妻女山陣場平の貝母が咲き出しました。昨年より少し早いですね。満開は、10日頃でしょうか。20日頃までは充分に見頃が続くと思います。既に毎年訪れている方たちが何人も来ています。これだけの群生地は、日本中でここだけです。私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトでは、保護活動で球根や種の植え付けを行っており、群生地は現在の二倍ぐらいになる予定です。貝母が満開になると、カスミザクラ、オオヤマザクラ、ウワミズザクラ、ヤマザクラなども咲きます。
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陣場平入り口の小道の脇に咲く貝母。西日が当たるので、ここの貝母が毎年真っ先に咲きます。
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下から見ると和名の編笠百合という名前の意味が分かります。4月の茶花です。
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「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。
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4日の日曜日は、花散らしの雨になりそうです。杏や桜は散るでしょうけれど、貝母は大丈夫です。ご覧のように日当たりの良い場所から咲き始めています。貝母は下の花から咲き始め、徐々に上に向かって咲いていきます。
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森の中の貝母は、日当たりが悪いのでまだつぼみです。時間差で咲くので長く楽しめるのです。
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(左)枯れて種が飛ぶのは7月頃。その時に東風(こち)が吹くので、貝母は西へ西へと増えていきます。ただ増えていくのは、昔畑だったところだけです。(右)最高気温は20度。あまりの暖かさにアマガエルも出てきました。
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(左)妻女山の駐車場から右の林道を15分ほど上り、長坂峠に出たら分岐を左へ。300mほど歩くと陣場平入り口へ。(右)この看板が目印です。小道を数十メートル歩くと貝母の群生地に出ます。
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妻女山松代招魂社のソメイヨシノも満開です。
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陣場平の分岐を右へ300m下ると堂平大塚古墳。その脇のログハウスにある枝垂れ桜も咲き始めました。
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(左)陣場平下のズミも咲いていました。(右)タチツボスミレも咲いていました。
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高速のトンネルを抜けて妻女山へ。入り口の上杉謙信槍先の泉の上の桜も満開。薬師山トンネル入口のレンギョウも満開です。
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翌日の4日(日)の貝母です。たった一日ですが随分と開花が進みました。何組かの人たちが訪れてくれました。
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来週末の10日(土)、11日(日)には、間違いなく満開になっているでしょう。私は撮影や保護活動をします。訪れた方にはガイドもいたします。また、17日(土)には、妻女山里山デザイン・プロジェクトの保護活動を実施します。
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(左・中)陣場平の看板の近くに毎年咲くスミレ。同定できていません。コスミレの仲間でしょうか。この株以外に近くに同じ花が見られないのも不思議です。スミレは日本に200種以上あるアリ散布植物です。トゲアリとか山のアリはたくさんいるのですが。(右)シロバナケマンも咲き出しました。6月に舞う、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。
●昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の記事がいくつもあり、貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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陣場平入り口の小道の脇に咲く貝母。西日が当たるので、ここの貝母が毎年真っ先に咲きます。
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下から見ると和名の編笠百合という名前の意味が分かります。4月の茶花です。
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「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。
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4日の日曜日は、花散らしの雨になりそうです。杏や桜は散るでしょうけれど、貝母は大丈夫です。ご覧のように日当たりの良い場所から咲き始めています。貝母は下の花から咲き始め、徐々に上に向かって咲いていきます。
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森の中の貝母は、日当たりが悪いのでまだつぼみです。時間差で咲くので長く楽しめるのです。
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(左)枯れて種が飛ぶのは7月頃。その時に東風(こち)が吹くので、貝母は西へ西へと増えていきます。ただ増えていくのは、昔畑だったところだけです。(右)最高気温は20度。あまりの暖かさにアマガエルも出てきました。
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(左)妻女山の駐車場から右の林道を15分ほど上り、長坂峠に出たら分岐を左へ。300mほど歩くと陣場平入り口へ。(右)この看板が目印です。小道を数十メートル歩くと貝母の群生地に出ます。
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妻女山松代招魂社のソメイヨシノも満開です。
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陣場平の分岐を右へ300m下ると堂平大塚古墳。その脇のログハウスにある枝垂れ桜も咲き始めました。
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(左)陣場平下のズミも咲いていました。(右)タチツボスミレも咲いていました。
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高速のトンネルを抜けて妻女山へ。入り口の上杉謙信槍先の泉の上の桜も満開。薬師山トンネル入口のレンギョウも満開です。
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翌日の4日(日)の貝母です。たった一日ですが随分と開花が進みました。何組かの人たちが訪れてくれました。
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来週末の10日(土)、11日(日)には、間違いなく満開になっているでしょう。私は撮影や保護活動をします。訪れた方にはガイドもいたします。また、17日(土)には、妻女山里山デザイン・プロジェクトの保護活動を実施します。
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(左・中)陣場平の看板の近くに毎年咲くスミレ。同定できていません。コスミレの仲間でしょうか。この株以外に近くに同じ花が見られないのも不思議です。スミレは日本に200種以上あるアリ散布植物です。トゲアリとか山のアリはたくさんいるのですが。(右)シロバナケマンも咲き出しました。6月に舞う、氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。
●昨年2020年4月の記事のアーカイブ。貝母の記事がいくつもあり、貝母の発見と、その保護活動の歴史がご覧いただけます。
◆『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。
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★本の概要は、こちらの記事を御覧ください。
★お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
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