院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

報道ステーションのオープニング・ピアノ

2012-10-05 03:54:03 | 音楽
 古舘一郎さんのニュース番組「報道ステーション」の始まりのピアノは上手い。ピアニストはだれだろうか?曲の初めに4小節ほど転調する。何度も転調するとくどくなるから、転調は一回だけにしてある。

 報道ステーションのピアノ演奏
 上のような録画が Youtube にあるくらいだから、相当に注目されているのだろう。

 この演奏の前は、女子高校生が吹くアルトサックスだった。女子高生のジャズサックスが珍しく、彼女の演奏を流していた。しかし、高校のブラスバンド並みの演奏で、お世辞にも上手いとは言えなかった。

 その女子高生はマスコミで騒がれたから勘違いしたのだろうが、ジュリアード音楽院に留学したいと言っていた。もう行っているのだろうか?だとしたら同音楽院の劣等生だろう。そもそも、入れてはくれないと思うが、もしかしたら今頃同音楽院に行っているかもしれない。

ベートーベンの交響曲「第九」

2012-09-12 08:04:11 | 音楽
 毎年年末になると、日本各地で「第九」が演奏される。日本人は「第九」が大好きなようである。「第九」は12月の俳句の季語にもなっている。

 「第九」の圧巻は「喜びの歌」であるが、この部分はそんなに素晴らしいフレーズだろうか?私は少し疑問を覚える。

 つまり、「喜びの歌」の旋律は単純すぎるのではないか。調は長調で半音を使わない。構造的には童謡の「咲いた咲いたチューリップの花が」と同じである。

 ドイツ・ロマン派の音楽の主旋律はみなそうである。単純なメロディーに一定の和声法で和音が付けられているだけである。だから、私は飽きてしまう。ロマン派の音楽は、みな同じように聴こえてしまう。

 ちょうど、演歌がみな似たようになるのと同じである。演歌ファンには似たような中でも「違い」が分かるのだが、そうでない人には、よくもまあ、こんなに似たような演歌があるものだと思えるだろう。

 私にとってはドイツ・ロマン派の音楽がそうだ。単純な旋律で、みな似ている。上述のように「咲いた咲いた・・」と同じである。

 だから、ドビュッシーがインドネシアのガムラン音楽を聴いて「これに較べれば、西洋音楽なんて、まるで子供の音楽だ」と嘆息したのが、よく理解できるのである。

モダン・ジャズがオールド・ジャズだって?

2012-09-05 05:38:13 | 音楽
 おおざっぱに言うと、ジャズは1910年代にニューオーリンズジャズに始まり、次いでダンス音楽であるスイングジャズに発展した。ダンス音楽を、単体で聴く純粋音楽に高めたのがグレン・ミラーである。

 1940年代からからは難解と言われたバップと呼ばれる即興ジャズが始まり、1960年代に天才チャーリー・パーカーによって完成されたのがモダン・ジャズである。

 モダン・ジャズは、西欧クラシックとは違う音階や和声法を用いて、クラシックとはまったく異なる音楽世界を築いた。

 少年だった私は、モダン・ジャズをこよなく愛した。ピアノならウイントン・ケリーやレッド・ガーランド。彼らの即興の演奏の美しさは今でも色あせていない。

 サキソホンならソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーン。トランペットならマイルス・デビスである。彼らの音楽は鳥肌が立つほどに美しい。

 1960年代のモダン・ジャズが美しい音楽であることの証拠は、現在、飲食店のBGMに盛んに使用されていることだ。酒場に行ったらBGMに注意して欲しい。たいていモダン・ジャズが流れている。中華料理店でもそうだ。

 60年代のモダン・ジャズは、BGMに使用してもうるさくないのである。

 先日、アメリカの放送を聴く機会があった。60年代のモダン・ジャズがかかっているなと思って、じっくり聴いていたら、米人のアナウンサーがなんとオールド・ジャズと紹介していた。

 確かにオールドかもしれない。現在、六本木あたりのジャズクラブに行くと、生演奏しているのはみな若者で、彼らは60年代のモダン・ジャズをコピーして演奏している。

 60年代も後半から70年代になると、ジャズ・ロックとかフュージョンなどが出てきた。だが、それらはすたれてしまって、やはり60年代のモダン・ジャズが生き残っている。モダン・ジャズは古典(クラシック)になったのだ。

 だから、それらをアナウンサーがオールド・ジャズと呼んでも、奇異に感じる必要はないのかもしれない。

西洋クラシック音楽の長さ

2012-07-27 05:00:41 | 音楽
 子供のころベートーベンの交響曲「運命」をラジオでやっていた。しばらく聴いてみたが、長いので止めて、他に遊びにいった。

 30分ほどして戻ると、なんとまだ「運命」をやっているのである。子供にとって30分は結構長い時間だ。本当に長い曲だと思った。そして、大人はこんなに長い曲を飽きもせず聴けるのだから凄いと思った。

 高校生くらいになって、「運命」を聴いてみた。第二楽章くらいまでは聴けた。それでも長いと思った。

 交響曲や協奏曲は今でも長いと思う。私がわずかに最後まで聴けるのはモーツァルトのクラリネット協奏曲くらいだ。

 あらゆる音楽のジャンルの中で、一曲がもっとも長いのは西洋クラシック音楽ではあるまいか。かといって2時間も3時間もかかる曲はない。クラシックは人間が我慢できる限界まで長いのだろうか?短いと、物足りないのだろうか?

