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『発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいこと』

2018年02月10日 | BOOKS
『発達が気になる赤ちゃんにやってあげたいこと 気づいて・育てる超早期療育プログラム』
 著:黒澤礼子
 発行:講談社


 小学校でボランティアをしていると、気になるお子さんに出会うことがあります。
 関わっていて思うのは、「もっと小さいときから、何か手助けできていたらよかったのじゃないか?」ということ。
 小学校に入る前からの支援の必要性を感じることが しばしばありました。
 「子どもは放っておいても勝手に育つ」というのも一つの事実ではありますが、小学校入学時の「困り」や「疎外感」「劣等感」を少しでも少なくできることがあるのであれば「やって損はない」のではないでしょうか。

 この本は、表紙にもあるように「0歳から」「小さいうちだからこそ できることがある!」という考えで書かれています。
 けっして「発達が気になる赤ちゃん」だけではなく、全ての赤ちゃん・子どもたちに有効な、親子のコミュニケーションのためのプログラムだと感じました。
 保護者だけでなく、保健師さんや保育士さんへのメッセージもあり、乳幼児からの「療育(治療+教育)」の必要性が伝わります。
 そして、乳幼児だけでなく、もう少し大きくなってからでも、気付いたときから参考にできる1冊だと思います。

 まず、巻頭に「赤ちゃんの発達で気になることがありますか?」というチェックリストがあり、気になる項目がどの章で取り上げられているか紹介されています。
 巻末には「1歳6ヶ月検診表モデル」も掲載されています。
 本文イラストもカバーイラストと同じで、エピソードの紹介や遊びの例も、やさしい温かいイラストになっています。

 特別な対策が必要でないお子さんにも「おこなってプラスにこそなれ、マイナスになることはけっしてありません」と書かれています。難しい療育の方法が紹介されているわけではありません。家庭で、多くの保護者ができるちょっとした工夫がほとんどです。
 たとえば、
  ・子どもを見守り、気付いてあげること
  ・次の段階に、スモールステップで進むこと
  ・落ち着いた環境を整えること
  ・大人が伝え方を工夫すること
  ・一度に多くを要求しないこと

 どれも、どんなお子さんを育てるうえでも大事なことだと思います。
 そのほかにも、家庭でできる子育てのヒントがたくさんあるので、多くの保護者の皆さんに読んでいただきたいと思いました。

 産婦人科の待合室にも置いてもらえたら……と思う1冊です。
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