二銭銅貨

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丹下左膳余話・百万両の壺

2006-05-21 | 邦画
丹下左膳余話・百万両の壺☆☆
1935.06.15 日活(京都撮影所)、白黒、普通サイズ
監督:山中貞雄、脚本:三村伸太郎、原作:林不忘
出演:大河内伝次郎、喜代三、沢村国太郎、花井蘭子
   深水藤子、宗春太郎

軽快な喜劇、時代劇。脳天気な設計。

一流の剣術の使い手という事になっているサムライは、
城主の弟だけれども、実は全然ダメダメ。
チャッカリしているところだけがシッカリしている。
その妻は武士の家の典型的なお姫様。
じいやも付いてます。

丹下左膳は江戸っ子のベランメエな調子。
その相手役の女性はきっぷのいい江戸の姐さん。

それから、フラフラ、ヨロヨロの2人のクズ屋。

映画はテンポ良く、はぎれ良く、元気で、明るく展開して行きます。

道場破りをする丹下左膳役の大河内伝次郎の
動きが速く、強く、大きくてすごい。ダイナミックです。
削られたというチャンバラの場面も見たかったです。

映画の中の一部、チャンバラの場面が戦後、GHQによって、
軍国主義的であるとしてカットされてしまったらしく、一部、
つながりの変な所があります。文化遺産を壊す暴力主義の
人達と何ら変わらない所業だと思います。

チャッカリしたサムライ役の沢村国太郎の顔つき、しぐさが妙に
加東大介に似ているので、何か関係のある人かと思ったら、
実の兄だそうで、その姉が沢村貞子、嫁がマキノ省三の娘の
マキノ智子、息子が長門裕之、津川雅彦、という方だそうです。
なる程と関心してしまいました。兄弟って似ているもんですね。
最近は長門裕之と津川雅彦の見分けが付かないし。
06.05.13 NFC
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寝ずの番

2006-05-20 | 邦画
寝ずの番  ☆☆
2006.04.08 光和インターナショナル、カラー、横長サイズ
監督:マキノ雅彦、脚本:大森寿美男、原作:中島らも
出演:長門裕之、富司純子、中井貴一、木村佳乃、岸部一徳
   笹野高史、堺 正章

最初から最後まで下ネタばっかり。
最近では見かけなくなった、なつかしいものを集めました。
下ネタの重要文化財でしょうか?
いやいや、不要文化財かも...。

映画は、たくさんのエピソードで、テンポ良くいっきに行きます。
笑いの快速急行。
おもしろすぎて、笑いっぱなしです。
でも、セクハラが問題になる今日この頃、
この世の中では、これは合わないかも知れません。
06.05.07 シネスイッチ銀座
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ゲームの規則

2006-05-19 | 洋画
ゲームの規則  ☆☆
La Regle du Jeu
1939 フランス、白黒、普通サイズ
監督・脚本:ジャン・ルノワール
出演:マルセル・ダリオ、ノラ・グレゴール、ローラン・トゥータン
   ジャン・ルノワール

貴族たちの生活を風刺した喜劇の映画。

恋愛をゲームのように楽しむ人達、
人生は遊び、人生はゲーム。
ある貴族の屋敷のパーティ、恋愛ゲームが、
まるでピンボールのように目まぐるしく展開して行きます。
あっちで恋愛、こっちで恋愛、本気なのか、遊びなのか、
落ち着き無く、真剣味無く、
うわべだけが整頓されているかのように装われます。

監督のジャン・ルノワールは画家のルノワールの次男。
映画では主要な登場人物の1人として、
太った叔父さん役で出ています。
06.05.06 NFC
コメント (2)
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野いちご

2006-05-17 | 洋画
野いちご  ☆☆
SMULTRONSTALLET
1957 スウェーデン、白黒、普通サイズ
監督・脚本:イングマル・ベルイマン
出演:ヴィクトル・シェーストレーム、イングリッド・チューリン
  ビビ・アンデション

難解映画

老人医師のある1日
ドクター就任50周年表彰を受ける為、
会場のある都市まで、車で1日ドライブして行く話。

彼の生涯には中味が有ったのか無かったのか、
有意義だったのか無意味だったのか、
役に立ったのか立たなかったのか、
適切だったのか不適切だったのか、
楽しかったのか苦しかったのか、
幸せだったのか不幸せだったのか、
夢なのか、あるいは、うつつなのか、

現実と夢とを往来しながら眠るように考えます。

考えても分からないし、眠っていても分からない。
ただ、彼は何とはなしに幸福に感じているようです。
昔の恋の思い出が、野いちごの思い出が、
楽しい気持ちにさせるのかも知れません。
06.05.13 NFC
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青べか物語

2006-05-16 | 邦画
青べか物語  ☆☆
1962.06.28 東京映画、カラー、横長サイズ
監督:川島雄三、脚本:新藤兼人、原作:山本周五郎
出演:森繁久弥、東野英治郎、左幸子、南弘子、丹阿弥谷津子
   フランキー堺、中村メイコ、池内淳子、乙羽信子、山茶花究
   桂小金治、市原悦子、左卜全

昭和初期の貧乏な東京周辺の川べりの村、浦粕。
これは今の浦安あたり、
作家先生がその村に滞在したときの見聞録。
作家先生とはこの原作者。

オムニバス風に数多くのエピソードが、
ダイナミックにからまり合いながら、
どんどんと展開して行きます。

作家先生は森繁久弥、
その作家先生の気を引く芸者が左幸子。
捨てられた娘の南弘子に、捨てた母親の丹阿弥谷津子。
村の金持ちのお坊ちゃんがフランキー堺で、
その最初の嫁さんが中村メイコ、トンでます。
そして、次の嫁さんがおくゆかしい池内淳子。
桂小金治はカミさんの市原悦子に投げ飛ばされます。
下宿先のカミさんは、セリフなしの乙羽信子。
その旦那が山茶花究で、何で妻につくすのかを語ります。
廃船の船長は左卜全で、彼の初恋の話をします。
東野英治郎はうるさい爺さん。

軽快に騒ぎがクルクル回るにぎやかな喜劇。
ちなみに、青べかは青塗りの小船のことです。

風景、衣装の色合いが豊かで、
カメラの動き、人々の動きが、きっぱりしています。

村の人達の元気で明るい脳天気が楽しいです。
気持ちが沈殿しているこの作家先生は、
これで元気になったでしょうか?
06.05.05 NFC
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