ルチア(日本オペラ振興会)2017
作曲:ドニゼッティ、指揮:菊池彦典
演出:岩田達宗
美術:島次郎、衣裳:前田文子
演奏:東フィル
出演:ルチア:坂口裕子、エドガルド:西村悟
エンリーコ:谷友博、ライモンド:東原貞彦
アルトゥーロ:曽我雄一、アリーサ:二瓶純子
無地三角形の板を左右と上方に配し、主にモノクロとワインレッドからなる照明がその三角形を照らして様々な表情を作る舞台だった。中央に上から降りてくる鋭角の三角形はルチアがアルトゥーロの肉体に刺す短剣の切っ先で、狂乱の場ではそこが真っ赤に染まる。その替わりにルチアの白の衣裳には返り血が無く、純真で白のままだ。両手を広げると翼のようになるオーソドックスな衣裳で、天使のイメージなんだろうか。簡素な舞台装置に対比するように18世紀ごろをモチーフにしたと思われる豪華な衣裳が使われた。衣裳が引き立つ舞台だった。
演奏はしっかり安定しつつも迫力がてんこもり。また、美しい。それぞれの音がしっかりしていると感じた。いい演奏だった。
合唱に始まり、合唱で終わる。男声の合唱が多い演目だ。迫力ある合唱がいつも通りで楽しい。演出は、合唱団を固めて前面に押し出すような感じのもので、合唱に重きを置いているように感じた。
なんといっても狂乱の場だし、中でもカデンツァ。フルートとルチアの二重唱もうまくアンサンブルして良かった。坂口は長大なパートを難なく切り抜けた。かなりピュアな声が出て、コロラトゥーラもしっかり出て声が強い。ルチアの純粋さが声と芝居で良く表現されていた。谷は美しい迫力のある声で、単なるド迫力だけでなくこういう声も出るんだと感心した。最高だね。西村は貫禄のある美しい若いテノール。こちらも最高。東原は渋くて安定したバス。なんか切ない気分を出しまくっている芝居も良かった。
良い声と良い演奏がそろった最高の舞台となった。
17.12.10 Bunkamuraオーチャードホール
作曲:ドニゼッティ、指揮:菊池彦典
演出:岩田達宗
美術:島次郎、衣裳:前田文子
演奏:東フィル
出演:ルチア:坂口裕子、エドガルド:西村悟
エンリーコ:谷友博、ライモンド:東原貞彦
アルトゥーロ:曽我雄一、アリーサ:二瓶純子
無地三角形の板を左右と上方に配し、主にモノクロとワインレッドからなる照明がその三角形を照らして様々な表情を作る舞台だった。中央に上から降りてくる鋭角の三角形はルチアがアルトゥーロの肉体に刺す短剣の切っ先で、狂乱の場ではそこが真っ赤に染まる。その替わりにルチアの白の衣裳には返り血が無く、純真で白のままだ。両手を広げると翼のようになるオーソドックスな衣裳で、天使のイメージなんだろうか。簡素な舞台装置に対比するように18世紀ごろをモチーフにしたと思われる豪華な衣裳が使われた。衣裳が引き立つ舞台だった。
演奏はしっかり安定しつつも迫力がてんこもり。また、美しい。それぞれの音がしっかりしていると感じた。いい演奏だった。
合唱に始まり、合唱で終わる。男声の合唱が多い演目だ。迫力ある合唱がいつも通りで楽しい。演出は、合唱団を固めて前面に押し出すような感じのもので、合唱に重きを置いているように感じた。
なんといっても狂乱の場だし、中でもカデンツァ。フルートとルチアの二重唱もうまくアンサンブルして良かった。坂口は長大なパートを難なく切り抜けた。かなりピュアな声が出て、コロラトゥーラもしっかり出て声が強い。ルチアの純粋さが声と芝居で良く表現されていた。谷は美しい迫力のある声で、単なるド迫力だけでなくこういう声も出るんだと感心した。最高だね。西村は貫禄のある美しい若いテノール。こちらも最高。東原は渋くて安定したバス。なんか切ない気分を出しまくっている芝居も良かった。
良い声と良い演奏がそろった最高の舞台となった。
17.12.10 Bunkamuraオーチャードホール