ごまめ~の~いちょかみ・Ⅱ

趣味(落語と本)の話と大好きなうどんを中心に、ごまめになってもいちょかみで幅広くお届け

ナカノシマ大学~2019年8月講座

2019-08-30 20:20:20 | 暇・学習

ナカノシマ大学~2019年8月講座
会場・・堂島ビルヂング

おかき・あられ・せんべい~とよすと米菓の117年~

本日は、ナカノシマ大学で、おかき、あられのお勉強を・・・。

おかき・あられ・せんべいの区別ができるのは大阪人。

煎餅・・・元々、中国でつくられもの、煎とは焼くの意味で、
粉を薄く伸ばしたものを煎餅と、今のクレープみたいなものも。

日本には、空海が平安時代に唐より、“亀の甲せんべい”として、
小豆の種と共に輸入。

それから、せんべいと言えば、
南部煎餅(東北)、米菓煎餅(関東)、海老煎餅(中部)、甘味煎餅(西日本)

(草加)せんべい、おかき、あられの違いは、まずは原料の違い、
(草加)煎餅はうるち米、おかきとあられはもち米。
そして、おかきとあられ(霰)は単に大きさの違い。
雛あられでも、関西はおかき、関東はハゼ(爆米)

関西のおかきは生地を味わうし、関東の煎餅は上掛けの味を味わう。

あとは、とよすの歴史を・・・・
時代に合わせて、直売店を出したり、
色んなのが入った“とよすのあられ”で大ヒット。
2011年には、亀田製菓とのコラボから、量り売りの原点、LIVE感を
追求して、“かきたねキッチン”をスタート。
今は、新時代のおかきを目指して。“JUKKA(十火)”とか日々開発中。

でも、ポテトチップスや、チョコレート、洋菓子、ケーキなど、
おやつでも、多種多様に広がっていますな。


講師・豊洲牧子(とよす元広報部長・創業者曾孫)


食べ比べの“ハイサラダ”とお土産の“JUKKA/獺祭”


大江橋から・・・大阪の黄昏時もよろしいな。
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まあまあの日々~群ようこ

2019-08-28 05:05:05 | 本の少し
☆☆☆

群さんって、私とほぼ同年代。

群さん、小さい時から、おっちょこちょいで、未だに続いているとか。
ポンプ式の泡が出る石鹸を使おうとして、右手で押したら
差しだしていた左手に激痛が、下がったボトルのヘッド部分と
本体の間に指を挟んでいたと・・・。

私も老人になって、動きが散漫になったのか、
頭の働きが遅くなったのか、料理をしていて爪を切ったり、
調味料がなくて探しているうちに焦がしかけたり、
コップを落としたり、この頃食器洗いも洗剤で滑りそうで、
掴む握力が思いと実際とにはギャップ、時間差が生じているような。

気の焦り、小さい時からのせっかちさ、に体が付いていかないし、、
ヘンな思いこみで、見るものの勘違いも多々発生。
米朝と見れば、米朝一門と思いきや、アメリカと北朝鮮。
その場の勘違いもすぐ忘れてしまう、今日この頃・・・。

大事にならぬことを願って、日々穏やかに過ごしましょう。

そんな気にさせる、群ようこさんの「まあまあの日々」でおます。

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呂好一人勉強会

2019-08-27 21:21:21 | 笑福亭呂好
呂好一人勉強会


お馴染みの船場寄席


呂好一人勉強会
2019年8月27日(火)午後7:00開演
船場寄席

一、笑福亭呂翔・・・・・・・・・「煮売屋」

弟弟子の呂翔さん、開演前の諸注意や彦八まつりの紹介では、
つまりつまりながら、落語に入ると噛むこともスムーズに・・・。
ということは、落語は既に普段語に、普通の言葉の方がご自分の言葉だけに、
考えながらか・・・・スムーズにいかないとは。

落語の「煮売屋」、呂翔さんは、発端はされるのでしょうか、
是非一度、聞いてみたいですな。

二、笑福亭呂好・・・・・・・・・「勘定板」

汚い話を、・・・・難しいですな。
情景を浮かばすのが、名人、良い落語といわれていますが、
この噺に限って、あまりリアリティ過ぎると・・・・困りますな。

ほどよい加減の、呂好さんの「勘定板」でおました。

三、笑福亭呂好・・・・・・・・・「目薬」

これまた、お色気、艶噺・・・。
あまり、リアリティにやると、やらしくなるし、
お子さんがいたり、ご夫人がいたりすると、さらりと演らなければ、
艶笑ばなしって、本格的に聴いたことは無いんですが、
どの程度のものか、一度じっくり聴いてみたいもんですな。

