかりますな。
また、カタカナ語でも時代によって表記が違いますようで、日本語に移入されたのが早い外来語は「チ」が多く、歴史が浅い外来語ほど「ティ」で書かれるのが多いようです。
【「チ」の方がしっくりくるもの】・スチール、チーム、チケット、プラスチック、エチケット、チベット、スチームアイロン
【「ティ」がしっくりくるもの】・ミルクティ、パーティー7,ボランティア、シティー、クリエイティブ、エギゼクティブ、アイデンティティー
また、人工音声も自動放送も目覚ましい進化をしていますが、あの機械的なイントネーションは、ツッコミどころがいっぱい。(一度、声を出してお読みください)
「まもなく、3番線に、〇〇行きの*電車が、まいります。」
「4番の・カードを、お持ちの、お客さま、2番の*窓口まで、お越しください。」 *のところはふつうは、で切れてるんですが、やはり続けて言うて欲しいので、解かりやすく*で表記しましたが。AI君、こういう音声的な微調整してほしいですな。
まあ、日本語のおもしろさを、ツッコミどころ満載でご披露のこの本、おもしろおますで。
7・表現の技術~高崎卓馬・(5.9)
映像の作り方の本ですが、落語にも大いにつながる。
たとえば、「表現をどう受け止めるかは観客が決めること」というのは、次の次元の話。笑わせるのか。泣かせるのか。つくり手がそこを曖昧して「観客にゆだねる」のはいけない、と。
「笑いは笑いながらではつくれない」、笑いは表現の技術を駆使し尽して、つくりだすものだ、と。
笑いには、①・言葉遊びの笑い。②・即興的な笑い。③・キャラクターによる笑い。④・関係の笑い。⑤・不条理の笑い。があると、これって映像も落語も共通とはおもしろい。
コンテをネットの画像を貼り付けてつくるなんぞは論外で、すでにあるものでビジュアルをつくるなんぞは安易すぎて、うすっぺらいものになる。必ず個性を信じて、オリジナリティのものを目指さなければ、と。
郵便ポストを、他の言葉で表現すると・・・赤いやつ、手紙を届け装置、町の連絡箱、手紙届け窓口、古い伝達装置、・・・デジタルのメールより価値あるものに見せる・・この言葉の置き換え、発想、短歌につながりますな。
ことば、映像、ことば、表現、ことば、短歌、ことば、笑い、ぐるぐる言葉の輪の中で、遊びますな・・・同時多発思考のすすめ。
自分の感覚を上手に使って客観的な思考を手に入れる、違和感は答えを教える。
この本、図書館の本ですが、BOOKOFFで買って手元に置いておきたい本でおます。
8・まいにち 酒ごはん日記~ツレヅレハナコ・(5.7)
インスタグラムの写真の参考になればと思って買った本。
やはり答えは、美味しいそう、人であろうと風景であろうと、酒瓶一つがイキイキと主張している。
メニューでも、箸一本にしても、凛と背筋伸ばした姿を切り取ってあげること。百聞は一見に如かずで、写真は雄弁ですな。
でも、実は、ツレヅレハナコさんの文章もなかなかのもんでおます。
私にとっては、良い参考書、手に入れましたで・・・。
9・ヒノマル~古市憲寿・(6.14)
エッセイ好きの私ですが、こんな小説ならいくらでも読みたいものです。
まさに、タイムリー、コロナ禍や戦争が起こっている現代でも使われている“プロパガンダ”。先の太平洋戦争でも、民族の自衛も、東亜の解放も、大東亜建設も、鬼畜米兵も、普通の言葉として普及し、自分の思いを語れば非国民扱い、他人同士が憲兵となり、道徳や嫉妬が憲法となりまかり通る。
東京の上空からの「宣伝謀略ビラ」には、「あなた方の國には、戦争を理由に、あなたの自由を制限しようとする人がいませんか。アメリカでは、今この瞬間も、人々は自由を謳歌しています。戦争は、あなたの自由を制限する理由にはならないのです。自由を嫌う人は、戦争に勝利したいわけではなく、他人の自由を妨害することそれ自体が快感なのでしょう。」とある。
情報統制、今の日本のマスコミをみているとなぜか一辺倒。特定の思想、世論、意識、行動へ誘導する意図を持った情報に偏っているのではないか・・常に考える、自ら考える、ことの大切さをあらためて知る。
10・言葉の人生~片岡義男・(7.6)
言葉は人によってさまざまに使われる。私たちが普段使っている日本語は、常に人によって、各個人によって、独自のものとして変化している。
作者は、英語と比べたり、日常何気なく使われている言葉から、ことばの厄介さを問う。自分らしいことば、自分らしい言い回しなんてことがあるのか。
いま、短歌を詠んでいて先生がよく言われることに、きまり文句や常套句的言い回しは避けましょうと、でも独特な言い回しってあるのかないのか、所詮どこかで聞いたことのある、読んだことのあることば、に過ぎないのではと・・・。
日本語能力試験公式問題集にある、問題30は、
・つよい かぜが ( )います。括弧のなかに、なにが入るか。いちばん いいものを ひとつ えらんで ください」との質問に「1・ふいて、・2いそいで、3・とんで、4・はしって」からえらぶ。正解は・1の 吹いて のようですが、強い風が急いでいます。強い風が飛んでいます。強い風が走っています。これらの日本語の方が面白く、日本語しての可能性に満ちていますよね。
まあ、ことばって、たのしいもんです。
因みに、本書は「サンデー毎日」に「時代に翻弄されるコトバたち」と「コトバのおかしみ、コトバのかなしみ」として連載されたものです。週刊誌のコラム、エッセイ、結構たのしいですよね。
11・ヨーコさんの言葉~佐野洋子・文、北村裕花・絵・(7.9)
