このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
「本当に驚いたよ。
プレゼンテーション会場のホールに入室すると、選考委員の方々が10名ほど着席していた。
関係各部課長さんたちだ。
僕らはその正面に立ち、挨拶したあと着座したのだけれど、委員の端の席に、ざしき童子が座っていた。
紺のジャケットと、ふんわりとした白地に花柄のスカートからすらりと足が伸びている。
どうしてこんなところに?!と、そのほっそりとした横顔を見つめていると、頭の中に声が響いた。
『あなたはいつも働きづめで一生懸命だ。だから今日は応援に来た。思い切りやりなさい。』
資料を読み上げる声には自然と力と気持ちがこもった。
時々彼女の方を見やると、『制限時間まで残り3分』と指を立ててかざしていたり、委員からの質問への回答にはもっと詳しく説明するように、との手振りを送っている。
おかげで僕は実力を存分に発揮することができた。
終了後、立ち上がって委員へ一礼すると、ざしき童子はウインクをくれた。
高価な絵筆のような美しいポニーテールがかすかに揺れた。
ああ、獲れたな、最高だな、と僕は思いながら退室した。」