四、笑福亭呂好・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

人情噺ではないですが、登場人物が善人ばかり。
今は、どうなんでしょう落し物の届けの具合なんかは、
変わらないのか、下がっているのか、・・・相対的にみて、
我が身優先、自分だけが良ければの世界。
それだけにこの「井戸の茶碗」は、生きざまに惚れる世界ですな。

こうありたい、「清貧の暮らし」、憧れますな。

一、笑福亭呂翔・・・・・・・・・「煮売屋」
二、笑福亭呂好・・・・・・・・・「勘定板」
三、笑福亭呂好・・・・・・・・・「目薬」
仲入り
四、笑福亭呂好・・・・・・・・・「井戸の茶碗」

なかなかの人気

呂鶴師匠がつくられた、ポータブル団扇。



第一回・ロコウ   モーション
2019年10月14日(月・祝)午後2:00開演
心斎橋角座


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うどんの前田・天王寺~2019.08.23

2019-08-23 19:21:27 | うどん・蕎麦・そうめん
うどんの前田・天王寺
☆☆☆
天王寺のうどんの前田へ、天王寺駅から四天王寺さんへ歩いて5分。
うどんと看板あげているので、期待を持って店内へ。

肉うどん

お肉たっぷりの肉うどんと唄いながら、お肉は少な目。
うどんは、大盛りも同じ料金と書いてあるが・・・何も言わないと、
出てきたのは、どうみても1.5倍はある大盛りか・・・・。

お肉の少ない分、うどんで埋め合わせか・・・。
適量しか食べれない、私、もったいないと思いながら、
残させていただきました。

メニュー

料金は、結構、高め・・・・・・。








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教養が試される341語・知らない日本語~谷沢永一

2019-08-22 05:15:25 | 本の少し
 ☆☆☆
まあ、ほんま教養が試されましたな。
二割ぐらいしか、知らなかったのでは・・・。

例えば「巫山の夢」(ふざんのゆめ)では、恋し合う男女は夢でも行き来する

「古今和歌集」には、「夢路には足も休めず通へども」という歌があるように、
平安歌人は、夢の中で男女が行き来する路を「夢の通い路」と呼んだそうです。
「夢の通い路」は落語「三十石」にでてくるんですが、
単に船に揺られて、夢の通い路と言うてると思っていたのですが、
男女の深い思いの行き来があったんですな・・・・。

ちなみに、彼らのの発想では、恋人の夢を見た当人よりも、夢に現れた恋人
のほうに強い思いがあるということになっていた。
(今では、ストーカーにはピッタリの発想ですが)

時代によって、判断、価値観って変わるんですな。

そんな言葉が、341語も紹介されてます。

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辺境ラジオ~内田樹・名越康文・西靖

2019-08-21 05:05:05 | 本の少し
☆☆☆☆
毎日放送のラジオの深夜番組「辺境ラジオ」を文字化したもの。
今は売れっ子の内田樹さん、精神科医の名越康文さん、
アナウンサーの西靖さんの三人が、不定期に放送された番組。

趣旨は、「この番組は、アメリカや中国ではなく日本、東京ではなく大阪、
テレビではなくラジオ、すなわち、中心ではなく端っこだからこそ見える
ニュースの本質を語り合うラジオ番組です」と・・・
忖度なんかくそくらえの番組、立ち位置がハッキリしているだけ、
清々しいです。

一番、発想が集約したのが、2011年3月6日放送の、
大阪を元気にするには「うめきた大仏」しかない。

これって、もし実現できてたら、
もっと大阪は、北は、違った意味で、集客できていたのでは・・・残念。
人が暮らす場所をつくる際には、天神地祗を祀らなければならない。
仏教を信じるとか信じないではなく、シンボルとして必要と・・・。
ターミナル駅から近くだし、初詣には100万人くらい来られるのでは。

JR駅から、大仏さんのお顔が見えるなんて、毎日の通勤が楽しくなりますな。

スタジアムや商業施設なんぞつくるのではなく、
近代門前町、大阪。・・・功徳の結集、「うめきた」。

「カジノ構想」とか、目先の経済効果ばかり追いかけて、
百年、二百年、構想で考えてもらいたいですな。
でも、もう、十年経ってしまって、中途半端な開発しかできてないんですよね。

