私にとっては 「妻を介護する」 ことが至上命令の仕事のように思えるが、時には苛立つこともある。だが常識的な考えを失ってしまった妻には何も理解できないから、私が苛立っても、いつも独り相撲を取っているだけに過ぎない。
そんな時は必ず後悔するが、どうにもならない気持ちを抑えるしかない。それが 「介護」 と言う仕事だ。
介護の中で一番負担に思うは 「排泄の問題」 だ。これには数え切れないほどの困った想い出もあるが、今はいろいろな介護用品もあるから昔と違って多いに介護者の労苦も減っているはずだ。
それと有り難いのは入浴介護だ。週に月、水、それと金曜日は介護ヘルパーさんが来て入浴させてくれる。
月、水曜日はAヘルパーさん、金曜日はBヘルパーさんが介護してくれるが、どのヘルパーさんとも和やかに会話しているようだから、妻も入浴を楽しんでいるのだろう。
本来風呂好きな日本人だから、入浴する効果はかなり高いはずだ。入浴することで本人の清潔度も高まるから有り難い介護でもある。
それ以外の日は私が下半身をシャワーで洗うことでいつも清潔度を保つようにしているが、排泄の問題を素直に受け入れないと介護の本質は理解できていないことになる。しかし、私はまだ理解できていない。
今年は昨日が最後だったが、年間156回目の入浴を終えた。
『ヘルパーさん、ご苦労さまでした。有り難うございました。また来年もよろしくお願いします』
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