~空からの贈りもの~

「森のこもれび」の山崎直のブログです。

「生きる意味」を求めて~フランクル夜と霧

2012-08-01 23:36:59 | 日記
気になる本というのは、人生の絶妙のタイミングで巡り合いうので

しょうか。

初女先生の「今を生きる言葉 森のイスキアより」も、息子を

亡くした後、本屋さんで何度も手に取った本です。

読みたいけれど、本を読む気力も無かった私が一年後にやっと

読んだ直後に、初女先生との出会いがありました。

もう一冊、気になり買ってあったのに読まないうちにどこへ

いってしまった本があります。

アウシュビッツから生還した精神科医フランクルの書いた

「夜の霧」です。

先日、この本がNHKのテキストになっていたので購入し

今日電車の中で読んでいて、目から鱗のような気づがありました。

「人間は人生から問いかけられている」というものです。

最初は意味が分かりませんでした。

でも、読み進めていくと、まるでジグゾーパズルの最後の一つが

ピタッとはまったように、そうだったのかと思えたのです。

人生は、想像もしなかった苦難や災難が降りかかってくることが

あります。

その時に、私もそうでしたが「なぜ自分がこんな目にあわなければ

いけないのか。このことにどんな意味があるというのか」と問うて

きましたが、フランクルは全く逆で「生きる意味があるのかと

「人生を問う」ことでなく、人生の様々な状況に直面しながら

その都度、「人生から問われていること」に全力で応えて

いくこと、ただそれだけと言うのです。


  人間が人生の意味は何かと問うに先立って、人生のほうが

  人間に問いを発してきている。だから人間は、本当は

  生きる意味を問い求める必要なんかないんだ。

  人間は、人生から問われている存在である。人間は、

  生きる意味を求めて人生に問いを発するのでなく、人生からの

  問いに答えなくてはならない。そしてその答えは、人生からの

  具体的な問いかけに対する具体的な答えでなくてはならない。

            (ビクトール・フランクル)

息子を失い、私は来る日も来る日も「なぜ?」と「このことの

意味はなんなの?」を問い続けていました。

そして、答えの出ないこの問いに心身ともにくたびれ果てて

問うことを諦めた時に「深い悲しみを抱えても、真っ直ぐ

前を向いて歩いて行きたい!そういう生き方をしている人に

会いたい!」と思ったのです。

そして、その後すぐに初女先生に出会ったのです。

私が、子供に先立たれた人生を嘆いていたら、きっと初女先生

には出会えなかったと思います。

フランクルは、人間の原点は「人生から問われている者」

であるところにある。したがって、人生の様々状況に

直面しながら、その都度状況から発せられてくる「問い」に

全力で応えていくことである。そうすることで自分の人生に

与えられている「使命」をまっとうすることにある。と言って

います。

私は、初女先生の「今を生きる」ということの根幹が、やっと

解った気がしました。
            

コメント (4)
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