そんな、考えるきっかけをくれる本でおます。
 
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ひろひろ・堺筋本町~2019.08.20

2019-08-20 19:42:28 | うどん・蕎麦・そうめん

堺筋本町・ひろひろ

天然だしをうたい文句のおうどん屋・ひろひろさん。
前は、二、三度、通ったことがあったが、昼時に・・・・、
表に7名ほどの行列が、でも、でてくる方も多いので敢て並ぶ。

セルフ方式で、どんどん流れていく。
揚げもの、おにぎり、も充実しているが・・・。

肉きつねうどん

肉うどんに、きつねのトッピング、豪華、贅沢版。
どちらか一方にせよと言われれば、きつねを取りますな。
大判で旨く炊けていて美味。
かけ260円、きつね+80円、肉+150円。
この、きつねの+80円は安い。

初めての店で、最初にこの“肉きつね”を食べて、
判断するのも、ありですな・・・・・。


麺は、細めでコシがあって、つるつる感もあり。

表のメニュー看板。

冷たいのを注文する
のも、案外、冒険でおます。

ちょっと、会社から遠目なのが、難点でおます。
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神田松之丞独演会・SAYAKAホール

2019-08-19 22:43:25 | 浪曲・講談・漫才
神田松之丞独演会・2019.08.18

良かったですな。

一、神田松之丞・・・・・・・・「名月若松城」
最近ネタおろししたばかりの噺とか。
正直者のご家来が、無礼講だという殿の前でご意見を・・・・。
今や、「忖度」などといい、上司や役人の顔色ばかり窺っている世の中で、
自分の思いを伝える主人公に・・・・共感する噺でおます。

ボロは着てても心は錦・・・そんな思いで、少しは日々暮らしてみたいですな。

二、神田松之丞・・・・・・・・「安兵衛・掛け付け・婿入り」
本日の中で一番のお気に入りはこの「安兵衛婿入り」。
それも前に「安兵衛掛け付け」をくっつけて、長編噺に。
「呑安兵衛」「喧嘩安」と普段はぐうたら生活の安兵衛と
高田の馬場で叔父の仇をうつ剣の達人とのギャップをみせながら、
人間味溢れる安兵衛を演じる。

堀部家の娘、はな、も惚れるのは無理なしと。

緩急使い分けた、松之丞さんの「安兵衛掛け付け&婿入り」は、
是非、もう一度聞いてみたいハナシでおます。

三、神田松之丞・・・・・・・・「小幡小平次」
冬は赤穂浪士、夏はやはり怪談もの。
二席で1時間の予定が、1時間36分も喋ってしまって、
御都合の悪い方もあられると思いますが、
残りの時間もありませんが、折角ですので、怪談噺を・・・・。

「小幡小平次」、二人の男を手玉にとる女、おちか。
「ファム・ファタール」、俗にいう「魔性の女」。
妖艶で、色っぽく、男を騙す。事件の裏に女あり。

死んででてくる女も怖いですが、生きてる女もやはり怖いですな。

三席で、二時間半の長講の独演会、
久しぶりに、良いものを観たという至福のひとときでおました。

来年の、伯山襲名までに、関西での登場はあるんでしょうか。
時間たっぷりの独演会で、やはり観たいですな・・・・。

神田松之丞独演会
2019年8月18日(日)午後2:00開演
SAYAKAホール
一、神田松之丞・・・・・・・・「名月若松城」
二、神田松之丞・・・・・・・・「安兵衛・掛け付け・婿入り」
三、神田松之丞・・・・・・・・「小幡小平次」


三演目で、たっぷり二時間半、大満足。



松之丞さんのサイン

きっちり、サインして頂きました。


コメント (2)
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第174回・和泉ワンコイン寄席

2019-08-17 23:02:51 | 和泉ワンコイン&笑福亭伯枝
第174回・和泉ワンコイン寄席

和泉シティプラザ・・和泉中央

久しぶりに、ワンコイン寄席に・・・。

一、露の瑞・・・・・・・・・・・・「動物園」
もう入門して、6年目、声も大きく堂々とした高座。
兄弟子の紫さん、しいては師匠の都さんともダブるんですが、
笑いはなかなか手強く、難しいもんですな。

でも、虎の皮を着る仕草は、なかなか可愛くチャミングでおましたで・・・。

二、笑福亭岐代松・・・・・・「まんじゅう怖い(創作)」
この、ワンコインには三回目と、私そのとき居あわせたような
確か、8年前にここで「紙入れ」を聞いたような気がします。

そして夏の話題、高校野球で甲子園出場しましたと・・・・・・、
凄いと思わせておいて、実は、ブラスバンドで、
開会式と閉会式でグランドで演奏でと。
どんな事でも、自慢になるようで、・・・・・。

