二銭銅貨

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椿姫/Maggio Musicale Fiorentino2019

2019-08-31 | オペラ
椿姫/Maggio Musicale Fiorentino2019

作曲:ヴェルディ
指揮:Sebastiano Rolli
合唱指揮:Lorenzo Fratini
演出:Francesco Micheli
衣裳:Alessio Rosati
照明:Daniele Naldi
演奏:Maggio Musicale Fiorentino
合唱:Maggio Musicale Fiorentino
出演:
ヴィオレッタ:Jessica Nuccio
アルフレード:Ivan Ayon Rivas
ジェルモン:Simone Del Savio

数メートル四方の正方形のセットは蛍光管かLEDで光るようになっていて、開幕では緑白赤の3台が並べて舞台に置かれている。この装置を様々に使って各場面を作り出していた。全体的にグラフィックデザインみたいな、すっきりとした美術で抽象的である。白が基調の。クリーンでクリアな舞台だったけれど、椿姫って、実態としてはベリズモっぽいドロドロしたところがあるので、ちょっと、なじみにくい演出でもあった。

2幕でアルフレードの妹とその彼氏が黙役で出て来るのが演出上の特徴。彼らは終幕でも出てくる。

それぞれの声は、迫力よりも美しさが重視されているように思った。再終幕で歌われる Addio, del passato 「過ぎし日よ、さようなら」は手紙の朗読から続く美しい歌。うっとりと眼を閉じて聴いていたら、気が付くと彼女は引き出しの上に立って歌っていた。それは壁いっぱいに引き出しのあるセットで、そのうちの幾つか引き出されていて、横方向に階段状に並んでいて、上手から下手に向かって登れるようになっている。ヴィオレッタはその最後の段で歌っていた。

最期は、ヴィオレッタは2個正方形のセットの間を通って奥へ歩いて消えて行く。

演奏が美しい。純粋でクリーンな感じ。舞台のイメージとは合っていた。

19.07.25 Maggio Musicale Fiorentino
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愛の妙薬/Maggio Musicale Fiorentino2019

2019-08-26 | オペラ
愛の妙薬/Maggio Musicale Fiorentino2019

作曲:ドニゼッティ
指揮:Fabrizio Maria Carminati
合唱指揮:Leonardo Andreotti
バレエ監督:
演出:Pier Francesco Maestrini
衣裳:Luca Dall’Alpi
美術:Juan Guillermo Nova
照明:Bruno Ciulli
演奏:Maggio Musicale Fiorentino
合唱:Maggio Musicale Fiorentino
出演:
アディーナ:Marina Monzo
ネモリーノ:Giulio Pelligra
ベルコーレ:Biagio Pizzuti
ドゥルカマーラ:Marco Filippo Romano
ジャンネッタ:Costanza Fontana

舞台は70年代の米国中西部。66号沿いのひなびたガソリンスタンド。アディーナはそこの娘かあるいはアルバイト。ネモリーノは地元の若者。ベルコーレは陸軍下士官。下品。ドゥルカマラーは背広のいかにも詐欺師っぽいビジネスマン。お付きの黙役の1人は長身サングラスのボディガード風。ドタバタ・コメディのノリで、楽しい。特にベルコーレは大活躍で、下品な芝居でしばしば笑いを取っていた。

さまざまな色合いの衣裳、カラフルで明るい。70年代の能天気な部分を全面に出した楽しい演出だった。

アディーナとネモリーノはしっかりした声。ベルコーレは芝居のおちゃらけ度とは違って迫力のあるしっかりした声。ドゥルカマーラはだみ声で歌うのが持ち味らしく、2回ほどその声を披露していた。こちらも芝居は面白くて、芝居としてベルコーレとドゥルカマーラの2枚看板の感じ。

そんなドタバタ芝居のオペラだったけれども演奏はクリーンでクリア。美しすぎる。またフィレンツェに聴きに来よう。

19.07.25 Maggio Musicale Fiorentino
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カルメン/ベローナ・アリーナ2019

2019-08-20 | オペラ
カルメン/ベローナ・アリーナ2019

作曲:ビゼー
指揮:Daniel Oren
合唱指揮:Vito Lombardi
A.LI.VE. Treble voice Chorus conducted by Paolo Facincani
バレエ監督:Gaetano Petrosino
演出・衣裳: Hugo De Ana
美術:Michele Olcese
振付:Leda Lojodice
照明:Paolo Mazzon
プロジェクション:Sergio Metalli
演奏:Arena di Verona Orchestra
合唱:Arena di Verona Chorus
バレエ:Arena di Verona Corps de Ballet
出演:カルメン:Geraldine Chauvet
   ドン・ホセ:Fabio Armiliato
   エスカミーリョ:Alberto Gazale
   ミカエラ:Karen Gardeazabal
   フラスキータ:Elisabetta Zizzo
   メルセデス:Clarissa Leonardi
   ダンカイロ:Nicolo Ceriani
   レメンタード:Roberto Covatta
   スニガ:Gianluca Breda

