二銭銅貨

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オテロ/新国立劇場11-12

2012-04-21 | オペラ
オテロ/新国立劇場11-12

作曲:ヴェルディ、演出:マリオ・マルトーネ
指揮:ジャン・レイサム=ケーニック、演奏:東京フィル
出演:オテロ:ヴァルテル・フラッカーロ
   デズデーモナ:マリア・ルイジア・ボルシ
   イアーゴ: ミカエル・ババジャニアン
   ロドヴィーコ:松位浩
   カッシオ:小原啓楼
   エミーリア:清水華澄

水を張った水路に取り囲まれるようにして小さな部屋がポツンと建っている。そしてその真ん中が縦に切断されていて中が見えるようになっている。この部屋が回転することで、ある時は外壁が、ある時は部屋の中が見えるようになって、それが照明の変化と合わせてそれぞれの場面の表情となる。

悪党のイアーゴが何故か鮮烈で、この悪党の独白場面では照明が真っ白な強いものになって、音楽も歌も鮮明な感じになった。オテロやカッシオに対する強い憎悪、成功者への強烈な悪意と嫉妬が水路から拾われて、中央の部屋の外壁に塗りたくられる汚泥で表される。強烈でクリアな表現で印象的だった。常に首をかしげている、いやらしい演出をババジャニアンが良く表現していた。低く安定した強い歌もクリアで良かった。悪党が良いとドラマが引き立つ。

オテロのフラッカーロはどーんと底力を感じる迫力あるテノール。デズデーモナのボルシは強弱がはっきりした強いソプラノで強力な演奏に負けない声が出ていた。

演奏はドラマティックでメリハリがあった。
    
12.04.7 新国立劇場
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タンホイザー/神奈川県民ホール12

2012-04-04 | オペラ
タンホイザー/神奈川県民ホール12

作曲:ワーグナー、演出:ミヒャエル・ハンペ
指揮:沼尻竜典、演奏:神奈川フィル
出演:タンホイザー:水口聡、エリーザベト:佐々木典子
   ヴェーヌス:並河寿美、ヴォルフラム:大島幾雄
   ヘルマン:大澤建、牧童:福永修子

忙しく引きちぎれそうな弦の高音、ゆったりと流れるホルン、重厚な金管の響き、トランペットの強い輝き、ねっとりと曲線的なオーボエのしっかりした音、女性的な木管の高い音色、どっしりと良くそろった低音の弦、ソリストの強い歌声、合唱の迫力、総てが最後の「巡礼の合唱」に向けて高く鳴り響いて、強烈なビームとなって収束していく。

タフで強そうなテノールの水口、安定したソプラノの佐々木、強くて迫力のあるソプラノの並河、誠実で真面目な感じのテノールの大島、迫力があってパワーを感じるバスの大澤、さわやかな印象のソプラノの福永。合唱も演奏も大きな編成で迫力に満ちて美しかった。

演出はオーソドックスで、天井まで高さのある豪華なセットが使われて、やや幻想的な美術。ヴェーヌスベルクの場面と森の場面の背景は映像で、短時間で入れ替えられるようになっていた。

12.03.24 神奈川県民ホール
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