ノーブル・ノーズの花の穴

麗しき本音のつぶや記
~月に1度ブログ~

仰げば尊し真矢さらば

2005-09-21 13:05:39 | ドラマ


…真矢の笑顔は見たくなかった。

生徒の歌に、涙をこらえるしぐさもいらないし、
ニッコリではなく、せめてニヤリで十分だったのに。

それでも教室では最後までクールだったし、
和美の問いにも、無愛想に「I love you.」だったからいいか。(笑)

これでもか、っていう最終回だったけど、やっぱり泣けた。
本気で向かい合うたびに増える体の傷は、真矢の心の傷のように思えた。

相手が真剣な事は、小学生にだってわかる。
気づいた時、いつのまにか他の先生じゃ物足りなくなっている。

あの後、真矢はどこに勤務していたのか。
「1年間小学校勤務、2年間再教育センター」を、くり返すのだろうか。

しおりが黒服を着て、真矢のマネをし始めたのには笑えた。

あの歌はもう歌わないのですか?

淡々とした旋律に、身がひきしまるような詩は、
歌っても聴いても =卒業 という条件反射で悲しくなってしまう。
ドラマを見終わった後で、口ずさんで泣いてしまった。

「我が師の恩」を押しつけるべきではないと言い出した人は、
本当は歌わせる自信がないだけじゃないのか?

よくできたドラマだった

心情がそのまま流れ出したようなサントラや、光と影の演出。
なつかしい習慣を随所に入れ、昔の卒業生まで教室に引き込んだ。
皆、生徒のように意見したのは「女王の教室」で多くの人が目覚めたからではないだろうか。

真矢の教育は、相手をよく理解しているからこそ成り立つ。
ありえない行動でも、そこにはたくさんの真実があった。
大人は、社会に出て征く子供達に
「自分で考える力」を装備させてやる事しかできないのだ。

もう十分大人だけれど、辛くなったら真矢の言葉を思い出そう。

「女王の教室」で学べて幸せでした。
アロハ、真矢。


「女王の教室」について、素晴らしい文章を書かれている方を紹介。

『新・徒然なるままに……』より 9月18日の記事「女王の教室……最終回」


蓮音、「子育て」ってどんなもんだろう。

コメント (5)
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チョコレート工場の皮肉

2005-09-21 12:25:59 | 映画


ウィリー・ウォンカのボブヘアーは、バブル期の山咲千里を思わせる。
チョコレートの生産過程は楽しく、それを配送するトラックの列も可愛い。

チャーリーの母親が、失業した夫をはげます。
「明日から、スープをもっと薄くするわ。」
その貧乏ぶりが他人事に思えず、何度も泣きそうになった。

チャーリーにゴールドチケットが当たるまでは、
ほのぼのとしたファンタジーのように思えた。

主演はティム・バートン

でも、いったん工場の中へ入ったら、ティム・バートンの色濃い、毒のあるロックな映画だ。
原作がそうなのか? 今度読んでみよう。

色彩が派手で、キャラがみな濃いので、ウォンカがおとなしく見えるくらいだ。
どこもかしこも、ウンパルンパだらけ。
しかも彼らが歌う内容は、かなり辛らつ。

リスが従業員だと聞いていたので、さぞかし可愛いだろうと思っていたら、
みつめられるとけっこう恐い。

嫌いなタイプには合わせないウォンカは、
生意気な子供には、いちいち 「うるさいよ!」 と言い放つし、
もらったばかりの名刺は、後ろに投げ捨てる。

だんだんこっちまで、貼りつけたような笑顔になってきた。

これってホラーか?

クリストファー・リーは、歯科医なのに不気味。
やっぱりドラキュラのイメージ強いかも。
ぎこちなく抱き合う親子の手袋が、ギシギシ音をたてるのが妙だった。

工場から出て来た子供達の中には、恐い姿なのもいるし、
限りなくホラーに近い。

でも結局、ウォンカにも家族ができて、めでたし。
ファンタジーに戻った。

毒気にあてられる

工場見学の後は、むしょうにお土産が欲しくなる。
そのせいか、グッズの売れゆきは良く、パンフレットもすぐに品切れだ。

映画の中でなら、チョコ鳥がお気に入り。

帰りにチョコアイスを買い、家ではウォンカのテーマを、思わず口ずさんでしまった。
その日に衝動買いしたのは、スカルのピアス…。
すっかりブラックな気分にさせられた。

映像の美しさは言うまでもないが、決して可愛らしい映画ではない。

「彼に頼まれたら何でもやる。」とまで言わせ、
ジョニデを自由に泳がせる、ティム・バートン。

焼けた人形を修理させる優しさだけではなく、
彼の恐さ、強さを感じさせる作品だった。

蓮音、やっぱり怪しいものっていいね。
コメント (5)
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チョコレート会見の生ジョニデ

