乙女のカリスマ
この方が、映画「下妻物語」の原作者だったとは知りませんでした。
野ばらさん、ロリータファッションが好きだったんですね。
「鱗姫」が出た時、雑誌の書評で興味を持ったのですが、
エキセントリックで読みづらいかと思っていたのです。
でも、図書館で「ロリヰタ。」を手にしてから、ハマってしまいました。
ゴスロリ少女でいっぱいだった、乱歩好きでデカダンな大槻ケンヂのライブや、
椎名林檎の詩にも、共通するものを感じます。
竹宮恵子の「風と木の詩」を愛読し、アンティークで、デコラティブなコロロ調を愛する私が、
野ばらさんに行きついても、不思議はありません。
あぁ、私も乙女だったのかしらん
野ばらさんの文章は、おすましながらも、時に笑わしてくれます。
例えば「カフェー小品集」より 光 ― モンチッチの誇り など。
相手の心を試す為とはいえ、あんなムチャな変貌をとげる人がいるでしょうか。(笑)
カフェーと言えば…。
野ばら的 ステキなお話
ある人の話を、思い出しました。
10代の頃、その人は喫茶店で初めて会って話した少女に、もう1度会いたいと思い、
同じ曜日、同じ時間に、又そこへ行ったのだそうです。
そうしたら、彼女も同じ事を考えていて、おつきあいが始まったとか。
乙女とは ほど遠い思い出
銀座にあった名曲喫茶、ツタのからまる「らんぶる」。
若かった私と友人は、店内で目をつぶってクラッシックを聴き入るおじさんや、
ターバンに白い服のインド人が、オーダーを取りに来ただけで、おかしくなり、
会計では、そのインド人が手を合わせるので、外へ出てから大笑いしたものです。
野ばらさんの気持ち
野ばらさんの全てが表れている気がしたのは、
「僕は幻想の君にしか興味がなく、君が必要以上に現実になり始めると逃げ出してしまう。」
(「それいぬ―正しい乙女になるために」より)
まったく同感なのは、
「この世で最も大切なものは品性であると僕は思うのです。(マナーという意味ではなく)
…品性とは、その人の魂の性質から生まれ出るものなのだと思います。」
(「カフェー小品集」より)
そんな野ばらさんの1行に鼓動を感じている乙女をリンク
『プチ時文』より 12月31日のエントリー