もうウンザリだ(ザ・スペシャルズ 1980年)
今朝目覚めると
ベッドにひとり
寒々とした部屋に湿ったシーツ
頭がひどく痛む
昨夜きみに会った
そしてきみは僕を狂わせた
助けてくれると約束していたのに
また落ち込ませただけだ
もうたくさんだ
僕が二度と戻らなくても
無理もないだろ もうウンザリなのだから
きみのやり方には
これ以上耐えられない
時々ひどく疲れを感じる
でもまるで眠れない
それで飲んだくれて
自分の足で立ち上がることもできない
ひどく空腹なのだけれど
何も食べたくない
きみは僕をひどく怒らせ
僕は口もきけないほど腹を立てている
家でじっとしていよう
ひとりきりになれる場所で
なぜって もうウンザリなのだから
きみのやり方には
これ以上耐えられない
雨降る中で 横になり
涙をこらえる
壁をいくつも通り抜けるようにして
僕は家に帰ろうとしている
昨夜きみに会った
そしてまた会うかもしれない
たぶんきみは
僕を狂わせようとするのだろうね
おやすみ、テリー
おやすみ、ローダ
あなたはなぜそんなにも物わかりがいいのだ?と時々尋ねられるのだが、たぶん、若い頃から一種の諦観の上に立って物事を考えているからかもしれない。
とはいえ、そんな僕でも腹を立てることはある。
そういう時は、「もうウンザリだ」を聴こう。
1980年はザ・クラッシュのサード・アルバム「ロンドン・コーリング」と、この曲が収録されたザ・スペシャルズの「モア・スペシャルズ」をとにかくよく聴いた。
どちらも、ジャケットからカッコよかった。
まだ十代で、イギリスの若者たちの怒りや苛立ち、諦めがわかるような気がしていた。
それが今やその三倍の年齢になっていることに、驚いてしまう。
もうウンザリだ。
※
今回訳出するにあたって強く感じたのは、リーダーのジェリー・ダマーズ(キーボード)が書いた歌詞は話し言葉に近く、口癖のように同じ単語が繰り返し使われていること。
そのまま訳したけれど、それでも少し品よく仕上がりすぎたかもしれない。