いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

日本の保守とリベラル。 conservative and liberal in japan

2021-11-03 20:46:19 | 日記
 (1)今回の衆院選は日本でのリベラル(自由改革)民主主義の2度目の区切りの敗北となった。岸田首相は新しい資本主義、成長と分配の好循環を目指すと訴えたが実現可能な具体的な経済政策の工程は示さずに、躍進した日本維新の会の松井一郎代表は分配には「財源」が必要だとして、維新が大阪で実行している構造改革によるムダ排除が欠かせないと指摘した。

 (2)同じような政策実現の「財源」問題は、09年の民主党政権でも指摘された。09年の民主党政権はリベラルな革新的政策の公共事業の見直し、中止、高速道路の無料化、高校授業料の無償化、事業仕分けなどを掲げて、国民の圧倒的な支持を集めて長期自民党政権に代わる本格的な政権交代を成し遂げたが、国民に支持されたこれまでの自民党政権にない革新的政策の裏付けとなる「財源」の見通しがなく、政策準備に欠けた「空手形」となって3年半で国民の信頼を裏切り、政権の自主崩壊を招いた。

 (3)不祥事続きの政権、自民党(30%台支持)に比べても野党の支持率が軒並みヒト桁台と低調なのはこの時の民主党政権への失望、落胆による国民のトラウマから抜けきれないものといわれている。

 今回も与党の岸田政権の成長と分配か、野党立憲の分配と成長かの後先論争はあっても、成長と分配を可能にする経済成長の財源論については与党は示さずにこれからで、野党は当分消費税を5%にする、あるいは党によっては消費税なしを主張して実現性の道筋がみえない選挙対策用の主張であり、民主党政権での政策「財源」問題で失望、落胆させられた国民は立憲により厳しい判断、審判を下した結果となって、リベラル民主主義の2度目の区切りの敗北となった。

 (4)立憲は党創設者の枝野幸男代表が責任を取って辞任することになり、出直しに迫られているが、ひとりで立憲を立ち上げて野党第1党にした党創設者が敗北責任をとって辞めるということになれば、新党で出直すぐらいでないと国民に対する政治的決意、意義、責任が伝わってこない。

 (5)リベラル民主主義が日本に定着しないのは、遠く江戸幕府の200年以上に及ぶ武家統治に外国文化導入の明治維新はあっても政治的には大正、昭和とその保守主義、思想の流れが色濃く続いて、やがて軍国主義国家としてアジア侵略植民地支配の果てに敗戦を経験して、戦後も平和憲法のもとに農業を中心とした一次産業の強い支持基盤の自民党保守主義政治、政権による高度経済成長路線が国民に支持されて続いた保守思想の長い歴史がある。

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