噺は、好きなこと、嫌いなことから「饅頭こわい」かと思いきや、
嫌いな饅頭、次から次へと饅頭を紹介しながら、
岐代松さん独自の創作で、去年の時事ネタをハサミながら笑いに。
安倍総理の「森友学園」、安倍総理の「加計学園問題」、
桜田議員の「失言問題」など、忘れかけてる政治問題を思い出させてくれる。

でも一つ一つ、すべて、中の餡がうすくて、笑いも薄味・・・残念。

三、笑福亭伯枝・・・・・・・・「へっつい盗人」
泥棒に出掛けるまでのくだり、たっぷりと・・・。
この喜公のアホさかげんがこの噺のキモでおますな。

へっついといえば、伯枝さんで「へっつい幽霊」、聴いてみたいですな。

第174回・和泉ワンコイン寄席
2019年8月17日(土)午後2:30開演
和泉シティプラザ3階 和室

一、露の瑞・・・・・・・・・・・・「動物園」
二、笑福亭岐代松・・・・・・「まんじゅう怖い(創作)」
三、笑福亭伯枝・・・・・・・・「へっつい盗人」
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彦壱・法善寺横町

2019-08-16 10:19:32 | グルメ・スイーツ
彦壱・法善寺横町


彦壱・法善寺横町
嫁さんの誕生日会を兼ねて、家族四人で、
法善寺の「彦壱」さんへ。

昨日は台風で臨時休業とか・・・昨日ででなくて、ラッキー。


サーロインの網焼きステーキ
厳選された山形黒和牛のメス牛、A4、A5クラスのお肉。
最初はサーロインのお肉が・・・・旨い、の一言。

特選トロバラ
次は、特選トロバラ・・・・焼肉は、バラ、この脂が堪りませんな。


サガリ(ハラミ)とトロテッチャン
もうこの頃になると、私はお腹いっぱい状態。

「彦壱コース」
最初に、どて焼き、キムチ、焼野菜、キャベツ、
とでてきますが
お肉は、私たちには、量、質、とも丁度よく、大満足でおます。

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浮世絵コレクション・大阪市立美術館

2019-08-15 15:25:35 | 街で

浮世絵コレクション展
メアリー・エインズワース
大阪市立美術館

 良かったですな。
北斎・写楽・春信・歌麿と、
そして良かったのは、広重。

 同じ版画でも、刷りが違って、色調、彩度が違うのもあり
比較して見れて.なるほど、と❗

絵師、彫り師、刷り師、
各人が個性と感性を一つの作品に入れ込むんですな。 

大阪市立美術館・天王寺

9月29日まで開催中、
是非お見逃しなく、
おすすめでございます。

浮世絵コレクション・ガイドブック

 2500円ですが、内容が濃く、価値あり。
浮世絵の奥深さ、知ることができまっせ。

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もしも文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら~神田桂一・菊池良

2019-08-14 13:13:13 | 本の少し
☆☆☆
「カップ焼きそばの作り方」について、各著名人が書いたらどうなるか、
こんな具合ではないかと、楽しくパロディ風に描いたのがこの本、

村上春樹、太宰治、星野源、紀貫之、江戸川乱歩、星新一、川端康成、
相田みつを、松尾芭蕉、池上彰、レイモンド・チャンドラー、糸井重里
林まりこ、三島由紀夫、「週刊文春」、宮沢賢治、吉本隆明、芥川龍之介
など、100人の著名人が、独自の文体で綴る、「カップ焼きそばのつくり方」。

あほさ、かげんに・・・・・・楽しめまっせ。


例えば・・・・「求人広告」では、

★誰にでもできる簡単なお仕事です!★
1、カップ焼きそばの蓋を点線まで開ける
2、中に入っているかやくとソースを取りだす
3、沸騰したお湯を入れ、五分間待つ
4、湯切りをし、ソースをかけたら完成