2005-09-21 11:35:00 | 映画


紫色のライトに照らされた巨大パネルを見上げ、
後1時間で、ジョニー・デップが目の前に現れるのを、まだ信じられずにいた。

数日前、家族の仕事の関係で舞い込んだ一枚のカード。
試写会? 違う。
それは、帝国ホテルで行われる「チャーリーとチョコレート工場」の記者会見の招待状だった。

でも、本当に代行で入れるのか?
大好きなジョニデに会えるかもしれないというのに、半信半疑で素直に喜べず。

ムービーかスチールか

会場ロビーには早めに着いた。
脚立を持ったカメラマンが、すでに列を作り始めていた。
場違いなワンピースにパンプスで来てしまい、いきなり気後れする。

どうしていいかわからず、主催スタッフに聞くと

「ムービーですか? スチールですか?」
「スチールって?」
「ムービーは動画で、スチールはカメラです。」
「カメラ…。」
「じゃあ、こっちの列です。」

この格好で脚立に上って、ムービーを操るとでも思うのだろうか。
そもそも取材に見えるか?(笑)

いざチョコレート会見

最後尾にいた女性ライターにいろいろ教えてもらい、整理券をもらって受付けた。
その瞬間、代行の招待券は、チョコレート工場へのゴールドチケットに変わった。

座席をはさんで後方がムービー、前方がスチール。
中央からやや左、ひな壇から5mくらいに場所を取った。
怪しげなサントラが流れる中、両手を広げたウィリー・ウォンカのまなざしに引き込まれそうになる。

「あまり時間ないし、よく見えなかったら、いい写真は撮れないから。」と言われていたが、
使わないつもりで持ってきていた、画素の粗いデジカメをかまえる。

ジョニデ登場

一斉にフラッシュがたかれた。
えっ、こんなに撮れたの?
マーブルはさっきの彼女より、いいカメラを持ってたよ!

どこに?

家に…。(泣)

ああ、EOS10! こんな日の為に買ったんじゃないか! (5月12日のブログ参照)
決められていた5分は、思っていたよりも長かった。ショック。

入場前のうしろめたさは吹っ飛んで、欲と使命感でいっぱいになった。
でも、こんなデジカメでは、何をどう撮ろうと同じに思えた。

まずは観察

ボーターシャツと色の合わないチェックのシャツを腰に巻き、
いつもの帽子にバックスキンの茶のジャケットは、グラビアそのもの。
まるでフィルターがかかったようにぼんやり見えて、実感が湧かない。
ヒゲとメガネが表情を隠してしまう。

いばりもせず、媚びもせず、アウトサイダーのお兄さんは中央にゆるりと座った。
正直、ジョニデはちょっと恐い。

ティム・バートン監督は、アーチストのオーラが出ていておしゃれ。
ジョニデより背が高く、5才しか違わないのに保護者のように落ち着いていた。
ジョニデが信頼するのもうなずける。
二人は芸術家の感性で結ばれているのだろう。

プロデューサーのザナック氏は、髪も顔も真っ白で動かず。
ろう人形のようで恐かった。(笑)

テンション低い記者会見

集まって来た大半は、仕事としてでしか彼らを見ていない。
人数の割に質疑応答の挙手は少ないし、たいした質問も出ない。
手をあげてみたが、司会のクロにさされなかった。(笑)

「ポルノ映画に出演するという話があるようですが…。」
「ウソじゃないです。条件もいいし…。」

戸田さんはそのまま訳した後「冗談ですよ。」とフォローしていた。

映画と関係ない事は、無理に否定せず流す。
ガセネタにさらされても、のりこんで来なきゃならないのは、辛いものがあるかも。

ジョニデは時々、指先で小刻みに脚をたたいていた。
じれったくて飽きたのだろうか。

それでも映画に関してなら、決していいかげんな答え方はしない。
静かにしゃべってあまり笑わないが、戸田さんの通訳は熱かった。

でも、どんなにこだわって説明しても
「変な役が大好きなジョニー・デップ」としか書かれなかったりする。(笑)

英語がわかる人は、直接ドッとウケていた。いいなぁ。

ジョニデはやっぱり面白い

演じるキャラにいつも引き込まれ、知った気になっていたけれど、
実は何もわかっていなかった。

普段は淡々として「I'm Johnny Depp.」と、知らない者同士から始める人なのだ。

自分に何も足さず、何も引かず、ありのままで目の前に現れたジョニデ。
腰に巻いたシャツをヒラヒラさせて、去って行くワイルドな後ろ姿は
「とにかく映画を観てくれよ!」と言っているようだった。

蓮音、入れたよ。でもEOS10の他にも、テンション下がる事あったんだ。
コメント (2)
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