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連隊の娘/日生劇場2014

2024-12-20 | オペラ
連隊の娘/日生劇場2014

作曲:ドニゼッティ、指揮:原田慶太楼
演出:粟國淳、美術:イタロ・グラッシ、衣裳:武田久美子
演奏:読響、合唱:C.ヴィレッジシンガーズ
出演:
マリー:砂田愛梨、トニオ:澤原行正
ベルケンフィールド侯爵夫人:金澤桃子
シュルピス:山田大智、オルテンシウス:加藤宏隆

おもちゃ箱の中のおもちゃが外に出て来てオペラを上演している設定のようだった。背面にはアルプスの山のような感じの絵が描かれている大きなジグソーパズルがあり、大道具としては、木製の板で出来たアルプスっぽい家や、積み木のようなもの、ブリオのような汽車、大きな熊のぬいぐるみなどが使われた。登場人物は人形で、木の板で出来た人形、あやつり人形、着せ替え人形など、様々な人形の形で登場した。クラッケントルプ公爵夫人の操り人形は全部人形振りで動いていたが、その他の人形では人形振りはあまり多くは無く、ダンス場面とかで少々見られた。全般に動きが激しく、ミュージカルっぽい演出で、合唱団もダンスしながらの演奏で大変だったのではないかと思われた。でもその分楽しい舞台となった。明るく楽しい演出。美術も衣裳も彩度の高い色使い。明るい。楽しい。マリーの衣裳の白が印象に残る。

公演はフランス語で、セリフ場面が多いジングシュピールのような形式。セリフはフランス語で、皆さんのフランス語が板についているなと感じた。ちなみにイタリア語版はレティタティーボ。

砂田は芝居も動きもセリフも元気良く明るくて楽しい。なんと言っても強い声でかなりの声量が楽々と出て、全力でもまったく崩れない。登場する時のちょっと長めの歌は強く活発で大拍手を受けた。一方で、途中の Il faut partir (私は行かなければならない)は美しく綺麗に歌えた。澤原はアンダースタディーの急遽の代役だったが破綻なく最後までしっかりと歌い切った。金澤は低い声が安定して強く出るメゾ。山田は堂々とした重い声。大きな包容力のある芝居も良かった。加藤はしっかりとした声で声量があった。

合唱は大人数で迫力があった。その合唱団によるダンスも良かった。オーケストラの演奏は明るく元気。

オペラの舞台はイタリアとオーストリアにまたがるチロル地方。そのためだと思われるが、序曲の最初がホルンで始まる他、全般にホルンが多用されていると感じた。曲の雰囲気もフランスっぽい部分やイタリアっぽい部分に加えてアルプスっぽい部分もあった。

子供は見に来ていなかったけれど、子供向けの演出で超楽しかった。

トニオ役の交替に当たって以下のお知らせがあった。
「11月9日(土)にトニオ役で出演を予定しておりました糸賀修平は、稽古期間中の不慮の怪我(アキレス腱断裂)のため、出演を断念せざるを得なくなりました。代わりまして、同役カヴァーキャストの澤原行正が出演いたします。」

24.11.09 日生劇場

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