二銭銅貨

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コジ・ファン・トゥッテ/芸大2014

2014-10-19 | オペラ
コジ・ファン・トゥッテ/芸大2014

作曲:モーツァルト、演出:粟國淳
指揮:関健、演奏:藝大フィルハーモニア
出演:フィオルディリージ:中江早希、ドラベッラ:平山莉奈
   フェランド:村元恒徳、グリエルモ:白石陽大
   デスピーナ:中野亜維里、ドン・アルフォンソ:萩原潤

人力で回転する丸い台の上に、表が深緑で裏が白の装飾的な壁があり、これが左右に分かれて開くようになっている。開けたり閉めたり、裏を見せたり表を見せたり、その他置物を変えたり照明を変えたりで様々なイメージの舞台を作り出していた。衣裳は明るく軽い感じだけれども豪華で、色が良く背景と溶け合って美しいデザインだった。フィオルデリージが薄い緑色。ドラベッラが薄いピンク。舞台の色合いもその色調に合わせていた。

演奏は強弱のはっきりした優しい演奏で、大藤玲子のフォルテピアノが美しくまた歌手とのアンサンブルも良かった。

平山は安定したメゾ、中江と中野は強いソプラノ。白石は安定したバリトン、村元は高音が苦しそうだったが美しいテノール。萩原は流暢で安定感のあるドン・アルフォンソで、ちょっと学校の先生のような感じだった。

14.10.05 芸大奏楽堂
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14国立劇場9月/不破留寿之太夫/文楽

2014-10-17 | 歌舞伎・文楽
14国立劇場9月/不破留寿之太夫/文楽
(第3部)

不破留寿之太夫(ふあるすのたいふ)


シェークスピアの「ヘンリー4世」と「ウィンザーの陽気な女房たち」に出て来るファルスタッフの話を翻案したもの。作曲が鶴澤清治、脚本が河合祥一郎、美術が石井みつる。美術は現代的で衣裳も和服ながら若干現代的。新しい文楽への成長が感じられた。最後は客席の通路を花道に見立ててファルスタッフが去っていく趣向。音楽にはグリーンスリーブスが琴と二胡の演奏で使われたり、効果音的な三味線の音があったりした。御簾にもいろいろな音の楽器が用意されていた。人形ではクイックリー夫人(おはや)の頭が現代的で目を引いたし作りも良かった。ちょっとけばい化粧。この人形は蓑二郎。動きも良い。ヴェルディのものとは内容がほとんど異なり、シェークスピアの本からごく一部を翻案したシナリオだった。

将来の発展の可能性を感じて嬉しかった。

14.09.21 国立劇場
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イドメネオ/新国立劇場(二期会)2014

2014-10-13 | オペラ
イドメネオ/新国立劇場(二期会)2014

作曲:モーツァルト、指揮:準・メルクル
演出:ダミアーノ・ミキエレット
演奏:東京交響楽団
出演:
イドメネオ:与儀巧、イダマンテ:山下牧子
イリア:新垣有希子、エレットラ:大隅智佳子
アルバーチェ:大川信之

砂浜のように舞台に砂を敷き詰めてそこに大量の長靴を散らばせて、それは惨憺たる戦場跡のよう。長靴は死体なのだろうか?砂は涙なのだろうか?最近の世界的なテロや紛争をモチーフにした演出のように見えた。

合唱隊が椅子を持ち上げて揺らしたり、歌手がトランクを1個1個遠くに投げ飛ばしながら歌ったり、過激な演出が若干あった。演出は殺伐として厳しい感じだったが演奏は美しく優しく、音楽に良くあった演奏だった。イドメネオが亡くなる場面に続く最後の部分はバレエ音楽で、ここは出産場面だった。輪廻転生のような考え方がテーマの1つになっていたようだ。

エレットラがモンロー風のいでたちで買い物袋を沢山抱えて登場し、お出かけの衣裳選びながら歌う場面はコミカルで、大隅の動きが良く、笑いを誘って大受けだった。この場面は現代の格差社会の金持ち側の象徴のように見えて印象的だった。

与儀は、ちょっとイドメネオの貫禄は出ないが、若々しく美しいテノールだった。イダマンテの山下は落ち着いた感じの低い音が美しいズボン役。新垣は美しいソプラノ。大川は迫力があった。大隅は強く美しく安定していて激しく動き回りながらの歌でもくずれが無かった。最後のアリアも泥だらけになって転げ回りながら歌ったがその迫力ある歌は安定していた。その芝居に対してなのか、声に対してなのかは分からなかったが、このアリアの後の拍手は爆発するような音でかなり長く続くものだった。

大隅智佳子がすごい。

14.09.14 新国立劇場/オペラパレス
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ボエーム/ハーモニーホール2014

2014-10-11 | オペラ
ボエーム/ハーモニーホール2014

作曲:プッチーニ、指揮:田邉賀一、
演出:馬場紀雄
演奏:テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ
出演:ミミ:鈴木和音、ロドルフォ:古川泰
ムゼッタ:前田多鶴。マルチェッロ:大石洋史

鈴木は落ち着いた感じ、前田は強い。古川は美しく、大石は安定していた。

セットをある程度本格的なもので、置物の配置を変えることでバリエーションを出していた。カンルチェラタンの外の場面では兵隊の隊列は観客席にいるという設定で、バンダを使ってそれらしい感じを出していた。演出は音楽に素直に従ったオーソドックスなもので分かりやすかった。特にカンルチェラタンの場面では大勢が舞台に揃い、それぞれが楽しそうにしていて、クリスマスの夜の雰囲気になっていた。楽しいプロダクションだった。

14.08.31 ハーモニーホール
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秘密の結婚/ボエーム/新国立劇場オペラ研修所試演会2014

2014-10-04 | オペラ
秘密の結婚/ボエーム/新国立劇場オペラ研修所試演会2014

指揮:河原忠之
演奏:石野真穂(秘密の結婚)、高田絢子(ラ・ボエーム)

ボエーム(抜粋版)
作曲:プッチーニ、演出:三浦安浩
出演:ロドルフォ:水野秀樹、ミミ:原璃菜子、
   ムゼッタ:清野友香莉、マルチェッロ:岡昭宏
   コッリーネ:松中哲平、ショナール:小林啓倫

秘密の結婚(短縮版)
作曲:チマローザ、演出:粟國淳
出演:ジェロニモ:松中哲平、エリゼッタ:飯塚茉莉子
   カロリーナ:種谷典子、フィダルマ:藤井麻美
   ロビンソン伯爵:小林啓倫、パオリーノ:小堀勇介

ボエームは後半を抜粋したもの。ボエームのやや暗い雰囲気から秘密の結婚のパーッと明るい美術に変る。高田絢子は優しい音、石野真穂は迫力のある元気の良い演奏だった。飯塚、藤井のコミカルな芝居が印象に残った。

14.08.03 新国立劇場、小劇場
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