クチャラーには
殺意を覚えますが
グチャラーにもまた
侮蔑の感をぬぐえません
家でやるならまだしも
公衆の面前で
いい年ぶっこいて
「カレー」を
グチャグチャ混ぜて食べる
もう
人格を否定して欲しいと
Mさながらのアッピール
「最後の方でルーが少なくなってしまうのを避ける意味がある」
もっともらしく聞こえても
その実
計算の弱さに併せ
美的感覚にも障害
数学と美術
それと
社会、道徳にも
「2」を進呈
で
「ハヤシ」とかにも
問題が伝播しているであろうことは
まあ予想の範囲内
許さないけど許す
しかるに
ことは
そこにとどまらず
「麻婆ご飯」
事態は深刻さを増します
麻婆豆腐
なるべく豆腐が型崩れを起こさないように
しかるに味が抜けすぎてしまわないように
ソーっと湯通し
最後まで
シェイプをなるべく損ねないように
丁寧に
丁寧に
その作り手の配慮を
我々も全身に受け止めるとき
程よい加減に
少し硬めに炊き上げたご飯と
豆腐、ひき肉、トロミのスープ
バランスのヨサゲな部分の麻婆を
さじの上で
「プチ麻婆丼」が形成されるべく
形良くキャプチャー
口腔内に持ち込んだら
すぐに臼歯方向に乗せるでなく
舌と口蓋に挟みながら
豆腐の粉砕を試みながら
トロミに乗せて
米の隙間全体
まんべんなく行き渡ったところで
米のシェイプを舌で愛でつつ
ときたま現れる別シェイプのパーティクル
つまるところ「トロ」の部分である挽肉を
大切に潰しながら
トロミに肉汁エキスを口内付加
四川系列であれば
ここに花椒のビリリが舞い込んでいたり
胡椒の粒が刺激的に響いたり
ネギのシャリっとを見つけるのも
またこれ楽しいものと言えましょう
作り手の配慮
食い手の所作
茶道ならぬ
麻道アリ
その
麻婆ご飯を
カレーよろしく
グチャラー仕様にしようとは
ゆる (゜д゜lll) さん!!
こんな食への冒涜を
僕は見たことがない
それも
本を読みながら
一口食べては
カッ カッ と10回ほどの撹拌
ただ混ざるを超えて
ネッチョリ風情
豆腐のシェイプは
もはや肉眼では感知できません
死んで (゜д゜lll) しまえ!!
そんな輩の隣
今年一番の不快な食事
ああ
ラーメンのことを
すっかり忘れてましたが
忘れていても
良いことにしておいて下さい
麻婆ご飯をキレイに食べる
それが
唯一語るべきテーマ