慣れたら簡単な作業なので、未経験でも問題ありませんよ。

◎自宅作業可
◎服装自由
◎髪型自由

最後まで作れた方には完成のお祝いとしてマヨネーズをプレゼント◎


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The Moon Also Rises ~五十子尚夏

2019-08-13 05:06:07 | 本の少し
 ☆☆☆

短歌の本なのに、なぜか、タイトルが英語で・・・・。
「The Moon Also Rises」、日はまた昇るではないが、月はまた昇る、と。

ペラペラと見ていると、私の好きなクラシックの作曲家とか演奏家の名が。
すきなもの、興味あるものが、どこまで短歌になりえるか、
興味津々で読み進めました・・・・。

例によって、気になった歌は・・・。

探査機が燃え尽きてゆく瞬間もナポレオンズの頭はまわる
停電の夜にあなたが美しく呼吸している音のみを聞く
夜という夜の行き着く朝という朝まで君を抱きしめている
親友と自称する日のかねてからあなたのことが好きでした  夏
月のひかり濾過されてゆく夜にまたドビュッシーの譜面を開く
日は沈み闇が螺旋を描くとき君のそばにはいられなくなる
みずうみに映るあなたがみずうみに映るわたしにくちづけて  夏
音楽をするひとみな美しき種族(ひと)  ジャクリーヌ・デュ・プレ・も君も
言いそびれたことがあったと告げるとき〈そびれ〉に抜けてゆく風があり
閂で閉ざした夜の片隅にチェロ・ソナタなど聴くは寂しも
死を悼む黒衣の君が真っ白なイヤホンで聴くラフマニノフ
深爪の夜にあなたが好きだったエリック・サティを聴くことでしか
かなしみの名に生まれたらかなしみの名もなき愛に伏すトリスタン
アシュケナージを聴かせる夜の首都高に速度超過の悲しみはある
ホロヴィッツの指震えつつ後ろから抱くときの黒髪のさやめき
さよなら、 を一息に打つ指でならペトル―シュカを弾ける気が、  した


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ブとタのあいだ~小泉吉宏

2019-08-12 13:14:15 | 本の少し
 ☆☆☆☆

久しぶりに、小泉吉宏さんの本。
このまえの、お寺さんで聞いた“説法”ではないが、

人の心のあり方、「ブ」と「タ」の間に何があるか。
「表」と「裏」、「右」と「左」、「好き」と「嫌い」、「吸う息」と「吐く息」、
間には何が、何にもないと言えばないし、あると言えばあるし。

それを見極めるには、“そのまんま”・・・・
こうあるべき、こうすべき、と決めつけないこと。

人生にはただ、そのまんまがある。
何かをしても、何もしなくても、人生にはただ、そのまんまがある。

そのまんまに生きる、と思った瞬間、何かの荷が降りた感じ・・・。
くよくよしない、考えすぎない・・・そのまんまを受け入れたとき、
本来の自分の人生がみえてくる。

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つぎの物語がはじまるまで~天野慶

2019-08-10 16:38:17 | 本の少し
 ☆☆☆☆

「ウタノタネ」で短歌づくりでたまに読み返している、天野慶さんの歌集。
天野慶さん、今、私がお世話になっている牛隆祐さんと一緒にNHK短歌の本で、歌人紹介の「短歌のキップ拝見します」のコーナーを隔月で交替で執筆中。

身近に感じる歌人さんのお一人です。

各章によって、お気に入りが偏っています。

【第一章】
ボンレスハム/ロースハムとの差に
近くおなじでちがう姉と妹開
くっついてしまったジュリービーンズをそのまま食べてあげる優しさ
インスタントのコーヒーが飲みたくなるように恋人じゃないひとに会いたい
故郷を教えてくれない恋人がいつか火星に行こうよという
こんなにも丁寧な字を書くひとと思わなかった 泡がはじける
扇風機回して部屋の隅にいる梅雨を網戸の外へと逃がす
新鮮なうちに冷凍しておいて思いだすとききれいなように
遺跡から発掘された古代文学読み解くように肌を這う指
水をよく飲む恋人の心音にせせらぎを聴きながら眠った
自家焙煎珈琲の店にふさわしくない会話だな 鞄にしまう
春に降る雪は積もらず溶けてゆく  逢えただけでもしあわせでした
ほしいものはいつだってすこし先にある弾きたい曲は弾けないピアノ
うたたねの許されている午後の陽は甘くとろけるハチミツである
温室で咲かされている花だって気づかなければしあわせだった
旅先を決めるときより真剣に旅先で読む文庫本を選ぶ
馬車じゃなくバスが迎えに来る朝に脱げたサンダル自分で拾う
図書館の返却期限を守るひとばかり愛してしまうあやうさ

【第三章】
ひまわりの種を飲み込む おへそから芽を出して咲く日を待っていた
コーヒーを豆から淹れるようになり二十歳の春ももうすぐ終わる

【第四章】
タクシーに乗る夢を見た「どちらまで」わたしはなんと答えただろう

つくった時期によって、作風が違うのか、私に波長に合う時は、
かたまっていますな・・・・・。

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