岡町南天の会
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さすが、大阪芸術大学卒の南天さん、字体もグラフィック。
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予約100名、一名欠席の、九十九名の大入りの会場。
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次回の為に、今回アンケートに付けた鉛筆を回収の南天さん。
(そうです、節約、節約、小さな事からコツコツでおます)
一、桂福丸・・・・・・・・「しの字丁稚」
久しぶりの福丸さん。
京大出、更に磨きがかかって端正に。
噺は珍しい「しの字嫌い」。
“し”という字は、死につながるから嫌いという旦那さん。
丁稚の定吉にいうたら給金を下げると・・・・旦那さんも、と。
そこで、旦那さん、言わせようとあの手この手で定吉に誘いの言葉を、
そこは、機転の利く定吉、スルリスルリと切りぬける。
ここら辺り、あの「佐々木裁き」の四郎吉を思いださせる。
でも、丁稚と旦那、こんなことして遊べるなんて、
順風満帆にお商売は安泰、羨ましい午後のひとときですな。
二、桂南天・・・・・・・・「佐野山」
ネタおろしの「佐野山」、これも珍しい噺、確か文我さんで一度聴いただけ。
よろしかったですな。「花筏」とは違って、情相撲、今でいう八百長相撲。
贔屓の方も相撲も力士も大好き・・・すると、ちょっとした、人情噺に。
人情はやはり、相撲には似合うんですな。
これから、この「佐野山」、練られていくと、もっとお涙頂戴になるのか、
案外、南天さんシャイなので、さっぱりとした仕上げになるのか、
何れにしても、南天さんで何度も聴いてみたい噺でおます。
三、林家染左・・・・・・「借家借り」2
これも、案外珍しい噺、通常「小言幸兵衛」ですが、
南天さんの師匠の南光さんの十八番。
あの、大家の小言というか妄想が凄い。
たかが、家を借りに来た方に、あれこれ難癖を・・・・。
こんなことをしてたら、借り手がなく、商売あがったりですが・・・。
幸兵衛さんの後ろに、またはじまったと微笑むおかみさんと猫が見えてきます。
嫌味にならない、どこか可愛げのある幸兵衛さん、どこか好きですな。
四、桂南天・・・・・・・・「代書」
今日、お目当ての南天さんの「代書」。
代書には、大きく三つのパターンがあると思いますが、
一つは、三代目春団治さんが十八番にしていた洗練された「代書屋」。
二つ目が、アホが帰った後に、結納受取の男、渡航証明の朝鮮人、
書家とそのあとおなごしさんと次々お客様がひっきりなしに訪れる米朝さんタイプ。
そして、あと一つが、「留ぇ~」「セェ~ネンガッピ」「「ポンで~す」と
奇天烈に展開する、爆笑編、枝雀さんタイプ。
やはり、南天さん、師匠の師匠、枝雀さんタイプ。
でも、骨組みはそうだが、中身は南天さん様にリニュアル。
愉しい、楽しい、南天さんの「代書」、これもまた聴いてみたい噺。
十八番でおますな。
岡町南天の会
2017年6月25日(日)午後3:00開演
豊中市立伝統芸能館
一、桂福丸・・・・・・・・「しの字丁稚」
二、桂南天・・・・・・・・「佐野山」
三、林家染左・・・・・・「借家借り」
四、桂南天・・・・・・・・「代書」