モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

毒キノコの饗宴:茶臼山(妻女山里山通信)

2009-07-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
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 キノコ狩りをしたいと思ったら、まず覚えなければいけないのが毒キノコ。その中でも致命的な猛毒のキノコは、必ず覚えなければいけません。その代表的な猛毒キノコが、ドクツルタケです。ドクツルタケ、シロタマゴテングタケ、タマゴテングタケ(アガリスクダケに近似)は「世界の三大猛毒菌」といわれるキノコですが、ドクツルタケは日本の山中で最も頻繁に目にする猛毒のキノコです。必ず覚えておきましょう。欧米では「死の天使」といわれるように、純白の傘とつばをもった姿は恐ろしくも薄暗い林下でひときわ目立ち、たいへん美しいものです。

 一本で充分の致死量ですが、今回は二本持ち帰りました。食べるためではなく殺虫剤として使うためです。危険なので詳細は記しませんが、その効き目は絶大です。ドクツルタケより小型で、柄にささくれがほとんどないのが、シロタマゴテングタケ。テングタケ科のキノコは、毒ないしは猛毒のものが多いので、同定できないときは採らないと決めておきましょう。タマゴタケは、美味しいキノコですが、タマゴタケモドキは猛毒。ベニテングタケのイボが雨で取れたものは、タマゴタケそっくりな時があります。柄の色を必ず確かめること。白かったらベニテングタケ。信州の一部ではこのキノコを毒抜きして食べる習慣がありますが、完全に無毒にはならないそうなので食べない方がいいでしょう。

 朱色の傘は、ドクベニタケだと思うのですが、この種は似ているキノコがたくさんあるので確実な同定は肉眼では難しいと思います。ベニタケ科のキノコは辛いものも多く食には不向きなものがたくさんあります。辛いといっても辛党好みの辛さとはちょっと違います。試しにかじってみたことがありますが、とても食べられたものではありません。チチタケ、アカモミタケ、アカハツ、ハツタケ、アイタケなど確実に同定できて美味しいものだけを採るようにしています。食菌のクロハツは、ニセクロハツによる中毒死亡事故が起きているので要注意です。

 最後は、コテングタケモドキ。ほとんど剥がれ落ちていますが、つばがあり、地中にあって見えませんがつぼがあります。試食して大丈夫だったという報告もありますが、成分分析では毒性ありということなので、毒キノコとしていいでしょう。中毒の多いきのこ

 中毒例の多いキノコは、ツキヨタケ(シイタケ、ヒラタケと間違う)、クサウラベニタケ(ホンシメジ、ウラベニホテイシメジと間違う)、カキシメジ、イッポンシメジ、ニガクリタケ、スギヒラタケでしょう。最低これぐらいは覚えておくべきですね。特にクサウラベニタケは、ベテランでも間違えることがあるキノコですから同定は特に慎重でなければなりません。絶対に自信がないという人は、キノコ狩りをしないことです。それにしても、ドクツルタケは美しい。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、特殊な技法で作るパノラマ写真など。キノコ、夏の花、昆虫、樹木、蝶などを更新しました。トレッキング・フォトルポにない写真も掲載してあります。
コメント (1)
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