魔笛/MET06-07舞台撮影
作曲:モーツァルト、演出:ジュリー・テイモア
指揮:ジェームズ・レヴァイン
出演:マシュー・ポレンザーニ(タミーノ)、イン・ファン(パミーナ)
エリカ・ミクローザ(夜の女王)、ルネ・パーペ(ザラストロ)
ネイサン・ガン(パパゲーノ)、
ジェニファー・アイルマー(パパゲーナ)
全体にコミカルで、カートゥーンな感じ。大蛇の怪物だとか、鳥に乗る3人の少年とか、白い布で出来た熊さんとか、バレリーナの鳥とか、3人の召し使いの下向き矢印の下着のようなデザインの衣装とか、様々な工夫や仕掛け、動物達の動きが奇抜で面白い。ちょっと子供向けの感じ。
ネイサン・ガンのパパゲーノは芝居が面白くて、全体にこの芝居を引っ張っている感じだった。ジェニファー・アイルマーのパパゲーナも婆さんに化けて出現した時から動きが良くて面白い。ポーズを形良く決めて、ポーズとポーズの間の動きに無駄がなく素早い。そしてリズミカルで小気味がいい。この2人のやり取りも面白い。「歳は?」とパパゲーノがパパゲーナに聞くと、答えが「Eeighteen ans two minutes」。さらにドイツ語版には無かったけれども、この英語版では「Eeighty?」「No! Eeighteen ans two minutes.」というような会話が続く。18才が結婚可能年齢ということなのかな?
上演は英語の翻訳版。ドイツ語と英語だと結構、感じが違うもんだと思った。英語の方がくだけていて流れるような滑らかな感じ、ドイツ語版はちょっと硬くて真面目な感じ。ドイツ語版は古いザルツブルグのバージョンをDVDで見てみた。こちらのポネルの演出もすばらしい。指揮は約30年前のレヴァイン。今回のものも、演出のベースはこのザルツブルグ版と共通だった。
主役のタミーノの衣装は光沢のある分厚い生地の、日本あるいは中国っぽいデザインで、メークもそうした感じだった。遠方の国の王子ということで、東アジア風にしたのだろうか。
パパゲーノとパパゲーナの「パパパの2重唱」がすばらしい。特にジェニファー・アイルマーの動きが良く、この人は踊りのうまい人だと思った。姿勢が良く、動きが良い。本当に楽しいカップルの表現で演出と振り付けが良いのだろうと思う。このあたりの振り付けの良さを観ると、ブロードウェイのミュージカル的な雰囲気もかなりあると思った。ジュリー・テイモアはライオンキングの演出で有名な演出家らしい。トニー賞を受賞したとのことのことである。METライブビューイングの最初の作品らしいので、いろいろと企画が凝っているのだろう思った。
09.09.19 東劇
作曲:モーツァルト、演出:ジュリー・テイモア
指揮:ジェームズ・レヴァイン
出演:マシュー・ポレンザーニ(タミーノ)、イン・ファン(パミーナ)
エリカ・ミクローザ(夜の女王)、ルネ・パーペ(ザラストロ)
ネイサン・ガン(パパゲーノ)、
ジェニファー・アイルマー(パパゲーナ)
全体にコミカルで、カートゥーンな感じ。大蛇の怪物だとか、鳥に乗る3人の少年とか、白い布で出来た熊さんとか、バレリーナの鳥とか、3人の召し使いの下向き矢印の下着のようなデザインの衣装とか、様々な工夫や仕掛け、動物達の動きが奇抜で面白い。ちょっと子供向けの感じ。
ネイサン・ガンのパパゲーノは芝居が面白くて、全体にこの芝居を引っ張っている感じだった。ジェニファー・アイルマーのパパゲーナも婆さんに化けて出現した時から動きが良くて面白い。ポーズを形良く決めて、ポーズとポーズの間の動きに無駄がなく素早い。そしてリズミカルで小気味がいい。この2人のやり取りも面白い。「歳は?」とパパゲーノがパパゲーナに聞くと、答えが「Eeighteen ans two minutes」。さらにドイツ語版には無かったけれども、この英語版では「Eeighty?」「No! Eeighteen ans two minutes.」というような会話が続く。18才が結婚可能年齢ということなのかな?
上演は英語の翻訳版。ドイツ語と英語だと結構、感じが違うもんだと思った。英語の方がくだけていて流れるような滑らかな感じ、ドイツ語版はちょっと硬くて真面目な感じ。ドイツ語版は古いザルツブルグのバージョンをDVDで見てみた。こちらのポネルの演出もすばらしい。指揮は約30年前のレヴァイン。今回のものも、演出のベースはこのザルツブルグ版と共通だった。
主役のタミーノの衣装は光沢のある分厚い生地の、日本あるいは中国っぽいデザインで、メークもそうした感じだった。遠方の国の王子ということで、東アジア風にしたのだろうか。
パパゲーノとパパゲーナの「パパパの2重唱」がすばらしい。特にジェニファー・アイルマーの動きが良く、この人は踊りのうまい人だと思った。姿勢が良く、動きが良い。本当に楽しいカップルの表現で演出と振り付けが良いのだろうと思う。このあたりの振り付けの良さを観ると、ブロードウェイのミュージカル的な雰囲気もかなりあると思った。ジュリー・テイモアはライオンキングの演出で有名な演出家らしい。トニー賞を受賞したとのことのことである。METライブビューイングの最初の作品らしいので、いろいろと企画が凝っているのだろう思った。
09.09.19 東劇