二銭銅貨

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カルメン/スカラ座2009舞台撮影

2011-03-06 | オペラ
カルメン/スカラ座2009舞台撮影

2008年上演
作曲:ビゼー、演出:エンマ・ダンテ
指揮:ダニエル・バレンボイム
出演:カルメン:アニタ・ラチヴェリシュヴィリ
   ドン・ホセ:ヨナス・カウフマン
   エスカミーリョ:アーウィン・シュロット
   ミカエラ:アドリアーナ・ダマート

アニタ・ラチヴェリシュヴィリは無名のメゾで大抜擢。タフな感じのカルメンで、鋼鉄の女といった印象。歌も強くてタフ。1幕目の衣装はくすんだ銀色。アドリアーナ・ダマートはミカエラだけれども、あまり若づくりをしていない。これは3幕目でドン・ホセの母親とミカエラの2役をやるためものだったようだ。白と黒の歌舞伎のぶっかえりのような衣装が面白かった。ヨナス・カウフマンは強い歌声で芝居も良く、アーウィン・シュロットはやや軽い感じのエスカミーリョだった。スカラ座のオープニングの上演で最初に国歌が演奏された。

演出が殺伐としていて面白い。最初の子供達は少年兵で銃をぶっ放していたし、警護の兵達も女工に向かって銃を撃ちまくっていた。斜めにかしいだ十字架のキリストは銃声と共に吹っ飛んだし、カルタの三重唱ではいつの間にか寝ている盗賊達が戦場の累々たる死体になっていた。最後の闘牛士の出てくる場面では、何故か壁に人体の一部、重に手首が沢山並べて貼り付けてあった。リリャス・パスティアの店での闘牛士の歌の時には凄惨な牛の死骸の大きな写真を広げていた。カーテンコールで演出家の女性が出て来た時には歓声がひときわ大きくなり、相当ブーイングが混じっていた。

11.02.06 109シネマズ川崎
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夕鶴/新国立劇場10-11

2011-03-05 | オペラ
夕鶴/新国立劇場10-11

作曲:團伊玖磨、演出:栗山民也
指揮:高関健、演奏:東京交響楽団
出演:つう:腰越満美、与ひょう:小原啓楼
   運ず:谷友博、惣ど:島村武男

開幕前から雪はどんどん落ちて来て降り積もる。青と白の照明に照らされて、幾層にも重なる白い雪は、舞台の奥まで降っている。雪がつうの子供達なのか、つうが雪の子供なのか、あたかもつうが雪の精であるかのようであった。白に下が薄紫の、つうの着物が美しい。子役の少女達の声も美しい。

腰越満美はパワーは感じられなかったけれども、繊細で美しい印象だった。与ひょうの小原啓楼はしっかりとした声に聞こえた。谷友博と島村武男も十分に迫力があった。それぞれ芝居が良くて、すがすがしい感じであった。

つうが落ちるというか、空に舞いあがるクライマックスの演出が良かった。劇的でファンタジックだった。

11.02.05 新国立劇場
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