佐野洋子さん、老人の代表として、ひと言モノ申してくれました。
しわ、たるみ、しみなどが
花咲いた老人になって、
すごく気が楽になった。
世の中をはたから見るだけって、
何と幸せで心安らかであることか。
老年とは神が与え給う平安なのだ。
いきいき老後とか、
はつらつ熟年とか
印刷されているものを見ると
私はむかつくんじゃ
こんな年になってさえ、何で、
競争ラインに参加せにゃならん。
わしら疲れているのよ。
いや疲れている老人と、
疲れを知らぬ老人に
分けられているんだろうか。
疲れている人は
堂々と疲れたい。
12・ゆく川の流れは、動的平衡~福岡伸一・(7.17)
理系に身を置きながら、文系の心でものに接する、福岡伸一さんの真骨頂の一冊。文系的センスで物事に当たりながら理系的洞察力で物事を見つめる。またの逆も真なり。その異なる分野を自由に往還できることが大切と・・。
例えば、コロナ禍も発生から約二年が経過してしまったが、一向に収束は見えてこない。いったんは減少傾向にあった感染者数は、変異株の出現とともに、再び世界的な増加傾向にある。明らかなことは、ウイルスを完全に撲滅したり、駆逐することはできない。自然は押せば押し返し、沈めようとすれば浮かび上がる。
だから、変異株の出現のたびに過剰反応するのではなく、結局のところ、ウイルスとの動的平衡をさぐるしかないと。つまりウイルスも自然の環の一つとして、宿主には激しいダメージを与えるよりも、できるだけ安定した状態で共存できる方向へと動く。つまり必然的に弱毒化し、致死率の低いものへと変化してしてはずだと。宿主である人間の側も変化する。そうすればやがてコロナも“新型”ではなく“普通”の常在ウイルスになる日がくる。
ほんと、そう願っていますな。
というように、いろんな提案、提議がされています。
気になった、表題だけ列挙しておきます。
・旨いも辛いも、かみ分ける(甘、塩、酸、苦、旨、辛)
・弱者の巧みな戦力(定足数が越えたら、一気に攻める)
・美の起源、生命と結びつく青(水の青、空気の青、青は特殊な色だ)
・科学の進歩。「愛」が支える。(昆虫、彗星、化石、アマンの活躍)
・博士号とかけて、足に裏についたご飯つぶ、ととく(とらないと気になるが、とっても食えない)
・「記憶ない」ことこそ記憶(単に二日酔い状態との告白に過ぎない)
・作ることは、壊すこと(伊勢神宮と法隆寺、どちらが生命的)
・生命とは、西田哲学の定義(合成と分解、酸化と還元、結合と切断)
・建築家がモテるのは(画家、音楽家、小説家、ああ身近に落語家が)
・須賀敦子、読まれ続ける秘密(ひらがな、穏やか、やさしく、端正な文体)
・夜生まれ、朝消えるもの(その答えもまた希望である)
・虫食い算、口口を埋めてみて(言葉の虫食い算)
・自然界の不思議、交差する所(南方熊楠のウガの標本)
・コップ一杯、海に注いだら(絶えず揺らぎながら循環している)
・世界のこのかすかな移ろいに気づく(音でも、光でも、風でもよい)
13・丘の上の賢人・旅屋おかえり~原田マハ・(7.30)
あの、「旅代理業」の売れないタレント、“おかえり”さんの主人公丘えりかさんが、今回受けたのが北海道、とある動画に映っているのは、かつての恋人かも・・・調べて欲しいとの依頼。
今年の、NHKのBSで見たのでその続編とすぐに図書館に予約入れたんですが、先に15人もの予約者がおられて、ようやく回ってきたのが今月。
早速、読みだすと、テレビで見ていたので、主人公が(安藤さくら)さん、社長が(武田鉄矢)、その事務員さんが(美保純)さんと、そのままのキャラクターで登場するので、読んでいて、解かりやすい、わかりやすい。
物語は、おもしろく、小説自体がコメディタッチで楽しめる。
テレビのドラマ「旅屋おかえり」の続編「長野編」「兵庫編」も制作が始まったらしく、来年放映なので、それまでに小説の「旅屋おかえり」の第一作を読んでみようと・・・でも、これってテレビで放映あった分なんでしょうか?
14・好きノート・すきノート~谷川俊太郎・(9.21)
あいてるところに絵や言葉をかいてね。
空いてるスペースはあなたのものです。
あなたとの合作で世界に一冊しかない本になります。
おとなとこどもように、それぞれ25ずつの質問。
本来は、本に直接書くんですが、本を汚すのは抵抗があるので。
A4用紙にタイプして、はさみこむことにしました。
おとなようからはじめましたが、こどもようもたのしめました。
すきっていいね あかるいね
すきがあるって たのしいな
すきってだいじな きもちだよ
すきだと やさしくなれるもの
すき好きノートです
15・利休にたずねよ~山本兼一・(10.31)
特にこの「利休にたずねよ」は秀逸。利休の切腹から、秀吉との前日、細川忠興との十五日前、古溪宗陳との十六日前と遡っていく。
この時間を巻き戻し、そして幾多の人との出会いと関りによって、利休という一人の茶人を際立させていく・・・上手いですな。
そうです、一人の人を語る時、ある人はその人のすべてを知るものではなくやはり一部なんですよね。ジグソーパズルを埋めていくように周りから見つめることによって、最後にすべてが見える。
凄いですなあ、この構成力、それに委ねて突き進む読後感は快感でおます。
今年も一年間、「ごまめのいちょかみ・ほんの少し」をご贔屓いただきありがとうございました。来年は、積んである本の山を低くするのと新しいジャンルの本に挑戦したいと思っております。
皆様、良いお年をお迎えください・・・ごまめ。