院長のへんちき論(豊橋の心療内科より)

毎日、話題が跳びます。テーマは哲学から女性アイドルまで拡散します。たまにはキツいことを言うかもしれません。

目の中に入れても痛くない

2012-06-12 03:52:44 | 漫画
 「目の中に入れても痛くないほど可愛がる」という表現は、小学校2年生のころ漫画「鉄腕アトム」で覚えた。

 天才科学者、天馬博士が「目の中に入れても痛くないほど可愛がっていた」一人息子を交通事故で亡くし、その身代わりの少年として鉄腕アトムを作ったという設定だった。

 (鉄腕アトムを作ったのは、お茶の水博士ではない!)

 すでにここでも述べたが、ピラミッドの内部構造や、カニを英語でクラブということも鉄腕アトムから学んだ。「良心」についても学んだ。

 今思い返すだに、鉄腕アトムという漫画は極めて教育的だった。そのころは、漫画は俗悪なものとして大人から嫌われていたなんて、今の若い人には想像もできないだろう。

浮世絵と漫画の美少女

2012-05-27 04:39:13 | 漫画
 漫画の美少女はほんとうによく描けていると思う。もう0.1ミリずれると美少女でなくなってしまうくらい、細心の注意が払われている。とくに、少女漫画の美少女は、こだわりぬかれて描かれている。

 しかも、書き手によって美少女の顔が違うにもかかわらず、みんな美少女に見える。デフォルメされているからこそ、美少女に見える。あんなに目が大きい人物は実在しないにもかかわらず。

 浮世絵の美人画は、どうしても美人に見えない。だが江戸時代の人には、今日の漫画の美少女と同じくらい美人に見えたのだろう。

 浮世絵は粗末にも、陶器の包み紙に使われて海を渡った。そして西洋で、すばらしい芸術作品として再発見された。

 私は、現在の漫画の絵も浮世絵に匹敵するほど丹念に描かれていると思う。漫画の絵も将来、芸術作品として再認識されるときが来るだろう。

ドラエモン考

2012-03-23 00:02:48 | 漫画
 もうすでに誰かがとっくに言っているだろうけれども、ドラエモンを取り巻くメンバー、すなわちのび太、ジャイアン、静ちゃん、スネオみたいな人は、誰の周りにも必ずいそうなキャラクターではないか?

 のび太とドラエモンを合わせたのが読者自身だと思う。ドジな面とスーパーマン的な面を同時にもっている。

 幼少期の私の周りにはジャイアンみたいな奴や、スネオみたいのもいた。漫画だから2人はユーモラスに描かれているが、私にとってのジャイアンやスネオは本当にイヤな奴だった。今でも思い出すほどイヤな奴である。

 むろん、静ちゃんみたいな女の子もいた。控えめながら正義感を持ち、そして可愛い女の子。クラス替えがあるたびに、必ずクラスにそういう女の子がいたような気がする。むろん、私は恋心を抱いた。

 月並みな感想だが、誰でもが経験したことがありそうなシチュエーション。それがドラエモンの人気を支える大きな要素だと思う。

漫画におけるマドンナ

2012-02-25 00:00:51 | 漫画
 小説にも映画にも漫画にも、たいていマドンナが出てくる。出てこない作品を捜すほうが難しいくらいだ。

 少年漫画にはほぼ必ずマドンナが設定される。主役級でなくても出てくる。漫画「BAKUMAN」なら、主人公サイコーの恋人である。この恋人はアイドルとしてスカウトされるほどの美少女に設定されている。

 漫画「ワンピース」には王女ビビがいる。「人魚篇」では半裸の人魚たちがめいっぱい色っぽく描かれている。少年漫画だから編集者が作者に色っぽく描けと命じているのではないか?

 ところが、私が好きな介護漫画「ヘルプマン」には、マドンナが出てこない。これは珍しい。老人の世界を扱うのにマドンナは却って邪魔なのだろうか?それとも「ヘルプマン」が少年漫画ではないからだろうか?

 漫画「北斗の拳」にもマドンナが出てくる。ところが「北斗の拳」ファンの少年たちの中には、まだ幼なすぎて、マドンナの魅力が分からない子がいる。

 ある男子小学生は「北斗の拳」の主人公ケンシロウが、なぜマドンナ一人のために、あんなに必死に戦うのか分からないと言っていた。この子は、まだ異性の魅力に目覚めていない初々しい時期にいるのだ。

漫画家やなせたかしさん

2012-02-23 00:00:04 | 漫画
 アニメ、アンパンマンのテーマソングは、とても良いメロディーだ。作曲は故三木たかしさんだという。

 アニメ自身も、園児たちを釘付けにする力をもっている。アンパンマンのテレビが映ると園児たちはサーッと静かになって、アニメに見入る。恐ろしいほどの吸引力だ。

 内容は極めて倫理的であり、非の打ち所がない。アニメは数あれど、アンパンマンほど親たちが子どもに安心して見せられるアニメはあるまい。

 やなせたかしさんは、もう90歳近い。でも、齢を感じさせない。すごいと思う。

 実は私は少年のころ、まだ医学部進学を決める前に漫画家になろうかと、すこし思ったことがあった。(ストーリー漫画ではなく一こま漫画。)

 その頃に、やなせたかしさんが書いた「漫画家になる方法」というような内容の本を読んだ。そこには「デビューは一流誌からせよ。三流紙からデビューすると絵が荒れる」という下りがあって、なるほどと思った覚えがある。

 そのころ「週刊朝日」が16こま漫画を一般募集した。グランプリはやなせたかしさんで、やなせさんは「週刊朝日」に「ボウ氏」というシュールな漫画をしばらく連載した。

 すでに名前が知られていて、「漫画家になる方法」のような本を出しているやなせさんでさえ、一般公募に応じるのだなと、襟を正した。

 最近、私は一こま漫画を書く代わりに、こうしてせっせとブログを書いている。

私が好きな漫画

2012-01-26 21:25:49 | 漫画
 翻訳モノも入れると、世界中でもっとも沢山売れている漫画は、「ドラゴンボール」と「ワンピース」だそうだ。

 私は両作品ともあまり好まない。なぜかというと、まったくのフィクションだからである。つまり絵空事だからである。

 もっと現実に根ざした漫画が好きだ。例えば「BAKUMAN」や「ヘルプマン」である。「BAKUMAN」からは漫画業界の内幕が分かる。「ヘルプマン」からは介護現場の実情が分かる。

 むろん両方とも大いに誇張があることは分かっている。でも、誇張の元は現実だ。現実と隣り合わせであるところが、この二つの漫画の良いところである。

 「ヒカルの碁」は面白かった。でも、内容はファンタジーである。まったくの虚構である。それでも、現実の囲碁界で、院生がどのようにプロになっていくのか、などが分かった。虚構の中に、現実が少し紛れ込んでいるところが興味を引いた。

 「ヒカルの碁」と「BAKUMAN」は、画家が同じ人だそうである。