サンドリヨン/MET17-18舞台撮影
作曲:マスネ、指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出:ロラン・ペリー
出演:リュセット:ジョイス・ディドナート
王子:アリス・クート
父:ロラン・ナウリ
継母:ステファニー・ブライズ
妖精:キャスリーン・キム
リュセット、王子、継母がメゾのメゾだらけの演目。その意味ではロッシーニのチェネレントラを上回る。重唱や早口言葉の部分などはややロッシーニのスタイルを踏襲しているようだった。迫力のある各メゾのアリアの連続が聴きどころであり、特にリュセットと王子の重唱はメゾ同志の重唱で希少性が高い。音楽はブッファにもかかわらず、両リヒャルトの影響やベリズモの影響が感じられる現代的なものだった。父役もバリトンなので全体に低い音のみで構成された音楽だが、そこに妖精の高音が配されてアクセントになっている。3幕目終わりは妖精の強く長い高音が幕切れとなっていた。バレエ音楽的な部分が2か所。前半は舞踏会の場面で、後半は短く、ガラスの靴を沢山のが合わせるシーン。このオペラでは曲間に拍手タイミングは無いようだったが、ところどころ、休符の長い所で拍手が入っていた。
演出や衣裳はコミカルでカートゥーン的。舞台の各所各所で客席の笑いを誘っていた。ディスニー的なところもあった。最終幕は舞台の高い位置で妖精が指揮をしながら長い棒を振り上げるシーン。バレエ音楽の所では、本格的なバレエを使わずに合唱団のコミカルな動きで舞台を構成していた。装置はドアのついたクリーム色の壁を何枚も屏風のように立てたもので、そこに本のページを投射したかのごとく文章が描かれている。これを動かして各場面を作っていた。お城の門や馬車も文字で出来ていた。お城の場面での衣裳はすべて赤。リュセットのドレスだけが白で裾がダークブルーのグラデーション。
ディドナートは美しく安定して強いメゾ。クートは低い音が強靭な感じのメゾで芝居は真面目なズボン役。ブライズは迫力のある美しい安定した低音で貫禄を見せた。登場したところで千両役者さながの拍手が起こった。ナウリは迫力のあるやさしいバリトン。キムは強いコロラトゥーラソプラノ。
ガラスの靴というのは変形しないのが特徴で、自分以外の人は履くことができないという、当たり前のことに気が付いた。美しいから採用されたのでは無く、個人認証アイテムとして採用されていたんだ。今だったらきっと、毛髪とか皮膚片とか唾液とか、そういうものでDNA鑑定するっていう話になっていたんだろうね。
18.06.02 東劇
作曲:マスネ、指揮:ベルトラン・ド・ビリー
演出:ロラン・ペリー
出演:リュセット:ジョイス・ディドナート
王子:アリス・クート
父:ロラン・ナウリ
継母:ステファニー・ブライズ
妖精:キャスリーン・キム
リュセット、王子、継母がメゾのメゾだらけの演目。その意味ではロッシーニのチェネレントラを上回る。重唱や早口言葉の部分などはややロッシーニのスタイルを踏襲しているようだった。迫力のある各メゾのアリアの連続が聴きどころであり、特にリュセットと王子の重唱はメゾ同志の重唱で希少性が高い。音楽はブッファにもかかわらず、両リヒャルトの影響やベリズモの影響が感じられる現代的なものだった。父役もバリトンなので全体に低い音のみで構成された音楽だが、そこに妖精の高音が配されてアクセントになっている。3幕目終わりは妖精の強く長い高音が幕切れとなっていた。バレエ音楽的な部分が2か所。前半は舞踏会の場面で、後半は短く、ガラスの靴を沢山のが合わせるシーン。このオペラでは曲間に拍手タイミングは無いようだったが、ところどころ、休符の長い所で拍手が入っていた。
演出や衣裳はコミカルでカートゥーン的。舞台の各所各所で客席の笑いを誘っていた。ディスニー的なところもあった。最終幕は舞台の高い位置で妖精が指揮をしながら長い棒を振り上げるシーン。バレエ音楽の所では、本格的なバレエを使わずに合唱団のコミカルな動きで舞台を構成していた。装置はドアのついたクリーム色の壁を何枚も屏風のように立てたもので、そこに本のページを投射したかのごとく文章が描かれている。これを動かして各場面を作っていた。お城の門や馬車も文字で出来ていた。お城の場面での衣裳はすべて赤。リュセットのドレスだけが白で裾がダークブルーのグラデーション。
ディドナートは美しく安定して強いメゾ。クートは低い音が強靭な感じのメゾで芝居は真面目なズボン役。ブライズは迫力のある美しい安定した低音で貫禄を見せた。登場したところで千両役者さながの拍手が起こった。ナウリは迫力のあるやさしいバリトン。キムは強いコロラトゥーラソプラノ。
ガラスの靴というのは変形しないのが特徴で、自分以外の人は履くことができないという、当たり前のことに気が付いた。美しいから採用されたのでは無く、個人認証アイテムとして採用されていたんだ。今だったらきっと、毛髪とか皮膚片とか唾液とか、そういうものでDNA鑑定するっていう話になっていたんだろうね。
18.06.02 東劇