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コジ・ファン・トゥッテ/二期会2024

2024-09-10 | オペラ
コジ・ファン・トゥッテ/二期会2024

作曲:モーツァルト
指揮:クリスティアン・アルミンク
演出:ロラン・ペリー
装置・衣裳:シャンタル・トマ
演奏:新日本フィル
合唱:
二期会合唱団
新国立劇場合唱団
藤原歌劇団合唱部
出演:
フィオルディリージ:吉田珠代
ドラベッラ:小泉詠子
グリエルモ:小林啓倫
フェランド:金山京介
デスピーナ:七澤結
ドン・アルフォンソ:黒田博

舞台は、録音スタジオに歌手達が集まってコジの録音をするという設定だが、途中から録音を無視して芝居をし始めてしまう。長い芝居の後、最後になってようやく録音に復帰するけれど、最後の最後は、アルフォンソが姉妹に階段から突き落とされて幕となる。

録音スタジオは木製の大きな壁3枚と柱2本からなっており、これを移動させて様々な場面を作り出していた。衣裳は現代風のカジュアルなもの。

演出は、歌手を縦横無尽に走り回らせて、細かい動きが設定されているもので、歌手の負荷がかなり高そうに思われた。それでも歌には特に悪影響は無かったようだ。

吉田は安定感のある綺麗な声のソプラノ。小泉は低い声がしっかり出て、激しく動いても破綻しない。楽しそうに動き回って歌っていた。活気がある。小林はやや金属的な印象の声で、特に後半のアリアでは圧倒的な気合と迫力でその声量を披露していた。金山も声量があり、破綻なく高音を出していた。七澤は浮浪者の様な衣裳のビックリなデスピーナで、あらくれたワイルドな芝居をややかがんだ姿勢でやっていて面白かった。レチタティーヴォもやや不良っぽい節回し。走り回る速度も速い。アリアは両方とも軽い感じではなく、強い迫力のあるもので、走り回りながら歌っても安定していた。ニセ医者とニセ公証人の鼻声もしっかり歌えていて良かった。黒田は若手にまじった大学教授が頑張って威厳を保ちつつ、指導しつつ、皆と一緒に走り回って息が切れている様な雰囲気。芝居と歌は余裕でしっかりしていた。

重唱は、女性二重唱、男性二重唱、最初の方にある船を送り出す場面での重唱が美しく、それらが印象に残った。

合唱は男女6人ずつの小規模な編成だったが、コンパクトで迫力のあるものだった。

演奏は優しく美しい音で、まろやかな感じ。要所要所では迫力も感じられた。

シャンゼリゼ劇場、カーン劇場、パシフィック・オペラ・ヴィクトリアとの共同制作。
新国立劇場、日本オペラ振興会との共催。

24.09.08 新国立劇場、オペラパレス

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