これは、『不思議の国のアリス』で『はてしない物語』のよう。
『七夜物語』上巻 川上弘美 朝日新聞出版
『七夜物語』下巻 川上弘美 朝日新聞出版
「しちやものがたり」ではなくて、「ななよものがたり」です。
(『質屋物語』に聞こえてしまうからかな?)
不思議で理不尽で腹立たしくもある世界を旅して自分の内面と向き合っていく過程を描いた、子どもを主人公としたファンタジーの「定番」ともいえるストーリですが、子ども時代を忘れてかけている大人にもお勧めします。
今の小学生ではなくて、私たち30~40代前後が小学生だった頃の、……そう、懐かしい半ズボンの少年がいたころの「昭和の小学生」が主人公です。
大人になってふと思い出す、小さな断片にちぎれてしまった夢のように儚い記憶が再構築されていく……、そんな物語に、自分の小学生時代を思い起こすお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
誰にでもある、劣等感・暴力衝動・自立・親子関係、そして男女の関係まで。様々な心理的ステップが次から次へと出てくる「七夜」の物語。
私たちが、ゆっくり時間をかけて通過してきた「大人への階段」がギュッと詰まっているのかもしれません。
新聞連載時のイラストなのか、本当にたくさんの絵があって驚きます。
酒井駒子さんの描く綺麗な子どもたちは、主人公たちの年齢よりもずっと幼く見えて、上下巻を通してずっと心細そうな様子で、せつなくなってしまいます。
「子どもたちの抱える不安」、母としては、エプロンをしたネズミのように見守るしかないのでしょうね、きっと。
『七夜物語』上巻 川上弘美 朝日新聞出版
『七夜物語』下巻 川上弘美 朝日新聞出版
「しちやものがたり」ではなくて、「ななよものがたり」です。
(『質屋物語』に聞こえてしまうからかな?)
不思議で理不尽で腹立たしくもある世界を旅して自分の内面と向き合っていく過程を描いた、子どもを主人公としたファンタジーの「定番」ともいえるストーリですが、子ども時代を忘れてかけている大人にもお勧めします。
今の小学生ではなくて、私たち30~40代前後が小学生だった頃の、……そう、懐かしい半ズボンの少年がいたころの「昭和の小学生」が主人公です。
大人になってふと思い出す、小さな断片にちぎれてしまった夢のように儚い記憶が再構築されていく……、そんな物語に、自分の小学生時代を思い起こすお父さんお母さんも多いのではないでしょうか。
誰にでもある、劣等感・暴力衝動・自立・親子関係、そして男女の関係まで。様々な心理的ステップが次から次へと出てくる「七夜」の物語。
私たちが、ゆっくり時間をかけて通過してきた「大人への階段」がギュッと詰まっているのかもしれません。
新聞連載時のイラストなのか、本当にたくさんの絵があって驚きます。
酒井駒子さんの描く綺麗な子どもたちは、主人公たちの年齢よりもずっと幼く見えて、上下巻を通してずっと心細そうな様子で、せつなくなってしまいます。
「子どもたちの抱える不安」、母としては、エプロンをしたネズミのように見守るしかないのでしょうね、きっと。