(1)もうひとつウクライナ戦争についてトランプ氏は近々プーチン大統領と電話会談するという情報もあり、こちらも進展が期待できるのか注目だ。トランプ氏はウクライナの現状(露の一部占領状態)を残して停戦を目指す方法論を示したことがあり、ゼレンスキー大統領も露に占領された地域は今後外交交渉で取り戻すことができると述べていたこともあり、この話のままなら共通事項はありウクライナ側からは停戦に向けた条件はかなり緩くなっていると考えられる。
(2)あとはプーチン大統領が現在の占領地域支配で勝利とみなすのか、考えているのかが焦点になる。一方的にウクライナに軍事侵攻して圧倒的にウクライナを攻撃、占領支配し、現政権を追い出すぐらいにはっきり決定的な打撃をウクライナに与えることを考えているとすれば停戦はむずかしい。
(3)トランプ、プーチン電話会談が実施されるとすれば、その溝をどう埋めていくのか停戦条件は大きくむずかしいことになる。さらに米国が主導して日本も含む西側諸国が結束して露への経済制裁を強化しているが、どれだけ効果をあげているのか、あげたのかはわからない。
露から西側企業の撤退が相次いでいるが、露ではウクライナ占領地域での露軍によるインフラ、建物などの破壊を同じ露の企業が建設復旧工事で利益を上げてGDPが上昇しているという皮肉なデータがあり、露では表面上は西側の経済制裁は効果を上げているとは考えられない。
(4)結果として西側の経済制裁が露の根拠がはっきりしているGDP上昇で失敗だったといえる。露への経済制裁を主導したバイデン大統領が退任にあたって評価、説明、方針については言及していない。
トランプ大統領になって露への経済制裁をどうするのか、継続するのかはわからない。トランプ大統領はNATOに対して他国に比べて米国の負担金の多さを批判してNATOからの撤退を示唆したこともあり、また多国間協議には否定的で二国間のディール(取引)が考え方なので成果が上がっていないことから露への経済制裁を継続することには反対するのではないかと考える。
(5)逆に露への経済制裁を止めることを条件にプーチン大統領に停戦を呼びかけることは考えられて、プーチン大統領がどう出るのか、これを戦争を止める好機とみるのかだ。
ガザ停戦を受けてウクライナ戦争の停戦交渉の番だ。まずは西側諸国の効果に疑問のある露への経済制裁の見直しはひとつの停戦への道すじだ。
(6)トランプ氏と習主席が17日に電話協議(報道)した。2人が話をしても一致する問題はないので、プーチン大統領と協力関係にある習主席にウクライナ停戦に向けて協力を要請することぐらいだ。