フランソワ・ジェラール
美しいプシュケに嫉妬したアプロディテは息子エロスを呼び、プシュケを嫌な男に恋させて来いと命じる。しかしエロスはプシュケを見て過って自分に愛の矢を刺してしまい、プシュケに恋をしてしまう。エロスはプシュケをさらい、つかの間幸福に暮らすが、数々の人の嫉妬と謀略により、恋は試練にさいなまれる。迷いながらもプシュケは試練をこえ、やがて別れた夫エロスと再び美しく結ばれる。
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愛は美しいものだが、まだ何も知らない人間は時に迷い、その美しいものを失ってしまいます。逃げることのできない自分の愚かさから逃げず、愛の前に頭をたれ、自分のまことをするとき、美しい幸福が現れる。プシュケには魂という意味もある。エロスは愛の隠喩なら。霊魂と愛は試練に会いつつもいつかは美しく結ばれるだろうという、予言なのかもしれない。