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10国立劇場2月/大経師昔暦/文楽

2010-02-22 | 歌舞伎・文楽
10国立劇場2月/大経師昔暦/文楽

(第2部)

大経師昔暦(だいきょうじむかしごよみ)
 大経師内の段
 岡崎村梅龍内の段
 奥丹波隠れ家の段

文雀がおさん、清十郎がお玉、和生が茂兵衛。清十郎のお玉がきびきびと良く動いてドラマに活気を与えていたように思う。

ドラマは全体に渋くて地味な印象だった。人の世の、間違いに間違いが重なって起こる悲劇と喜劇とを幾分硬い感じで描いていた。その間違いと間違いの間に挟まれてキリキリ舞する人と人、男と女。意地の悪い毒気のあるストーリーは近松物の感じなのかも知れない。

最初の方の段では、ふとどきな以春を皮肉った所もあって、当時の実力者の女性に対する行為を風刺する意図も感じられる。社会派的な側面もあるようだ。そこまで行かなくても、「フィガロ」もののような、ちょっと軽い感じの風刺はある。

処刑される3人のせつなさを、体を縛る縄と、そして壁に映る影で象徴的に表現していた。どうも何か社会批判的な何かの主張があるように感じた。

溝口健二の「近松物語」とはだいぶ違う。

10.02.14 国立劇場


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