このたびの東日本大震災で被災された多くの皆様へ、謹んでお見舞い申し上げます。
大震災直後から、たくさんの支援を全国から賜りましたこと、職員一同心より感謝申し上げます。
また、私たちと共にあって、懸命に復興に取り組んでいらっしゃる関係者の方々に対しても厚く感謝申し上げます。
早く発つ予定が不意の来客や電話で遅くなり、出張先での打ち合わせまでもう時間もなかったのだが、その日は朝から何も口にしておらず、あまりの空腹に耐えかねて会場近くの定食屋へ駆け込んだ。
手渡されたレシートの金額は808円。おお、末広がりで幸先いいね、思った。
無事打ち合わせに間に合い、そのあと宿泊予定のホテルにチェックインしたのだが、フロントで差し出されたカードキーを見てぞっとした。
808とルームナンバーが記されていたので。
僕は古典怪奇短編の傑作「猿の手」(W・W・ジェイコブズ作)を思い浮かべていた。
ここまで来たらきっと三度目がある。そのときはー。
ホテルで落ち着かない一夜を過ごした僕だったが、結局何も起こらなかった。808からの脅迫電話や、808ナンバーの車に轢かれるなどの。
ああ、よかった。
ほっとしながらチェックアウトし、車のスタートボタンを押すと、速度計と回転計(タコメーター)の間のデジタル時計に青白く時刻が浮かび上がった。午前8時08分だった。