 私がクラシックファンにならなかったのは、主にその長さによるものである。

歌謡曲「なみだの操」

2012-07-05 00:12:03 | 音楽
 宮路オサムさんが歌う「なみだの操」という歌謡曲は、みなさんご存じだろう。

 宮路さんが殿様キングスというコミックバンドにいたとき、大ヒットした歌である(1967年)。(殿様キングスは1990年に解散。)

 パチンコ屋は一日中この歌を流していた。まだ、自動玉打ち装置もなく、手で打っていた時代だ。むろん、パチスロもフィーバー台もなかった。

 当時、モダンジャズばかり聴いていた私の胸を、意外にもこの歌は打った。当時から「古色蒼然」とした歌だった。だから、今の若い人には、この歌詞の意味が分からないのではないか?

 曰く「守り通した女の操、いまさら人に捧げられないわ」。
 曰く「あなたの決してお邪魔はしないから、おそばに置いてほしいのよ」

 当時すでに、こんな女性は珍しかった。だから、余計に受けたのだろう。珍しいが意味は分かった。

 曲もいいし、歌詞もいい。宮路さんのコブシもいい。3拍子そろって、この歌は300万枚も売れた。音楽には少しうるさい私でも、よいと思った。だから、いまだに宮路さんはこの歌で稼いでいる。

 この歌謡曲は、数少ない名曲である。ついでに言うと、普通の楽曲は4小節の倍数でできているが、この曲のイントロは17小節という半端な数である。珍しい構成である。それも、よかったのだろう。

坂本龍一さんの原発再稼動反対の曲に寄せて

2012-07-03 00:01:55 | 音楽
 坂本龍一さんが、原発再稼動反対の声をサンプリングして、新規な音楽を作ったそうです。

 坂本さん、何を血迷っているのですか。坂本さんは音楽家でしょう?音楽で具体的なメッセージを送ることが、どんなにくだらないことなのか分かっているはずでしょう?

 メッセージは、岡林信康さんやラッパーたちが発すればよいのです。そして、岡林さんやラッパーは、実は音楽家ではありません。アジテーターに過ぎません。

 私は具体的な発想を超えたところに音楽はあると思います。歌詞のない音楽は抽象度の極めて高い文化的営為です。

 モーツァルトの音楽から、メッセージ性が汲み取れるでしょうか?あれはあれだけで完成した世界です。世の中がよいとも悪いとも言っていません。

 坂本さんが、原発再稼動反対のメッセージを音楽で送ろうとするなら、坂本さんは人気取りに堕した言われても仕方がありません。私はまだ具体的な作品を聴いていないから、確かなことは言えませんが、サンプリングの音源に原発再稼動反対のシュプレッヒコールを使用することに、作意を感じます。

 坂本さんには、俗世間から離れて、もっと超然としていて欲しかったです。

最近の流行歌を知らない

2012-04-07 04:06:05 | 音楽
 久々にテレビのミュージックステーションという番組を見た。過去(1990年代)から現在までの高売り上げの流行歌を足早に流していた。

 そこで驚いた。ほとんど知っている歌がないのである。この20年間、かなり売れたはずの歌を知らない。歌手はもちろん知らない。

 テレビも見ずに働いていたのだろうか?それほど忙しかった記憶はない。何をやっていたのだろう。多分、他の番組を見ていたのだ。で、どんな番組を見ていたのだろうか?それが思い出せない。

 この20年間、子育ては終わっていた。仕事は忙しかったが、テレビを見る暇もないほどではなかった。

 現在、無理に歌番組を見てみるけれども、ロック系が多く、良いと感じない。(叫んでいるだけだ。)

 アリストテレスが言っていた。「知っている曲のほうが、初めて聴く音楽よりも良く感じるのは何故だろうか?」と。

だてでない楽器の値段

2012-04-05 00:05:31 | 音楽
 楽器の値段は、同じ種類でも値段に差がある。サキソホン一本でも上は50万円くらい、下は通信販売で4万円くらい。間には何段階もの楽器がある。

 なぜ、こんなに値段の差があるのだろうか?外見では区別がつかない。

 値段は音色の差である。50万円の楽器は50万円の音、4万円の楽器は4万円の音。

 10万円の楽器と20万円の楽器は音色が2倍違う。そんなに厳密に計れるのかと疑う向きもあろうが、見事に音色どおりの値段がついている。

 逆に言えば、音色が同じなのに値段が違うほうがおかしいだろう。むろん高い楽器のほうが音が良い。しかも演奏しやすい。

 私はいつも「下手な奴(初心者)ほど良い楽器を使え」と言っている。初心者だから最初は安い楽器で・・という発想は、間違いである。プロ級になれば、「弘法は筆を選ばず」となるが、初心者が安い楽器で練習すると上達しないのである。