闘牛場の板の囲いのようなものに、トラックや木の箱などいろいろとジャンクっぽいもの乱雑並べたセットだが、アリーナ全体にプロジェクションマッピングを適用して大きなスケール感を出した演出だった。馬が出て来るのも他の演目と共通しているが、この演出では数頭出てきた。スペイン内戦をモチーフにしていたらしい。盗賊ではなく反乱軍。

低い声がしっかり通るカルメンだった。ミカエラは幾分強い調子。ドンホセは細見の神経質そうなテノールで、その苦悩しまくりの芝居が印象に残った。エスカミーリョは堂々の歌。盗賊たちの重唱も良いアンサンブルで楽しかった。

Daniel Orenは大柄な指揮者。どしんどしん足踏みするし、大きな声も出す。迫力ある演奏。拍手が終わらないうちにどんどん次を始めるのも特徴だと思った。

とにかく舞台上の人数が多いスケールの大きなプロダクションだった。

19.07.23 ベローナ・アリーナ
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アイーダ/ベローナ・アリーナ2019

2019-08-18 | オペラ
アイーダ/ベローナ・アリーナ2019

作曲:ヴェルディ
指揮:Francesco Ivan Ciampa
合唱指揮:Vito Lombardi
バレエ監督:Gaetano Petrosino
演出:Gianfranco de Bosio
美術:Michele Olcese
振付:Susanna Egri
照明:Paolo Mazzon
演奏:Arena di Verona Orchestra
合唱:Arena di Verona Chorus
バレエ:Arena di Verona Corps de Ballet
出演:アイーダ:Tamara Wilson
   ラダメス:Mikheil Sheshaberidze
   アムネリス:Anna Maria Chiuri
   王:Romano Dal Zovo
   ランフィス:Giorgio Giuseppini
   アモナズロ:Sebastian Catana

太い何本もある柱が印象に残る壮大なセットで、左右に背の高いオベリスクがある。このオペリスクからワイヤーでテントを釣るようになっていた。テントは寺院の場面で使われた。アイーダ行進曲の所では、豪華な大人数のバレエが使われた。アイーダトランペットは舞台の左右に5か6人づつ。下手がメインの旋律で、上手が細切れに音を出すサポート側の旋律だった。アリーナの上の方に松明を掲げた人達を配して大きな空間表現をしていた。

アムネリスの毒気のある妖しさが印象に残った。各々の声量は十分で演奏は壮大だった。とにかく人の数が多い壮大なプロダクションだった。

19.07.21 ベローナ・アリーナ
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イル・トロバトーレ/ベローナ・アリーナ2019

2019-08-17 | オペラ
イル・トロバトーレ/ベローナ・アリーナ2019

作曲:ヴェルディ
指揮:Pier Giorgio Morandi
合唱指揮:Vito Lombardi
バレエ監督:Gaetano Petrosino
演出:Franco Zeffirelli
衣裳:Raimonda Gaetani
美術:Michele Olcese
振付:El Camborio Revival by Lucia Real
演奏:Arena di Verona Orchestra
合唱:Arena di Verona Chorus
バレエ:Arena di Verona Corps de Ballet
出演:ルーナ伯:Alberto Gazale
   レオノーラ:Anna Pirozzi
   アズチューナ:Violeta Urmana
   マンリーコ:Murat Karahan

銀の鱗のような模様の付いた円柱や柵に多数の刀、槍、斧などをくっつけたセットが数か所にある。これを動かして幾つかの場面を作っていた。アズチューナの隠れ家ではそのセットの上に、木の葉で迷彩を施したネットが張られ、1幕目とは違う雰囲気になっていた。中央の大きな円柱の前面にある扉が大きく左右に開くと、中から黄金に輝く十字架のイエス様が現れて、会場から驚きの声が漏れるという仕掛けもあった。

アンヴィル・コーラスのところではバレエ団が豪華に踊った。

ルーナ伯には迫力があった。レオノーラは良く声が通り、マンリーコは真面目な感じだった。アズチューナには妖しげな感じが強くただよっていた。

19.07.20 ベローナ・アリーナ
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