MOONIE'S TEA ROOM

大好きな読書や言葉、料理のコトなど。

子音だけを発音すると「ウ段」に聞こえるのは

2020年05月31日 | お稽古&お勉強
 英語などの子音「k」「g」「s」「z」「p」「b」を、子音だけの発音の時にカタカナ表記すると、「ウ段(ク・グ・ス・ズ・プ・ブ)」になることが多いです。
 たとえば「ブログ」とか、「アクセス」、「トラックバック」「バックアップ」とか。
 本来は子音だけで発音していても、日本語の仮名(ひらがな・カタカナ)は子音だけを表すことができないので、どうしても母音と結びつけなくては書けないんですね。

 なぜ「ウ段」になるかというと、これは音声学ではちゃんと理由があるんだそうです。

 子音だけを発音しようとすると、
(1)唇は自然な形で(「イ」のように横に開いたりしないで)発音する。
(2)子音を発音するときは、舌(または唇)を動かして口の中の空洞(口腔)に閉鎖を作る、または狭くする。
 この2つの条件を守ると、母音「ウ」の音に近くなるんです。
(後ろに続く音によっては、別の母音っぽくなることもあります)

 日本語の「ウ」は、「唇の丸めが少ない円唇・後舌・狭母音」と言われています。
(1')「唇の丸めが少ない円唇」というのは、英語の「w」「u」ほどは唇を丸めたり突き出したりしないけど、ちょっとだけ丸めて発音すること。
(2')「後舌」というのは、発音するときに 舌の後ろの方を 上顎の柔らかいところ(軟口蓋)に近づけて発音すること。
 「狭母音」というのは、「後舌」の発音をすると、口の中が狭くなるということ。

 たしかに、(1)(2)(1')(2')を見てみると、似た発音に聞こえるのも納得です。
 ためしに、「k」を言う口にして、舌を上顎から離して発音すると「ウ」に聞こえます。
 (「フ」にも聞こえますが、これは上下の唇が近づいているときの発音です)

 実は、日本人も母音を言わずに子音だけで発音していることも多いんだとか。
 「〜です」は「〜des」と、「u」を入れずに発音しているそうです。そういえば、そう…かな?

 いつも使っている日本語なのに、考えてみると面白いですね。

「t」「d」は日本語で「ウ段」のカタカナにすると「トゥ」「ドゥ」になりますが、「ログアウト」「アップロード」のように「ト」「ド」にすることが多いようです。(音が違うので「ツ(=ts)」「ヅ(=z/dz)」にはなりませんね)
 最近は増えていますが、小さな「ゥ」が入ると、急に外国語っぽくなってしまうので使いづらいのかもしれませんね。

 
コメント
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