いらない人間なんて
ほんとはいないんだよ
だけどにんげんが自分で
こんなにんげんなんていらないって
自分を捨てるもんだから
とても悲しいことになってしまうんだよ
ぜんぜんちがう自分になろうとして
他人から自分を盗んで
それを着ぐるみみたいに着て生きていた
ほんとの自分なんていやだったから
他人のほうがいいから
そのほうがずっと自分がすごい感じがして
生きるのが楽だったんだよ
どんなに生きたって
所詮は他人の人生だったからかな
おれのじゃないから
生きることが楽だったのかもね
つらい思いなんてしなくてもいいように
何にもしなくても 偉くなれるように
馬鹿に頼んでおいて
おれはするするうまくいく人生の上にのっかって
ただ何にもしないでいるだけだった
だけどもう そんな馬鹿はできなくなるんだよ
もう神さまがダメだって言ったからなんだよ
みんな正直な本当の自分を生きなければいけないって
神さまが言うんだよ
いらない人間なんて
ほんとはいないんだよ
だけどおれは 自分がいやで
自分なんていらないって言って
ほかのやつの人生を盗んでばかりいて
自分の事は何もしなかったもんだから
やってきたことすべてが馬鹿になるの
もう二度と 馬鹿やって
ずるやって
うそみたいなすごいやつになることできないの
馬鹿みたいって みんなに言われて
なにもかもが馬鹿になるの