二銭銅貨

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影のない女/二期会2024

2024-12-20 | オペラ
影のない女/二期会2024

作曲:リヒャルト・シュトラウス
指揮:アレホ・ペレス
演出:ペーター・コンヴィチュニー
美術:ヨハネス・ライアカー
演奏:東京交響楽団
合唱:二期会合唱団
出演:
皇帝:樋口達哉、皇后:渡邊仁美
乳母:橋爪ゆか
バラク:河野鉄平、田崎尚美
鷹の声:種谷典子

例によってコンヴィチュニーによるハチャメチャな演出。舞台は回り舞台で、3つのパート、駐車場、産科の分娩室らしき所とその待合室、レストランに分かれている。出だしは駐車場でセダンのベンツが置いてあって、そこでいきなり銃撃がはじまり、幾人かが倒れるという、アクションドラマっぽい演出。樋口はマフィアのボスっぽい感じ、貫禄十分、迫力十分、ニヒルに登場してきて、最初はそれが樋口だとは分からなかった。全般に、産科での検査の場面とか、レストランでの銃撃とか、過激な場面が多く、歌手や合唱団は激しい動きの芝居をしっかりやっていた。

雑然とした演出に対して舞台美術はクリーンで光沢のある硬質な質感のものが使われた。シュトラウスのキラキラした音楽に合っている。

樋口は声が以前より重くなった感じで重厚、迫力がある。芝居はニヒルで情け容赦がなく、かつ、頭が変で妙にコミカルというイカレた役をうまく演じていた。渡邊は声量のある強くて綺麗な声。橋爪は低い声が良く安定している。芝居は声とは正反対にコチョコチョ動き回って軽い感じ。芝居のうまさが印象に残った。河野は真面目な感じで声量のあるバリトン。田崎は強くて重い声のソプラノで堂々とした芝居。種谷は歌う場面がほとんど無いほぼ黙役だが、この演出が特にそうなのかどうか分からないが、全編に登場する。ボブっぽいヘアスタイル、濃い化粧、ちょっとタイトな感じの赤と黒の衣裳、街の女のような雰囲気で登場して存在感が強かった。黙役の女優かと思っていた。

演奏は大規模できらびやかに美しかった。合唱は小規模で数人。ソリストと共に過激な芝居をやって動き回っていた。

なんだこりゃと何が何だか分からない。異化という奴なんだろうな。なんだか馴染めないけど、これはそういうもんでそれで良いのだろう。印象には残る。演奏自体はすごく良かった。

ボン歌劇場との共同制作

24.10.27 東京文化会館

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